今年もアジメドジョウを捕まえに行きました。
険しい崖を降り、大きな岩を乗り越え、冷たい急流に浸かり
ようやくほんの少量を得ます。

これは捕るのが大変なんだと皆口をそろえて言いますが
実際にやってみないとその苦労は解りません。

でも半日をそうして冷たい水に入って過ごしていると
暑い日差しで首筋は真っ黒に日焼けしますが
体には全く暑さを感じません。
なかなか快適な遊びです。

そうして崖を登り、車に帰ってきてひと仕事です。
私の軽四にはキッチン道具を常備してありますから
材料を用意しさえすればどこでも料理が出来るのです。

この日は天ぷらとザル蕎麦。
ついさっきまで泳いでいたアジメドジョウに油の中で
泳いでもらいました。

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ただでさえ柔らかいのに揚げたては口の中でほろほろと
上品なほどけ方をしてくれます。

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なるほど
そんじょそこらのドジョウとは格が違うのも納得の美味。
昔はあちこちで沢山獲れたそうで
なれ寿司にして天皇陛下に献上されたりもしたそうです。

などと聞くと「高貴な味わい」とも言いたくなりますが
そんな大袈裟な事もありません。

古老に言わせると
昔は子供たちが一日中ドジョウを捕まえて遊んだものだ
そうです。

今では希少になったからとはいえしょせんその程度。
子供の遊びの延長なのです。

でも
いい歳こいた今だからこそ
童心に還って無心にドジョウを追いかける事がこんなにも
楽しく、

木漏れ日の中で食べる食事がとても美味しいのです。

そんな楽しみを心から喜べる歳になった
いえ
なってしまったと言うべきでしょうか。



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リンクをさせていただいている「日々是勉強」のろろさんから
連絡が入りました。
「自転車で日本一周している友人が富山に立ち寄るから・・」
というものです。

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どんな真っ黒の人が来るのかと楽しみに待っていたら
日焼けはしていてもこんな目元涼やかな好青年です。

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聞くと沖縄で一ヶ月砂糖キビ畑の除草のバイトなどをしつつ
のんびりと回っているのだとか、
ずいぶんと色々な経験をしたようです。

でも触れ合う人たちは皆親切にしてくれるのが嬉しいとの事。
まだまだこの国も捨てたモンじゃありませんね。

腹いっぱい食べてもらい
最後、出がけに食べてもらったのがこの
「またたびの塩漬け」
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昔、徒歩で旅をして力尽きて倒れた時に
このまたたびを食べると元気が蘇り
また、旅をすることが出来た。
その事から「マタタビ」の名がついたそうです。

そのいわれを聞きながら喜んで食べてくれました。
ほんのささやかな
”袖すりあうも多生の縁”
どうかお気をつけて行ってらっしゃい。

私達に出来る事といえばこうして腹いっぱい食べさせて
あげることだけですがせめて少しでも健やかな食事で応援
できればと思います。

また元気な顔を見せに来てください。

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これから北へ向かうそうですがこの目立つ装束を見かけたら
ぜひ、お声をかけてやってください。
最初は道中ガッパもつけていたそうですが風で飛ばされて
しまったのだとか
もしかしたらどこかで調達して縞ガッパもつけているかも知れません。

2013.07.27 すっぽん

富山市高屋敷のアングラーズ釣具店の店長をしている柴さんは
古くからのお客さんです。

その仕事柄
釣り全般に詳しいのはもちろんですが、
川の生き物に対する造詣が深く川魚初心者の私にとっては
先生のような存在ですっかり頼りにしています。

大勢のお客さんからも随分頼りにされているようですが
自然とそんな人のところには愉快な人たちも集います。

宮本重工釣果戦略研究所
の宮本重工さんもそのひとり。

いずれも楽しい釣り仲間達(アングラーズ)です。

この宮本重工さんはヘラブナなども釣りますが
珍しいのが「すっぽん」釣りのプロという事です。

先日は二匹をお預かりして皆で食べました。
楽しいすっぽん宴会です。

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ひょうきんな宮本重工さんの本日の獲物。
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さばいて二時間煮込み
丸鍋がこちら。

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から揚げ

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〆の雑炊

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最後のラーメン

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と大いに語り、飲み、楽しい時間を過ごしました。

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どんどん愉快な輪が広がって
珍しい獲物を美味しく食べたい仲間が増えていきそうです。


ところでこのすっぽん
亀の仲間には違いないようですが
皆さん『亀はのろまな奴』と思ってませんか?

