ラーメンの試作に限らずあらゆる食材を日常的に使っていると
様々な共通事項が見出されて面白いものです。

判りやすいのがパスタ
パスタはその切り出しなり、抽出法なりで各メーカーで
表面の表情が異なります。

A社ではローラーで伸ばしたような滑らかな生地の表面
B社のは圧をかけて押し出したような幾分ザラッとした表面
両者には仕上げ方に違うアプローチが求められます。

とろりとしたソースを絡めるか
さらりとしたソースを染み込ませるか

簡単に言うとそのくらいの適不適が最初から存在しているのです。

これはラーメンにも言える事で
低加水仕上げの麺はローラーで圧着して伸ばし
切刃でカットすることが多くその分ザラリとした面が出来
また水分の少ない分スープの染み込みが良い分
スープの馴染みが早いのです。

それに比べると
多加水で包丁切りの麺というのは四面全てがツルリとして
口当たりがよい代わりにスープの馴染みがスムーズではない
という点があります。

パスタと同じです。

ですから当店では幾つかの期間限定麺で
具材を先にスープに溶かし込み染み込みを出来るだけ
早く促すという手法を採ります。

出番がいつになるのかは不明ですが
脂肪分の少なめのひき肉で団子を作り網脂で包み焼きし、
フェットチーネと軽く煮込んで仕上げてみました。
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自分がそれ程辛い物が得意ではないという事が
判ってきましたので唐辛子を避けて獅子唐辛子で
作ります。

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香草類をふんだんに使い無理矢理イタリアンに
仕上げますが、なに中国料理だって和食だって
多国籍料理だってラーメンだって

あえて言いましょう
みんな同じなんです。

このパターンでも薬味や香草を変えてメインを
ビーフンにしたりそうめんや蕎麦にしたり
クスクスに、また潰したジャガイモにしたり
あとスパイスをそれに合わせれば皆同じです。

簡単に和食にもヨーロッパや南米料理にもなります。
でもね
それらのお国は違えど絶対的な共通項がある事に
お気づきでしょうか?

そこに大量の化学調味料を加える所なんか
どこにもないってことを。
だから大量のコショーを掛けて食べる人もほとんど
いないってことを。

普通に美味しい食材を
普通に手間暇かけて作ればそんなものを加える必要なんか

無い

そうでしょう?
ウソだと思ったらイタリア輸入のパスタソースの裏書きを
見てみてください。

その次に国産のパスタソースの裏書きとを見比べてみてください。
このあからさまな違いは原料のトマトの違い
という事もあるのでしょうが
原価を安く上げるためとしか思えません。

しかし不思議な事に (
販売価格にはさほどの違いは無いはずです。
でもきっと日本のメーカーさんはこう言うはずです。

「日本人向けの旨みの強い味にしてあります」と
私には中身に比してよほど法外な値付けに見えます。

小麦粉を水で練るとそれは全て麺となります
イタリアではパスタ
パスタを作るとラーメンが見えてきます。





c




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2016.07.24 魯山人の言葉
食聖とまで称えられる魯山人氏は数々の名言を残しておられます。

そのひとつを挙げましょう。

およそ全ての感覚というのは無論万人同じではない
美術品を解らないと言う人も
音楽を解らないと言う人もいるように
美味しいものを食べても解らないと言う人もいる。
しかし、それは決して恥などと云うものではない。

その人それぞれなのだから

というものです。
流石に達観した人しか言えない言葉ですね。


その逆バージョンで感服したことがあります。
先に塩ラーメンをお出しした時の事です。

味の素や砂糖を加えずに塩ラーメンを作ると
どうしても塩の当たりが強く出ます。
そこでほんの少し、米粒程の香味油を入れて
作りました。

それを指摘していた方がいたのです。

これには驚きました。
普通は判らないはずなんです。


本当に人それぞれとはいえ
味覚の鋭い人もいるものです。

すっかり肝を冷やして魯山人氏の言葉を改めてかみしめ
己の凡才を深く反省し
かつ精進し、水を探し求めてようやく
節系用の水を探し当てる事ができました。
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水を得る事で小手先の細工は不要となり
来月には旨みのある塩のとんがっていない
塩ラーメンを出せそうです。

ただいま準備中。






北陸にチェーン展開する寿司店グループが
安価なラーメンを発売開始した時のこと。
その製造過程を見た人が驚き、ネットで投稿をしました。
以下要約しますと概ねこういう内容です。

「丼にうどん用のダシの素とラード、味の素」
「そこにお湯を注いだだけのスープ!?に麺と具」
(驚嘆)
「だけどそれが意外にいけるんですよ!?」
「こんなシンプルなラーメンもアリかなと思った」

と、

これと同じではないでしょうが、
似たようなご経験をされる方は多いはずです。
超安値のラーメンを食べたら意外に美味しかった。
素人が作ったものを恐る恐る食べたら案外旨かった。

などなど

では、
何故そんな事が起こるんでしょうか?
何故安直にしか見えないラーメンが意外に美味しかったり
するんでしょうか?
それは本当の美味しさなのでしょうか?

