アカソという山菜があります。
漢字で書くと赤麻となります。

これは今年初めて手にしました。
とはいえ希少種というものではありません。
むしろどこにでもある雑草のようなものです。
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畏れ多くも昭和天皇がおっしゃった
「雑草と言う名の草は無い、まだその有効さを知らないだけだ」
(だったかな???)

という名言通りの山菜です。
私も手に取るまで食べられないただの雑草にしか見えていませんでした。

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こちらは食べません。
私の中ではまだ”雑草です”

見分けるポイントはアカソの方は軸が赤い点。

本でこれの天ぷらが普通に美味しいとあるのを見て驚き
ネットで調べると
私と同じ本で調べた人が実食レポートを書いておられました。
曰く
「本に書いてあるのと異なりゴワゴワして不味かった」
というのです。

果たして本当に不味いのか?  と思い先端のひと芽だけを
幾つか摘んで帰り、天ぷらにするとほのかな風味があり
”とても!”  とまでは言えないまでも普通に美味しいのです。

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いわゆる衣の味しかしない有名なだけの山菜よりむしろ
旨い部類に入ります。
先のレポートを書いた人は恐らく下の硬い葉を摘んで食べたの
だろうと思われます。

かくかようにネットで書いてあることは疑って見る事が必要です。

山菜は少々伸びていても先端の一芽は柔らかくていつまでも
食べる事ができますが、それとて花芽を持つようになると
いよいよ硬くなって食べられなくなります。
成長の最終地点と言う訳です。


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このアカソは繊維が強いので昔は盛んに利用されたそうですが、
綿花が入ってきて木綿が利用されると顧みられなくなったといいます。

ところで、赤麻と書く位ですから麻に近いものとして
捉えられていたのですが


今日でも誰でも知っている高級繊維としての麻織物
言うまでもなく麻から取り出したものですが

では
私たちは麻の事をどれだけ知っているでしょうか?

麻織物は良いもの
大麻と聞くと大麻取締法があるから一も二もなく「悪」という
印象を持ちますよね?
実は麻と大麻は全く同じものを指します。

戦前は米よりも多いくらいに麻が栽培されていたそうです。
麻は布として紙としてはたまた食糧として日本人にとって
無くてはならない存在だったというのです。

それを厭う勢力が戦後この悪法を作らせたと言います。

ほとんどの日本人が忘れてしまった麻の事を学んでみませんか?

「ねずさんのひとりごと」

ちなみに日本の麻には麻薬性の成分は弱いそうです。


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2015.07.23 蕎麦
山田村の直売所の中に手打ちそばのお店が入っています。
ここの蕎麦が旨いんです。

牛岳で栽培した蕎麦で打っているそうです。

でもここの十割蕎麦は「在来種」なのです。

以前に蕎麦特集の本で
”今、在来種が見直されている”  という記事を読み
食べてみたいものだと思っていましたが
記事で紹介されている中で最も近い場所で福井県の大野でした

電話をしてみたら秋にならないと入荷は無く
現在は品切れしている。
とのことでした

それっきり忘れていました

ここで在来種の蕎麦の説明を少し。

かつては日本全国にそれぞれの地元の蕎麦がありました。
それを農業試験場などの専門家が近代育種という選抜を行い
改良品種を作り出したのです。
常陸秋そばや信濃1号などです。

これがあまりにも優秀だったためあっという間に全国に
普及してしまい従来からあった在来種が絶滅寸前にまで
追い込まれてしまっているのです。

改良品種は大粒で収量が多く育てやすいのに比べ
在来種はおおむね小粒で気候に左右されやすくて
生産者が手に取らなくなっていったのです。

ところが、
それぞれの立地や気象条件により  ではあるものの
小粒ではあっても甘味や風味の点で優れている
昔ながらの蕎麦の味を守りたい
という頑固で理解の深い作り手がそれを細々と守り続けて
今に残る在来種の蕎麦というものが最近脚光を浴びてきた

というわけなのです。

まさか地元にも在来種があるとはうかつにも知りませんでした。
でもそれを知ったのは天ぷらそばを食べてしまった後だったのです。

そこで無理を言って生蕎麦を分けていただきました。

家で茹でて食べます。

なんと!
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こんな美味しい蕎麦は初めてです!
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味が濃いのです!
力強くて
喉越しも良く最高でした!

