ある作家のエッセイで
「私は長年妻と娘にだまされていた」 
というのを読んだ事があります。

それによると二人がかりで日々
「料理と言うのはとても難しく玄妙なもので」
「食べて、あれこれと論評をすることはまかりならん」
と言い聞かせられてきたそうです。

この作家氏それを愚直に信じ込んでいて
『なんだか今日の味噌汁は塩気がきついな』
などと思っても決して注文や文句など言った事もなかったのです。

ところが、ある時。
その二人が長く家を空ける事情が起き、
この論理は破綻します。

作家氏が教本を持ち恐る恐る台所に立つと
なんと!
あっけなく美味しいものが作れてしまったのです。
晴天のヘキレキ。
目からウロコ。

そうか!今まで口車に乗せられていたのか!

と気づいたと言うわけです。
それからは嫌がる奥様を押しのけて台所に立つそうな。
料理の楽しさに目覚めてしまったというわけですね。


私は料理講習会でタンメンなどをやりましたがこれと同じような事が起ります。

皆さんはラーメン作りとかスープの仕込みなどと聞くと
とても時間の掛かる大変な難しい作業だと思い込んでいらっしゃるようですね。

それは決して間違いではないのです
いわゆる普通のお店どおりの材料比率でスープを仕込むと
最低でも4時間は掛かります。
そこから本当のダシが出始めるのですが、それは置いておき

でも講習会ではそんな時間はかけられませんから1時間弱で
作ります。
時間が無いなら材料を多く入れるだけでそれも大した金額でもなく出来上がります。

出来たスープがあまりに美味しいので皆さんに
「まず、このスープだけを味わってみてください」
というと本当に美味しいので歓声を挙げられます。

そこで皆さんに
「こんなに簡単に美味しいスープが出来れば化学調味料は要りませんよね」
と言い
「でもね、これでお店をやろうなんて思わないでください」
「プロにはプロの技が必要なんですよ」
と続けると皆さんは冗談だと思って笑います。

でもそれは冗談でもなんでもありません
奥の深い事実なんです
ただ美味しい物だけを作るのは簡単に誰でも出来ます。
しかし、それで経営を成り立たせるのが困難なだけです。
これこそが本当に難しい事なんです。

こういう冗談のようなきっかけで本当にお店を出す人がいるのです。

ひょんなきっかけでラーメンを自作してみたら案外美味かった
→友人にふるまう→絶賛される→商売をすすめられる
→謙遜→大勢の友人、ラーメン通がしつこくすすめる
そしてとうとうその気になってお店を出してしまう

というパターンです。

最近では蕎麦屋さんが目立ちます。
そこの辺りの事情を詳しく聞かずともお店に入れば
一目瞭然に察しがつきます。

アメリカのゴールドラッシュの時に一番もうけたのは
金掘りの道具を商った人だそうです。
有名なリーバイスジーンズもこの時に基盤を築いたといいます。

その伝ではありませんが、
近年やたらと蕎麦店の開業をすすめる業者がいます。
曰く
「高齢化を迎え健康志向が高まり蕎麦店開業の好機到来」
「誰でも簡単に打てる手打ち風製麺機」
「十割蕎麦が簡単に出来る製麺機」
などなど


私は「こだわらない蕎麦打ち」というのを提唱していて
よく人と手打ちうどんや手打ち蕎麦を作りますが、
その時にも必ず言い添えます。
「簡単に美味しくはなります。」
「でもそれでお店を出そうなんて思わないでくださいよ」と

ある蕎麦店がありました。
初老のご夫婦でいかにも慣れない風で開店間もないお店を
仕切っておいででした。

蕎麦が妙な按配です。
ツユも微妙です。

安直な機械を入れてろくに修行もされてないようだと
後から業者情報で知った頃にはもう人の入っているのを
見ることも無くなっていました。

また、ある寿司店では
型枠にシャリを入れて押し出し、それに業者から仕入れた
切り身を乗せて一人前いくらという盛り付け専門の仕事を
していました。

職人の仕事はどこにもありません。
見た所、明らかな転職組でした。
ご丁寧な事に味噌汁までインスタントでした。
ここは物珍しかったせいかしばらくは続きました。

でも”長続き”するかどうかというのはこの二店とも
傍目からは一目瞭然だったのです。


自分が美味しいと思ったものを他者が美味しいと思うとは
限りません。
私はそれを永遠のテーマにして毎日取り組んでいますが
いまだにその答えが見出せずにいるのです。
この道に足を踏み入れて40年経ってさえ、です。

難しそうなことをやってみたら案外簡単に美味しく出来上がったからといって
他者も「美味しい」と言ってくれるとは限らず
ましてや代価を出しても食べたいと足を運んでくれて
それで商いとして成立できるならどこでもお店だらけに
なっているはずですが、現実は厳しいはずです。

プロになるのはとても簡単ですが継続することは
とても大変なのです。


作家氏のこしらえた料理をご家族がどう評価しているのか
書いてはありませんでした。
















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念願のカレーをやっと食べに行く事ができました。

この日はあいにくの雨。
立山駅の始発に乗る頃はまだ小降りでしたが
室堂に着く頃には景色は見えず一面真っ白。
冷たい強風の中、台湾からの旅行客とおぼしき若い人達は大騒ぎでした。
当人達にしてみればきっとありえない寒さだったのでしょう。

こうして実際に訪れなければ寒さも体験できません。
何も見るものが無ければ寒さを味わうだけでも経験できるというもの
見た所、寒さを大いに楽しんでいただけているようで何よりでした。

実は私は室堂までしか行った事がありませんでした。
室堂からはトロリーバスでトンネルを走ります。

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次はロープウェイ
これも真っ白でしたが風が吹くと霧がさっと流れて景色を
見る事ができます。

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やっとダム湖に着きました。

レストハウスのメニューです。

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いろいろあります。
黒部ダムラーメンにも惹かれますが、
やはりこれです。
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味は至って普通です。
が、変にいじってないだけ誰でも普通に食べれると言う
安心感があるカレーですね。
行楽シーズンには沢山の観光客が押しかけるのですから
さばきやすくて万人向けのものが要求されるわけで

交通の不便さ、コストは原価に直接響きますから、
この味と価格を考えれば上等のカレーだと言えますね。
おいしく頂きました。
ボリュームも見た目以上にたっぷりでした。

特にカツカレーのカツが分厚い肉で柔らかく、
美味しいものでした。

黒部ダムに行ったなら是非食べてください。
ダム湖を眺めながら食べると一段と味も引き立つ事請け合いです。

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この日は雨なのと時間が早かっため空いていましたが
「お席を確保してから食券をお求めください」
との表示があったところをみると混雑時には
殺人的な忙しさになるのでしょう。

券売機のボタンを押した瞬間厨房にオーダーのアナウンスが
流れる仕組みになっているのには感心しました。

働いている方に
「ネット上では長野県大町の黒部ダムカレーの方が有名」
と言うと
「え!?だってここなのに??」
と理解不能な様子です。

世の中には頭の良い人が沢山いて
大阪なのに「丸亀」と書いたうどん屋さんがあったり
新潟産なのにヨーロッパの地名をつけたお菓子があったりします
中国では「クレヨンしんちゃん」や「コシヒカリ」などが
すでに商標登録されてしまっているそうです。

ご当人やご当地ではことさら言い立てる必要が無かったから
「うっかり」と言えばうっかりなのでしょうが
この「え!?」と言ってる間に他所で認知されてしまっている
と言う事は沢山あるでしょうね。

しかし、大町産が周知されてはいても黒部ダムは富山のものです。
何も事を荒立てて騒ぐこともありませんが
ここはひとつそれに便乗しつつ
「富山の黒部ダムカレー」を広めるべきと考えます。
いかがでしょうか?