答えは判り切っていますが、ここは誹謗中傷する事が目的
ではありませんから止めておきましょう。

一言
「逆です」
とだけ置いておきます。


さて、私が化学調味料を非難するのは毎度の事ですが
今回は少しだけ見方を変えてみましょう。

化学調味料は便利な魔法の粉ですが万能ではありません。

忙しくてダシを取れない時に「本だし」などは便利ですね。
あれは何も無い所に旨味を加える事をしてくれるわけです。

やや似たものに煮干し粉などがありますが
あれはダシの「素」ではありません。
混同しないでください。

さて、
この「何も無い所に」というところがキーワードです。
本だしで作った汁にはカツオの風味はあってもその液体の実態は
ただの水。
本だしの実態は体喜ぶ栄養を伴わない舌を騙すだけの薬品。
では
上等のカツオ節で最高のダシをとった所に「本だし」を
加えたらどうなるでしょうか?

さらに濃厚で美味しくなるでしょうか?
それとも過ぎたるはなんとかというような
あざとい味になるでしょうか?

答えは
濃厚ではあってもしつこくなる
です。

とてもじゃありませんが何度でも食べることは不可能です。
ですから、もしそんなモノを出すお店があったとすれば
長続きしないでしょうね。

では次に
海苔で例えてみましょう。
美味しい炊き立ての新米を用意します。
そこへコノワタやタラコを乗せて熱々を海苔でくるんで食べる。
これは最高に美味しい、贅沢な食べ方です。


その海苔は味付け海苔が旨いでしょうか?
それともただの焼き海苔が旨いでしょうか?


何を言いたいのかというと、
味の素というのは何も無いところでは簡単に底上げを
してくれる便利なものですが、
手間かけた仕事をしてある所に用いても味の増強には
役立たないということなのです。

味の素はいわば上げ底をしてくれるわけです。
便利なものかもしれませんが
よし、もう少し美味しくしてやろうと
何か味の出る食材や手間ヒマをかけても意外に
その効果が得られないということがあるのです。

旨味だけが突出した化学調味料はきちんとした
仕事をしようとすると一転して狙い通りの結果を出させない
という邪魔をするからです。

何も仕事をしていない時には便利だった即席性旨味が
正しいカツオダシや昆布の旨味と重なると
今度は足を引っ張るのです。
そうすると素直な旨味ではなくしつこい味になります。

まさしく上げ底の上に建てた建物のように
土台のゆがんだ構築物となってしまうのです。

カツオダシを取って味見をするとよく判りますが、
薄いダシであっても決して不味いものではありません。
薄くても濃くてもそれぞれに美味しいのです。

ところがそれに化学調味料を加えた途端
不味濃い、すっきりとしない濁った旨味になります。
これをあざとい味と表現しています。

私が無添加に変更したのは中国料理店の途中からでした。
そこに限界を痛感し、ラーメン専門店に転向したとき
化学調味料不使用を大書しました。

するとNSという食品メーカーの営業マンがやってきて
小袋を出して自信満々で言うのです。
「これを使えば簡単に無添加を謳えますよ」と

それは醗酵調味料でした。

ダメなのは判ってはいましたが
一応それをほんの小量入れてスープの味見をしたところ
案の定ひどいものでした。
胸が悪くなり早々にお引取りを願ったのです。

このNSという会社は食品加工会社にとっては
救いの神のような存在なのだと聞いたのはそれから
ずいぶん後の話です。

例えば弁当製造会社がそこへ弁当を持ち込み
数日間腐らないものにするにはどうしたらいいのか?

とか
また、ある食材を持ち込みこれをこういう路線で製造販売
するにはどういう製品化が可能か?

と相談するとたちまち自社製品を組み込んだ様々なプランを
組み立ててくれるそうです。


ところで
味の素にはマスキング効果というものがあり
これが塩加減の微妙さをカバーしてくれて
薄味好みの人も濃い味好みの人もOKな味付けと
錯覚させてくれます。

まさに料理人にとっては喜ばしい事です
でも
それを食べるお客様はどうでしょうか?
喜んでいる場合でしょうか?
これは本当に便利なのでしょうか?
腕に覚えのない料理人のための偽薬のような気がしませんか?