今度は実山椒採りの帰りなどじゃなく
これを食べるだけのために家内も連れて出かけようと思いました。

ちなみに
全国の主な在来種を列記しておきますと
山形で 来迎寺在来 天保そば
福島で 会津在来
栃木で 葛生在来
新潟で 妙高在来  こそば
長野で 戸隠在来  番所在来  奈川在来
福井で 丸岡在来  大野在来
徳島で 徳島在来  祖谷在来
島根で 横田小そば
宮崎で 椎葉在来
熊本で 久木野在来
鹿児島で  鹿屋在来
対馬で 対馬在来

といったところです。
このほかにも富山県の八尾在来や山田のように
さほど有名ではなくともしっかりと地元に根付いた
地元の気候風土に適した在来種の蕎麦が
沢山在るとは思いますが収穫量自体は少ないはずです。

幸運にも巡り会う事ができたら心してお召し上がりください。
幾多の先人の苦労があってこそ生き延びた希少な蕎麦です。

東京で在来種の蕎麦が食べられるお店では (2010年発行時点で)
練馬区中村の  玄蕎麦 野中さん 妙高こそば
青梅市裏宿の  蕎麦 榎戸さん   奈川在来
新宿神楽坂の  蕎樂亭さん      会津在来

など

大阪では
枚方市岡南町  そば切り 天笑さん  各地の在来種取り寄せ

美味しい蕎麦が食べられるのも
苦労をいとわずに作ってくれる人があればこそ
そんな幸福をいつまで味わえるのでしょうか?

感謝

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2015.07.20 朴葉寿司
朴の若葉をざる中華の下に敷くだけで涼しげで
目にも美しい盛り付けになってくれました。
でもこれは私のアイデアじゃありません。
山菜名人に教わりました。

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朴の葉といえば枯葉をコンロで焼く朴葉味噌が有名ですね。
でも、朴は包に通じるということで昔から食器替わりだけじゃなく
包材としても重宝がられてきました。

私の郷里の能登では厳しい山仕事のお供に朴葉飯を持参しました。
炊きたての熱いご飯を朴葉に乗せてきな粉をたっぷりかけ
ぐるぐると朴葉で包むものです。

食べる頃には熱で蒸されて朴葉の若葉の香りが程よく移っている
という具合です。
しかも朴葉はそのまま捨てても環境を汚しません。
栄養満点でエコなお弁当だったんですね。

お隣の岐阜県ではさらに大活躍します。
つきたてのお餅をくるんで朴葉餅。
そして表題の朴葉寿司。

ところが!
この寿司に挑戦しようと検索しても良く解らないのです。
寿司飯に具を混ぜて朴葉で包む   
たったこれだけの記述しかありません。

この通り普通に作ってもまず旨くはなりませんね。
額面通りならなにも朴葉でなくともラップで包んでも変わりないからです。

料理と言うのは理を踏んで字面に出ていないことを推測
することで本丸に到達できるものです。

朴葉の香りを引き出してやるには熱が必要です。
そこで普通行うように冷めた寿司飯じゃいけない  となります。

では朴葉に乗せる時点で温かい寿司飯に仕立てましょう。

魚を塩をきつめで酢締めにして切り身にしておきます。
ご飯の炊きあがりに合わせてシイタケやかんぴょうなどを煮ておきます。

ご飯を飯台に空けて寿司酢を合わせます。
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熱々の具を混ぜ込みます。
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この時点では非常に水分の多い寿司飯となっています。
普通はこのまま冷ますことで余分な水分は湯気と木桶が吸い込むことで程よくなってくれるのですが、

今回はそんなことをやっていると冷めてしまいます。
なのでまだ熱い寿司飯を乗せて包みます。
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これを大きな容器に重ねて軽く重石をして放置。

冷めた頃にいったん開いて魚をのせ
今度はしっかりと重石をします。
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できました!

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あの多過ぎだった水分はいったいどこへ行ったのか?
というぐらいに程よい湿り気で出来上がっています。

朴葉の香りもほのかに移り、生臭みを消してくれています。
若葉が熱で変色しているのがお判りいただけるでしょうか?

