2011.11.14 幼虫物語とTPP
庭には花や木の鉢を置いてありますが
中でも繁殖に熱心なのが山椒です。
あと柑橘類も数種類植えています。
柑橘は無農薬のものが欲しくて植え始めたものです。

ところが山椒や柑橘類の大好きな奴がいるんです。
アゲハチョウです。
山椒を植えるとアゲハが敵になるとさえ言われているほど
春から秋までこれがひっきりなしに卵を産みつけ
またすぐに孵化して幼虫が葉を食い荒らすのです。

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でも人間の世が平等でないのと同様
虫の世界も甘くありません。
今回はそんな虫のお話です。
虫のお嫌いな方は見ない方がよろしいでしょう。



珍しく(続きを見る)と設定しておきます。
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昔、ある国の川で大きな魚がピョンピョン跳ねるのを見て
Salmo(跳ねるの意)と名づけたのがSalmonの語源の由来だと言われています。

鮭は古今東西人間とのつながりが深く、広く活用されています。
カナダでも数多く遡上しますが手厚く保護育成されていて、
ネイティブが食糧として捕獲できる以外は捕ることを禁じて
いるそうです。

ベニザケ(ソッカイサーモン)
日本では紅鮭と呼ばれ身肉が赤いのが特徴ですが
実は産卵期の婚姻色が鮮やかな紅色になることからそう呼ばれていて
アダムズリバーを真っ赤に染めて遡上する群れには感動すら覚えます。

ちなみに日本の川に遡上するシロザケは
チャムサーモンといいます。
脂肪分が少ないので諸外国では最も価値の無い鮭類として
ドッグサーモンなどと呼ばれていますが、
脂肪分の少ない事を活かして塩鮭などで活用されているのは
ご承知の通りです。

活かすも殺すもヒトの知恵しだいという訳ですね。

新潟村上市は北海道に勝るとも劣らない鮭の特産地です。
北海道にも鮭のレシピ、メニューは数多くありますが
村上のそれは他を圧倒するきめ細やかで高度な完成度を誇ります。

塩引き、飯ずし、川煮、氷頭せんべい、子皮煮、白子旨煮
ハラコ味噌漬け、ドンビコ塩焼き、ほっぺた味噌、メフン
すっぽん煮、がじ煮、焼き漬け、など数え切れないほどです。

村上では日本海の魚も豊富なのですが鮭は魚の中の魚として
もはや鮭とも呼ばないそうです。

「イヨ」
これは魚をあらわす古い言葉ですが
これをもって鮭を呼ぶというのです。

それは村上の人たちが鮭を深く愛してきたという歴史でも
あります。
限りない知恵を注いできた結晶なのです。

その中でもここ富山でトライできるのが
この「鮭びたし」です。

適度に脂の落ちた鮭に一週間塩を当てます。
お椀一杯ほどの天然塩
これを丁寧に水洗いして半年乾燥させます。

梅雨を越さないといけないと言われています。
これは名人Y氏から頂いた去年のモノです。

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これを薄くスライスして日本酒に浸します。
これが鮭びたしです。

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村上ではハレの料理です。

一般的な新巻とははっきりと一線を画した
郷土色あふれる一品です。
村上を流れるまだ見ぬ三面川(みおもてがわ)
の画像を眺めながらこれをつまみ熱燗をかたむけ

そして村上の人たちの深い知恵に感謝を捧げます。



2011.11.08 鮭トバを作る
鮭は4年経つと産まれた河に帰ると言われます。
そういう意味ではどこからどこまでが天然と言うべきなのか
よく判らなくなってきています。
内水面漁協が採卵、受精、孵化、放流しているからです。

でもいわゆる養殖場で育てた成魚ではない
遡上したものを呼ぶのなら日本の天然物はほとんどがシロザケなのだそうです。

シロとは言っても皮は美しい銀色です。
これを「銀」と呼びます。
産まれた河にたどり着いてもすぐには遡上をしません。
体を塩水から真水に慣らすためにしばらく河口付近を
大きく回遊して過ごします。

この段階で海で獲れるものは皮目が緑がかったマダラ模様に
なっています。
これを「ブナ」と呼びます。

銀のものは切り身にしても赤いですが、
ブナになると切り身は白っぽくなります。
遡上に備えて餌を食べなくなることと、特にメスがそうなのですが
栄養がどんどんタマゴの方に行くからだと言われています。

そのタマゴ=イクラは銀のうちは卵殻も柔らかいのですが
ブナになるほど卵殻の弾力の強い
つまり噛み応えのある硬い卵へと変化をしていきます。
急流に揉まれても潰れないようにとの適応が起こるのですね。

この銀をトバに仕立てます。
細い短冊状にカットして塩味、または醤油味に漬け込み
干します。
これが乾燥仕上がりの状態。

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カチカチでうっすらと脂が滲み出してきています。

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皮目はまだ銀ですね。

それからスモークをして仕上げます。

いわゆるスモークサーモンの一種ですが、
柔らかくしっとりとしたモノは冷燻(れいくん)と呼ばれ
30度以下の涼しい煙で燻すのに比べ

このトバは60~78度ほどの温かい煙りで燻す
温燻(おんくん)と呼ばれるものです。
冷燻はゆっくり日数をかけて柔らかく仕上げるのに対して
温燻は短時間で仕上げる為比較的硬い仕上がりになります。

