昔に読んだ食のエッセイの話です。

高級ホテルで伊勢海老のスパゲティを注文したところ
なんの変哲も無いスパの上に伊勢海老がドーンと鎮座
したものが出てきたというのです。

これを見た著者は調理人の腕を疑ったそうです。
曰く
「イタリア人ならこれを見て怒り出すにちがいない」

なぜなら

パスタは麺と具材、ソースが一体でなければならない
少なくともそう図られる必要があり、
こんな別々の”盛り込み”状態など
あってはならない調理法だと言うのです。

「どうせならエビのソースで絡めて食わせろ」
と叫ぶだろう と結んでありました。

パスタのなんたるものかをかなり的確に表していますね。

どうしても日本人とイタリア人は美味のポイントの
捕らえ方が異なり、
そういう事もありがちだなと思ったものです。

というわけで

では今が旬のホタルイカでそれをやるにはどうするか?

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(先日ご紹介したK-3さんで買ってきました)

解はいろいろあります。
そのひとつを試してみました。
茹でたホタルイカの目玉を取ります。

このゆで方にもテクがあるのですが、
ま、それはまたの機会に。

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それをフードプロセッサにかけます。
無い場合は微塵切りにするか、すり鉢で摺ってください。

ホタルイカといえばワケギ葱かアサツキ
今回はワケギ葱を用意しました。

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ニンニクスライスをオリーブ油でじっくり熱して香りを出し
ワケギを炒め粉砕したホタルイカを加えます。

おろし生姜、トマトソース、味噌少々
塩コショウで味を整えいったん火を落して他の用意を・・。

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今が真っ盛りの伸びたフキノトウ。
この茎も美味しいのですが今回はこの小さな葉。
これをタグを引っ張るようにして取り、洗って置きます。

卵白を泡立てて小麦粉を加えフリッターの衣を作ります。
中国料理で言えば鳳尾というやつです。

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揚げます。
撮影していたら焦げてしまいました。
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つまりその位のやや高めの温度でカラリと揚げます。

茹であがったスパをソースに絡めて仕上るのですが、

なぜアルデンテに茹で上げるのか?  という点から
この仕上げ作業についてご説明しましょう。

茹でている最中で少しつまみ食いをしてみてください。
芯が残った状態がアルデンテです。
このまま食べろ  と言われたらイヤだなという硬さです。

この状態でソースやスープの中に投入して過熱しつつ(加圧)
味を染込ませるのです。
先ほどの芯が残った状態で混ぜ込み、芯の無くなる
食べやすい硬さになるまで加熱する=その分味が浸透する

というわけです。

ではそのまま食べれるほどの柔らかい状態まで
茹でてしまったらどうなるのか?
上記の煮含めるようなスタイルでは味は乗りません。

粘りのあるソースを絡める=くっつける
という方法になります。

これはタンメンとチャンポンメン
かけうどんと煮込みうどんの相違点

そしてヤキソバなどと通じるものです。
麺=パスタ
方法論は共通です。

しかし、
パスタにはこの時もうひとつ重要な作業があります。
乳化です。

オリーブ油と水分を馴染ませる作業です。
手早くフライパンを動かし、麺を混ぜ込み
ちょうどドレッシングを合わせるように乳化を行ないます。

水分が足らないようでしたらスパを茹でた湯を加えます。

出来ました。

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上からフキノトウをたっぷり乗せましょう。
完成です。

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これは想像以上に旨いです!
全くしつこくありません。

イカの旨味が適度に全体に分散してくれてもっと濃くても
いいかと思いました。

ただし、ワケギが不要です。
これが失敗。

フキノトウもとても美味しいのですが、これなら生のまま
加えたほうが良かったかも知れません。

いくつか残念な点もありますが食後感としては
かなり美味しいといえます。

応用も沢山出来そうで次回のトライが楽しみ。



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