すっぽんはまるで違います!
普通の亀と違い手足は収納せず
鋭い長い爪で懸命に動かします。

これは野生の動物に甲羅をつけたような生き物ですね。
イタチ、テン、・・
いや一番近いモノに挙げるならモグラでしょうか?
モグラはうっかり地表に迷い出ると物凄い素早さで逃げ回り
あっという間に地面を掘り返して逃げていきます。

あの鋭い爪をもった前足を連想してしまいます。

次に恐ろしい凶器が口です。
亀はのんびりと首をもたげますがすっぽんは激しく動きます。
伸ばしたり縮めたり左右に振ったり
その間口をカチカチと音立てて噛み付く対象を求めるのです。


Yさんは川舟に乗り投網を巻いて鮎を捕るプロです。
先日大雨で増水した川ですっぽんが丁度潜るところに遭遇
その真上から網を投げたのですが逃げられたそうです。

ところがその後船の周囲を幾度も顔を出してはもぐりと
まるで船の周囲をグルグルと回るようにしていたと
言うのです。

何をしていたのか?
鮎を食べる為です。
事実網の中から取り出した鮎の中に脳付近を齧られた鮎が
いたそうです。

アオリイカを釣る時に豆アジを餌にするとやはり
脳天を直撃する事から考えてもこういう魚を丸呑みしない
タイプの肉食系の奴らは魚が脳をかじると大人しくなるという
知見を持っているようです。

しかし、大雨の後の増水した川というのは泥水の濁流、激流
なんですがそんな中を自在に泳ぐのは鮎かそれを捕食する
サクラマスぐらいだと思っていたのにすっぽんまでが
自在に泳いで捕っていたとは驚きです。

それにしても
Yさんはその時点で野生のすっぽんと鮎の捕りっこを
していた訳でまぎれもなく野生の目と勘を持った人ですね。
どちらにも恐れ入りましたと頭が下がります。

そしてもうひとり
そんな凄いすっぽんを狙って釣り上げるという宮本重工さん
あなたはやっぱり凄い人です。
脱帽 m(~)m

またおいしく食べましょうね。
ありがとうございました。




毎日が真夏のように暑い日々ですが
いかがおすごしでしょうか? 暑さ負けはしていませんか?

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ところで
先週金曜日に予告登板しました「ず丼」が大好評で12:40に
用意した分を完売いたしました。

予告から当日まで日数が少なかったのでこの反響は意外でした。
ご来店くださいましてありがとうございます。

ところがあまりに早く売り切れてしまったため食べる事が
出来なかったお客様が大勢出てしまいました。
ご迷惑をおかけしました。
そこで今度の18日(木)に再登板することに致します。

天然ナマズの美味しさを少しでも多くのお客様に知って
もらいたいとの一念です。

普通、お店で出す場合 安定供給をと養殖ナマズを使う事が
多いのですが
大抵それはアメリカナマズとなります。
これはあまりに淡白すぎて旨くありません。
それでもスタミナがつくと各国で珍重されます。

この一例だけでもクセの無い天然モノがいかに凄いかと
いう証と言えましょう。

怪しい国の怪しい環境でしかも怪しげな飼料で育った
ウナギよりは数百倍安全とも言えます。

さて、どなたでも一口食べれば納得のず丼ですが
今回の特選ネタはナマズではありません。
いえ
ナマズは旨いに決まっているので今更言を重ねるのは不要。

今が旬のナスです。

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夏だから旬だと言ってるわけじゃありません。
晴天続きの日に収穫したナスでは面白くないのです。