富山県内でカレーを出しているお店の方
本家 黒部ダムカレー を売り出しませんか?

出来れば沢山のお店でいっせいに販売開始をしたほうが
話題にもなります。
ダムカレーというのはお店ごとのアレンジ、アイデアが
活かせるメニューです。

ダム周囲の紅葉を表現して柴漬けを盛るも良し

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遊覧船を表現してフライ物をつけるも良し

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独自の表現でトライしてみてはいかがでしょうか?

あるダムカレーのファンからも
「黒部ダムは富山県のものです」
「ぜひ長野県から奪い返してください」
との心強いメッセージをいただいております。

これで黙っていては腕が泣くと言うものではありませんか!

富山県で本家黒部ダムカレーを広めましょう。
県内ならどこのお店でも名づける資格はあります。

そのためにもまず、
本家の黒部ダムレストハウスに行きましょう!

2011.10.24 カマスの天丼
この日はカマスを揚げました。
今が旬のアカカマス。
脂が乗って最高に旨い魚です。

とはいえカマス天丼はもうすっかり御馴染みですから
今回は天ぷらの話に絞ってみましょうか。

天ぷらというのはただ衣をつけて揚げただけじゃ薄着に
なってしまいます。
これは「棒揚げ」と呼ばれて貧弱に見えます。

もちろん本職の天ぷらやさんならこの方が値打ちがあるんです。
沢山の数を食べるお店では薄衣の方がいいんです。
当然使用される油も価格がひとけた違う上物を使ってはいるのですが、それでも
いくら軽い油(高価な油)
であっても食べ終わった後にもたれるようでは
商売としては成り立ちません。
高級天ぷら屋さんに訪れる客層は高年齢なのを考えれば当然の帰結です。

でも天丼で、
この日のように一匹付けの場合
型が小さかったり、若い方だったりすると少々物足りなく
感じるのですね。

そんな場合は「花を咲かせる」のです。

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こうしてネタを油に入れてから衣を落とします。
露骨な厚衣は美味しくありませんが、薄い衣を花が咲いたように付けられれば成功です。

ネタが大きい場合や年配の方には花は少なめに。

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ですから昨日のタチウオは数が多かったので(5枚付け)
ほぼ棒揚げ状態でした。

その分ツユの吸い込みも多くなったりしますから
ご飯にかけるツユも当然連動させます。

脂の乗ったネタに共通することですが
このカマスもまた、からりと揚がりますが、
ツユにくぐらせた瞬間ジュワッと程よく吸い込み
急激に柔らかくなり菜箸の間で崩れそうになります。

それを丼にそっと盛り付けてお出しします。
今日もきれいに食べていただきました。

平日昼限定  ミニ丼 2百円


天ぷらの苦労では蕎麦屋さんの話が有名です。
ビックコミック(小学館)の「そばもん」からの引用では
蕎麦屋の天ぷらは難しいんだ  そうです
なぜなら天ぷら蕎麦では
蕎麦に合わせるのは、もちろんのこと
油食いにも衣食いにも満足させなけりゃならないんだ 
そうです。

なんとなく判りそうな話ですね。

高級天ぷらと庶民派との相違を示すエピソードは古くから
あります。
昔、東京で蕎麦屋さんの競争が激化した時
勝負に出た一軒が高級天ぷらやさんから腕利きの職人を
引き抜いたそうです。
ライバルをこれで蹴落とそうと大々的に広告を打ったそうです。

結果はどうでしたでしょうか?

見事に外れました。
あっけなく潰れたそうです。

天蕎麦や丼物の天ぷらと一品もの、そして高級店のコースの天ぷら
全て考えて構成しなければならないという
戒めとして今に語り伝えられている実話です。


ところで
カマスといえば釣りをしていたころの忘れられない思い出があります。
旬は初夏と秋ですが、堤防から釣れるのは初夏。
大きくなると沖に出ますから堤防からは釣れません。

初夏にシマダイを釣りに行くと近場でカマスのナブラが立つ
ことがあります。
ナブラとは群れが沸きあがるような状態のことです。
すると地元の人たちはよく判っていて
「おぉっカマスが沸いたぞ!」と
投げ竿に持ち替えてサビキ仕掛けを投げるのです。

サビキ仕掛けとは擬餌針が8~10本ついたものです。
長さが2m近いものまであります。
竿の長さが4~5m+2mの仕掛けです。

それを群れに向かって投げ込み一心に引っ掛け釣りするのです。
カマスは「カマス千匹」というくらい大きな群れを
なしますから凄い時には全部の針に15cmくらいのが
ずらりとついてきたりしてなかなか壮観なものです。

しかし、前述したとおりカマスは遊泳速度が恐ろしく速い。
ですからナブラは激しく移動してたちまちいなくなってしまいます。

そこで取り込み終了。
さて次の1投 となったときに、
「どこへ行った!?」と叫びます
すると見物人が
「あっちだ!」
「よしきたっ!」
とばかりにそちらにクルリと向いてブン投げるのです。

投げるのは勝手  と言いたいところですが
その周りは阿鼻叫喚の大騒ぎです。
狭い堤防の上でそんな危険なものをクルリ、クルリと向きを変えて投げられたりしては
後ろや周りはたまったものじゃありません。

そこS河ではこうして釣り針に引っ掛けられて救急車を呼ぶ
トラブルが頻発したことは言うまでもありません。

恐ろしい思い出です。
今はそこの堤防は大きく新調されましたが出入り禁止と
なりました。
でもきっと今でも入り込んでやっているでしょうね。

「どこだ!」
「あっち あっち」なんてね。

ケガしないようにお願いします。
カマスより人間の方が釣れやすいなんて事の無いように、
お気をつけて
所詮は遊びなのにムキになりすぎてはいけません。


もう引退して若くは無い今の自分が言う事にやや面映い気持ちを
覚えながらそれでも言わずにいられません。

オオナルコユリ
これはあまり一般的ではない山菜です。
育つのに長い時間を要するということを知ってからは
どこか後ろめたい気持ちになり積極的には採らなくなりましたが
クセのない美味しい山菜であることには違いありません。