美味しいものです。

これは確かに山の寿司です。
山の御馳走すしですね。




山菜の天ざる中華はおかげさまで大好評のうちに終了しました。
山菜そのものは山に行けば今でもいくらでも採れますが
7月も半ばを過ぎるとなんだかそんな気分でもなくなっていきますね。

本格的に熱くなると当店では逆に普通のラーメンの方がよく出ます。
これは今までに夏用の冷たい麺を出した時から変りません。
現に先だっての台風時のフエーン現象で37度の日にはわずか3食しか
オーダーが入らなかったくらいです。

この理由として汗をかいた時ほど塩分の強いものを欲する
と言うように解説する方がいますがそれは見当違いです。

体と食べ物との相関図はそんな単純なものじゃありません。
私はその答えを識っていますが、また機会を改める事にしましょう。


と言う訳で熱くて元気が出そうでなおかつ、やや低価格なものとして
次回は「排骨麺」をご用意しました。
バッコーメン、またはパーコーメンもしくはパイコーメンと呼びます。
省略して
バッコー、パーコー、パイコーと呼ぶ方もいらっしゃいます。

本来は豚バラで作られましたが、最近はロースが主流です。
でもそれで作るとギリギリに押さえても900円となります。

そこでささやかな反則技を繰り出して鶏もも肉で作る事と致します。
これだとなんとか800円でお出し出来るからです。
とはいえ
当店で使用する鶏肉は「能登健康鶏」です。
かつては能登地鶏として流通していたものです。
地鶏の定義が在来種に限定されるようになって名前こそ変りましたが
美味しさはそのまま。

富山では大和デパートに並んでいるそうです。

これをからりと揚げて乗せ、野菜を添えて出来上がりです。

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「鶏肉の排骨麺  800円」

チャーシューとはまた異なった風味が
いつもの極太麺、スープでお楽しみいただけます。
もちろん麺追加にも対応させていただきます。

次の休み明けの7月22日 (水) からのスタートです。
期間は8月7日 (金) までとさせていただきます。
例によって土日祝を除く平日限定とさせていただき
昼夜ともにお応え致します。

夏の繁忙期には手が回りませんので限定メニューはお休みを
いただき、お盆過ぎくらいに再スタート致します。

どうぞ、ご利用ください。
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2015.07.15 ワラビの話
ワラビは昔から日本人にとってあまりに身近な存在であったために
意外に知らないことがあったりします。

それは何も山菜採り経験の無い都市居住者に限りません。
なまじ山菜に身近で係わってきた方々の誤解の方が根深い
場合だってあるのです。

”ワラビには発がん物質が含まれている!”
というショッキングなニュースが流れたのは確か高校生の頃

しかも誰もが好む柔らかい先端部に多く含まれる
というのです。
子供の頃からさんざん食べてきました。
とくに先端の柔らかな部分は大好物でしたから
衝撃でした。

でも、その頃と言うのはそういう”新事実”が発見され公表され
世間があっと驚くことの連続だったのです。
化学的な根拠をもって語られるとそれが絶対的な意味を
持つかのように流布され始めた一時期。

ともいえます。
化学的にみるとキノコには栄養なんてこれっぽっちも無い
とか
動物性油脂はだめだが植物性油脂は体に良い
だからご飯やみそ汁にまで掛けて食べるのがよろしい
などとTVなどで流れたものです。

もっともすぐに更に新しい”新事実”が発見されて上書きされて
いくのですが、
それがヒトの営み、世の常というものだと思えば笑って済ませられますね。

今ではキノコには抗癌作用があるから健康食品だ
とか
油は植物性であっても摂り過ぎは良くない
と変化をしていますね。

ワラビの発がん物質もあく抜きして水に漬けて置く間に無くなってしまう
水溶性のものなので心配は無用なのだ
と上書きされました。

だから動物には食べられない山菜なのです。

山ブドウを食べるサルが新芽を採らないのは天ぷらを
作れないからだ  と冗談を飛ばしている私ですが

野生動物にはワラビのあく抜きする手段がないのです。

ワラビの毒性 (動物にとってと言う意味であえてこう書きましょう)
が発見されたのは牛が誤食して死んだ事がきっかけだったそうです。

野生をすっかり忘れた家畜はごくまれに食べてしまう事があるそうです。

私もしっかりあく抜きをして長々と水に流して食べています。
念のため先端部は全てカットしています。
昆布締めなどで販売もしますからこれは当然の仕込みと思います。
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ところが、
お客様でロシアの方がいらっしゃいまして
自動車部品輸出業の社長さんなんですが

