2012.06.29 ヒナ鳥の季節
私はカラスが嫌いです。
もっとも
「好きだ」という人のほうが圧倒的に少ないでしょうが。

でも中には
ああ見えてとても賢い鳥なんだと褒める方もいます。
自動販売機に拾ったお金を投入してジュースを買う奴まで
いるなどと聞くと『ほう!?』などと感心はしますが、
余計になおさら癇に障る気分です。

要するに
ボウズ憎ければ袈裟まで憎いという感情です。

嫌う理由は
1、ゴミを荒らす
2、干物を狙ってくる
3、早朝からやかましく鳴く
などです。
ま、ほとんどの人も同様でしょうね。

でも、カラスというのはなまじ知恵があるので
甘やかしておくとつけあがります。

子供の頃もそうでした。
母が豆を蒔くとその後でカラスがほじって食べてしまいます。
そこで様子を眺めているカラスを追い払おうとしても
母だと舐めてしまっているので逃げないのだそうです。

そこで業を煮やした母が私を呼びます。
いつも石を投げて追い払うので私の姿を見るだけで
一目散に飛び去っていくんです。

なので
現在でもそうやっています。
さすがに石は投げられないのでこのエアーライフルを使います。
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これは二代目のショットガンタイプで玉が3個同時に出ます。
その分多少威力に欠けますが、なにも殺傷を目的としている
訳ではありません、怖がらせるだけで充分です。

『あ!ここには意地悪なオヤジがいるんだな』
と思わせるだけでいいんです。
おかげで今では私の顔を見るだけで逃げ出します。
カラスが賢いだけに御しやすいとも言えます。
教育的効果の賜物という事にしておきましょう。


鳥といえば今はヒナ鳥が巣立つ時期です。
先日も見慣れない小鳥が鳴いているなと思ってみていると
セキレイの親が餌を口移しで与えているのを発見
『なるほどあれはセキレイのヒナだったか』
と判りました。
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河原ではよく見る小鳥がうずくまっています。
『しまった!轢いちまったかな?』
大丈夫だろうかと心配になって車から降りて近づくと
必死で飛び立って行きます。

そんな巣立ち直後の上手に飛べないヒナがあちこちで
見受けられます。

先週の事です。
いつものお店に買い物に行くとツバメの巣から
ヒナ達が顔をのぞかせていまして
それがとても可愛いくて
家内は猫でも呼ぶように舌を鳴らすほどです。

するとヒナ達は身震いするようにして後ろの方に縮こまるのです。
そっとしておこうと
遠巻きに眺めていました。

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翌日カメラを持参すると二人のお母さんが
可愛いねェなどと語らいながら眺めています。

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日本野鳥の会の方のお話では
ツバメというのは野性動物の中で唯一人間に見せながら子育てを行なうのだそうです。
つまり、人間に見守られながら生きる、命をつなぐという
選択をしたというのです。

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確かにヒナ鳥は愛らしいし、口移しで餌を与える仕草も可愛いですよね。
いえ、
「手がないんだからしょうがないんだよ」
なんて野暮は言いっこなしです
そんな子育てを見ると誰だって守ってやりたくなるってものじゃないでしょうか?

ところが
今、日本では急速にツバメの営巣が減少しているそうです。
大都会では昼人口に比べて夜はほとんど人がいなくて
守ってくれなくなったんだそうです。
何から?
ネズミ、猫、カラス、へびなどからです。

生活スタイルの変化にともなう不可抗力ともいえますから
しょうがないかな  と思っていました。
ツバメのことばかり気遣って生きる訳にもいかないとも思いました。

まだここ富山には豊かな自然があるんだからツバメだって
大丈夫だろう 

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 と
こうして可愛い写真を撮って

後は買い物をして帰ろうと奥にいると

なにやら前の方で私を呼ぶけたたましい声がするのです。

駆けつけてみると
たった今までヒナ鳥がいた巣が無残に壊れ
一羽もいません!