美味しければなんでもいいや
と言ってる場合じゃないとお判りになっているでしょうか?

味の素が入った物を食べると舌がしびれる
などという人のことを
「異常だ!」と非難を浴びせる人がいますが
それは全くの誤解です。

舌を微妙にしびれさせてマスクをかぶせたようにして
本物の味を判らせず、不出来な味でも美味しく感じさせてしまう
マスキングこそがまず第一の問題なのです。

つまり錯覚効果なのです。

花粉の季節では巷にマスクをした人が多いですが
マスクをしたまま小声で喋ると聞きにくいですよね?
誰でも判ります。

それと同じなんです。

それを聞きにくくなると言ったら
「それは耳が悪いんだ!」と言うでしょうか?

舌に薄膜をかぶせて微妙な味の違いを判らなくさせるのを
不快に感じる人がいる
というそれだけの簡単な事実なんです。

自分には判らないことを指摘する人がいたら
異常者呼ばわりしたがる人が多いのです。

でも世の中にはそんな
化学調味料や「ほんだし」のような核酸系化学調味料
複合系では「ハイミー」「いの一番」「フレーブ」
そして醗酵調味料の「味の母」や「塩みりん」などで
調味したものがあふれています。

毎日そんなものを作ったり食べたりしていると
”味覚にマスク”が常態化しているのです。

そんな中でもっと濃い味、もっと美味しい味をと
安易に求めると
味の素とほんだしの両方をたっぷりと入れた商品と
なります。

まだまだ実際に商品名を挙げて語ることもできますが
このくらいでやめておきましょう。

確かにインパクトを産むでしょうが
そんなあざとい品はすぐに消えて無くなるから
そんな事をする必要もありません。

当店の「土佐丸」には
当初は想定もしていなかった味の素には出せない味を
作り上げるという効果がありました。

絶賛発売中の土佐丸は
実に単純な海苔とカツオ節だけの旨味でがらりと変化する
味わいをお楽しみいただけます。

これが味の素を使ったラーメンだと狙い通りの効果を生まないのです。
味の素の裏切りと言う奴です。

絵を描くときにはいきなり濃い絵の具では描かないそうです。
色々なアプローチはあるでしょうが、
絵の具は同じでも薄く塗り重ねる方が微妙な陰影を表現しやすいのだと言います。

その時のキャンバスは色のついたものがいいでしょうか?
それとも白いキャンバスがいいでしょうか?

「味」
誰もが幼い頃から食べ物を口にして
誰もが味わう味覚。
誰もが判っているはずの感覚にして
誰もが知っている”つもり”になっています。

でも本当はもっと繊細で玄妙で判っていないことのほうが
ずっと多い「味」の世界があるんです。
だからといって
「そんなに微妙な味なんて判らない」
からといって何も恥ずかしいこと
なんかじゃありません。
恥ずかしいのは味が判らないのに判る”フリ”をすることです。


何も無い所に便利な粉を用いるのは
忙しい家庭料理のなかでは仕方ない面もあります。

「ダシを取る所からなんてやってる時間は無い」

という声が聞こえてきそうですよね

でもいやしくもプロを自任する人
また、本職の作る料理だから本物だろうと期待して
来店する客から代価を頂く人が
「とてもそんな事からなんてやってられない」
とばかりにそんな事をやったらあんまりではないでしょうか?

いま
マスキングされてしまった味覚では感知不能な危険が押し迫っています。

輸入されている下水油
外国産の揚げ物
ミネラルがほとんど消出してしまった水煮野菜(しかも外国産)

それらを感知する最後の砦は己の味覚、舌なのです。
だれも守ってはくれません。

皆が食べているから安心だなんて
そんな危なっかしい事では自分を守れません。



a

b







2016.07.18 早月川
私達日本人は安全な飲み水というものに慣れきっていて
外国に行くと思わぬ失敗を犯すことがあります。

特にインドやアフリカでは必ず水で腹を壊すと言います。

ある人がアフリカで飲み水には十分注意していたそうですが、
ホテルのバーで酒を飲む機会がありウイスキーの水割りを
頼みました。

水はもちろんミネラルウオーターです。
安心して飲みました。

でもやはり腹を壊したのです。
何故だと思われますか?