これに魅入られて本格的に栽培している方もいらっしゃいます。

これは先にご紹介したアマドコロと非常に似ていますが
アマドコロほど日当たりの良い場所という程ではなく
藪の中などにも出ております。

群生しません。
アマドコロが数十~数百本単位のコロニーを作るのに比べ
せいぜい数本単位で出ているのがよく見る光景です。

ですから極力乱獲を慎みたい個体です。


はなはだしく矛盾しますが
この根にも強壮効果があります。
こうして薬酒になるのです。
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一瓶仕込んで後は見かけてもガマンしております。

もう少し歳を取り山歩きが出来なくなった頃に
チビリとなめて山の風景を思い返すのを今から楽しみにしています。

アマドコロ、オオナルコユリどちらも根を掘りあげるなら
今が好機です。
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(左)今の時期のオオナルコユリの姿
       (右)有毒種のホウチャクソウには根茎はありません。






太刀魚を天丼にします。
とはいえ昼の2百円でお出しするにはやや高価すぎます。
そこで安い小型のものを仕入れてきました。

60cmほどのものです。
全長だけみると大きそうですが太刀魚は釣り師仲間の間では
寸法で語るなと言われています。
どれだけ長いか?
ではなく
幅が指何本か、厚みがどれくらいかで言うのがきまりです。
「大きいのが釣れたよ」
というと
「どれぐらい?」と尋ねられます。
「指4本幅で、厚みは二本分くらいのヤツ」と答えると
「そりゃ大きいね」と認めてもらえると言うわけです。

つまり長さは問題ではないのです。
今回のは小型過ぎてベルトにもならないサイズです。
こういうのを釣るとヒモのように小さい太刀魚と言う事で
「ヒボたっちょ やな」(ヒボ=紐)
と笑われます。

ところがこれがおかげで安い。
新鮮で安い物を手間隙かけるという昼メニューにぴったり!

三枚におろします。

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大きなサイズは中骨が気になりますがこれは大丈夫。

それを強めの衣でからりと揚げます。
湯せんにした無砂糖ツユにさっとくぐらせれば出来上がり。
これを注文を聞いてから揚げます。

ラーメンを投入して油に点火。
ネタを冷蔵庫から出して衣に入れ
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ラーメン丼にタレを入れてから天ぷら投入
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麺の茹で加減を確認して天ぷらを裏返しご飯を盛る

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麺を上げてから、天丼を仕上げ

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ネギとチャーシューを乗せて同時に完成となります。

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最近は少しヒマな日が続いたので大丈夫なはずだったのですがこの日は
どういう訳か忙しくて必死でした。
天丼がこういう日に当たると少しだけ後悔するほどですが
またこんな日に限ってオーダーもよく入ります。

とうとう仕込んだネタは全部売り切れてしまいました。
小さくとも脂の乗った切り身は揚げるとからりとしていますがツユにくぐらせると
シュンとなってたちまち千切れてしまいそうになるほど
柔らかいのです。
ぐっと気合を入れて
『扱いずらい分だけ美味しいんだから』
と言い聞かせながらの大奮闘でした。

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ふんわりとした中にも旨味の詰まったタチウオの天丼
アナゴに勝るとも劣らない味わいだと思っています。


この太刀魚もルアーで釣れる魚です。
餌釣りだとあわせにくいような日でもアタリは明瞭に
取れるので手返しが早くできます。

ですから目端の利く漁師さんはもうこれに取り組んでいます。
大きめのメタルジグをその日のタナに落としてひたすら巻くのです。
ジグはほとんど鉛で出来ていますから手早い釣りになります。

これをジギングと言います。
ハマチ狙いもこの方法でやります。
ハマチ狙いはさらにすさまじく
巻き取るスピードが速ければ速いほど大物がくる
と言われます。

左手で竿をしゃくり上げながら
右手は必死にリールを巻き上げます。
その時にガツンとものすごい衝撃が走るのです。
これはたまりません。
誰でもはまります。

時代と共に釣りは変化しますが魚の生態は変わりません。
開高 健氏は著書の中で昔は人間と魚の1対1のやり取りだったのが
人間の手はどこまでも伸び
どこまでも深く届くようになり
深海までのぞけるようになってしまった
これじゃ魚がかわいそうな位だと書きました。

今回も申し訳ないようなほどのサイズを使いましたが
せめて美味しく作り
ありがたく食べれば申し訳も少しは立つでしょうか?


2011.10.21 アオリイカ
ようやくアオリイカのシーズンに入りました。
今年は例年に無く遅いインです。
通常は9,10月がアオリイカ
10,11月がヤリイカでしたが少しづつずれてきているようですね。

温暖化の影響でしょうか。
魚屋さんに並ぶのは定置網で獲れたものですが
これは釣りで狙える獲物です。

釣り方はウキ釣り、ルアー、などがあります。

ウキ釣りでは小鯵を釣り鮎のように鼻カンを通すか
針を背がけにしてイカ針をつけてウキ仕掛けを流す方法です。
アタリは明確です。
ウキがズボッと没しますのでグイッとあわせます。

ルアーには昔ながらの桐材で作った餌木(エギ)
と呼ばれるものと最近の流行のものと混在しています。
桐材のものは白と黄色に塗り分けられていますが
最近のエギはとてもカラフルで形状も多彩です。

釣り方は遠投してアクションをつけながら巻き取るというものです。
これもアタリは明瞭に出ます。
ゴツッときてまるで鯛のようにグイグイと引くのです。

とても面白い釣りでルアーにはまった若い世代が
特に多い人気の釣りとなりました。
エギングという言葉もすっかり定着したようですね。

昔の餌木は1,000円以上してヘタをすると一回投げただけで
根がかりで失くしてしまうと大損害だったりと
いわゆる
お金持ちしかトライできないジャンルだ などと
言われたものですが今は昔の感があります。
最近はデフレエギなどという100円くらいのものから
あるそうです。(笑)

これはその頃お金が無かったので自作していた名残です。
完成品は皆配ってしまって残っていませんが
形状だけはお伝えできるでしょうか?