一瞬の隙をついてカラスが3羽襲ってきて
あっというまにヒナをくわえていってしまったというのです。
下には柔らかそうな尾羽と数滴の血が落ちていて
それが本当の事なんだと示しています。

ついさっきまで親鳥を呼んでいた声がもうありません。
静かに巣からはみ出たワラ葛が風にそよぐだけです。
ウソのように
あの子達が 四個の命が 僅かに目を離した一瞬で消えてしまったのです。

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悄然と帰途につきました。
なんだかカメラなんか構えていた能天気な自分に腹が立つほどです。

お店の玄関上に営巣するのは絶えず人が出入りして
天敵に襲われないようにとの知恵からなんでしょうが
こんな田舎の町にも大店法施行以来イオンなどの
大型店が出来て客足が奪われているのも一因でしょう。

少子高齢化で昼の人口が極端に少なくなってしまったのも
あるでしょうが
こうなってみるとこんな田舎町ですら
もうツバメの子育てを見守られなくなって来つつ
あるんですね。

かなりショックな出来事でした。
帰宅して家内と話すと前日の可愛い姿を覚えているだけに
悔しそうにしていましたが
「でも、そのカラスにも養うべきヒナがいるんでしょうよ」
と言うのです。

なるほど野鳥の会の安西さんも常々
「野生の世界では命は何時消えるか解らないんです」
というそのまんまなんですね。

私達人間は
ハムスターが可愛いというくせに実験用にラットを使い
猫がネズミを捕ってくると「エラい」と褒めるのに
カラスが鳩やツバメのヒナを襲うとこうして非難する。

そうなんだなこれも厳しい自然の掟なんだから
無闇にカラスばかり憎んだってしょうがないか
と言い聞かせることにしました。


ところが!
翌日またこの店に行くと
なんとまたまたカラスがやってきて落ちていたあの尾羽を
食べていったと言うのです。

なんとイヤな奴なんでしょうか!

ツバメの親はヒナを探し求めて車の下などに落ちて
いやしないかと懸命に歩き回っていたというのに!

私はやっぱりカラスが嫌いです。
えぇ大っ嫌いですとも。
そこでまたまた
次の日に家からエアーライフルを持参して預けてきました。
使い方をよーっくレクチャーしてきました。
かくして意地悪オヤジ2号の誕生です。

来年はきっと無事にツバメの巣立ちが見られるはずです。







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早朝静かな山中をどこまでも歩き続け
とうとうこんな所まで来ました。

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新緑を愛でる心と言葉は農耕から生まれたと言います。
木の芽雨
緑雨
万緑
緑風
若葉雨
新樹
山若葉
厳しい冬の終わりと恵み溢れる農耕季節の始まりを
告げる自然の使者であり
忙しい農耕作業を計るカレンダーでもあります。

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ついこの前まで芽吹きの鞘を残雪の上に撒き散らしていた
と思ったらもうすっかり新緑真っ盛りになっています。

そんな初夏の明るい日差しの中この日も釣りに行きました。

トンネルに入ると自然のクーラーまでついています。
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まさしく天然の水冷クーラーですね。

ここはえん堤のトンネルです。
下から見るとこうなっています。
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この辺りまで来ると人の足跡がほとんどありません。

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普通、釣り場には誰かが落とした袋とか空き缶などが
落ちているものですが
吸殻一個、見当たらないばかりか
コンクリート片、金属片のひとかけらすらありません。

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つまり人間の気配はあのトロッコ軌道まで
そこから一歩分け入るだけで人外秘境というわけです。

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ここなら初心者の私でも釣れそうです



それほど甘くはありません
やはり難しい。

このいかにも釣れそうなポイントでも一匹も姿を見れません。

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その後に師匠は立て続けに数匹を上げます。

でもいいんです。
負け惜しみを言うわけじゃありませんが
周りをながめつつひと気の無い峪を昇り降りし、
こうしてお昼を取ると
日常からすっぱりと切り離される感覚になり
気分一新されるんですね。

この日は鮭のお握りとモズクの味噌汁、フキのぬか漬け。
この峪はまだ涼しいので虫が少なく
静かに食事ができました。
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さて帰路は道すがら山菜を摘んで行きましょう。
転んでも山菜を手に立ち上がると言われた
本領発揮です。

最後に目のくらむような巨大えん堤を降りて帰宅したのですが
あまりの恐ろしさに写真を撮る余裕はありませんでした。

帰宅後は山菜を加えた「イワナ飯」を作ります。

師匠はもっぱら「イワナの焼き枯らし」を作って保存するそうです。
いずれ詳しくご紹介する機会もあるでしょうが
この焼き枯らしというのは山で寝泊りしつつ釣り歩く
釣り人の行なう仕事でして