原因は氷でした。

私も一度だけアフリカの地を踏んだことがありますが、
ビールしか飲まなかったおかげでそんな目には遭わずに済み
ましたが水割りを呑んでいたなら確実にやられていた事でしょう。


さて日本では安全で美味しい山水を集落の水源としている所は
沢山あります。

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ここ早月川の小さな集落でも同じです。
汲ませていただきました。

でも、良い水を得るのにはそれ相応の苦労があるのです。
パイプから出る水を1軒だけで使うのならまだしも
集落全体で使うとなると皆で水源地の保持管理、清掃
などの仕事が必要になります。

沢山住んでいた時なら何という事もなかった仕事が
ここでも御多分に漏れず
人口の減少と高齢化でそれすらままならなくなってきている
というのです。

ですから
いきずりに汲ませてもらうだけでも何だか申し訳ない
気持ちになります。

でも、まだ人が住めるだけここは幸せな場所とも言えます。
渓流釣りに連れてってもらったある集落では
もう人がほとんど住めなくなった所すらありました。

まだ家が散在してはいますが、町住みになった住人が
残っている畑で仕事をしに来るだけという状態になっているのです。
なぜ生活が出来ないかと言うと

かつてはそこには広い田があったというのです。
川から水を引き水田を潤し米を作って暮らしていたのです。

それが一軒ずつ離村していくと水田もまた一枚ずつ
耕作放棄となりしまいには僅かに残った人だけでは
用水の管理保持もままならなくなり、とうとう全ての水田が
打ち捨てられてしまったのです。

そのかつては美田だったところには今はコゴミゼンマイが
びっしりと生えています。

水田程大量の水を必要としない野菜だけが残った家の周囲に
栽培されていてようやくそこがまだ「活きている」証となっているのです。

そこを通過して奥山に入る度に物悲しくなりました。

でも
そこを流れる小川はずっと昔から今もそのまま流れ続けているのです。

人の営みの小ささにため息が出るほどですが
自然はそんな事にお構いなしにずっと変わらずに。

_____________________________

硬水、軟水合わせ音立てて海に流れ込む早月川にて、
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雨の後で珍しく濁りが入っています。
ここは岩だらけの河なので滅多に濁らないのです。
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普通、上流域ではこんな大きな石があっても下流域や
河口に来ると砂が多くなるものですが急流なせいか
河口までごろごろしています。

そのため荒れた時にはその石が波に持ちあげられて堤防に
ぶつかるものだからこんな有様になっているのです。
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ここはそんな激しいポイントです。
でも伏流水は海底でも湧水となって出るので
岩牡蠣をはじめとする豊かな海の幸を育ててくれる場所
でもあります。
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ルアーマンがひっきりなしに訪れます。













例えばこんな山があります。


ABC のそれぞれの地点で人が住んでいるとします。
山で暮らすのに何が一番重要かと言えばずばり「水」です。
水の無い所では暮らせないとは言いませんが
とても苦労します。

事実私の生家はA地点のようなところで水には大変な苦労をさせられました。

富山県では驚くような奥山にも人が住んでおられますが
最初は不思議な程でした。
でもその上にもっと高い山があるから水には不自由しないのだな
と納得した次第です。

A地点で水を得ようとすれば深い井戸を掘るしかありません。
でもB地点では上手くいけば横井戸で可能かもしれません。
C地点では勝手に流れ出ています。

地下水には様々な形態があり
河水が地下に浸透して低い所から湧き出す文字通りの
「湧水」
これは富山県の黒部の名水などが有名です。
伏流水と呼ばれます。

もうひとつの「湧水」は文字通りの湧き水
これは富士山のふもとの水などが有名です。

人間が穴を掘って得るのが井戸水。
縦穴式と横穴式がありますが、
最近ではボーリングで地下水脈までパイプを通して
直接くみ上げるパターンが多いようです。

鑿泉専門の会社ではどこで井戸を掘るのなら
そのあたりでは地下何十メートルに水脈があるかを
おおむね把握しているというから恐れ入ります。

いっぽう山のC地点あたりで暮らしている人たちは
古来、山から自然に流れ出てくる地下水を生活に
取り入れています。

それは決して川の水という事じゃありません。
川水というのは降雨によって汚濁が入るから毎日の利用に
耐えられないのです。

雨が地下に浸透して長い時間を掛けて濾過され
自然に染み出す水です。
山道を歩くと道端にパイプが突き出ていて
一年を通して流れ出る水

そんな物をご覧になった方もいるでしょう。
大抵そんな場所にはアルミカップだったり何がしかの
器が用意されているものです。

そして例外なくそんな水は旨いのです。

硬水というのは
地中のミネラル分を多く含む水のことです。
地形が緩やかで川や地下水がゆっくりと時間をかけて
流れる欧州に多いと言われます。

これに比べ
日本は急峻な地形が多く黒部川に代表されるが如く
まるで滝のように一気に下るためミネラル分の含有の少ない
軟水となり、日本の水の実に8割が軟水であると言われます。