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結構釣れたんですよ。

上の二本は市販品のエギです。
こちらはウワサのデフレエギ

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餌木釣りというのは一定のコツというか要領があり、
それを判れば投げ釣りさえ出来るなら誰でも簡単に
出来るのですが、途中で投げ出す人の多いのも特徴です。
一般的なルアーフィッシングよりヒットの確率はかなり高いでしょう。

最近ではプロの漁師さんでもルアーを使う人が出てきていると聞きます。
手返しが早い分だけ短時間で上げれるのです。

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店頭に並ばぬ前、一足先にお客様が持ち込まれました。
釣り立てのイカは透明です。
生きている時には模様がキラキラと動きますが〆てありますから流石にそれはありませんが

まだ身は活きていますからこうしてこするとサッと色が出て消えます。

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網で上がったものはイカ墨で真っ黒になっていますが
これはキレイですね。
バケツの中で充分墨を吐かせて後急所を突いて活〆を
施したそうです。
ここの目の間が急所です。

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これを怠ると顔や体に墨を吐きかけられるという
漫画のような事が実際に起きます。
私もモロに掛けられたことがあります。
本当に黒人になれます。

こちらは
おかげでさばいても墨がほとんど無くきれいな仕事ができました。
干物と昆布じめにしてお返しをします。
これから順次定置網にも入ってくるでしょう。
忙しい冬の大漁時期に入ります。

せっせと包丁を研いでおきましょう。
仕入れと持ち込みのWで出番があります。

2011.10.20 宗田ガツオ
富山湾には多彩な魚種が入ってきますが
本ガツオは獲れません。
代わりに小型の宗田ガツオが大量に上がります。
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これで30cmほどの成魚です。
日本海側ではこれから大量に上がり安い魚です。

昔は母がこれでカツオ節を作りました。
三枚におろして蒸し、紙にくるんでワラで吊るすのです。
中骨のついたままの乱暴な「亀節」の出来上がり。
身の付いた背骨は煮て鶏に食べさせます。

正月の雑煮はこの亀節でダシを引きました。
ですから今でも宗田ガツオを見るとつい買ってしまいます。

ところが、まれに中る(あたる)事があるのです。

これはカツオの体内で作られるヒスタミンが原因なのです
これを増やさせない為にはとにかく氷を大量に当てて
体温を上昇させない事が重要なのですが、
中には
『どうせ安値しかつかないから』と
氷代を惜しむ人がいて
そういう人の扱ったものがバッキューンと命中するのです。

それを知らない頃
一度だけ家内がやられました。
それから二度と食べてくれません。
残念な事です。

いつも言う
「正しく処理された魚」というのが
なかなか入手しにくい環境だったと言うわけですね。

病院の先生ですら
「カツオは生で食べちゃいけないんだ」
などと言うそうです。

そんな事はありませんよ!
正しく処理さえすれば今の時期トロにも負けない
美味しさを持つ素晴らしい魚です。

そんな美味しさを判ってもらいたい  
という漁師さんがいて、この人は大量に氷を積んで漁場に
出ます。
氷代だって高いのにありがたいことですよね。

今はそのカツオだけを仕入れます。

買ってきたらすぐにさばきます。

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こちらはシーチキン用に塩を当てたものですが
脂の乗りがお判り頂けると思います。

手こね寿司を作ります。
銀皮をつけたままの刺身を酒、醤油などのタレに漬け
生姜、青紫蘇、ゴマと寿司飯に混ぜ込みます。

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血合いはしっかりと除去します。

美味しい寿司になってくれました。

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この手こね寿司というのは漁師さんが船の上でやり始めた
ものだと言います。
漁船は朝に出港して夕に帰港するものとばかり考えていると理解が出来なくなります。
『なぜわざわざ不便な船の上でそんな面倒なことを?』
と思うそうですね。

遠洋漁業は船で何日も過ごします。
サケマス船ならサケやマスを、または筋子を
カツオ漁船ならそれこそおかずは毎日カツオなのです。

おかずを変えられないならせめてご飯の方に変化を求めた
とすれば
誠に切実なメニューだっだのだなと切ないくらいに理解が
できますね。

そんな漁師さんの苦労を想いつつ
もうひとつ
カツオ飯です。

こちらも同じくタレにまぶした切り身を用意し、

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鍋を火にかけます。

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沸いたらフタを取りあわただしく上に乗せます。

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これもたっぷりの生姜が決めてです。

炊き上がりがこちら。

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カツオのなまり節というのがあり
柔らかいカツオ節の事ですが、実は私は苦手なんです。
味が付いていないから逆に生臭みを感じてしまうんです。

この炊き込みご飯は全く生臭くありません。
しっかりと下味さえ決めればこんなにも旨くなります。
滋味深いどっしりとした旨味です。

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私の食べる様子をうかがっていた家内も
思わず手が伸びました。
この人が宗田ガツオを食べるのは何年ぶりでしょうか!
美味しい!と食べてくれました。

宗田カツオの旨さを届けたい  という
漁師さんの願いをしっかりと受け止め
美味しさを引き出したいと思い作りました。



♪ プラタナスの枯葉舞う冬の道で
  プラタナスの散る音に振り返る

などと昔の歌をつい口ずさみたくなるような街路樹の
色づく季節になりました。

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確かに大きな枯葉はガサリと音がしますから
人恋しい気持ちの時には誰かがそこにいるのかと
思ってしまいますね。

山ではそろそろ朴の落ち葉が見られます。
これも大きな葉で盛大に舞い落ちます。
これを拾って洗い陰干しにして保存します。
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そして冬。
コンロやホットプレートで朴葉味噌(ほおばみそ)
を楽しみます。

などとしたり顔で書いてますが、実は今回が初めてなんです。
ネットで検索したとおりに味噌を仕込みます。

(分量)
赤味噌  大さじ 1
田舎味噌 大さじ 2
砂糖   大さじ 3
みりん  大さじ 1
酒    大さじ 2
ごま油  大さじ 1

以上をすり鉢で混ぜ合わせるだけです。

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朴の葉を水で充分湿らせてから直火に乗せ、味噌を塗ります。
みじん切りのネギを混ぜてキノコと豚肉を乗せます。

味噌が温まってきたら具材に絡ませてさらに待ちます。
味噌がブクブク、グツグツと煮えてきたら食べ頃。

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そのままでも、こうしてご飯に乗せても美味しい一品の
出来上がり。

他にはイカや牛肉。
肉類全て、ネギぶつ、キノコ類なんでも使えます。
甘味噌と朴の香りとでなんだかひっそりとほっこりと
しそうな酒飲みの為のお好み焼きといったメニューですね。


というわけで
夜に試食してみました。
葉を充分吸水させ、

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魚焼き網を台だけにします。

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これをカセットコンロに乗せて朴の葉を置きます。
味噌を乗せて点火。
具材は牛肉とネギ、エビとキノコ類。

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あまり煙は出ませんが、やや味噌が多すぎたようです。
それに、栽培ナメコは合いません。
シイタケは1Cmまでの厚さがいいようです。

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少人数でじわりと食べるイメージでしたが
このように火力が強いなら4人くらいでも一緒に突付けますね。
寒い冬にはもってこいのアイテムとなりそうな
これは酒にもご飯にもぴったりです。
旨い!
美味しい!
暖まる!