その分保存性はよくなります。
昔、アイヌの人たちが行ったのはこちらの方だったそうです。

こうしてスモークして
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こちらが仕上がった状態。

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脂が滲み出し、銀にスモークの色がついています。

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残念ながら今年は鮭の水揚げが非常に少なく
今のところ銀は1/2しか入手出来ませんでした。
このままだとこの一回限りに終りそうな予感です。

ブナが入手出来たら今度は新潟村上風の塩引きにして
半年ほど乾燥させる「鮭の酒びたし」に仕立てます。

硬くなった鮭を薄く削ぎ切りにして、お酒に浸して食べるものですが
これは脂気が無い方が良いのでブナが最適というわけです。
ただし今の漁の様子では如何なりますやら悲観的な見通しです。



ひき肉にスパイスを混ぜてソーセージを作り、
余ったのを焼くと焼きソーセージになります。
皮無しというわけです。
そのままでも充分美味しいのですがパンに挟むと
ハンバーガーのようにさらに美味しくなります。

でもそれじゃ「パンの味方」になってしまうので
タマネギ、ニンニク人参などの野菜を加えて炒めましょう。
スパイス類を多目に入れ、ケチャップ、塩コショウで
味を整えます。

ザル、ボウルに移して余分な脂と野菜から染み出た水分を
落とします。

基本のチャーハンを作り、このひき肉を加えると
ミートソースというかソーセージ味のチャーハンの出来上がりです。

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残念ながら見た目じゃ味は全く判りません。

この日はダイエットを心掛けてるお客様が
ミニ丼に心引かれながらもガマンしていたのに
とうとう匂いにたまらず  と白状しつつ
後からオーダーされました。

なんて罪深いスパイスの力

「絶品でした」

と完食でお帰りになられました。

今までに味わった事の無い想像不能の味わいでした。

次はこれでちゃんとしたソースに仕立てて
目玉丼にしましょう。

目玉とスパイスがどう化けるか!
今から楽しみです。


「羹に懲りて膾を吹く」
(あつものに懲りてなますを吹く)
肉や魚の入った熱い吸い物で熱い思いをした事に懲りて
冷たいなますまで用心して息を吹きかけて食べる様を言います。

用心深すぎ→愚か者 
      の意味合いで用いられることが多いようです。

昔、日本人がまだハムソーセージに馴染み薄かった頃
ハムの食中毒事件が起きました。
確か少なくない死者が出たはずです。

それから数十年経った今でも
官僚は事故の責任を負わされるのを厭うかのように
食肉製品の規制を緩めません。

何の話かというと
ハムソーセージがこれほど一般的になり、ドイツの製法が
広く知れ渡ってきたにも関わらず市販の許可を取ろうと
すると「アミノ酸等」に含まれる「防腐剤」の添加を
なかば強制してくるそうです。

無添加のものを作って本物の美味しさを伝えたいと
思っても規制の壁に遮られてしまうというのです。
いつまで膾を吹き続ければ気が済むのでしょうか?


ですから
手作りを謳って販売されていてもアミノ酸混入が
多くていつまで経ってもマトモなものは口に入りそうにありません。

やれドイツで習ってきただの
コンクールで優勝しただのといっても以下同文です。
中にはどうせドイツ語やフランス語なんか読めやしないだろうと・・・

(以下省略)

仕方が無いので数年前から自分でソーセージを作っています。
ヒマを作りながらですからいつもと言うわけにはいきません。

特に燻製釜は庭の隅の倉庫の側。
奥まった所に設置してあるので暑い時期には近寄る事すら
出来ません。
ましてや今年のような暑かった年にはいつまでも蚊が献血を
要求するのでなおさらでした。

ようやく蚊と暑さが落ち着いてきてくれました
忙しさも一段落。

久しぶりの出番です。
ひき肉を仕込み
羊腸に詰めます。

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スパイスはその時次第で気ままに調合していますが
セージは必ず加えます。
これを入れると歌詞が頭の中に蘇り昔の曲が流れ出ます。


スカボローフェアに行ったならパセリとセージ
ローズマリーとタイムを・・

で始まるサイモン&ガーファンクルの名曲です。
自然に口ずさみながら休日をのんびりと楽しみます。


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スモークします。
秋の澄んだ空気の中で
頭の中にはメロディが流れ
それを包むように桜チップの
スモーク香がしっとりと漂います。

始めは50度くらいで乾燥させて、

チップを乗せてからは
7~80度まで上げていきます。




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この段階では燻製の香りがプンプンしますが
そのままでは香りが強すぎです。


次は
70~80度のお風呂で約15分入浴

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次に流水で冷まします。

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プリップリのウィンナーの出来上がりです。

これから鮭が取れ出したら
鮭トバなども作ります。

昼のミニ丼でチャーハンなどに使うためというより
もはや作ることだけが楽しみで繰り返している
そんな感じです。
休日もこうして厨房にこもって作っていると
一年中仕事から全く切れ目無しでいることに気づかされます。

春 山菜を採ってきたら天ぷらやキンピラにしてお店で
夏~秋
  キノコをお店で
秋~冬
  ベーコン、ソーセージ、鮭トバ お店で
etc.


ただし、ハムは作りません。
一度大失敗をやらかして懲りました。

ハムで懲りてソーセージを作る  
            とでも書いておきましょう。