手打ちうどん講習会のフォロー2ですが
事情があってどこで行なったのかは書けません。
ですから事前の告知も出来ませんでした。

「求めれば得られる」
とだけ記しておきましょう。
悪しからずご了承ください。

前回はザルうどんの薬味を取り上げましたが
今回は温かいうどんのことを書いてみます。
例によって
参加していない方々にも得るところがあるであろう
内容にまとめていければ幸いです。


いわゆる種(たね)ものと呼ばれるジャンルには
数え切れないほど多種多用なカタチがありますが、
それらをいくつかの系統に分類することができます。

具をただ乗せるだけ
ダシで煮る(ダシに手間をかける)
うどんごと煮込む        

こんな所でしょうか。

お馴染みでしょうが
ざっと挙げてみましょう。
月見、きつね、天ぷら、わかめ、山菜、にしん、やまかけetc..


月見はただ生卵を落しただけじゃ面白くありませんので
自己記事にリンクを張っておきました。
興味のある方はご覧ください。

実はこういう多彩なメニューはうどん屋さんには
普通、あまりありません。
「え?」
とお思いでしょうか?

大都会ならいざしらずよほどうどんが盛んな所以外では
うどん屋さんというのは少ないのが現状です。
そしてうどん屋さんは茹でる事に手がかかるため
存外メニューが多彩ではありません。

せいぜい天ぷら、ワカメ、ザル、それにその地の郷土食の
うどんメニューでしょうか。

豊富なメニューを誇るのは昭和の前半から大流行した
「食堂系そば屋」さんです。
茹で置きの”白玉うどん”で素早く出せるから多彩な
メニューをこなせたのです。

この形態のお店があまりに馴染みがありすぎたせいで
私たちが本物のうどんに巡り合わずに長らく
過ごして来てしまったとも言えます。

同じようなメニューでも家で打ったうどんで作ると
驚くほど美味しいものになります。

次はダシで煮る、ダシにひと手間をかける系統です。
これは際限がありません。

最初に言っておきます。
これこそが家庭料理で出来る真の”美味しい”を具現化
できるジャンルです   と。
その美味しい可能性は無限で深化も可能です。

お店ではどうしても原価と売価を考慮した製品にならざるを
えないのですが、家庭ではぐっと豪華にもできます。

その第一弾に「肉うどん」をご紹介します。
基本のレシピ
だし  約350~400cc
塩小さじ   1/2~1
醤油小さじ     1
みりん小さじ    1

を沸かします。
沸いたところでタマネギ、豚バラスライスを投入。
火が通ったら茹で上げたうどんに掛けて完成。

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ね?簡単でしょ?
そして簡単な割にはとても美味しく仕上がって
くれるんです。


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同様にして、牛肉でもできます。





鶏肉でも出来ますが、
鶏肉の場合はもうひと手間を掛ける方法
をオススメしておきましょう。

一口大にカットしたらみりんと醤油を小量ずつまぶしておき
ダシを沸かす間に片栗粉を少々つけます。
沸いたダシにそれを投入する加賀料理の”治部煮”
のテクニックを拝借するのです。

こうすることで旨味を閉じ込め、肉の表面はつるりとし、
ダシと鶏の旨味が混ざり合った素晴らしいうどんになります。

次に「もずくうどん」です。

あ 余談ですが、藻に付く海藻だから”もづく”が正しい
表記なんだそうですね。  (ZUではなくDU)

これも簡単で美味しくなります。
ただし、もづくの塩分を考慮して塩分は控えめにしましょう。
ダシを沸かして適当にカットしたもづくを入れ
塩、みりん、醤油で薄めに味を整えて完成。

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これを茹で上げたうどんの入っている丼に掛けるだけ。

吸い口にミツバでもぱらりと加えれば最高です。
これには細めのうどんが合います。


ひと口毎にもづくが麺に絡みつきその風味に魅了されます。
困ることと言えばあまりに美味しいので汁をつい飲みすぎる
事でしょうか。
くれぐれも味つけは薄めにどうぞ。

そうそう、
もづくと言えば沖縄もづくは太くて歯応えも良いのですが、
風味に乏しくこれには不向きです。
養殖だからでしょうか?
やはり能登から氷見、滑川の富山湾の天然ものが最適です。