夜、焚き火の回りに距離を置いて串刺しにした魚を並べ
非常にゆっくりと焼き上げるものです。
焼くというよりむしろほぼ完璧に乾燥させた状態で完成していますから
保存性に優れ旨味が凝縮されるというわけです。

山だったら軽量化と小さく縮む分荷がかさばらないという
利点も出てきます。

この焼き枯らしで骨酒やイワナ飯を作るそうです。
旨そうです。
いいずれご紹介いたしましょう。

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昔、子供の頃家では鶏を飼っていました。
常時20羽くらいはいたはずです。

母は一週間ごとに卵をとって町に売りに行きます。
父は公務員でしたが
山で生活すると言う事は無駄が無いという事です。

雑木を切って焚き木にする。
燃えた後は消し炭で保存する。

切った後は整地して畑を作る。
野菜くずや雑草は鶏に与える。
鶏糞を畑に混ぜる。

春には山菜を採り町で売る。
余分は乾燥保存しておく。

秋にはキノコを採り町で売る。
余分は塩漬けにして大きな樽で保存。

冬には戻した山菜やキノコを町で売る。

思えば母は一年中そうやって目まぐるしく働いていました。

ですから鶏に餌をやるぐらいは子供達の仕事です。
配合飼料も与えますが、野草を刻んでやったり
小芋を煮て与えたり、貝殻を砕いて与えたりします。

ところが!
母に言わせると
「ニワトリってなんてバカなんだろう!」と
いうぐらいに食べ散らかすのです。

ハコベという野草は鶏の大好物なのですが
食べ方が下手な鶏のためにざっくりと刻んで与えなければ
いけません。
それでもクチバシでくわえるだけですからぶら下げてきょとんとしているのです。
他の鶏がそれを横取りをしようと追い掛け回します。
餌箱にはまだ沢山あるのに・・。

「バカだねぇ足で押さえて食べればいいのに」と
母はいつも呆れ顔で嘆いていました。

その後中学生になった頃ヤマガラという小鳥を飼って
その意味がようやく理解できました。

ヤマガラの巣箱には上の方に張り出しがあるのが特徴です。
そこからヒモで吊った小さな餌入れがあり、
そこに麻の実をひと粒乗せるのです。

するとこの利口な小鳥はすぐに張り出しに飛んで
ヒモをくわえ上げては足で押さえ、またくわえ上げて
麻の実を取るのです。

鶏が何故あんなに愚かだったのかと考える時
もしかしてあの餌箱に問題があったのかも知れない
とも思います。

硬い木で作った長い餌箱
そこに飼料を入れると一斉に群がり盛大に突付いて食べる
のですがもちろんその時も大量に食べこぼします。

問題はクチバシが硬い木をコツコツ、ガンガンと突付く時
そのすぐそばには脳があるわけです。
もしこれが人間だったならどうでしょうか?

両手を後ろで縛られて狭い空間から顔を突き出して
食べなければならない状況に置かれたとします。
食事はやや下方にあり、食べるにはやや勢いをつけて
頭を突き出さねばなりません。
でも一口食べるごとに横の板に頭がガツンとぶち当たる

そんな常態であったら
やはり鶏頭になってしまうかも知れないのです。

縁日で買ってきたヒヨコが育ったら雄鶏になってしまった。
という話はよく聞きますよね。
あれはほぼ100%雄鶏のヒヨコだから当然なのですが、
始末に困って河原に放してしまう人がいるそうです。

その雄鶏を空気銃で撃ち、食べたという人がいまして
「大変美味しかった」というのですが、
ほぼ野生化していて肉質もさることながら
当時まだ徘徊していた野犬に襲われるために逞しく飛んでいたというのです。

なので夜間、高い木の上にいる所を苦労して仕留めた
というものです。
肉質、運動能力に加えて知能も進化していたと言うわけですね。

じゃそれは何故か?
多分、食事のせいでしょう。
与えられたものを漫然と食べるところから自力で採食しなければならなくなった。

そしてそこには柔らかい土があったからじゃないか
と思うのです。
一口ごとに頭突きをしなくとも済んだからじゃないか と。

カモメのジョナサンもふと立ち止まって思考をし
違うステージに旅立ちました。

鶏も朝から晩まで硬い餌箱に向かって頭突きをしなければ
鶏は三歩あるくと忘れるなどと笑われることにはならなかったかも知れないのです。



そんなことを考えて鶏ガラスープを作っていたときに
妙なニュースが入ってきました。

あの鶏頭と呼ばれていた元総理が沖縄に行き
県民感情を逆なでするようなスピーチをしたというのです。
そういえば確か辞任したときには
議員辞職をするとも言っていました。

いったいどんな作法でお食事をされてきた方なんでしょうか?