この方がワラビが好物なのだと聞いていましたので
その処理済みのワラビを進呈したところ大いに怪訝なお顔をされるのです。
『これ本当にワラビ?』とまで言われました。
ロシア産ワラビは日本に大量に輸入されている位ですから
そんな事ぐらいは知っているはずだと思っていたので意外でした。

「知識と知恵」
という言葉が頭に明滅しました。

山で私よりはるかに高齢のおじさんと山菜の話で盛り上がった時の事

高齢者は知恵の塊ですから積極的にお話を伺う事にしている
のですが妙な事を言うのです。
「アザミの新芽と萌え出たばかりのワラビを味噌汁にすると旨い」
「ワラビを数本だけなら他が吸収するからあく抜きは不要だ」  と

ウソだろ?
と思い実践してみたところ苦くて食べられませんでした。

よく似た話にこういうのがあります。
ワラビの天ぷらです。
「油で揚げるんだからあく抜きなんか不要だ」
というものです。

知人が試してみたところやはり苦くて食べられなかったそうです。

天ぷらは私も他のものと混ぜてかき揚げにしますが
必ずあく抜きをしたもので作ります。
水に漬けておいたものでも油はねせず香りは弱くとも
ねっとりとした食感が美味しさを加味してくれます。

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この様にあく抜きせずに食べ続けていても平気に長生きする
人たちが実際に存在しているという事は「毒性」としては
それ程強くはないとも言えるかも知れませんが

普通の人は絶対にやってはいけません。
繰り返しになりますが牛が死ぬほどの発がん物質なのです。
人間にしか出来ないあく抜きを必ず行って食べるべきです。

ワラビ山ではウサギが沢山生息していて貯めフンがそこらにあります。
盛んに萌え出るワラビも一回はかじってみるようです。
たまにウサギのかじり跡のついたのがあるから微笑ましいのですが

おそらく経験不足の若いウサギなのでしょう。
こうして 『あ、これは苦くて美味しくないんだ』
知識を積んで成長していくのですね。

人間にはこのあくを抜くという知恵があるから体に良い
という部分だけを取り込むことが出来るようになったのです。

でもこのせっかくの自然の賜りものを薬品漬けにして
”港の山菜”にしてしまったのは悪知恵としか言えませんね。


やまびとはワラビの出る山を「ワラビ山」
ぜんまいの出る山を「ぜんまい山」などと呼びます。
これはキノコなどでも同様です。
人の名字で「栗山さん」というのも案外似た事情なのかも知れませんね。

ぜんまいは半日蔭を好みますがワラビは陽光さんさんといった
場所に繁茂しますのでとても暑い山菜採りになります。
そんなワラビ山に今年も出かけてきました。

車を降りてから小一時間山道を登るとそこは一面のワラビ。
わずかな笹や低木があるもののススキや野バラなどの
株間から、あるいは見渡す限りの野原いたるところから一杯に
萌え出ています。

そんな中、リュックを担いで行きつ戻りつ採り進みます。
前掛けエプロンが一杯になると背中のリュックを下して
移し替え、ついでに水を一口飲み、汗を拭きます。

日当たりの良い、日陰の無い山の上というのはこんなにも
暑いのかと毎年呆れるほど汗をかきます。

昔からワラビ採りは「女子供の山菜採り」と言われます。
ぜんまいほど急崖でもなくススタケ採りほどの危険もない
比較的平坦な場所での事だからです。

でもそれは手提げかご一杯とかザック一杯とかの
収穫量での話です。

山菜採りも大量に採る、採れるとなるとそれがどんな種類であっても
ハードになります。
以前にフキノトウを大量に採って八百屋さんに卸し、
その代金を西アフリカの食糧支援金に当てていた時
『フキノトウ採りってこんなに大変だったっけ???』 と
嘆息したことがあります。

