中華麺は加水量により二種類に分けられます。
加水30%台の低加水麺と50%台の多加水です。

低加水での水回し終了時では麺体と呼べるほどの物はなく
ぽろぽろの状態です。

いっぽう多加水のその状態ははっきりと粒状の麺体が
できています。

ですから
低加水の麺を作るには強力なローラーで圧着するしか
ありません。

いっぽう多加水の麺はうどんや蕎麦の手打ち風景で
見られるようにそのまま手で捏ねられるのです。

しかし、
青竹打ちの麺が著しく他と異なるのはここからです。

ローラーで圧着した低加水麺はそのままカットするか
いくばくかの時間寝かせてカットするかしか
選択肢が無いのに比べて

青竹打ちは手の力の数十倍の力で鍛える事が出来るのです。
何度も折りたたみなおして鍛え
さらに十分寝かせる事でグルテンとタンパク質の
強靭な生地を作り上げる事が出来るのです。

それがもたらす効果とはどんなものか?

太麺ではコシとふんわりとした相反する食感を得ました。
この独特な食べ心地は麺好きの方々からはすでに
大好評を頂戴いたしております。

では、現在のカニワンタンの細麺ではどうか?

細い分だけ硬く茹で上げてお出ししています。

良く知られている細麺はやはり低加水のケースが多く
しばしば私が述べている通りこの細麺には正しい意味での
コシが存在していないため自然と硬めで供される事が
多いのです。

というより硬めに茹で上げないと水分の吸収が早いため
たちまち茹で伸びしてしまう
という低加水麺の持つ根本的な性格がある訳です。

加水の少ない麺を硬めに茹で上げる
という事は言い換えれば粉っぽく仕上がっている
とも言えます。

事実
麺の固ゆでが好きじゃないという方は
その点を嫌います。

多加水麺はその点
製麺時ですでに十分な水が入っています。
ですから硬めに茹で上げても粉っぽくはなりません。

不思議なくらいに
多加水細麺を硬く茹で上げても
誰も「硬すぎる」とは、言わないのです。

考えてもみてください
手打ち10割蕎麦の硬さを
あの噛み応えのある硬い蕎麦にだって
誰も「硬すぎる」とは言いませんよね?


カニワンタンメンは12月第一週で終了の予定ですが
今回初めて手打ち細麺の塩味をお出ししてみて
解ったことがあり
それは次の新しいインスピレーションをもたらしました。

加水の十分な麺を硬く茹で上げても
粉っぽくならないため面白い取り組みが出来、

新しい味の地平が広げられそうな気がします。

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月曜日からスタートしましたカニラーメン
おかげさまで好調な出だしで感謝一杯です。

回を追うごとに出足の良くなって来ている期間限定メニューですが、
今回は初日から沢山ご注文を頂き、その結果昨日は一日中
カニの身抜き作業に追われました。

使うカニは
ベニズワイガニ
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本ズワイガニ
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香箱と呼ばれるメスの本ズワイガニです。
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ベニとズワイはオスで大型ですが香箱ガニはメスで小型です。
モノにもよりますがこのくらいの差があります。
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北陸で一般的にカニ汁にするのは主にこのメスを
使います。
今回ベニや本ズワイでダシを取ってみて改めて
それぞれの味わいが異なるのを実感しました。

頭で考えるのではなくまず実践ということですね。

メスの香箱ガニは卵を抱えていますが、それは二種類あり
腹帯で抱えているのは外子と呼び
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甲羅をはがした中の朱色のものを内子と呼びます。
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この打子が大変美味なのです。
これも成長すると外子になります。
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腹帯の中に朱色が運ばれる途中のものが見えますね。

カニみそ
これはカニのレバーに相当すると言われています。
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外子を除く打子、カニみそ、3種類のカニの身
それらを全て混ぜ合わせて仕込んでいます。

外子はまたの機会に別のメニューで使いましょう。

本日からネーミングを「カニワンタンメン」
変更してお出ししております。

富山湾のカニだけをギュッとワンタンの皮で包み
カニダシのスープに乗せて供しています。
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今だけの万里の
富山湾のラーメンを是非ご賞味ください。