でも先日ある山で水を汲んできて感じたことがあります。
ひとつの山でも汲む場所によっては硬軟両方在るのです。

地下水脈といっても一本ではないからその流れる場所の
地質、岩石の鉱物の組成に関わっているという事なのですね。

まさしく水は地上でも地下でも大地を削る刃
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と、なれば今は硬水であっても未来永劫硬水で
あり続けるとは言えない  と言う事です。

そんな山から染み出してくる水を山の人達は「山水」と呼びます。
だからと言って何度も繰り返しますが雨が滴り流れる水
などじゃありません。

れっきとした地下水です。
昔から受け継がれてきた山郷の生活用水なのです。

なんて幸せな環境でしょうか。
町に住む私たちの水道の水源などとは比べ物にならないほどの
清冽な水です。

ほとんどの場合蛇口などもついていず
流しっぱなしなのが信じられないほどです。
流れる水の何割かは常に地中に浸透します。

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こうして更に下の山々を下りそれぞれの山、いくつもの里を
潤し、水はその姿を現しては地下に潜り時として
形を変え下流域では大きな大河となって平野を肥します。
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そうして最後には海に注ぎそこでも豊饒の幸を育ててくれるのです。
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でも
忘れてはいけません。
最初の一滴は高い山に降る一粒の雨であり
ひとひらの雪なのです。
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ちなみに
人間の都合で河の流れを変える事はしばしばありますが、
その地下水脈まで変える事は出来ないそうで
本来流れていた川筋には今も地下水の河が流れ続けている
と言われます。

それは大きな目で見た地形的な必然なのでしょう。
人間のちっぽけなご都合など意に介さないという自然の
流れなのでしょうね。

しょせん人間の作る構築物などその程度と言ってしまえば
身も蓋もありませんが
いったん大雨や洪水、地震が起こるとそんな過去からの川筋に
建てられた一見すると平らな住宅地が侵水や液状化などで
思わぬ大被害を起こすこともあります。

ゆめゆめ
水=山の神を怒らせぬよう


静かに暮らしたいものです。

サムシンググレートとは言いますが人間なんてそんな
大きな存在の上にちょこんと乗っかっているだけなのかもしれません。

一般に昆布だしは軟水、カツオだしは硬水で
行うのがベターだと言われています。

どれほどその効果があるのか作ってみなければ判りません。


今までのダシと硬水で取っただしの両方を作ってみました。

なるほど確かに違います。
カツオの旨みが今までと出方が違いますね。

その違いは最初はよく判らないのです。
いえ、
両者が違うというのは判るんですがどこがどう違うのかが
解らないのです。

そんな場合には両方をどんどん食べ進むのが一番。
最後には美味しい方しか手に取らなくなります。
そしてどう旨いのかを探ります。

カツオの旨みが強く出た分だけ塩のとんがりが
押さえられその分舌触りがまろやかになって感じるんですね。

この手のテイスティングをするといつも思うのが
「だまし絵」について書いた宮部みゆきさん著の模倣犯の話

だまし絵は最初は何が隠されているのか見抜けません。
ところが解ってしまうとどうしてこんな簡単なものが
見えないのかと不思議なくらい   というものです。

水の力は不思議です。
解ってしまうと行きつくところは水の力。

そこで次の店休日に再び山に行き
現場でたっぷりの硬水を汲み、湯を沸かし蕎麦を茹で
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その水でジャブジャブ蕎麦を洗って
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そのまま現場で食べました。

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この日は蒸し暑く
湯を沸かしているだけで汗ばみます。

そこで度々冷たい湧水で顔を洗うとスーッと暑さが和らぐのです。

実食
美味しいですね

薬味代わりに横で咲いていたオオバギボウシの花を茹でて
つまみます。
ほろ苦さが蕎麦を引き立たせます。
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本当はもっと早起きして硬水で蕎麦打ちまでしたかったんですが
時間が足らず乾麺にしましたが
水とツユが美味しいので全く不満の無い味見となりました。

最後はそうめんのように水の中に蕎麦を入れて
すすりましたが五箇山の高千代さんで食べた蕎麦を
思い出してしまいました。

そう
あそこの水も汲みに行かねばなりません。






2016.07.06 湧水
硬水がスコッチの水割りに絶大な効果を発揮するのは
よく解りました。

では焼酎はどうなのか?
試しました。

う~ん
銘柄にもよるのでしょうが少なくとも鹿児島のイモ焼酎では
これといった差異は判りませんでした。

では次に
日本酒ではどうなんでしょうか?