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でも、葉が古いせいなのかあまり香りが立ちませんね。
今度山に行って今年の落ち葉を拾って来ましょう。
なにかと用事ばかり増えてきます。

このホオの樹は古くから人の暮らしに役立ってきました。
ホオという名前からして「包」が語源だというくらいで
大きな葉は昔から器として利用されてきたのです。
朴葉餅、朴葉飯などが有名です。

新緑の頃
能登の山仕事の重労働をする人たちは朴の若葉を二枚
十文字に重ねて熱いご飯を乗せ、
そこへ砂糖と塩で調味したキナコをたっぷりと振りかけます。
それをくるんで昼食の弁当にしたのです。
昼にはご飯の熱に蒸らされた朴葉のかぐわしい香りが
ご飯に移り味、香り、栄養的にも素晴らしい食事になっていました。

私も子供の頃に何度か食べた記憶があります。

材としては素直な木質のために広く活用されます。
下駄の歯、包丁の柄、まな板、版木
またヤニが少ないので刀のサヤなどにも使われたそうです。
樹皮は生薬として使われるそうです。

この樹は高木になり、花も美しいものですが、
自然と言うのは厳しく恐ろしいもので
高木になるにはそれ相応の「仕掛け」があるのだそうです。

他感作用(アレロパシー)というものです。
この落ち葉や根などからある種の物質を出し
他の植物の種子の発芽や生育などを妨げている
というものです。

まるでどこかの大国のような話でとても人事とは思えませんね。

とはいえ、
落ち葉をせっせと拾い冬に備えて味噌を仕込む私には
恵み効果しか感じないので「なるほど」で終ってしまうわけです。

はい、美味しければ満足でございます。

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おいしいお米を玄米で入手することができました。
ここ富山は米どころですからどこにでもコイン精米機
というものが設置してあります。
それを東京の義姉に話したら大層驚かれました。

こちらでは見慣れた光景だったのでどこでも同じと思っていた
私のほうも『へ~ そうなんだ』と意外でした。
いつまでたっても田舎モノです。



こちらは24時間営業のスーパーの敷地内に設置してある
精米所です。

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操作は簡単。
玄米を投入。
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コインを米の量の分だけ投入。
好みの精米レベルを選択。
スタートボタンを押します。
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玄米がみるみる吸い込まれていきます。
精米の出来た白米はこちらから出てきますから
袋の口をかぶせて待機します。
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取り出しは足元のペダルを踏みます。

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この日は新米の時期とあって順番待ちが出るほどの
盛況です。
私はお店で使うので30Kgを一度に行ないますが
普通の方々は10Kg程度ずつでお持ちになるようですね。

帰ってすぐに炊き上げます。
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ピカピカの新米。

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精米したてのご飯は旨いですよ~!

今年は異常事態ですからJAも例年に無く早く新米を
出してきました。
新嘗祭の終るのを待てない状況というのは初めて
じゃないでしょうか。

いつもあって当たり前ではないんですね。
感謝の心を忘れないようにしたいものです。

TPP参加などもひとごとのような顔をしていると
米不足が常態化するなんて事になりかねません。
米余りと言われている現在でさえ日本人がいっせいに
モリモリ食べ始めたらとても足りないと言われているのです。

日本の美しい風景に田園が欠かせないように
私たちの体には日本の米が欠かせません。
美味しいご飯がきっと日本を守ってくれるはずです。
私達一人一人がそれを守る気持ちを忘れないようにしたいものです。

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2011.10.16 おいしい米
サライ今月号のサブタイトルが

「ひと粒に七人の神が宿る」

という嬉しいお米の特集でした。
民族学者の岩井氏や新谷氏の興味深い話が掲載されていて
読み応えのある一冊です。

それによると
・日本人にとっての米は霊魂を再生させる特別な力を秘めた
 単なる食べ物というだけのものではなかった  
といいます。

なるほど
私達日本人は昔から食事や調理そのこと自体を神事だと
認識してきました。
食事のたびに手を合わせて大自然の恵み、命を頂く事に感謝
を捧げました。

・各家庭ではお皿などは共用されるがご飯茶碗だけは
 個別に決まっていて共有されない
 これは根底に稲魂信仰、穀霊信仰があるからだ
そうです。

古代より日本は春と秋を最も重要な季節として捉えてきました。
春は田植え、秋は稲刈り。
日本人にとって最も大切な祭りは神嘗祭(かんなめさい)と
新嘗祭(にいなめさい)であるといいます。
新穀を天照大御神に捧げる神事ですが
神聖な米を通して日本の国体が連綿と続いてきた証でもあります。

この新嘗祭が終るまで国民は新米を食べてはいけないというのが本来だったそうです。
深夜に執り行われる神事が終わり
翌朝家族全員がその年の新米に感謝して手を合わせて食べる
というものだったのです。

また栄養的にも
・小麦のパンにはリジンという必須アミノ酸が決定的に
 足りないのでパンと塩と水だけでは長くは生きられない
 だから
 肉や卵、乳製品などで補う必要があるのに比べ
 米は水と塩だけで相当長く生きられる
 大豆食品と組み合わせればさらに良い
とあります。

私達日本人の体には永年の米食がそれこそDNAの
隅々にまでしみこんでいるのです。
最近でこそ米余りなどと言われていますが
それにしたってわずか数十年の事です。

気が遠くなるほどの長い長い年月ずっと白いお米に
恋焦がれ切望して求め
感謝を込めて食べ続けてきたのです。

米離れなどと言われていてもこのたびの原発事故や
大災害に際していっせいに東日本に送られたのでしょう
富山県のJAには去年の古米が全て底をついてしまったそうです。
最近にはなかった事です。

やはりいざとなるとお米なんです。

農業従事者の高齢化が心配されますし
TPPなども心配です。
安全で美味しいお米を作ってくださる方々に
感謝して食べなければバチが当たるというものですね。


私はラーメン店を営んでおりますが
日本人にとってご飯の味はとても重要なので厳選しています。
自分で米を栽培出来ないならせめて上質の米を仕入れて
努めて美味しく炊き上げることぐらいは義務であると思います。

いくらラーメンに努力を傾注していても
ご飯がいまいちではなんにもならないと思っているからです。
お陰様で麺の追加注文も多いのですが
ご飯のおかわりもしていただいています。

美味しいご飯には美味しい漬物が欠かせません。
漬物にも手を掛けます。
「美味しい」を届けるということは大変でもあり
また楽しい事でもあります。

昔から連綿と繰り返されてきた美味しい営みの中に
身を置きそのサイクルを回す一員でおれる事に感謝を
して今日もありがたくご飯を炊き上げます。

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カマスは生でも美味しいですが、
干物にするとさらに美味しさアップします。

「カマスの一升飯」という言葉がありますが
これは干物の事だと思われます。
カマスの干物は旨いからそれだけで沢山のご飯が食べれる
という例えですね。

そんなに食べれないよ  と思われるでしょうが
現代の干物とかつての干物は塩分がまるで違い
常温で保存ができる干物だったんです。
現代じゃ常温保存など不可能なくらいに薄塩になりました。
冷蔵庫でももたないほどですからほとんど冷凍保存されます。

