最近は魚介カレーばかり作っていて
もちろんそれはそれでなかなか美味しくて満足していたのですが
お隣の篠山名人が作ったカレーを頂いて衝撃を受けました。

肉やエビなど豪華絢爛な具材もさることながら
スパイスの効いたとろみのあるルゥ。
これが旨いんです。
やはり日本人にとってこのとろみがある種”決めて要素”
だったんですね。

そこでその点を踏まえ
インドパキスタン系のいわゆるイスラム教圏で食べられない
豚肉を使って、しかも富山のラーメンらしい
しつらえにしてみました。

ちなみに宗教によって禁忌とされる食べ物には様々ですが

宗教による食のタブー

イスラム教では豚肉
ヒンズー教では牛肉
ユダヤ教ではうろこの無い魚などといったものがよく知られています。
中国ほどではないにしろここ日本でも比較的そういった宗教的禁忌が
緩いことは食いしん坊の私にとって実に喜ばしいことです。


なにしろこの後からうろこの無い魚が控えているんですから。

さて、ポークカレーといっても普通に作ったんじゃ退屈です。
チャーシューのように巻いてみましょう。

これをラーメンのチャーシューを煮る要領で煮ます。

肉は煮足りないと固くなったり匂いが出たり、
かといって煮すぎてしまってはバサバサになります。

程よくしっとり感を残して煮、スパイスカレーに仕立て
いったん取り出します。
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ここで
カレーを裏漉しします。
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これで程よいとろみが出来ました。
小麦粉や乳製品の無い自然なとろみです。

肉を厚めにカットして
盛り付けましょう。
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”富山の” と言うにはちょっっぴり気が引けますが
いかにもラーメン屋の作るカレーといった風情が出ていませんか?

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もちろん味もばっちりです。
私の作る昆布のたっぷり入ったラーメンスープを連想させる
奥の深い旨みまで生きています。

さあ、ポークがくれば次はもちろんアレです。



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以前に「一升漬け」を販売したところたちまち売れ切れてしまいました。
それ以後はずっと品切れ状態が続いています。

なぜかというと
一度に沢山仕込むため大量のストックが難しく
しかも熟成させるのに3~4年かかるためその間は欠品
せざるを得ないという訳なのです。

東北地方ではどこの家庭でも普通に作られるという
この一升漬けがここ富山では馴染みが無いにも関わらず
あまりに旨いので前回はすぐに完売してしまいました。

御存じないという方の為に改めてご説明しましょう。
青唐辛子の刻み   一升
麹            一升
醤油          一升

を混ぜて寝かせたものです
が!
当店ではこれにさらに
天然行者にんにく刻みを  一升加えて仕込みます。

こうして書くと実にシンプルなものです。
郷土料理や伝統食というものはこういうものなんですね。
事実、
以前に青森から送っていただいた一升漬けはいたってシンプルな物でした。
そう おそらく今皆様が御想像した通りのモノでしょうね。

普通じゃないものを作るから自信をもって販売できます。
想像もつかないほど美味しいからこそ再び買いに来られます。

その秘密は
材料の吟味に尽きます。
辛味が鮮烈で香りの強い青唐辛子
真面目な麹
天然の香り豊かな行者にんにく
そして極め付きが”本醸造のなま醤油”です。

本醸造という名はいかさまな酒のおかげで随分安っぽく成り果てていますが
醤油の世界では健在です。
一般的な醤油は材料を絞ってから塩水で伸ばし、
各種添加物で味を整えて販売されています。

ですから例えそれで作ったものを何年寝かそうとも
味は化けません。
それどころか妙に黒ずんだり、逆に味が薄くなったりして飛ぶことすらあります。
当然でしょうね
塩水で伸ばして魔法をかけているんですから
時間とともに魔法も解けるってもんです。

火を入れていない味噌や醤油というのは
加熱したり寝かしたりすることで劇的に旨くなる性質があります。
材料が生きているからです。

その代り吹きこぼれたり、カビが発生したりと
保存に神経を使うというデメリットを補って余るほどの旨みです。

私が使わせていただいている醤油は
絞ったままの、酒で例えるなら原酒のような醤油です。
全く薄められていません。
無添加、非加熱、の”本醸造なま醤油”です。

これは4年で見事に化けます。
麹は甘くとろりと溶け
唐辛子は角の取れた香り立つ辛さ
行者にんにくは刺激臭がまろやかになり
そしてそれらをひとまとめに醤油がドンと抱え込んでいます。

食べ方は
そのまま熱いご飯に少量乗せて
またはそれを焼き海苔でくるんで食べる。

納豆に混ぜる。
生卵に入れて卵かけごはんに。
大根おろしにかける。
焼き肉のたれとして。
などなど
自在にアレンジができますが、

ひそかな私のお気に入りは
「白片肉  パイペンルゥ」のタレとして使う
というものです。

豚ばら肉の塊を沸騰した湯に入れます
再沸騰したら弱火にして約50分
上げたら自然に冷まして薄くスライス
きゅうりのスライスを敷いた上に肉を並べ

この一升漬けをかけて食べるというものです。
箸と酒が止まらなくなること請け合いです。

ただし少々辛いですから
辛いのが苦手という方にはおすすめしません。

200g入り  ひとビン 500円での販売となります。

また、
まことに残念ながらこれの仕込みは今回限りとなります。
あまりに手間と時間がかかりすぎるからです。
お好みの方はなるべく多めにお買い求めになられるよう
添えておきましょう。

