そろそろ雪でも降るかな? という位の晩秋
この日も飽きもせずにナメコを探し求めて山中を歩いていました。
木の葉もすっかり落ち、
見通しの良くなった林内は明るくて草もなく快適です。

ただ、冬枯れの景色というのは生命感が乏しくひっそりと
静まり返った静寂が支配しているので
慣れない人は気持ち悪いかも知れません。

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でもそんな中でも菌は活発に活動しています。
ナメコ、ヒラタケなどの食菌がそれです。
立ち枯れた木や倒木を盛んに食べて分解しているんです。

森にキノコという菌類がもしいなかったら枯れ木だらけで
人間は歩くことはおろか林内に立ち入ることさえ
出来ないだろう と言われます。

ですが
枯れ木の中でも美味しい木とそうでもないのがあるようで
何種類ものキノコが同時期に発生する木もあれば
見てくれは立派でも全く出ない木もあります。

また、初めはクリタケ、次にムキタケが採れ
晩秋になってナメコ、ヒラタケとまるでコース料理のように
順を追って発生する木もあります。
キノコにとっては我勝ちに食指を伸ばしたいほどの御馳走木
なのでしょう。

さて、
この日は長い間歩いてようやくまともな一本を見つけました。

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こんなに遅い時期では落葉が枯葉となってナメコに
ぴったりと張り付いています。

遊びですからこれだけ採れれば十分ですが
帰路高い所にヒラタケを見つけました。

ついでに採って行こうと崖をよじ登ると
根元付近にナメコも出ているのが見えます。
おやおやと思って手を出すと妙に邪魔くさい低木が
あるのです。

アオキです
ご存じのとおりアオキは常緑樹なのですが
これは枯れかかっているのです。

『さては?』と思ってそっと引っ張ると
案の定 簡単に抜けてくるではありませんか。

そう、これは先に一回収穫した人が二番目に出るナメコを
見つけられないように隠そうとしたものなんですね。

こんな山の中にしかも沢山の木がある中でどこかの誰かと
同じものに手を出している自分に滑稽なものを感じて
そのまま採らずにおきました。

そして道に降りようと横に移動したらこれを見つけたのです。

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ヌタ場と呼ばれるイノシシの泥浴びをするいわばお風呂です。
ここに転がって体についた虫を落とすのです。
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最近ここ富山や北陸ではイノシシの繁殖がすさまじく
秋の収穫間近の稲田に入ってこれをやられる被害が
多発しているんです。

稲穂のチクチクした毛状の部分(芒・のぎ  といいます)が
彼奴等にとっては好都合らしいのですがこれをやられると
その田は一枚丸ごとダメになってしまうそうです。

本来はこうして山の中でやっていたものなのです。
ここの周囲は粘土質で田んぼの中のように程よくぬかるんで
います。

縄張り内に田んぼが無ければ自前の風呂を作る能力が
あるんじゃないかと・・
「雉も鳴かずば撃たれまいに」と言います。
「シシも田に行かずば撃たれまいに」と言っておきましょうか。
あ、でも聞きませんね絶対。

冬枯れの山も結構な命があふれているのでした。





山菜採り時にこれを大音量で流すと寝ぼけ顔の熊がステップを踏むかも?

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以前に『家で作ろう無添加ラーメン』のシリーズで
徳島ラーメンを取り上げたことがあります。

黒いスープで肉を煮込み、卵を割り込んだ独特のスタイルで
全国的にも有名なラーメンです。
これを今回は期間限定の新メニューでお出しします。

当店で出すのですから無添加は当然ですが、
特に今回は卵にこだわりました。

こちら「昭和卵」さんの新鮮赤卵です。
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ご覧になればお判りでしょう?

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白身と黄身がぷっくりと二段になって盛り上がっています。
新鮮、栄養、旨みとが語らずとも見て取れるようじゃありませんか?