魚と塩の関係には不思議がいっぱいですが
薄塩の焼き魚というのは概してあまり美味しくなりません。
脂の乗ったタチウオを焼くとよく解りますが
薄塩だと水分が残りすぎて味がぼやけます。

それに比べてやや濃いかな?と言う位の適塩だと
脂のしつこさも感じず、また程好く水分も抜けて美味しくなります。

ですから現代人がもはや食べることすら出来なくなった
昔の塩辛い干物の旨味というのは
おそらく今の薄塩の干物より強かったのだろうと思われます。

今では北海道でしか作れなくなったといわれる
昔ながらの硬い「干ダラ」でその面影を見るばかりです。
しかしながらこの干ダラもまた手に取られなくなりつつあるのです。
柔らかく戻して化学調味料で味付け直したものが主流です。
実に嘆かわしいことです。


さて、今が美味しい旬のまっさかり
カマス
生まれてからわずか2ヶ月で20cmに成長します。
クロダイだったら一年サイズですね。
成長の早さもさることながらその泳ぐスピードも150K/h
と桁外れです。
また大きな目を持つ魚の特徴で目がいい
だから遠くからでもエサを見つけるや猛スピードで突進する
という小魚にしてみればとても恐ろしい奴なんです。

というわけでこの魚には命のみなぎるような旨さが
ぎっしりと詰まっています。
塩水に漬けてから干し上げて一夜干しにします。
開きでも、丸でも結構です。

からりと焼き上げている間に焼きおにぎりを作ります。
硬めに握ったものを直火でもフライパンでも結構。

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カマスをほぐして骨をよけます。

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茶碗におにぎりを入れて身を乗せ

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水に骨を入れて沸かします。
水の量は茶碗一杯分+α  といったところ。

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塩は不要です。
特に味付けをしなくとも干物とおにぎりの塩分で程よくなります。
沸いたら火力を弱めて少し湯が濁る位まで煮出します。

後は海苔とワサビを用意して。
茶碗に注ぎ、海苔、ワサビをあしらい完成です。

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硬かった焼きおにぎりが簡単にほぐれます。

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香ばしい風味が立ち上がり生臭さは全く感じません。

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たった一匹のカマスの干物のどこにこれほどの旨味が
あったのかと驚く事間違いありません。

カマスは初夏と秋に大量に上がり安値になることから
ともすると下魚として見られる事も多いのですが、
その深い旨味と滋味深いダシからしても
なかなか上位に位置するべき魚だと認識しております。

地球人類70億時代に突入しました。
美味しい物がいつまで食べれるものやらますます
先行き不安になってきますが、あるうちに色んなものを
美味しく食べてやろうではありませんか。



アマドコロという山菜です。
よく似たものが数種類あり、その中にはホウチャクソウ
いう有毒種もありますので注意が必要です。

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こちらは春の芽立ちの頃のオオナルコユリですが
アマドコロ、ホウチャクソウと似ているので同定の出来ない
人は手を出せません。

しかし、秋になると

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このようにはっきりと区別ができます。
枝分かれをしているものがホウチャクソウです。

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これが今の時期のアマドコロです。
オオナルコユリとともに枝分かれをしません。
どちらも根塊が大きくなったものは太くはなっても
枝分かれをしないのです。

ホウチャクソウは細くても
最低でも二股に分れ、またこのように太いものなら
何本にでも枝分かれをしていますので秋ならば容易に
見分ける事が出来ます。

ただし、くどいようですが
春には同定の難しい奴です。
うかつには手を出さないでください。

アマドコロは日当たりの良いやや乾燥した場所を好み
オオナルコユリは藪の中や道端。
ホウチャクソウは湿った薄暗い場所と
おおよその区別はできますが、困ったことに同じような
場所にはユキザサという美味しい
しかし、これまたそっくりな奴もいます。

とにかく春は要注意な奴らです。

アマドコロ
この根が芋状になっています。
これを地上部が枯れこむ頃に採取してトロロにするのです。
山芋に比べると甘味がありそれが名前の由来になっています。
「甘いトロロ」という訳ですね。
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やや土臭い気がしますが
ウチで一年育てたものだからでしょうか?
採取したのは砂地でしたから現地採取したものはもっと
違う風味がするのだろうと思います。


これは市場では自然薯と同ランクの値が付くそうです。
例によって富山では疑問符がつきますが・・。

次回にご紹介する予定の「オオナルコユリ」と違い
こちらは群生していますので少しぐらいなら掘り起こすのも気が引けません。
自然薯に比べるとはるかに楽々と掘る事ができますが、
砂地の砂利混じりの場所が好きな奴なので
剣先スコップかツルハシがあると便利でしょう。

芋は毎年更新していくのでこぶ状で連なっています。

春はもちろん若芽も食べれます。
本によると若芽と根芋のかき揚が絶品とのことですが
まだ試してはいません。

秋にはこうしてトロロにしたりもいいんですが、
薬酒にもなります。
滋養強壮の薬効があるとされるものは数多いのですが
これはその上位にランクされるそうです。

つまり高級な奴なんですね。
こちらは2009年に仕込んだものですが無糖なので
ゆっくりと出るのでしょう。
ようやく色が出始めました。

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もう少し年を取り、足腰が弱り山に行けなくなった頃に飲み出せば丁度いいのでしょうね。
今の時期間違える心配が少なくなり
掘り頃を迎えたアマドコロをご紹介しておきます。


魚の炊き込みご飯はややもすると小骨が気になってイヤだという方の為に
魚飯というものがあります。
読みは「ぎょはん」と読みます。

広島県などで盛んな様子です。
魚とご飯だけじゃありませんが日本の食卓には
それこそ無限とも言えるほどのご飯メニューがあります。

鶏肉で行なう汁掛けご飯で「鶏飯」(けいはん)
というものが鹿児島県の郷土料理にありますがこれが
魚飯に近いものです。

作り方は簡単です。
小骨がお嫌いな方はまず、焼き魚をむしって小骨を
納得いくまで除去してください。
ですから
焼き魚が余ってしまった時なども有効技となります。


次に他の具材を用意します。
この日は
昨夜の残りのカマスの焼き魚
庭のミツバ
同じく穂紫蘇
紅生姜
茗荷の味噌漬け
錦糸玉子
を用意しました。
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あれば小口ネギなども合うでしょうね。
なんでもいいんです。

ほぐした魚に醤油をまぶします。
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カツオダシに薄目の味付けをして沸かします。

汁掛けご飯は基本的にお茶漬けと同様、少なめに盛るのが
美味しく食べるコツです。

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少なめのご飯にお好みで具を乗せて
熱々のダシを掛けていただきます。
料亭のお茶漬けと呼ばれるジャンルですね。
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これが広島風の「魚飯」です。