いとしのラナ
北陸ではカニ汁は冬の味として定番ですが、
先日新湊にて東京からおいでの観光客の御夫婦と話していたら
珍味に属するのだと聞いて今更ながら

『あぁ そうなのか!』
『 ズワイガニ系が全国に在るわけじゃないのか!?』と
認識を新たにいたしました。

それならば作ってみよう、 いやこれは是が非でも
作るべき、作らねばならない。
と取り組みました。

一杯5千円とか一万円もする高級な本ズワイではちょっと
手が出ませんが
割安なベニズワイガニを加えればなんとか800円台で
商品化が出来るのじゃないか?

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と挑戦致しました。

で作ってみました。
こちらです。

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チキンと昆布で一晩がかりでとったスープに
カニのダシを合わせました。

それにカニ肉のワンタンを乗せます。
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やや淡白なベニズワイだけじゃラーメンとしては
弱いのでチャーシューはしっかり系の噛むタイプで仕上げ。
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塩味ベースでまとめました。

ありそうで無かった「カニラーメン」
11月9日(月)より期間限定の新メニューで登場します。
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土日祝を除く平日のみのご提供
昼夜OK

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800円

今回は淡白な味に合わせて細麺にしました。
初のストレート麺です
細くてもしっかり青竹手打ちで鍛えているので
コシもばっちり美味しい麺です。
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麺好きの期待を裏切りません!
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淡白な味とは書きましたが無添加のスープでありながら
ボディはしっかり仕立ててありますから
麺の追加にも耐えられます。
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麺の追加 一玉 200円で承ります。
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北陸の冬の定番がラーメンで
装いも新たに 初見山致しますが、
正直言ってかなり手がかかります。

なので、どのくらいの期間で続けられるのかは全く不明です。
どうぞお早目においで下さい。


蛇足ですがカニはその強い味と風味からかえって
扱いにくくこれといった目立つ活用例がありません。
しかし、「かにかま」を挙げるまでもなく
成功すれば目覚ましい成果が望める食材でもあります。

せっかく北陸に住んでいながら特に富山県では
何か所ものベニズワイガニの有力な水揚げ港がありながら
有効活用しない手はありません。

ぜひ、
若い料理人の皆様にも積極的に取り組んでいただきたい
食材です。
ラーメンは言うに及ばずうどん、そば、イタリアンなどでも
かなり活躍でき得るはずだと確信しております。

そこでそんな志のある方のために、
全てを記す事は出来ませんが
道標をいくつか置いておきます。

カニのダシを取る時にはカニ汁で馴染みの冬野菜を加えます。
ともすると強いカニ味の「生臭い」と誤解されがちな風味を
打ち消して旨みに変換してくれる魔法の野菜です。

また、ワンタンの具材には長芋を加えます。
卵白のメレンゲに匹敵するふわふわ感と栄養を伴った
トロロが多幸感をもたらしてくれます。

どちらも冬の食材で私はこれらを高岡の「あぐりっち」さんで
買い求めております。

考えてもみてください。

美味しいものを作ろうとする時
良質なものを取るか?  そうでないか?

これは単純にして究極的な設問です。
美味しい食材は必ず目的を助けてくれます。
新鮮な野菜が目立たずにしっかりと支えてくれるのです。

せっかく生産者自ら美味しいものを直接
手渡ししてくれているのです。
常時とまでは言いません
ですが、
ここぞという時には取り入れてみる事をお勧めします

普段使いのものとは一線を画した成果を上げてくれるはずです。

追記
お約束しておりました「排骨麺」の再登場は
もう少し後になりますことをどうかご了承くださいますよう
お詫びとお願いとをさせていただきます。

また、カニは海が時化て漁が無い場合もあります。
一応在庫は抱えてのスタートではありますが、
万が一入荷不足が起こった場合は
急きょピンチヒッターメニューで対応させていただく事も
あるかも知れません。