その名前に唯一「日本」とつくとは誰かの名言です。
その名の通り日本全国に酒あり。
焼酎王国の鹿児島県にだって日本酒の蔵があります。

ですから
そこで使われる割水も様々な水が使われ
それぞれの個性となっているのでしょう。

北海道余市の水が「ニッカ」を育てたように。

日本酒でも同じように原酒を用意しました。
こちらは富山県は氷見のお酒です。
純米原酒  「曙」
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ここは蔵元杜氏が作るお酒で
若き杜氏さんはあの発酵学の権威「小泉教授」のゼミ生出身。

これに合わせるのが
硬水?
いやいや それじゃ何にもなりません。

汲んで来ました。
「城山の湧水」
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ここは超軟水として名高い名水で
いつもこのように沢山の人が汲みに訪れるスポットです。
いつのまにか向かいにお店までできていました。
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今度は家内とかき氷でも食べに来ましょう。
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ここへは新兵器持参でやってきました。
こちらです。
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早朝の酒飲みの舌は信用できませんから。


で、
早速汲んで一杯飲んでみました。

「おぉっ  すごい!」

”するり”と喉に入っていくじゃないですか!
これは朝の私でもすぐに判りました。

硬水ののど越しを表現するのにいろいろな人が
あらゆる言葉を連ねるのですがその中でも目立つのが
「喉に引っ掛かるような」  とか
「喉口にぶつかるような」  などという表現です。

これは全くその通りなのですが、
ここの湧水は全く抵抗がなく”するっ”と飲めてしまうんです。
現場で思わず声を上げてしまいました。

なるほどこれが超軟水ですか!

そこで秘密兵器登場。

これは水道水をニュートラルとして数値を測り
検査対象の水をそれより上か下かで硬水か軟水かを計測
できるというものです。
ところが数値は0,1ポイント程度の差でしかないとあります。
これは前回の硬水の時でも首をひねった点です。

どうも飲んだ印象ほどには数値的に差異が出ないのか
それともまだ機械を使いこなせていないのか
のどちらかなのですが

もっともそんなことはあまり重要な話でもありません。

問題は日本酒の原酒を軟水で割り水したら美味しいのか?
その一点のみ!!!
(だって酒飲みだから)
富山の名酒には富山の名水と言う訳です。

二つのグラスに同じくらい注ぎ、左に軟水を割り水しました。
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右、どっしりとした純米らしい力強い飲み口。
左、するっ と入ります。
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原酒はアルコール度数が高めなので口当たりがガツンときます。
それに比べると割水した方は普通の純米酒となるから
当然なのですが非常に飲みやすい

いえむしろ美味しくなっていると言えます。
間違いありません。

スコッチにしろ日本酒にしろ原酒の楽しみ方は人それぞれ
飲み方にも色々あるでしょうが割水の愉しみという事も
あるんですね。

ちなみに先のボウモアをこの軟水で割ってみました。
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やはり
美味しくありません。

この日汲んできた別の山水の硬水で割ると
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やはり
スモ―キーさが美味しさとなって化けてくれるのです。

水の事を世界中の人が何と呼び分けているのかは
私は知りません。
でも、少なくとも硬軟の文字をあてた人は天才的と言わざるを
得ません。

まさしくそれが事の本質を言い表しています。

さて、お次は何をしましょうか?
むふふと続きます。






普段目にするお酒というのはほとんどが割り水をしたものです。
それで水の良いところに名酒ありなどと言われています。

その意味が解らなかった頃には不思議でした。
私達が家で水割りをするときに加える水ならいざ知らず
どうして蔵が良水を?  と思ったものです。

例えば日本酒です。
能登杜氏と一緒に仕事をしている旧友のTAさんに聞くと
本醸造と純米酒はそれぞれ仕込み方も時期も全て
異なるそうですが

その後専門のブレンダ―が割り水をして度数を一定に
調製するのだそうです。

そうそうこの度数が常に同じということも長年の謎でした。

ただし、「原酒」として販売されているものは本当に絞ったままの酒だという事でした。

さて、焼酎やウイスキーも割り水をして一定度数に調整されて
いるとすればウイスキーの原酒というのは在るのか?
という私の疑問に答えてくれたのがバーテンダーのTSさん。
「在りますよ」と

カスクストレングスといって樽出し原酒と言う意味だそうです。
そこで早速近所の「やまや」さんで仕入れてきました。
ピーツビーストといいます。
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原酒はこれしかありませんでした。
度数は52度 さすがに高いですね。

