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台風15号接近の影響で大雨の中、有峰に行きました。
この日は当初はイワナ&キノコだったのですがさすがに
釣りは諦めました。
師匠も雨がひどいので乗り気ではなかったのですが
強引にお願いし、引っ張り出しての山行きです。

谷川は今まで見た事も無いような泥濁りです。
この豪雨の中道路整備に従事する方々の横を通過して
遊びに行くのがいささか気が引けるほど
雨水は道路の上を音立てて流れ怖いくらいでした。

ダム湖から見る谷もガスが立ち込めて視界不良です。
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が、白状します。
キノコへの期待感で少しも気後れはありませんでした。
ホントに身勝手な奴だと我ながら呆れます。
お師匠、本当にすみません。

待ちわびた秋のシーズンインです。
季節外れの強烈な残暑が列島を覆い各地でキノコの発生が
遅れているとのニュースを聞き、やきもきしていたのです。
台風のせいで暑かったり寒かったりとしますが
ともあれそのお陰で適度な湿り気が入り発生が始まって
いるに違いないとの確信がありました。

子供の頃から染み込んだキノコ時計発動というわけです。

でも、私が慣れ親しんだキノコはせいぜいが標高200m
ほどの低い山です。
キノコは標高や植物相が違うと発生する種類も異なってきます。
有峰は1,000m
まるで違います。
それで今まで二の足を踏んでいたのですが、これまた師匠頼みで始めてしまおう
という魂胆なのです。

この日は雨合羽に傘をさしてのキノコ採りです。
ハナイグチ、チチタケ、フウセンタケが採れました。

白い液体が出るチチタケ
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昼は雨をしのいで鍋を食べて暖を取り帰宅。
本当に師匠にはご迷惑をおかけしましたが、とても楽しい日でした。


夜にはキノコ鍋。
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チチタケはあまり芳しい評価は聞かないのですが
それは口当たりがボソボソしているからです。
よく炒めてから使うと事前に教えてもらったとおりにして、
ダシを確かめるために昆布などを一切使わずに水だけで
作りました。
浮いた油は捨てます。
素晴らしいダシが出ます。

栃木ではチチタケが絶大な人気だそうで時にはマツタケ以上の値が付くこともあると聞きます。
チチタケうどんがもっぱらだそうですが、よく判りました。

ニセキノコモドキダマシ

こちらのキノコベテランさんのブログで紹介されている
チチタケポテトのレシピを見て
なるほど頭の良い人たちもいるものだと感心させられました。
口当たりが良くないなら感じないほど細かくしてしまえばよい

というわけですね。

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さっそくこれを応用してシューマイにしました。
チチタケを袋に入れて
叩いて潰します。

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あの白い液は手に付くと黒くなるからです。
この後もう少し細かくする為に刻みます。

タマネギ、豚ひき肉でシューマイネタを合わせ
半分はチチタケ入りとします。
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市販の皮はとても小さく大判に慣れた手にはやりずらいですね。
包み方はこうです。
アンをヘラで取り皮に乗せ
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中央に突き刺すようにしてひっくり返す
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上から皮を包み込むようにして簡単に形作る
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ひっくり返して
親指、人差し指で輪を作り、中指で底を受けるように
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上から軽く押さえ、数回向きを回転させつつ押さえ込む
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濡れふきんを敷いた蒸し器で小型なら5分程度蒸らす。
バット等に並べて冷ます。
冷蔵庫または冷凍庫で保存。
食べる時に10分程度蒸らす。

シューマイは作ってすぐに食べると中のタマネギがまだ硬くて美味しくありません。
出来ればいったん冷凍して後、
充分再加熱してから食べましょう。
タマネギがとろける様にならなければシューマイとは言えないのです。

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チチタケ
まだこのキノコの本当の美味しさをご存じない方が多いので私のような不慣れな者にも採る事が出来ます。

でも、予感はしていたものの標高1,000mでのキノコ採りは
見た事の無いキノコばかりです。
頼みは師匠の眼力。
またお願いします。



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今年から始めた渓流釣りに案の定
見事にはまってしまったわけですが、師匠のおかげで
釣り師垂涎の尺物を含む大物を釣ることができました。

世はキャッチ&リリースばやりですが、私は食べます。
せっかく釣れた獲物をどうやって食べるかが釣り師の愉悦だからです。
その点、料理をしない釣り師は大きな最後の楽しみを損しているとさえ思っています。

岩魚を食べるとすると
まず、
塩焼き、骨酒、田楽、からあげ、などが思いつきます。
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それらも結構ですがなんというか山ノ神への感謝を
込めたものを作りたくて寿司にしました。
古来から寿司とはそういうものだからです。

姿寿司
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押し寿司
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なかなか見栄え良く出来ました。
岩魚は骨が硬いので骨まで丸かじり出来るように
仕上げるのにはニ~三回の試行錯誤が必要でした。

ところが!
お客様の中で岩魚釣りの達人がおられて
この方はなんと鱒寿司のように岩魚寿司を仕上げて
お持ちくださったのです。

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参りました

おまけに美味しく作る話をしているうちに
とんでもないアイデアを披露されるのです。
ここに許可を頂かないで勝手ながら公表してしまいましょう。

それは昆布じめにした岩魚を押し寿司に仕立てるという
コペルニクス的転回な発想なのです。
これには驚きました。

岩魚でさっそく作りました。

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昆布の旨味が入りとても美味しく仕上がります!