通常の黒いスープに肉と玉ねぎ、長ネギのスライスを
軽く煮立て卵を割り込み仕上げます。
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好き好きはありますが、生々しい卵は黄身が割れた時に
どっと流れ出て味を壊しますので
幾分固めに茹で上げた麺に
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ポチドエッグ状態に近い仕上げで掛けてお出しします。
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これで途中に黄身がゆるりと流れ出ても味を変えるような
いたずらをしなくなります。
美味しいひと手間です。
生卵の黄身が味を壊すことを厭う人でもOKどころか
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むしろトロリとした黄身を絡めて食べたくさえなります。
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麺はカニワンタンメンで好評を頂きましたストレート細麺。

普通、細麺にはあっさりスープが合うとされ、
太麺には濃厚なスープというのがセオリーとされます。

が、
ある人の言葉では
「セオリーなどと言うのは凡人の語る枠組みに過ぎない」
そうです。
セオリーを超えたところに新たな味の地平が広がる
と言う訳です。

今回はいつもの定番黒濃厚スープに
あえて細麺を合わせます。

これが今回のセオリー破りのポイントです。
多加水手打ちの麺はすでに水が入り込んでいるので
固ゆでで上げても粉っぽくはなりません。

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固ゆでが今回のスタイルです。
細麺なのに濃厚スープとのマッチングの良いラーメンとなっております。

また往々にして美味しい食材と言うのは
マイナス面も併せ持っています。

濃厚で旨みの強い卵は素晴らしいのですが
反面、そのままでは後味がくどくなるという点があるのです。

脂の乗った肉、魚はそれを適切に”落とす”ことで
しつこさを除くのと同様
後味をくどくさせないためにはひと手間を掛けてやらなくては
なりません。

これがいつも繰り返して語る
理(ことわり)を料(はかる)という料理の原点です。

徳島ラーメンに敬意を払い徳島風とさせて頂きますが
答案用紙を丸写しするのではなく

良い点は取り入れ、自分の好みや小細工を盛りつつも
気分は徳島県人ということで
サブを The Tkusimanと名付け
1月18日よりのスタートとさせていただきます。

価格は800円
土日祝を除く平日のみ
昼夜とも実施
麺の追加は1玉 200円

ご来店を心よりお待ち申し上げます。

なお、現在世情を騒がせている問題にかんがみて
言わずもがなではありますが、
毎度毎度申し上げておりますように

高いものにはそれなりの理由があり、
安いものにはワケがあります。

私たちは良質な肉を確保するため
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良心的な問屋さんとの相互信頼関係を構築して
安定した仕入れを実現しております。

それはどこに表れるのかというと
肉の味もさることながら
食べた時の肉の香りに出るのです。

それは加熱不足のような微妙な異臭があるか無しか
というわずかなものです。
わずかゆえに『たまたまに過ぎないだろう』と
見過ごすか?  重要視するか?  で
大きく違いがあるのですが、

そこを見誤ると仕入れ値の差額ばかりに目を奪われてしまうのです。

私達が普段から
「肉の臭み消しとしてのコショーなど不要」と
言い続けている点が実は些細な事などじゃないと
お判りいただけますでしょうか?

良質な肉を常時用意しているからこそ
安心してご提供できるメニューです。
安心の富山県産肉をご賞味ください。

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The Tokusiman
「にく・たまラーメン」  800円

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take 5











春に山菜を収穫して塩漬けするというのは
いたって普通の事のように思えるでしょうが
それはあくまで一般的な保存であって

シシウドのように塩蔵によってあく抜きが出来るというのは
かなり特殊なケースと言えます。

石川県ではフグの卵巣を三年糠漬けにすることで
無毒化して販売されていますが
塩蔵にはまだ解明されていない不思議な効果があるようです。

キノコなども一般に有毒とされるものでも塩蔵で無毒化される
物もあるようです。

いっぽう
朴葉の青い若葉は春に「ざる中華」の下敷きとして多用
しましたがそのままではそれほど香りは立ちません。
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ところが若葉を塩蔵して取り出すと何とも言えない
野草茶のようなかぐわしい香りが立つのです。
これも塩蔵によって細胞の壁を壊す事で
中から匂いが出てくるのでしょう。

もち米をくるんで蒸し、朴葉飯としました。
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野趣漂う美味しい一品になりました。
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シシウド料理には山ブドウの若葉を塩蔵したものを
使います。
樽から取り出すと山の香気が一杯に広がります。