ナスはご存知のように身肉がスポンジ状ですよね
これに水分がたっぷりと含まれていないと美味しくないのです。
ですから雨が降った後の今のナス、これが旨いんです。


焼きナスにしても、炒め物にしてもジューシーに仕上がります。
そして極め付きが天ぷらなんです。
水分をたっぷりと含んでいる為、揚げ油を余分に吸わないのです。

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油を吸わないのに口に入れると柔らかな衣の下からフワリ
とした食感と とろけるようなジューシーさのナスで
思わずハフハフとなります。


天丼のツユはご存知濃い目の無糖「江戸前式」
よく見かける薄い色の薄い味の天ツユではこれだけの
力強いネタをまとめ上げる事はできません。

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最後のお口直しの香の物は天丼に合わせて
「青の柴漬け」をご用意しました。

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これも今が旬の梅漬けから出る梅酢。

まだ赤紫蘇の入っていない白梅酢で
青ウリとナス、青紫蘇、生姜、ミョウガを漬け込んだ
歯応えの良い、あっさりとした漬物です。

ラーメンとず丼の両方が濃い味ですからさっぱりと舌を
洗い流してくれます。

小さな皿に乗ったほんの少しの漬物が
そうして盆の上の味をひとまとめにして終えさせてくれる
のです。

これが私の言う「味の総和」です。
ラーメンはラーメンで完結し=和
丼はラーメンの持ち味を壊すことなく共存しつつ完結し=和
最後はその両方を漬物がまとめ上げてくれるのです。(総和)

さて、
今度の木曜日はどんなしつらえでご用意しましょうか?
どうぞお楽しみに。




昨年お陰様で大好評をいただいた「ず丼」
今週の金曜日に登場します。

200円
ラーメンかチャーシューメンかいずれかと併せたオーダーで
承ります。

丼のみ単品でのご注文やお持ち帰りなどには対応できません。

清流域で釣ったナマズを地下水で泥を吐かせてあります。
揚げたての天ぷらにはクセや匂いなど全くありません。

古来より食通が密かに珍重した妙なる美食です。

数に限りがありますので
なるべくお早めにご来店ください。

まずは告知まで。
2013.07.03 漬物の力
何年前になるでしょうか、
超有名古都の大きな商店街に行った時の事です。
延々と続く商店街には大きな漬物屋さんがずらりと軒を連ねています。

ここでは地元の○野菜を使った美味しい漬物が名物のひとつなのです。

その何キロもある商店街の端から端まで全部のお店!
ものの見事に化学調味料、アミノ酸等 と表示されたものばかり!!

かの、ホンダが町工場の規模だった頃から創業者の
本田宗一郎氏がリンゴ箱の上に立ち朝礼の訓示で
「世界を目指そう!」と言っていたのは有名な話です。

テクノロジーなら世界共通です。
事実その後ホンダは世界を駆ける大企業に成長しました。

でも、漬物は米食の日本人にとっては欠かせないものですが
漬物の販路を限りなく拡大させて世界を制覇するつもりでもあったんでしょうか?
漬物会社は安直にアミノ酸防腐剤混入の道をたどってしまいました。

世界にはほぼ無添加のピクルスを製造販売しているところがゴマンとあります。
添加物まみれの日本産がそんな世界で通用するとはとても思えませんよね。


正しく作られた漬物には力があります。
塩分があるとはいっても良い塩で漬ければミネラルの
吸収を増幅さえしてくれるのです。

非加熱の野菜にはビタミンも壊れずに残っています。

それを防腐剤やアミノ酸をたっぷりとまぶしておきながら
「お漬物は体にいいんです」
などと言っても誰も耳を貸しません。


漬物の力を認識するのは油っこい食事の後です。
口中の油脂を洗い流してくれるのです。
ところが、ラーメン店では漬物を出す所が少ないとみえて
ご飯と一緒に漬物を出すと驚かれる事も珍しくありません。

