2015.02.28 魚の煮付け
魚の煮付けや塩焼きは誰でも家庭で作る料理です。
ですから料亭や割烹店などでは案外に注文されない場合が多々あるようです。
例えば
おなじみの「田ばた」さんでその日は
”ハタハタの塩焼き”があったとします
”アジの塩焼き”あるいは”カマスの塩焼き”
普通は
『こんなんだったら家でも食べれる』
と思われるようで積極的に注文しない人が多いようです。

ところが!
こんな一見ありきたりに思える品こそが
私たちが家で食べているものと本物のプロが仕立てるものとの
異次元の隔たりを実感させてくれるのです。

ハタハタは今まで食べたことのない美味でした。
アジもカマスも絶対に家では食べる事の出来ない香ばしさを
また、しっとりとした程よい水分と脂を凝縮した旨みを堪能できるものでした。

「田ばた」さんで食べるものはどれでも超絶的な旨さを実感できるのですが
今までで一番おいしかったのは「ヒラマサの頭の塩焼き」です。
カマを大振りに付けた頭は皮目が香ばしくて酒を飲むのを忘れる程でした。

こんなプロが作ってくれる煮付けは当然絶品です。
目を凝らしてウロコや汚れを最後の点検よろしく丁寧に行い
じっくりとタレを掛けまわして仕上げてくれます。
言うまでもなく究極の美味です。

塩焼きをあれ程の絶品にするのはとても困難でも
この煮付けをなんとかプロの味に近づける事は出来ないものか。


やってみました

まず、プロと私たちが家庭で作る物との決定的な違いは
酒です。
魚を煮る時に水で煮ますか?
ダシで煮ますか?
昆布だしで?
水と酒でしょうか?

プロは酒のみで煮るそうです。
昆布も不要 (味の出ない魚なら有効でしょうが)
酒を沸かしてこびりつきを避けるために牛蒡を並べて入れ
下ごしらえの済んだ魚を乗せます。

紙ブタをして煮ます。
火が通ったら砂糖と醤油を加えて煮詰めていき

煮汁が少なくなってきたら鍋を傾けて汁を掛けまわしてやります。
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掛けて、掛けて 仕上がりです。

こうして完成しました。
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ほんの少しですが普通に作るよりは美味しくなってくれました。

煮詰めた酒には確かな力が充実しているんですね。
ですが
ここで使う酒が問題です。
アミノ酸混入の酒ではどうでしょうか?

答) お話になりません
   なぜならコメの旨みが少ないのを味の素でごまかしている
   そんな酒を煮詰めたところで旨みが出ないばかりか
   味の素がかえって邪魔をして嫌味な雑味ばかりが立つからです。

ですから
料理に使う酒こそ「純米酒」でなければいけないのです。

純米酒だけしか作らない蔵元を「純米蔵」と呼び
その数は年々増え続けています。

紙パックの料理酒に使える安価なものでも
純米酒は多く出回っており
私がもっぱら常用しているのは
石川県の福正宗から出ている「金色のしずく」
どこでも1,000円以内で買う事が出来ます。

おすすめします。
料理も酒も原点回帰こそが本物の美味しさをもたらすのです。
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2015.02.26 冬カレイ
冬は魚全般がそうであるようにカレイもまた美味しくなります。
浜で生きているのを仕入れてきて
まず、
頭を落とし腹を出します。
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このカレイは抱卵していてもうこぼれ落ちるくらい充実しています。
本当は煮付けかから揚げにしたいくらいですね。

頭を落とす時点で体全体で飛び跳ねる程の反応を示します。
生きている命を頂くことのありがたさを痛感する瞬間です。
この様に活きている魚からは血がだらだらと流れます。

だから血抜きが出来るのです。
死んでしまった身肉ではこうはいきません。
どろりとした塊が出るだけでそういう魚では血抜きはできず、
生臭みの残る刺身にしかならないのです。