ここのワラビ採りもハードです。
大きなリュックに一杯採ると肩に重くのしかかり
うっかり下方にしゃがむと転げ落ちそうになるほどです。

事実この場所では転げ落ちたお握りを見かける事も
珍しくはありません。
”おにぎりころりん”だけなら笑えますが、高齢者が坂を転げ落ちたら
笑い事じゃすみませんね。

でも斜面の笹原から大きなワラビが頭をもたげていると
「行かざるを得ない」と前のめりに進入するのです。

日当たりの良いところでは3~40cmくらいが採り頃ですが、
笹原や藪の中では日照を求めて1m位まで伸びています。

それが少しも硬くなく下で手折ると上の方もその衝撃で
折れてしまうほど柔らかいのです。
笹原に体を預けるようにして一本ポキリと手折ると、
もう少し先の方にまた一本顔を出しているのが見えます。

そこでもう一歩足を踏み込み反対側の手で手折ります。
するとまた目と鼻の先にもう一本という具合にキリがありません。

そうするとあたかも笹原の上をクロールで泳いでいるような様に
なっているんです。

地面には枯れたワラビが分厚くワラでも敷き詰めたように
腐葉土の層となり ほんの数センチ顔を出しただけにしか
見えないワラビでも根際をグッと押さえこむとその2~3倍の長さで
収穫が出来ます。

全山がこの調子です。
しかも他の山菜と違ってワラビは採れば採るほどより一層萌え出る
と言われています。
これも子孫を残すための遺伝子構造なのでしょう。

ですから採り頃を過ぎて葉を展開したものは積極的に折りなさい
とも言われております。
実際の所はそんな暇などないのですが、
ワラビの実態はタケノコと同じく地下茎だと言われます。

胞子を撒き散らすために栄養葉を伸ばしてはいるものの
本体は地下茎だと言うのです。
秋に地上部位が枯れても栄養を蓄えた地下茎はゆっくりと冬眠して
春を待つわけです。

ですから次々に手折られても続々と増産してくるという説です。

ちなみに
この地下茎を秋に掘り出して作るのがワラビ粉で
それで作る代表がわらび餅です。

本物はなかなか見かけられなくなりましたがとても美味しいものですよね。
地上のワラビは人間しか採り食べませんが、
この地下茎が大好物の獣がいます。

イノシシです。
温暖化の影響で雪国にまで北上してきています。
クズの根やワラビの根を盛んに掘り返して食べます。

こやつが来るとタケノコなど人間には採らせてはもらえなくなる
とまでは聞き知っていましたがこの様子では
いつまでワラビの海で泳げるのやら  と心配になります。
山菜採りにはいくつかの流れがあります。
雪解けと同時にフキノトウ、コゴミ、ぜんまい。

桜が芽吹くころにシャクの花芽が伸び始め適期となります。
シャクの花が咲くころにはもう硬くて採れませんが、その頃には
アザミの花芽が収穫の適期となります。
これも40cmを超えるとすぐに硬くなります。

いっぽう桜が開花するころにはコシアブラが収穫期となります。

桜の開花には休眠打破と呼ばれる一定地点での気温測定の積算によって
それを知る方法が広く知られています。

これは山菜採りびとに言わせると樹上の話であります。
つまり、気温は空中の温度なわけです。
遮るものの無い日当たりの良い空中で開花。

すると環境の同じようなコシアブラ、タラノメ、ウコギ、
などがその時期とほぼ合致すると言う訳です。
すなわち空中の芽吹き時期=桜の開花時期となる訳ですね。

地上はやや事情が異なります。
その年の積雪状態、残雪状態や日照で大きく左右されるからです。

やや低木の半日蔭を好むハナイカダがコシアブラなどより若干遅れて
出てくるのもその影響だと思われます。
能登では積雪がそれ程多くなく、ぜんまいとハナイカダが同時に
採取できることが珍しくないのも同じ理由からでしょう。

また高山地帯の雪の多い所ではコシアブラなどがとっくに終わった
後からやっとフキノトウが芽吹くという事も普通に起こります。

この後は地中から萌え出るウド、ススタケ(ネマガリタケ)へと続きますが
初期から秋ごろまでずっと収穫し続ける事の出来るのが「ワラビ」なのです。
そういう意味では山菜の中でも特別な存在です。