本場スコットランドのシングルモルト
ラベルの左端がわざと焦げたようにしつらえてあるのが不気味。

しかしこれがなんとも飲みにくいお酒なのです。
たっぷりの水で割っても
スモ―キーさがハンパなくおまけに微かな酸味すらあり
まるで木酢液のような味わいなんです。

で、次の機会
TSさんの話では本場のスコッチの割水は硬水で
行っており北陸は軟水なので印象が異なるのじゃないか
お店によってはスコットランドの水を販売している所もあるから
試してみればいい

という素晴らしいアドバイスを頂きました。
そしてそのまま数日が過ぎ店休日恒例の山菜採りに
出かけた帰路、道端の湧水を一口飲んだところ

「あ!これは」  と気づいたのです。
硬水でした。

hg14.jpg

以前、青森から山菜を取り寄せたことがあり
その時にペットボトルに水を凍らせたものが保冷材として
同封されていました。
それが今までに味わった事の無い異質な飲み口でした。

なんというか硬い岩にぶつかったような
TSさんに言わせると「壁があるような」飲み口です。

そこの湧水がそれほど高い壁じゃありませんが
小さなブロック塀ほどの壁といった感じです。

さっそくペットボトルに汲んで帰りました。
水割りにして飲むとなんと!
美味しいんです!

あのきついスモ―キーさも微かな酸味すらが
美味しさを引き立たせているんです。
驚きました。

軟水と硬水でこれほどの違いが出るなんて初めて知りました。

ここでボウモアを出してきました。
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私がスコッチ好きなのを知っている関東の知人が送ってくれたものです。

でもこれはスモ―キー過ぎてなかなか減らないボトルだったんです。
これもまた水割りにすると今までとは全く印象の違う味わいです。
スモ―キーさが堪らなく美味しい風味となって押し寄せてくるんです。

「そうか!」
関東は有名な関東ローム層の名だたる硬水地帯。
関東人はボウモアのこの味を呑んでいたんだ  と
やっと解りました。

今までは苦手だったこの二品が途端に大好きになりました。
酒飲みは現金なものです。

そうそうここでニッカを取り出して割ってみます。
案の定普段より美味しいではありませんか!
ニッカは初代の「まっさん」がスコットランドの酒に負けないモノを
目指して好適水を探した結果余市にたどり着いたと言われます。

なるほどこれならよく判ります。
ニッカの中でも決して上級酒でもないレベルの物が
ハンパなスコッチよりよっぽど旨い酒となりました。

水の力は凄いですね。

でもここ富山にもこうして弱めといえど硬水がある事が
判明しました。

酒でもその力ははっきりと認められました。
さて、お次は何で試しましょうか?

以下またの機会に『むふふ』と続く






2016.07.02 熊の異常出没
今年は熊の出没が非常に多く山菜採りに行くと
言うとたいてい「熊に気を付けろよ」と声を掛けられます。

実はこれは昨年から判っていた事なのです。
昨年の画像です。
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有峰の道端に大量のドングリが落ちていました。
画像ではまだ少ない方で場所によってはびっしりと敷き詰めた
ようにすら大量でした。

これほどの豊作は未だかつて見たことが無いほどでした。
道端に車を止めて食事をしている間もひっきりなしに
ドングリが落果して屋根に当たり「カン・コン」と音立て、
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キノコを探しに藪に分け入るとそこら中から「カサ・コソ」と
音がするものですから熊でも歩いているのかと見まわすことも
度々でした。

熊はその特殊な生態ゆえに堅果類の多寡が大きな
影響を与えます。
交尾を終えてもすぐに着床せず冬眠前に堅果類をたっぷりと
摂る事が出来た時のみ着床し、冬季に出産するからです。

ですからこの大豊作の冬に元気な子を産んだのでしょう。
どこかの映像で2頭の子熊を伴った母熊の姿をみて
『やはり』
と思いました。
2頭を産み、かつ育てるのはクマにとって大変なことなのだそうです。