肉の角煮を仕込み山ブドウの葉に乗せます。
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そこにシシウドを添え
戻しシイタケと干し柿を乗せます。
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葉でくるみタコ糸で縛り、
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仕上げ煮をして完成です。
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お皿に移し
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ハサミで糸を切って葉を広げます。
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ブドウの葉の香りがいいですね!
干し柿はねっとりと甘く角煮の旨みをまとって
さらに美味しくなっています。

シシウドも程よい歯ごたえを残しつつ
肉に負けない存在感と風味を持っています。
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普通の野菜には出せない山菜ならではの食感ですね。

シシウド
これは使えます。

もうすぐ早春に萌え出たころから画像とともに
見分け方、採り方、処理の仕方、塩蔵の方法などを
ご紹介してまいります。

そうして何か月保存すると苦味が抜けるのかを
探ってまいりましょう。

そうしてやっと一品をモノに出来るのです。

これはそうするだけの価値ある山菜です。

そうそう!
山菜の塩蔵といえば
やったことのある人なら知っていることなのですが
塩と重石を入れて漬け込むとウドなどは必ずカビが
発生します。

これはそのまま放っておきます。
表面はカビが覆っても中は無事だからですが
初心者はカビを見て驚き捨ててしまう事が、ままあるのです。

ところがシシウドは漬け汁が真っ黒にはなりますが
カビが出ませんでした。
それらもまたあの強烈な苦味故なのでしょうか?

いずれにしてもこの春からの試行錯誤で解明されるでしょう。

フランス料理にはブドウの葉で牛肉を包み
ワイン煮にしたものがありますが
シシウドも山ブドウの葉も使える事が判りました。

和食、中華、イタリアンを問わず大いに活用すべき
富山の珍味食材になり得ます。
積極的に取り組みましょう!

意欲のある料理人のお役に立てれば幸いです。


心震える名曲



ひところハウツー本などと呼ばれたジャンルがありますね
料理のレシピだったり工作など。
アウトドア系だと山菜採りの本やキノコ採りの本などが
それこそ書店の本棚を埋め尽くしています。

それらは
何も知らない頃には大変重宝するものです。
でも中にはかなり怪しいものも記述されているんです。

家で作る常備菜  という本でかまぼこを作る
との項目を見つけてつい買ってしまった事があります。

忘れもしません
味の素を受け付けなくなって大好きだったかまぼこが
食べられなくなってしまった時に手に取ってしまったのです。

何の事はありません
ただのすり身料理でした。
この本の著者はおそらく自分では作っていないのでしょう。

世間一般でこうやるんだ   と通念化されているものを
ただ丸写ししているだけなのでしょう。

こんな事例は山ほどあります。
しかもそんな本が結構な値がするんですよ。
知ったかぶりの丸写しで書かれただけの本
裏が見えると腹立たしいですよね。

ネットなどで無料で覗いた情報とはわけが違うと思いませんか?

かまぼこ作りには魚の切り身を水でさらして脂を抜く
という工程が必要でした。

キノコの本によると
杉林には食べられる菌が少なくて
スギヒラタケが近年毒菌に指定された今
唯一スギエダタケが残った

これは期間も長いので更なる有効活用を望みたい
などと書かれてあるのです。

本当に?
と言いたい!
食べないで書いてませんか?

昨年これを大量に採って味噌汁に入れました。
苦くて苦くて飲めませんでした。
一緒にナメコも入れたのに全く一口も食べられませんでした。

今までは他のキノコに混ぜ、ほんの数本入れていた時には
判りませんでしたが、この時にはこれしか採れなくて
初めて知りました。

とは言え一回だけで断定までは出来ません。
後何度か試してみなくてはなりませんが
本に書いてあることを鵜呑みできないと改めて痛感した
苦い味噌汁の記憶です。


山菜のハンゴウソウ
アクが強いと書いてあります

食べてないでしょ?
と言いたい!