氷見の「ナガラモ」などもとても美味しくなってくれます。
これから色々と工夫しがいのある地物食材だと
ひそかに注目、研究しています。
皆様もどうか”普通以上”の発見をお探しください。

そうして新幹線時代に貢献しましょう。
私にもそっと教えてくださいね。


次に「とじ」をご紹介します。

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過去記事はソバですが要領はまったく同じです。
この柔らかな半熟卵とほどけた海苔が麺に絡み、まといつく
美味しさを知ると普通のお店ではもう満足ができません。

硬くなってしまった溶き卵では全く意味を見出せないのです。

蕎麦専門店では”とじ蕎麦”の出来が職人の技量を量る
目安になるといわれますが納得の奥深さがあります。

ちなみに、
この台となる海苔(座布団と呼んでも良いのですが)は
溶けるタイプのものが断然美味しくなります。
詳しくは海苔の話を参考にしてください。

ちなみに、座布団を敷かないで卵とじのダシを
ザンブと丼に流し込むと麺の間を潜り抜けてしまい
見た目はまるでかけうどんのようになりますし、
なんと言ったって海苔の風味が無ければ退屈な味にしか
なりません。

これは海苔が必須です。

講習会ではカレーうどんを敢えて半煮込みタイプで作って
みましたが、煮込むという行為には麺とダシとを一体化
させるという重要な意味があります。

これは、全ての麺料理に共通します。

次にご紹介する「耳うどん」がその最適な例です。
栃木県の郷土料理です。
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作り方は簡単です。
このようにマッチ箱よりひとまわり細長くカットして
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両親指でくぼみを作って持ち
向こう側に曲げて重ね、重なった所をしっかりとくっつける

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茹でて、水洗い、
具沢山のダシで煮込む。

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さて、どこかで見たような気がしませんか?
そう、これは「すいとん」
同じなんですね。
でも自己記事にあるように元ネタは中国料理のマオアールや
イタリアンのオレキエッティでもあります。

不思議な事にこの三者に共通するワードが”耳”なのです。
ゴッドファーザー3でアルパチーノ演ずるドンの娘とキッチン
でじゃれあいながら甥が彼女の耳に囁きながら作るのは
イタリア語でいう”小さな耳たぶ”のオレキエッティ。

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小麦粉はなぜこんなにも耳が好きなんでしょうか?
その答えが一晩寝かした麺体のやわらかさです。
耳たぶの柔らかさがベストだったんですね。



麺が太くても、細くても、美味しい手打ちうどん
手打ちならではのコシも伊勢うどんでは全く無いほど
柔らかいものです。

では硬いのがダメかというと名古屋の味噌煮込みうどんは
生煮えかと思うほど硬いといい
山梨の吉田うどんでは「日本一の硬いうどん」とその硬さを
誇ります。

なるほどやはりうどんは混沌。
探れば探るほど正体がつかめなくなりますね。

長くなりましたが最後に「鴨」をご紹介して終りましょう。
元ネタは蕎麦の種物です。

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業務用スーパー(富山市ではマルシン)にある鴨ロース
一本600円前後を買ってくると4~5人前楽しめます。
解凍したら皮目だけを軽く焼きます。

この時に出た脂は貴重なのでよけて置きます。
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肉を3ミリほどにスライスして置きます。
フライパンでネギを焼き、肉をのせてさっと温めたら
薄目のツユを入れて温めたら完成。
先ほどの脂を小量垂らすとさらに濃厚な味わい。

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「鴨せいろうどん」の出来上がり。
(ですから画像は蕎麦ですってば)


スライスした肉をみりん、醤油に漬けておきます。
粘りの強い自然薯または大和芋をすって
うどんのダシを沸かしてネギをさっと煮ます。
肉を取り出して片栗粉をまぶしてダシに投入。
トロロ芋を落とし込みます。
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それをうどんにかけて完成。
お好みで先ほどの脂を小量垂らします。

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鴨芋うどんの出来上がりです。

ただし、鴨肉は火を通し過ぎると硬くなってしまいます。
ご注意を。

うどんのフォローは二話の予定でしたが
あと一回、唐辛子の話を次回おまけで書きましょう。

ご質問はコメント欄にて承ります。
どうぞ実践を繰り返してください。
長くなりましたが最後までお読み頂き感謝申し上げます。













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