これもあの堅果類大豊作の結果なのでしょうね。

熊は一年から二年の間に子離れ、親離れします。
その時期が今なのです。
木イチゴが子熊の大好物なのでたわわに実ったところに
子熊を連れて行きます。

夢中になって食べる子熊の傍からそっと母熊が離れて
それで儀式はあっけなく終了なのですが、

この時期
空腹とパニックになった子熊が考えられない場所で
出没騒ぎを起こすのです。
今年は特に多いというのも無理からぬことですね。

ある人が有峰の道路で直前を横切った熊を見た
というので詳しく聞いてみるとやはり子熊でした。

TVなどで見る撮影された熊も大抵子熊でしかも例外なく
やせっぽっちです。
次に機会があったら注意して見てください。
可哀想になるほどです。

でも母熊に見捨てられたわけじゃないんです。
立派に育てられて幸運だったんです。

子連れの熊が危険なのは誰でも聞き知ってますよね。
ではなぜ危険なのかと言うと。

子供を守るために母熊は臨戦態勢でいる為です。
では、何から守るのかというと
一番の敵はオス熊です。

オス熊は強ければ強いほど子孫を残すためにメス熊を
懸命に探し求めているのですが、
子供を持っているメス熊は受け入れないのだそうです。

そこで子連れのメス熊(当然メスしかいない訳です)を
見つけたら真っ先に子熊を殺します。

するとメス熊はオスを受け入れるのだそうです。
先の着床遅延といい
なんて残酷な野生の命の生理なのかと嘆息せざるをえません。

熊の食事を横取りをしてきたことが申し訳ないほどじゃありませんか。

せめて、木イチゴを採るのは止めようと
何年も行っていません。

野生の世界は本当に大変です。

でもね
熊は厳しいと言ってもまだ冬に冬眠できるだけマシとも
言えるかも知れません。

春のまだ早い時期
サルもまた子ザルを抱えて集団でいるのですが
残雪の上を裸足で歩いているんです。
人間でいえば赤ちゃんのような足跡が・・・・

あ、当たり前か


どうやらオチが付いたようです。
失礼しました。   






bb


おかげさまで丸一か月の排骨麺を無事終了致しました。
沢山の方に食べていただきその味を知ってもらえた事に
有り難く感謝を申し上げます。

7月はカレー味をご用意しました。
久々のカレーです。

こちらは前回のものです。
随分前でした。
釜揚げカレーつけ麺

普通は市販のカレー粉で作られます  が
カレー粉を使うと問題が一つだけ起こります。
ターメリックの黄色が食器に染み着いてしまう事です。

それにどこでも同じ味のカレー味ばかりじゃつまらないって
事もありますよね。

なので
今回はスパイスを調合したタイプで作ります。
黄色のターメリックを配合しないのでベースの黒い色のまま
黒いカレーラーメンとなります。

また、カレーは辛い物と言う潜在意識がおありでしょうが
辛さは極力控えて作ります。
お子様にも食べられる辛さ程度にします。
小人でも大丈夫の程度を私は「小辛」
表記します。

ひき肉と数種の野菜でベースとなるキーマカレーを仕込み
いつものラーメンに合わせます。
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具もそれ専用にご用意しました。
手羽先をじっくりと煮込みます。
手羽先はそれだけで美味しいのですが中の二本の骨が邪魔
ですよね

ですから骨を抜き取りそこにススタケを詰めて煮ます。
柔らかく味の染み込んだ手羽と歯ごたえの良いタケノコの
組み合わせをお楽しみいただけます。
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もうひとつ鹿児島県直送のカボチャがありますので
これも乗せましょう。
無くなり次第、他の夏野菜に変えてまいります。
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これらを組み合わせるのに際してそれぞれ同じ風味じゃなく
スパイスを少しづつ変えて「足りない」仕上げにして加えます。
そうすることでしつこくならず
全部の味で一つのカレー味が完成し、”カレーの総和”と
なります。

忘れてならないのが「カードチリ」です。
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旬の青唐辛子を甘くないプレーンヨーグルトに漬けてから
乾したものを素揚げにしたものです。
インド料理の仕事です。

これを一本お付けします。

でもいくら処理をしてもやはり唐辛子
うっかり食べると辛味がきます。

「唐辛子の安全なお召し上がり方」を掲示致しますが
ここでも記しておきましょう。
なり口(右側)が最も辛く
先端(左側)が最も辛くない部位です。

ですからいかなる調理であっても丸ごとの唐辛子は
いきなりガブリとやるのは禁物。

細い先端から用心して少しづつかじり取るように食べます。
徐々に辛味を増してきて『あ、もう限界』と思ったらそれで
いさぎよく諦める。

これが鉄則です。

でも、
「辛くないカレーなんて嫌だ」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな方のために「Hot カレーオイル」もご用意しました。
お好みで掛けてお楽しみください。
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基本はいつものスープ、太麺ですが
当店では味の素や砂糖を入れていないため
塩辛く感じたりする方もおられます。

今回は炒めた野菜が入る事でまろやかな味わいとなっています。
一度お試しください。
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新食感のカレーラーメンです。

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本日7/1(金)よりスタートします。
黒のカレーラーメン    800円
土日祝を除く平日のみのサービスメニュー
昼夜OK 
麺の追加  一玉200円
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