こんなまずいものをどうやって食べればいいんだ
とずっと思ってました。
山菜のプロのO氏も「こりゃ美味しくないんだ」と
苦笑いしていたものです。

昨年ようやくその処理に成功しました。
正しく処理さえすれば普通に美味しく食べられるのです。
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せっかく本にまとめるのならどうしてそこまで書かないのでしょうか?


山菜のイタドリ
普通に食べられると書いてあります

やってないでしょ ?
と言いたい!
手を出しもしないで
適当な事書いてギャラだけ取ってる輩の文ですね。

これも昨年にかなり苦労して
ようやく山菜として活用できそうかな?
というところまでこぎつけました。
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本当に解っていいるならどうしてそこまで書かないんだ!

と少し恨みがましい気持ちになりました。

最後が本日メインの山菜

シシウド

食べられる?

ウソつけ  知ったかぶりするんじゃない

失礼しました。

どうぞご安心ください。
こんなウソつき共にさんざん騙されてきた結果
ついに本当を入手出来ました。
ひとつづつご紹介できそうです。

まずは春一番に芽吹くシシウドの加工法からご紹介です。
リアルタイムでは春ですが一足早く
書かせていただきましょう。

ネット上では苦くてとても食えないという評価が蔓延
していますが、その通りそのままでは食べられません。
例えるととても苦いセンブリの煎じ汁に匹敵するほどの
苦味です。

でもセンブリが胃薬になるようにどこかしら薬効を
伴う苦味でもあります。
それもそのはずシシウドは薬効の強い山菜なのです。

でも「食べられる」と執筆されている先生にぜひ
そのまま食べさせたいほどの苦味で
鵜呑みにしてしまった人がこの苦味に遭遇してしまうと
二度と手を出さなくなってしまうというものです。

一説には
とてもじゃないが苦くて人間じゃ食えないから
獣が食べるものとして名づけられた
というものまであるくらいです。

しかし、雪解けのすぐ下から一番早く萌え出る山菜です。
しかも大量に在る。
これはやはり何としても食べなくては!

塩漬け保存しました。
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そして冬に塩抜きして
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恐る恐る食べてみると

なんと!
旨いではないですか!


そうこれは塩で苦味を抜くという工程が必要だったのです。
ここで挙げた一癖ある  つまりあまり一般的でないモノ
というのはひとひねりした技を必要とするものだったのです。

シシウドは塩蔵期間を長くとる事であく抜きができました。

これを水にさらして塩抜きをし、
煮物にしてみました。
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太い部位と細い部分で硬さや歯ごたえの違いは
あるもののこれは色々と面白い料理になりそうです。

また私が密かに活用を狙っている部門にも活かせそうです。
今年はこれを大量に収穫して塩蔵しましょう。

まずはシシウドをご紹介いたしますが
今年はこんな一癖ある山菜の活用法なども
書いてまいります。

山にはまだ利用されていない美味しい山菜がいっぱい
あります。
少しでも新たな美味を開拓してご紹介をし
どなたかのお役に立てれば幸いです。

次回はこのシシウドを用いてちょっと高級な料理に
トライしたのを書きます。


b
2016.01.02 2016 賀正
明けましておめでとうございます。
雪の無い正月を迎えました。
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今年も海に山にと美味しいものを求めてまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年末はとても忙しく年賀状を出すのが
今までにないギリギリとなってしまいました。
そこでこちらで年賀状をごあいさつを兼ねて張らせていただきます。

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なにとぞご容赦ください。
昨日元日はキノコを探しに初山歩きをしてきました。

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うっすらと積もった雪の上を兎が走り回っているようです。
雪は少なくても風は肌を切るような寒さで
手袋をしていても手がかじかみます。

大きく育ち過ぎたナメコ
雪の中で咲いている藪ツバキ
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結局この朝はナメコ5~6粒を採取したのみ。
ナメコの採取跡は無数
ヒラタケ多数発見も  採らず

寒さで意欲喪失
早々に帰宅して年明けうどんにナメコを加えて食べました。
(画像はなぜか消えてしまう)

年越しそばは排骨蕎麦でした。
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今年もこの調子で行きそうです。

どうぞよろしくお願い申し上げます。