これを活き締めと言い鮮度を保つ方法とされています。
いっぽう、何も手当をせずに放置して絶命させたものは野締めと
呼ばれ、ノジなどとも言われます。

普通はこの活き締めして血抜きしただけで十分なのですが
九州地方などから発達した神経締めと言う技がありますので
今回はそれで念を入れて施しましょう。

神経を抜き取るわけです。
私たちが歯医者さんで神経を抜くときにも同じような
器具が用いられていると思いますが、

この針も表面がザラザラに加工してあります。
これを魚の背骨の上方にある神経の通り道  穴にさしこむと
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この様に瞬時に激しく、頭を落とすとき以上の暴れ方をします。
ヒレ全体は言うに及ばず、身肉までがしばらく痙攣さえします。

頭はなくてもまだ体が生きている証拠ですね。

これをしばらく冷蔵庫で休ませてから「洗い」にしましょう。
カレイやヒラメは5枚おろしと言う方法で下ろします。

背骨に沿って中央に切り目を入れそこから両脇に包丁を入れていきます。
そうすると表で2枚、裏で2枚、残った骨で1枚の合計5枚ということですね。

まず、氷水を用意します。
水の氷を入れただけじゃ本当の冷水にはなりません。
よ~くかき混ぜてやります。
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器の外に水滴が付く位になれば準備万端。

薄切りにした身を水に入れていきます。

ゆるゆるとかき混ぜます。
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ザルに空けて氷を捨て
布巾でくるんで水気を切り
器に盛れば完成!
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これはワサビ醤油でもポン酢でももちろん美味しく頂けますが、
今回はこのために梅肉タレを仕込んでいましたので
その工程をご紹介しましょう。

梅干を用意します。
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こちらは梅干を作る途中につぶれたものを除けて置いた
いわゆる「つぶれ梅」です。
10年モノですから色は良くありませんが塩慣れした逸品です。

まな板に置き包丁で皮、肉をこそげ取ります。
小型のすり鉢に移してすります。

滑らかになったらみりんと、醤油を加えてすり完成します。

これをちょんと乗せて身をクルリと巻いて食べます。
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冬の甘露
今だけの美味です。
富山県高岡市の高岡農業組合さんが
やってくれました。
高岡市では今まで米栽培に偏り過ぎてきたという反省を踏まえて
地場野菜栽培に力を入れています。

なかでも里芋は天然海藻の成分を活用して「アルギット栽培」という
手法で美味しいものがあるんです。
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これで作られた焼酎がこちらです。
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「高岡そだち」というネーミングは農業組合さんらしいですね。
この黄金色のパッケージは雨晴海岸の冬の風物詩
「気嵐し」  けあらし
(極低温の夜明けに海から沸き立つ水蒸気に朝日が燃えたつようなさま)
を表現しているのでしょう。
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芋焼酎といえば鹿児島のさつまいもが有名ですが
本場には沢山の蔵があるとはいえ味や風味はほぼ似通っています。

でも焼酎でくくるとこの狭い日本でも実に多彩なものがあります。
麦や胡麻焼酎に始まりスダチなど様々なものから作られています。
でも今まで飲んだ中で「おっこれは全然違う!旨い!」と
思ったのが奄美大島の「黒糖焼酎」です。

こちらで求めたのではなく地元の方から頂いたものです。
ですから本当に旨いと思ったのはその一本だけで
こちらで買い求めてもその味とは全く異なっているのです。

この「高岡そだち」を飲んでまず、その黒糖焼酎の味わいを思い出しました。
さつま芋とは香りこそ近いもののふた味も違います。

ストレートで飲みます。
とろりとした、きつくないアルコールが舌の上で
まるで雨上がりの朝、木の葉の上に水滴が丸くとどまっているように
まんまるにまとまるような感じでするっと喉を滑り落ちていくのです。

これは旨いお酒です。

驚きました!

次にボトルごと冷やしてそのままストレートで飲みます。
これは冷えた分だけキリリとして次にトロリと甘く変化します。
これはいい酒ですね!

次に氷を入れてロックで
最後は水割りで飲みました。

水割りにしても甘さを感じます。
日本酒の甘さとも違うあくまでも良質の酒だけが持つ
角の取れた柔らかな甘味です。

鹿児島で言えばプレミアム焼酎の名も高い「魔王」
黒糖焼酎で言えばかなり高価な部類に匹敵する名酒です。
間違いありません!