これは!
懸案の「富山湾の箱寿司」に使えます!

完成に一歩確実に近づきました。
許可ももらわないで公開したのもそれが理由です。
富山らしい寿司をもっと沢山の人に手がけてもらいたいからです。

鯛などの白身魚の押し寿司にこれはとても有効な方法です。

いや、素晴らしいアイデアマンもいらっしゃるものです。
驚きました。

岩魚は渓魚ですがまさかここから富山湾の箱寿司のアイデアがもらえるとは思いもしませんでした。

近々もう一歩前進したカタチでトライいたしましょう。

さて、岩魚の箱寿司です。
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昆布じめにしたまま冷凍庫で2週間程度寝かせてから使います。
中には焼いてほぐした身に酢を振り掛けて挟みました。
ですから岩魚のとも寿司となります。

これは私の造語で、上ネタと中が同じ魚種の場合こう呼びます。
例えば鮭の身とイクラを和えた場合に「とも和え」と呼ぶのと同義です。
マスと筋子
アジとアジ卵煮つけ
などその組み合わせは限りなく広がります。

お客様からお預かりしたサクラマスなども中落ちを焼きほぐして中に挟みます。
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河釣りのサクラマスはとても貴重で脂の乗りも素晴らしいものですが、
このとも寿司仕立てにするといっそう味わい深くなります。

メジマグロ(関東ではヨコワ)なども腹皮を煮るととても
美味いものですが、これを細切りにして中に挟み
上には昆布じめにしたメジを乗せて押し寿司に仕立ててみたいものです。

そろそろ河もシーズン終了しますが非常に有意義かつ大収穫となりました。
師匠とアイデアをご提供頂いた先輩、そして山ノ神に感謝。

でも次にはキノコも採らせてくださいとお願いするのですが・・。

人間は欲張りで山ノ神はけちんぼだと言います。
木の葉一枚くれてやるのも嫌なのだそうです
果たしていかがなりますやら。


ワタリガニは釣竿で釣ることができます。

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正確にいうなら絡め獲りとでも言いましょうか、
網を束ねたものにおもりと紐のついた専用の仕掛けを竿に
セットして紐に魚の頭などをくくりつけて投げるのです。

糸のたるみを巻き取り竿先を見ているとカニが匂いを
嗅ぎ付けて寄って来て網にからまり暴れる様がすぐに
解ります。
慣れてくると一杯二杯と数えられる位に簡単です。

そうしてゆっくりと巻き上げます。
堤防の上に引き上げて網から外してBOXに仕舞うだけです。
この時にハサミでつままれると指に穴が開いたかと
思うほど痛いので手袋が必需品です。

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ワタリガニは種類が多く港内では黒っぽいもの
砂利浜では赤くて斑点のあるガザミ類などがいます。
その種類によっては美味しくないものもありますが、
この青いものが一番上等とされています。

これはお店で求めたものです。
上海料理では特にこれを青蟹と書いて(チンハイ)と呼びます。
ワタリガニ料理は全て高級料理となります。

今回はイワナ同様「紅焼」で仕上げてみましょう。
作り方はほぼ同じ、スープも不要です。
水で仕上げますからご家庭でもトライしてみてください。

(材料)
ワタリガニ
ネギ、生姜、ニンニク、戻しシイタケ、小麦粉
(調味料)
酒、醤油、砂糖、ケチャップ、水溶き片栗粉、水
ごま油

(作り方)
ネギはザク切り、生姜は小片。
シイタケは薄く削ぎ切りしする。

蟹の甲羅を腹側からめくるようにして外します。
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中にみそがあればボウルにかき出しておきます。
ガニは捨てて甲羅は茹でておきます。

キッチンバサミで真ん中から切り分けます。
ツメ、足先などを切り落とします。
足先は捨て、ツメは食べやすいように切込みを入れておきます。
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足をつけたまま胴体を横に切り分けます。
ここに小麦粉を振りかけておきます。

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鍋に油を引き、ネギ、生姜を炒めます。
にんにく、シイタケを加え、蟹を姿状に並べます。
鍋を温めてぐるりと回し、スムースに回る様なら
大きく振って大返しします。

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もう少しぐるぐると鍋を回転させるとこのように
蟹に火が通り赤く色づきます。

でもこれはあくまで殻の表面だけです。
ここへ酒、砂糖、ケチャップ、醤油を入れ
水またはお湯をひたひたに入れてじっくりと煮込みます。

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汁の量が少なくなってきたら仕上げに入ります。
味を整え、強火にします。
鍋を大きくぐるぐると回しつつ、水溶き片栗粉を
少~しずつ垂らすように落としていきます。
多すぎるよりも少ないかな? くらいが丁度です。