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魚は冷たく冷えていてもご飯とダシが熱いと生臭みは
全く気になりません。
サラサラッと何杯もいけそうです。
飲んだ後にやると食べ過ぎ注意になることうけあいですね。

魚の飯ではスーパースター的存在の「鯛めし」なども
一般的な鯛を乗せて炊き上げるタイプばかりでなく
宇和島スタイルでは
鯛のお刺身に胡麻醤油をまぶして熱々のご飯に乗せ、
上からタレをかけて食べるというものもあります。

ご飯の味方としてはお店にお出しするミニ丼ばかりではなくこうした
幅広い品などもトライしつつ今後もご紹介していければと思います。
無限への第一歩です。

それにはまず、美味しいお米の確保が重要です。
秋のカマスが大きくなってきたので炊き込みご飯にしてみました。
カマスは昔から色々な郷土料理に用いられてきた魚です。
姿寿司やちらし寿司
炊き込みご飯、すり身など各地で特徴的なメニューがあります。

寿司ネタとしても美味しいのですが、
意外と使われていないのが現状です。

その理由として
1、劣化が早い
2、小骨が多い

などが挙げられます。

1、の劣化が早い というのには理由があります。
カマスは獰猛な魚食魚で魚体の割には大きすぎるほどの口を開けて小魚を丸呑みします。
このフイッシュイーターと呼ばれる肉食魚は全て消化液が
とても強力です。
ですから腹いっぱいに入った小魚を融かす働きが水揚げ
された瞬間から自分自身を溶解させるのです。

加えて、もともと身肉の柔らかな性質があるために
劣化が早いという致命的な欠点を持つというわけです。
今の時期腹いっぱいにエサをためこんだカマスを
県外に出荷すると翌朝にはもう腹が融けているそうです。

ですから逆説的に言うなら
カマスの刺身や寿司ネタがあったならそれは鮮度に
相当の自信があってのことだ  という事になります。
しかし、ここで

2、の小骨の話になります。
カマスは体型が細いので三枚におろして中骨を取ろうと
すると身がほとんど無くなってしまいます。
そこで大抵の場合中骨を取らないで刺身にします。

いえ、糸造りにするという選択肢もあるのですが・・。

この中骨を取らないで刺身にした場合に
気になってしまうという方がいらっしゃるんです。

ですが!
しつこいようですがここでも鮮度が関係してきます。
新しいうちに正しく処理されたカマスは翌日刺身にしても
この小骨は気になりません。
身肉がしっかりしていれば少しも当たらずにスルリと食べれます。

この最初の処理と鮮度が悪いものは
柔らかな身の中の小骨が気になって食べづらくなるのです。

今回の本題となる炊き込みご飯にしてもそれは当然関わります。
焼き魚は鮮度が良くないと美味しくはならないからです。

まず、塩焼きにします。
尻尾は切り取ります。

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昆布だしに味付けをして
有峰で採ってきた「ベニハナイグチ」と直売所で買った
「ハタケシメジ」とゴボウを入れて炊きます。

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極弱火で始めて湯気が出てきたら若干強め
パチパチッと音が出たら消火して蒸らします。

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素早く身をほぐします。
小骨が入っても気にしません。
食べる時に気をつければいい事です。

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この魚飯というジャンルには小骨はつき物だからです。
中には「イバラ飯」などというものすごいのまであります。
鯉の炊き込みご飯です。
小骨が多くてそれこそイバラのようになっているという
すさまじいものですが流石にこれは触手が動きませんね。

出来ました。
昆布とキノコの力もありますがカマスのしっかりとしたダシ
の旨味が出たとても美味しいご飯です。

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新米の時期
美味しいご飯をもっと楽しみたいですね。

里山には御馴染みのキノコがあります。
シバタケ(アミタケ)
オウギタケ、ハツタケなどです。
このあたりになると私も安心して採れます。

シバタケは全国どこにでもありふれていて一番ポピュラー
なのだそうで
痩せた赤土混じりの山に生えるアカマツ
しかもあまり大きくない木々の根周りと周辺に出ます。

昔はこっそりと歩いていき人目をはばかるように採ったものですが
今は皆車で出かけますからそのような地形、樹種のあるところで車が止められていれば
一目瞭然となっていずこも超激戦区となっております。

この日も師匠に連れて行ってもらいました。
すごい場所です。
歩きやすく、藪が少なく、明るく、広い
しかも里が近い=クマとの遭遇の危険性が低い
などと良い事ずくめの
いいポイントを教えていただきました。

この日はたまたま他人が入っていなくて永田さんを含めた
3人でほぼ寡占状態。
取り放題でした。
ふるさとの能登でもこれほどのいい思いはしたことは滅多にありません。
子供の頃に母に連れて行ってもらった事などを思い出したくらいです

母は背中の背負子が一杯になるまで帰ろうとは言わない人でした。
そのうち車で行くようになるとトランク一杯まで採ります。
大樽一杯に塩漬け保存されたキノコを冬に食べ、
なおかつ町の八百屋さんに売りに出かけるのです。
私達6人の子はそうして育てられてきました。

ハツタケ
これはロボットの耳のような形をしています。
松林に出る耳のようなキノコ  という事で
能登では「マツミミ」とも呼びます。

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傘の色はこんな地味な色をしていて
これが松の落ち葉の中から出てくるのです。
慣れない人は見つけにくいでしょうね。

触った所は緑変する性質があります。
その色から「ロクショウ」と呼ぶ地域もあるそうです。

今までは焼いて醤油をつけて食べるだけでしたが
師匠が「キノコ酒」とつぶやくのです。


キノコの美味しさには色々な要素があります。
食感は良いが味が薄い
食感は良くないが味が濃い
香りは良いがそれだけ  等など
なかなか全ての要素を備えた完璧なキノコなどおいそれとは
採れないものです。

このハツタケは食感はボソボソとしていますが
よいダシが出ます。
そこでキノコ酒に挑戦してみました。

焼きます
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そこへ熱燗の酒を注ぎます。
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最初は判りませんでした。
そのうちどんどん美味しくなってくるではありませんか!
見るとほのかに色まで出ています。

これは旨い!
永年このキノコを判っていなかったんですね。
この年になって始めて見直しました。
こんな良い奴だったとは!
約50年ぶりに見直しました。
キノコ好きな酒好きにはたまりませんね!

そこでもう少し確かめる為に
ハツタケご飯にしました。

焼いたものを手で裂きます。
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水分が滲み出していてその手をなめてみると旨味が一杯です。
なるほどこれは美味しいですね。

味の確認ですから昆布などのダシ系は使わず
水と酒、醤油のみで炊きます。
少量のゴボウ、人参、揚げを加えて炊きます。
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炊けました!

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混ぜ込みます。
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出来ました!