絶対に裏切りません。
お約束いたします。

「料理人はどこにも無い美味しいものを作りたくて精一杯
頑張るんだ
ただ金が欲しいのなら金を転がせばいいし、
人並のものが出来たからといって喜んでいるようじゃいけない
それ以上を常に目指さないとダメなんだ」


私が崇拝する達人の言です。

また一品その言葉に恥ずかしくないものが出来ました。






タイ風にグリーンカレーを作ってみました。
とりあえずテキストを見るとグリーンカレーペーストというのが
載っています。

ところが当然ながら身の回りに無いものばかりです。
そこで身の回りにあるもので代用して集めてみました。
以下の通りです。

粒コショー               20粒       ブラックペッパー  少々
パクチーの根みじん切り   大匙1 1/2       シャク        少々
ピューマックルーみじん切り 小匙  1        山椒(木の芽)   3本
レモングラス薄切り      カップ 1/2       スダチ果汁     少々
プリッキーヌー   40本      唐辛子(赤青)   4本
ホムデン                 5個分     タマネギ(中    2個
カピ               大匙  1/2       蝦醤      小匙 1
クミン(粒)           小匙  1/2       クミン     小匙 1/4
ナツメグパウダー       小匙  1/2 ナツメグパウダー  少々

以上がグリーンカレーペーストです。

また調味料にもややこしいのがいます
バイマックルー   はスダチの皮で代用しましょう。

しかし、いくら有り合わせでやっても元の味とは程遠いのは
アタリマエ
そこでテキストには無い地元ならではの
とっておき食材を用意しました。
タデです。
辛い栁蓼をたっぷり加えます。

ちなみに「シャク」とは春の山菜でお馴染みのセリ科の植物です
山にも河原にも美味しいスパイスがたっぷりとあるんですから
どうせなら近づけるというより開き直って富山の味を出してみましょう。

さてさていかがなりますか?・・・

その前に
     テキストから引用させていただきましょう・・・・

(引用ここから)
タイでは数多くの料理がコツコツとスパイスを潰すことから始まります。
その作業に使われるのがクロックといわれる石臼。
このクロックの音で料理の美味しさがわかるともいわれ、
よい音を響かせる女性と結婚すれば幸せになれるという言い伝えも
あるとか。
(引用ここまで)
インドでも同様の調理道具があります。
やはりスパイスや香辛料、特に粒コショウやクローブなどの
固いものも潰すことができます。

残念ながらウチにはありません。
でもアナログな私の力強い味方すり鉢があります。
今回もこれで挑戦してみました。

続きはメインのPCが復活次第アップしてみます。








外国航路のタンカーに初めて船員として乗船した時は
目にするもの全てが物珍しいものばかりでした。

調理長が毎日のメニューを書き起こします。
単調な海上生活では食事はとても重要ですから
全員が興味津々でそのメニューを見つめ
『今度乗船してきた調理長は何を食べさせてくれるのかな?』と
期待に胸ふくらませます。

新米の私はその厨房の小間使いです。


ある外国船ではインド人に料理を仕込まれた調理人が乗船し
毎日カレーが続いたそうです。
しまいには船長以下
「体まで黄色くなってしまいそうだ」と
悲鳴が上がったといいます。

また違うケースでは
腕の立つ寿司職人が乗り込んできて
めっぽう旨い寿司を作ったはいいのですが
他の料理では全く役に立たなかったという話もあります。

当時は景気が良く船員のなりてが居らず人手不足だったのです。

船上では無いものは自分たちで作り出すのが原則。
もやし、こんにゃく、パン、豆腐などなどあらゆるものを作ります。
おかげで沢山のことを学ばせていただきました。

まず、朝一番は
その日のメニューを見て仕事の段取りが始まるのですが
??な表記がたまにあるのです。
例えば○に十を入れて「まるじゅう」と呼ぶのもそうです。
丸十といえば薩摩藩の家紋です。

だから、丸十に芋と書けば  それはさつま芋
揚げとつなげば         さつま揚げ
汁とつなげれば         さつま汁
といった具合です。

船の上でもカレーは大人気です。
何しろ海軍時代からの伝統がありますよね。

前日から材料と手間を惜しまず腕によりをかけて仕込みます。
ところが! メニューに見慣れない表記が?
「カレースタッフ」とあります
これは何も助手を公募しているのじゃありません。

カレーの付け合わせなんです。
ラッキョウ、福神漬け、シソの実、その他 およそ5~6種

サラダなどの他にそれだけ添えるのが当たり前になっているようでした。
なかなか美味しかったですね。

これを思い出して
富山ならではのカレーに添える香味野菜がないものか?
と自宅で用意できるものを試してみました。

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バジル、青紫蘇、みょうが、山椒の葉(木の芽)
さて、魚介を主としたカレーに何が一番マッチすると思いますか?

なんと木の芽だったのです。

小さな葉をしごいてカレーの上に散らして食べると
なんとも爽やかな風味がカレーのスパイスと不思議によく馴染み
えもいえぬ美味しさとなるのです。

これは富山カレーの添え物としてはナイスヒットです。

ところで木の芽が何故今頃庭にあるのか?
といいますと
実山椒の皮をすりつぶして 粉山椒を作る時に
中の黒い種を除きます。

これを植えているんです。
山椒の木はなかなか大きくならないと聞きますが
あれは太くならないという意味なんですね。

山椒が自生するのは雑木林の中、か弱い実生苗は
必死で生き残りをかけて初夏から秋までせっせと
新芽を出して成長します。

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これは快適なプランターでも同様です。
お試しになりたい方は(種をまいてみたい方)
ご来店の折り、お申し付けください
お分けします。

どうかカレーで木の芽をお楽しみください。
無いものは作り出すのです。