所変わって
鹿児島県では最初からテーブルの上に大皿で漬物が山盛りに
置いてあり食前食後好きなときにつまめるようになって
いるのが定番です。
しかもたいてい自家製で無添加です。

これは実際に食べてみて驚きました。
ついでに言うと
お茶の巨大産地を抱えていますからお茶も良質なのを
出してくれます。

原価もそれなりにかかるはずですが
まず、第一にお客様をこころよく迎え
美味しく食べて喜んでもらいたいという「店」の本質を
守っているが為だと思われます。

正しく作られた食べ物には全て力がありますが、
漬物の力について語ろうとすれば高菜の例が最適でしょう。

ここ数年鹿児島の親戚から生の高菜が送られてきて私が
漬け込みます。
出来あがった高菜漬けは私は普通に美味しく食べるだけですが
こと九州人はどうも様子が違います。

家内はお母さんが生前元気だった頃漬け樽に高菜を
全身を使って『ギュッギュッ』と押し込んで作っていたと
その様、その音を食べるたびに語って聞かせるのです。

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大阪に住む義姉に送るとやはり
『お母さんがよく漬けていたよね』
と思い出して電話を掛けてきたそうです。

また長崎出身のSさんは母親の作ってくれた味を思い出して
かすかに涙ぐみました。

この誰もが子供の頃から食べなれた高菜を懐かしんだのは
当然なのですが、
では今まで一切高菜が食べられなかったと言うわけじゃ
無いんですね。

高菜が好きだから今までにも何度も市販のものを購入して
食べているんです。

でもそれには記憶は反応してこなかった
今、唐突に記憶のスイッチが入った
そして当の自分でもそれと気づかずに語りだしている
というわけです。

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当時の家庭の母親達が作ったであろう
同じ味が脳の記憶回路を瞬時に繋げたのです。
塩と唐辛子だけで美味しく漬け上がるのに
わざわざ化学調味料や防腐剤を入れる親はいません。

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今までに何度も書いていますが
何度でも書きましょう。

日本のご飯はそれだけで”甘い”のです。

甘味があって美味しいご飯を日本人は希求した結果
表現が適切かどうかはさておき
言うならば”甘すぎる”所にまで到達しているのかも
知れません。

ですから若い頃はいざ知らず中年を過ぎる頃から
山菜や、味噌汁、そして漬物がやたら美味しく感じるように
なるといった一面があるものと思われます。

グルメで知られた老俳優がTVで炊き立ての白ご飯に
生醤油をかけただけのものが一番の美味なんだよ  と
差し出し、
それを食べた若い局アナがとまどっていた事がありますが
究極に厳選されたであろうその米の甘味と上質な醤油の味が
解らなかった為でしょう。

加齢に伴って
「ご飯とお漬物があれば何も要らない」
となりがちなのを栄養不足になる良くない食事だと
非難ばかりしないでこういう側面から見ることもまた
理解をふかめることにつながります。

漬物の力はまだまだ書き続けます。
日本人はお米で生かされてきましたが
その一番の仲良しは肉でも魚でもなくそれぞれの
家庭の母親が漬け込む漬物だったのです。

昔、肉や魚がたっぷり食べられなかった奥山などの地域では
過酷な山仕事で激しく体力を消耗するため
それこそ一升飯を食べるような生活をしていて
皆胃拡張ぎみだったと当時の無医村を訪れた医師がしたためています。

今、そんな食生活をする人はいないでしょうから
当時のような塩辛い漬物は姿を消しました。

現代に求められているものは
ご飯を沢山食べるために必要だった塩辛さではなく
ご飯の甘さをさらりと洗い流してくれる自然な漬物なのです。

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決してそれは油の掛かったサラダや、うすら甘い既製品の
漬物のなりすましでは代替できません。

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