下々からは想像もつきませんが
いっそ無人の奥山か河原にでも移り住んでこれ以上の
迷惑は願い下げにしたいものです。

カモメのジョナサンですら
孤高に生きることが可能でした。

人間に向かって
「その存在の全てが無駄だ」
などと言えるはずもありませんが
少なくとも鶏に与える議員歳費は恐ろしく無駄のような気がしてなりません。

山菜を採ってきたので炊き込みご飯に仕立てました。
でも、山菜ごはんと聞くとありがちに思われるでしょうが
実はマトモなものはあまりお目にかかれないんですね。

あってもそのほとんどが例の味付け山菜水煮を利用したものです。
うすら甘い化学調味料と防腐剤の液体に漬かっているアレです。
アレは決して褒めるわけじゃありませんが
実に良く出来ています。

食卓の向こうー港発山菜
西日本新聞が発行しているブックレットには
このことが詳しく描かれていて大ショックを受けるはずです。

このリンクは阿修羅板ですがブックレットでは他にも
精力的取材による様々な問題を抉り出していて実に興味深い
編集に仕上がっています。



実は西日本新聞さんも見逃してしまっている問題があります。
ここでは
塩蔵品の山菜が輸入陸揚げされたまま何年も放置されている
事を暴き、それを各地のナンバーを付けたトラックが運び
港産ご当地山菜の流通する実態を紹介しています。

そして問題はここの塩蔵品だから何年でも保つと書いてある点です。

山菜採りをして塩漬けをする人ならこの過ちにすぐ気づくはずです。
塩漬けにするだけじゃそんなに保ちません。
どんなに塩をきつく当てても一年です。
ワラビだとせいぜい梅雨までと言われます。

それ以上置くと融けていってしまうのです。
山のものは一年分しかもたないと言われる所以です。

山菜を何年でももたせるには乾燥が一般的です。

水煮山菜のことはまた項を改めて書くこととして
山菜ご飯の話を続けましょう。

山菜はグルタミン酸などの旨味成分をたっぷり持っています。
えてしてアクやクセなどにばかり目が行きがちですが
箸が止まらなくなるほどの旨味はカツオダシや
昆布だしなどと合わせることで倍化した結果のものです。

でも煮て食べるのならなんでもかでも鍋にぶち込めば
いいのですが、
炊き上げたご飯を混ぜる時に煮崩れてしまっては食感が
悪くなります。
また、ウドなどのように煮るよりキンピラにした方が
美味しさの引き立つものもあります。


vdb 006今回は太目のワラビとウド、それにオオバギボウシを
キンピラにして合わせました。
山の香気を損なわず、
ギボウシのシャキシャキした歯応えを活かし
太くて柔らかいワラビを潰さずに
食べてもらいたいからです。
vdb 005こちらは煮込み用のものです。
ネマガリタケ、コゴミ、ヨシナ。
ミヤマイラクサ、薄揚げ、シイタケなど。
出しでしっかり煮上げておきます。

米はもち米も混ぜてこのダシで炊き上げます。

vdb 010こちらが
キンピラの完成図です。
砂糖と油は控えめで
旨味を引き出す為にさらりと仕上げました。

vdb 011炊き上がりに
ご飯を混ぜる時に
キンピラも混ぜ込みます。

香気が立って
歯応えも損なうことなく
もっちりとした美味しい山菜ご飯の完成です。

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若い方も注文してもらえました。
有難い事ですね。
旨味の強いラーメンと合わせてもヒケをとらない
どっしりとした味になっています。

お陰様で
ラーメンだけじゃ物足りない方には好評を頂いて
おりますがこうして本来の目的である
”ラーメン好きに無理やりにでも野菜を多く食べさせる”
という事を
しかも旬のもので、なおかつ美味しく供する

そんな仕事をさせてもらえることに心から喜びと
感謝をして忙しく山菜仕事をこなす毎日です。