なにぶん初めての試みの事です。
その旨、あらかじめお断り申し上げておきます。

なお
11月18日(水)は都合により臨時休業とさせていただき
   17日(火)18日(水)と連休を頂きます。
どうかご了承くださいますようお願い申し上げます。










蜂蜜の埜島さんのお庭にはキハダの木が植わっています。

普通奥山に行かなければお目にかかれない巨木が在ると
いうだけでも凄いのにこの木は有益な木なのですから
さらに有り難い木でもあるのです。

キハダの木には不思議な薬効があり古くから
アイヌ達はそれを有効活用してきました。
表面の樹皮を剥いだ下の二層目にある黄色い皮がこれです。
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乾して保存し、適宜むしり取って水に浸し、飲みます。
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粉末に加工したものは市販もされているはずです。

腸に良い
と言われていますが、
私たちはいわゆる「薬の効能」というものに洗脳されすぎて
しまっていて
『別に今はお腹の調子も悪くないから用は無い』 などと
思ってしまいます。

植物と薬の関係を解説した本などを沢山読んで
私なりに解釈した事を記させていただくと
どうやらそんな風に思うのは違っているようです。

西洋医学はこうだからとか
漢方がこうで  などと語る気も豊富な語彙も
ありませんから舌足らずになるかもしれませんが
どうかご容赦ください。

風邪は万病の元と言われますが風邪を防ぐには
腸の活性を上げるのが一番なのだそうです。
腸の活性化が免疫力を強化するから  というのです。

アイヌはキハダの実を風邪薬として利用していたといいいます。
キハダの実は「シケレペ」といい
みかん果の種子果実でいうなれば実山椒の親戚です。
やはり実山椒のような強い刺激的な味がします。

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いっぽう化学薬には風邪薬は無いのだそうです。
鼻水を止める薬や
関節の痛みを抑える薬
咳を止める薬
のどの痛みを和らげる薬など
いわゆる”風邪の諸症状を弱める効果”を持つ数種類の
薬品を複合させて風邪薬として私達が認識していると言う訳です。

キハダの皮を水に浸すと黄色い色が出てきます。
それはどんどん濃くなりしまいには刺激的な苦味を伴って
飲みにくくなり、まるでセンブリの煎じ薬のようになります。
その分薬効は強くなるのです。

ですから程よい所で木片を取り出して無理なく
日常的に常用するのが正しい用法です。

キハダの皮は漢方では黄柏皮といい様々なものに
加えられています。


この強い苦味はシケレペにもあります。
この苦味が腸の活性化を促して
”腸に良い”
”風邪薬として”  という利用につながるのではないかと
思い五箇山で買い求めたイノシシ肉で
シケレペ料理を試してみました。

煮物でトライです。
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最近北海道ではエゾシカの食害が深刻で積極的に
食材として活用しようという動きが盛んです。
そこでエゾシカでシケレペ使いのメニューなどもあるそうです。

イノシシの味噌煮込みで作りましたが
どうも味噌には合いません。
強い刺激と苦味がネックです。

そこでお次はカレーにトライ
カレーは元々整腸効果のあるメニューなのと
イノシシ肉との相性も良さげだったからです。

通常通りアジアンスタイルで仕込みます。
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出来ました。

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うーん
カレーそのものは旨いのですが
シケレペはやはり刺激が強いですね
実山椒のように完熟をパウダーにして使用するのが
ベターかも知れません。

大量に残った実をリカーに漬けて薬酒としておきましょう。
これで飲むのも、料理に加えるのも自在です。
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ちなみに左はウワミズザクラの果実酒。
これも埜島さんの庭にあります。

シケレペ
このアイヌが用いた民間薬を果たしてどれだけ
取り込めるのか?
その成果はゆっくりと試していきます。

ちなみに刺激的な味はアイヌの方でも好き嫌いはあったようで
母親がシケレペを嫌がる娘に小言を言う口伝が残っています。
良薬は口に苦し  というのはどこでも同じだったようです。