先日うどん打ちの講習会を行ないました。
もろもろの制約や短時間のため思うところが充分伝えられず
心残りな部分があるのでこちらでフォロー記事を書くことと
いたします。

もちろん参加されなかった方もお読み頂けるような内容に
まとめてまいりましょう。

まず
私はこだわらない蕎麦、うどん打ちという事を常々提唱して
います。
お父さん方が趣味で手打ちを始めるとやたら高価な道具を
揃える所からやりたがる事の対極です。

あるときホームセンターで蕎麦切り包丁2万円というのを
手に取り『こんな高価なものを誰が買うんだろうか?』と
眺めていると後ろから二人連れのおじさんがひょいと
のぞきこんで
「オレの持っている蕎麦切り包丁は20万円するんだ」と
聞こえよがしに言うのです。 (大笑)

確かに高価な道具を揃えるのは楽しい趣味でしょうが
食べる為に作るという大前提を忘れないでいたいものですね。

趣味が嵩じて
粉にこだわり、打ち方、ゆで方に全精力につぎ込み
しまいには疲れ果てて市販のツユで済ましてしまう
というのは
どうにも本末転倒のような気さえします。

普通に食べる人にとっては
打ち方や切り方などより
食べて普通に美味しければそれでよろしいのであって
むしろ、ツユやダシ、もしくは具や薬味のほうが
影響力、訴求力を持つとさえ言えるのです。


というわけで
私の場合は道具にはいっさいこだわりません。
台所にあるボウル、菜箸、まな板、包丁
それらで9割方間に合います。

あと足らないものはのし板と麺棒ですが、
これはホームセンターで売っている薄い化粧合板と
丸い棒で簡単にまにあいます。

麺棒として求めると急に高価になり、太さや長さが
思い通りにならなくなります。
材木売り場にある丸棒をお好みでご用達ください。
驚くほど安価です。

これで9割9分
最後に不可欠なのがデジタル計量器。
慣れてくれば不要になりますが、最初はとても重宝です。

これで準備は万端。

とりあえず今回は言葉足らずで終ってしまった感の
「薬味」のお話から始めましょう。

薬味は美味しく食べる時に非常に重要な位置を占めます。
あなどってはなりません。

ワサビの無いお刺身。
ネギの無いラーメン。
マスタードのないホットドッグ。
大根の乗ってないおろしそば。

ありえない話ですよね? 
まさしく隠れた主役が薬味なのです。
これは日本人が長い間培ってきた和食文化と密接な関係が
あります。

和食のお吸い物は四つの要素で成り立っていて

一番ダシに味つけをした ”吸い地”
主役の具        ”椀種”  魚など
脇役の         ”つま”  ワカメやキノコなど
香りで引き立たせる   ”吸い口” ゆず、生姜、木の芽など

この吸い口の食文化が麺類をはじめとする薬味に大いに
活かされていると感じるのです。

ですから一般に晒しネギやおろし生姜などが付いてきた場合
いっぺんにドサドサと漬け汁に放り込まないで
薬味の効果、味の変化を楽しんでいただきたいのです。

先のうどん講習会では
晒しネギ、おろし生姜、大葉、擂りゴマ、みょうが、辛味大根
をご用意しました。

それを小さなツユ容器に全部放り込んでしまっては
味は一種類しか味わえません。

薬味を多種用意すると言う事は
ある意味贅沢な遊びなのですから
それを一種類ずつ入れてはうどんをひとすすり
そして次の薬味の味を重ねていくという楽しみを味わうと
いうことなのです。

これはうどんというものが味の淡白な、あるいは
ややもすると単調になりがちな食べ物であるがゆえに
より進化したとも言えますね。

でも話は厄介になりますが、
付け汁に入れない方が良い薬味もあります。
先ほどの薬味の中では「辛味大根」がそれにあたります。

ソバでいうならワサビに相当するこれはとても辛く
これをツユに入れてしまうと一色に染まってしまいます。
そこでこういう刺激の強い薬味はこうして麺の上に乗せて
一緒に持ち上げ、薬味を直接ツユには付けないように

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             ×

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麺にだけツユをつけて食べるのが美味しい方法なのです。
そうするとツユは辛味に染まりません。
(正しい食べ方だなどとは申しません)

次の一口はまた違った新しい風味で美味しく食べることが
できると言う訳です。

次に
これは薬味ではありませんが東京は小平地区に伝わる
「糧うどん」(かてうどん)をご紹介しましょう。

これは炊き込みご飯に対する糧飯(かてめし)と同様です。

肉やキノコや魚などのご馳走で炊くのが炊き込みご飯
なのに対し、普通のおかず的な野菜を混ぜて炊いたのが
糧飯と呼ばれるいささか地味ではありますが素朴な料理です。

その名の通り糧うどんとは豪華な揚げ物などではなく
普通に摂れる野菜を添えたものです。
海老天などを添えた天ザルうどんなどに対して

ほうれん草の茹でた物や大根、人参、夏には絹さやなどを
ツユに付けて食べるものです。

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そこで提案です。
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今真っ盛りの山菜をこのように揚げて食べるのももちろん
美味しいのですが、あえて
茹でた山菜をこの糧うどんのようにして食べるのも
またさっぱりと美味しいのです。

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画像は
ノビル、セリ、アサツキです。
どうかお試しください。

またこの日は参加者の中に香川県出身の方がおられました。
お土産に実家から送られて来たという無農薬のレモンを
いただきました。

そこで翌日ひもかわうどんのツユにスライスを投入して
試しました。
輸入レモンじゃ防腐剤が怖くて出来ませんが国産ならではの
トライです。

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風味と酸味でさわやかに食べることができました。
これは夏向きの味わいですね。

蕎麦でもスダチ蕎麦というものがあるくらいです。


語れば語るほどに、うどんネタは尽きることがありません。
今回はザルうどん系を素にして薬味の事を重点的にまとめてみました。
次回は
温かい汁、つまり種物と呼ばれるものなどをまとめてみましょう。

でもうどんの語源は混沌だそうです。
混沌→饂飩→混沌→
探れば探るほど得たいがしれずそのカタチさえとらえどころが無くなります。

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よもぎうどん    フキノトウうどん   地粉うどん





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