気嵐のラベルに負けない威風さえ感じる飲み口です。

ニッカの「竹鶴」をグラスについで揺らし灯りに透かしてみます。
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次に「高岡そだち」を
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アルコール度数の違いを考慮してみてもいかに
練度の高い優れた酒であるかがひと目で判ります。

口に含んだ印象も竹鶴に近いものを感じさせてくれます。
スモーキーフレーバーと芋の風味こそ違えどです。

これをウイスキーの空樽に詰めると恐ろしいほどの名酒に
なるであろうことが私にも簡単に想像できます。
それをお願いしたいくらいですね。


何はともあれこの素晴らしい焼酎の誕生に祝杯をあげることとし、
本格的な販売開始をいまから待ちわびましょう。
もしかしたら
高岡発の新プレミア焼酎の誕生となるのかも知れません。
それだけの実力を確かに持っています。
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2015.02.13 フコ毒再び

フコ毒について
以前に書いた記事です。

世界が毒にまみれていると思いたくはありませんが、
ずいぶんと蔓延しているのは違いないようです。

毒虫と毒虫が闘い、
最後に勝ち残った者が一番強い毒を持っているのは
疑いがありません。

それは確かに古代中国の呪術の通りなのでしょう。
でも、問題は
虫ではなく
人間界でそれを行うという事にあります。

一番最後に勝ち残った猛毒の人間、ー(人種、国、戦闘員、集団)

が出現するわけです。

その人たちもまた私たちが暮らす地球丸の同乗者なのです。

その”強毒”は撒き散らされないのでしょうか?

世界が毒にまみれているとばかりは思いたくはありません。

でもこの地球がフコの甕のように成り果てる地獄の釜にだけは
なって欲しくはありません。
心から祈りをささげ、この曲を添えます。






日常の食生活は基本を粗食と行きたいところですが
生来の酒好き煩悩の塊ゆえにどうしてもカロリー高めのものを
手に取ってしまいます。

また冬期はよほど気を付けていないと野菜不足にもなりがちです。

そこで一石二鳥を狙ってふりかけを作ることにしました。

最初にトライしたのが「もずく」です。
きっかけはひょんなことでした。

美味しくなかったのです、このもずくが!。 
そのあまりに味のない
表現の不能な程のまずさに一回は捨ててしまおうかと
思い、外まで持っていったのですがそれでは食材に対して
申し訳なさすぎると思い返してふりかけに仕立てました。

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結論
とても美味しくなりました。
海の味わいですが昆布ともワカメとも違う風味がしました。
もっとも、これはウチで加えた沖縄天然塩の風味だったのかも
知れませんが・・・ 

でもこれはおすすめできません。
1,000円程のブツが小鉢一杯ほどにしかならないからです。

次に試したのが大根の漬物の葉。
細かく刻んで乾燥させてすり鉢ですり、唐辛子などを加えて
ベースとします。

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後はご飯のお供を自由にくわえるだけでOKです。

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当店には漬物がお嫌いなお客様もいらっしゃいます。
その方にお出ししました。
中でも古漬けが大嫌いだと言われるその人に
よりによって古漬け大根葉のふりかけです。

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結果
きれいに食べていただけました。

お次は米ぬかのふりかけです。
今までにも何度か手作りの商品として購入することがありましたが
健康性という性能はさておき、
味に関しては少なからず不満がありました。

そこで今回は初めてのトライでしたが
その思いをぶつけるように好きなものをほぼ全部加えてみる
という暴挙を敢行したのです。

金ごま、干しエビ、じゃこ、かつお節、とろろ昆布、アオサノリ、
アサクサノリ、紫蘇ふりかけ、紅ショウガ、などなど

なんだか、米ぬかより後から加えたものの総量が多いような
気もしますがその分とても美味しくなってくれました。

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これは楽しいですね。
病みつきになりそうです。

今年も忙しくなりそうな予感です。

原点回帰をご飯の味方として模索してみましょう。