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なるほど旨いダシが出ています。
キノコは数種類混ぜると相乗効果でグンと美味しくなるそうですから
これからはキノコご飯にするときにはこれを混ぜることに致しましょう。

師匠ありがとうございます!
場所といい、ハツタケ再発見といい
大感謝であります。

秋は美味しいですね。
この日は水の具合も天候も体調も万全。
気合を入れてのラスト釣行です。

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ところが
全くアタリがありません。
『先日の大雨で皆流されてしまったんじゃなかろうか?』
と思い始めた頃にようやく上がり出しました。

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流れ込みにそっと落とします。
泡立ち渦巻く水に翻弄されてからゆっくりと流心に沿って
逆巻く流れに乗せてやると流れとは反対の上流へと目印が
動きます と ふっと動きが止まったかと思うと
キュッ と引き込まれます。

グイッ と合わせを入れるとギュギュギュッと強い引き

やっぱり釣りは釣れなきゃ楽しくないですよね。

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なんとか釣り上げる事はできてもまだまだ渡河はヘタな私。
かてて加えてこのような急な岩登りなど見るだけで
めまいがします。

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この一番上の大岩だけで家一軒ほどの大きさがあります。
それが先日の大雨で移動しているようだというのです。
水の破壊力に驚きつつも生き延びているイワナのしたたかさにも感動します。

この日も師匠のルートについていくのがやっとです。

それでも小さなものや中型のメスは放します。
来年にむけて少しでも多く産んでもらわなければ、
そして少しでも大きく育ってほしいですから。

一年目のシーズンとしては最高の幕を下ろすことが出来ました。

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師匠は楽々と泳がせて余裕をもって取り込みます。
私にはまだまだそんな芸当はできません。
海釣りの頃とは比べ物にならない極細ハリスでは
常に糸切れの不安にさいなまれるのです。

この日の帰路はまた呆れる位の険しい急崖でした。
おそらく落ちたら一巻の終わりでしょう。
でもなんとか無事帰ってこれました。

さて、最後のイワナを食べるに際して
どうしてもやっておかなければいけないメニューがあります。
「岩魚ご飯」です。
ご飯の味方としては欠かせない一品ですね。

岩魚をさばいて塩を当てて一晩。
翌朝には粘りでいっぱいになっていますからきれいに
洗い流します。

焼きます。
焦げたヒレは除去。
土鍋で炊きましょう。
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土鍋で炊くときのポイントは水加減です。
土鍋には目盛りなんか付いていませんから自分で量るしかありませんが
ナニ、簡単なんです。

ズバリ  米と同量

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ね?簡単でしょう?


昆布だしに酒、塩、醤油でお吸い物程度の味付け
したものを米と同量。

浸水させる時間が短い時はその分
だしを気持ちだけ多くすれば充分です。

この日は厨房のガス台で炊いたので弱くしたつもりでも
火力が強すぎたようです。

炊き始めは極力弱火から始めましょう。

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沸いてきたら少し火力を強め、
パチパチという音が聞こえてきたら火を消します。

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フタを取り岩魚を取り出してフタを閉じ

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岩魚の骨を外し、身をほぐします。
それを素早くご飯に混ぜ込み、もう一度火をつけて
もう一度温めてやります。

加熱が出来た頃に消火して、ここからが蒸らしとなります。

出来ました。

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始めの火力が強かったせいで炊き上がりが早すぎて
やや硬めに炊けてしまったのと
炊飯器と違うせいか味が濃くなりすぎてしまいました。

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それでも昆布と岩魚の相性の良さを充分確認できる
旨いご飯です。
よく、
「川魚は匂いがあるから嫌いだ」
などと言う方がいますが、ご飯にすると全く気になりません。
ひたすら滋味深い旨味のみが全面に出てきます。
また鮎飯などには炊き上がりに小口ネギや大葉などを
混ぜ込んだりしますが岩魚には不要です。

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このおこげに全ての旨味が凝縮されています。
山の恵みに感謝しつつ
来シーズンへの期待を込めて道具を仕舞うことと致しましょう。

岩魚に乾杯!











山菜採りは主に春のものですが、
中には秋にも収穫できるものもあります。
その中から少しづつご紹介していきましょう。

秋と聞いて真っ先に思いつくのが「自然薯」
ご存知山芋です。
これで作るトロロは絶品なのですが、最近はとんと掘りに
行ってません。

掘った穴に雨水が流れ込みがけ崩れの元になったりと
気がかりになってきたのです。
今更! 
とお叱りを受けそうですが、掘った穴をある程度埋め戻したり
地形を考えつつ行なえばそれほどの事もなかったのですが
最近は穴を放置する輩が急激に増えてきたのがその
気がかりを増幅させてきたのです。

この穴を放置する急激に増えた輩というのがイノシシです。
小さな穴から大きな穴までもう無数に空きっ放しになっています。

小さな穴というのは小猪。
径30cm 深さ40cmくらいから
大きいものになると
径5,60cm 深さ1mほどにもなります。

この穴の大きさが体格の大きさを知る根拠とすると
大小さまざまな個体が無数に生息していると思われます。

山崩れの心配も杞憂ではなくなりつつあります。
またそんな山での山芋掘りなどではイノシシとの遭遇事故も
予想されます。
大変危険な様子になりました。

普通、山芋掘りというのはあまり高地では行ないません。
高地では芋が少ないからですが、
このままではヒトがイノシシに追われるように徐々に高度を上げていかざるを得ないでしょうね。


そんな危険な話は脇に置いといて
今回は誰でも楽しめる山菜の話を致しましょう。

春には御馴染みの「ヨシナ」です。
ミズ、ミズナ、などとも呼ばれていますが正式名称は
「ウワバミソウ」といいます。
ウワバミとはヘビのことです。

何もこの山菜がヘビと関係があるなどという訳じゃありません。
ミズナという呼称からも解るように水の流れる所が好きな奴
だからなのです。
清冽な山水が流れる所に群生しています。

春に、この若い新芽を採り漬物にすると程よい粘りで最高に
美味しいものになります。

夏になると茎は硬くなりますので皮を剥いて調理します。
煮物、炒め物等など
これといったクセがないので何にでも幅広く利用できます。

そして秋
この葉元にコブが付くのです。

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これをコブコ、コブ、ムカゴなどと呼びます。

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こちらのブログに詳しく乗っていますのでご参考にどうぞ。
ミズのコブコ

これを採って来て葉をむしり、茹でて炒め物にしたり
漬物にします。
大きなものはカットしますが
このように刃にくっついてしまい、まるで包丁から生えてきたようになり笑わせてくれるほど
粘りの強い物です。

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ですから茹でて叩いてトロロのようにもなります。
酢の物や味噌和えなどにしてもとても美味しいものです。

何も熊の棲むような奥山まで行かなくとも
ちょっとした里山の水の流れるような所には大抵自生しています
気軽に探してみてください。

美味しい珍味です。
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