向こう側の鍋肌に仕上げのごま油をタラリと落としたら
大きく鍋を回して大返し。

姿に並べた蟹が正転したらバッチリ完成です。

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甲羅を飾り付けて終了。

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殻ごと豪快にしゃぶって食べます。

ワタリガニは鍋物か汁にしかしない  という方が
多いのですが油を使うことで、今までに味わった事の
ない未知の美味しい世界を知る事が出来ます。

揚げ物などはその典型的なものでしょう。
機会があればそんなメニューもご紹介してまいります。

中国料理店ではもっぱら冷凍ものが多く使われます。
ですから化学調味料に頼らざるをえません。
新鮮な蟹を使えばそんな物は不要です。
ぜひお試しください。

ちなみに日本酒の代わりに紹興酒を入れるとまた一段と
味に深みが出ます。

また、いったん軽く茹でて身をほぐして卵とネギを加えて
焼くのもオツな一品に仕上がります。

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秋風が吹きワタリガニの美味しい季節になりました。






知る人ぞ知る福井県特産「へしこサバ」
福井県の言葉で「へしこむ」とは強く押し込むという意味だそうです。
つまり強押ししてヌカに漬け込んだサバです。
「福井大好き」さんのブログです。
こちらでは有名な加藤水産さんが紹介されています。


私は随分昔にこれにはまりまして富山でも買えないものかと
探し回りました。
が、ありませんでした。

そこで市場の場外の塩乾屋さんにこれを常備してくれるよう
説得工作を始めたのです。

こういう専門店というのは今やすっかり堕落しており
馴染んだ品、利幅の大きいものしか扱いたがりません。
しかも、世の中不景気とくればより安い物へと
果てしなく劣化し続けているのが現状です。

だから益々客足が遠のくという(離れ)バナレスパイラル
に陥っているのです。
専門店とは名ばかりに成り果てようとしています。

ここに限らない話ですが
専門店こそ拠って立つ所をもう一度真摯に見つめなおして
頂きたいと切に願うものです。


この福井県、加藤水産のものは他県産より若干高めです。
その代わり、これを仕入れたお店は必ず固定客を得ます。
なぜならこれを喜ぶ客は必ず再訪するからです。
それほど根強いファンがいるんです。

だからそんなお店の店主が仕入れにやって来る市場にこそ
これを置いてもらいたいのです。
そこの問屋さんと、仕入れに来るお店とそして私のために。

3年かかりました。

人を説得して動かすと言う事は難しいものですね。
そしてその後も順調に商品が動いているようです。
やはり私の思ったとおりの様子で一安心です。
今では定番商品として定着した様子です。

かなり塩気のきついシロモノですが特に夏場になると
無性に食べたくなります。

もうそろそろ責任感で買う事から解放されてもいい頃だろうと
一昨冬から自作を始めてみました。

一年目はいまいちでした。
二年目には色々と工夫して
ようやく出来上がりました!

こちらです。
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まだ水切りが充分ではありませんが、なかなかいい感じです。

米ぬかを洗い流し、薄く切り酢につけて食べます。
熱いご飯が合います。
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う~んなんか一味足りないですね。

今度は焼いて見ます。

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おぉ!これは素晴らしい!

やはり、日本近海のサバは脂が美味い!
ノルウェーのサバとは種が違います。
脂がたっぷり乗っているのに少しもしつこくありません。

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熱いご飯に乗せてバッチリの出来でした。
日本海の寒サバのへしこサバ。

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う~ん困った
ただでさえ忙しい冬の仕込がまたまたひとつ増えてしまいました。
まだまだ涼しくならないですが、
朝夕は秋らしくなってきました。

そんな早朝、小腹が空いたのでにゅうめんを作りました。

作り置きのカツオダシを沸かし、味付けし、
そうめんを一把投入。
そこへ奥能登のもずく直販・幸寿しから取り寄せた
「もずく」を雑に刻んで加えます。

一分弱煮込むだけ。
簡単にゅうめんは気ぜわしい朝の強い味方です。

しかし、この能登の絹もずくを入れたら味はたちまち
高級料理にグレードアップするのです。

よく見る沖縄もずくは岩に付くそうですが、能登のは
海藻の藻に付いて成長します。
だから藻に付く→もづく→もずく と呼ぶのだそうです。

中でもこの絹もずくは細い一本一本に強い粘りがあり
ダシの中で緑変して、磯の香りを立たせます。
ダシがとろりとしたまろやかな味わいに変身して
一段高級に仕立ててくれるのです。

仕上がりはこちら。
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そうめんにとろりともずくがまとわりつきます。
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こういうふうな麺に何かをからませて楽しむ  という
メニューは江戸蕎麦に多いようですね。

ウチの期間メニューの参考にさせてもらった「花巻」など
その最たるものでしょう。
高級海苔をたっぷりと乗せた温蕎麦。
磯の香りを放ちつつ汁にほどけた海苔は蕎麦をたぐる毎に
まとわりつき、からみつつ鼻と口から香りと食感で楽しませます。
(参考画像は厚かましくも土佐丸)
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とじそば もまた代表格ですね。
蕎麦職人の腕が最も現れると言われるそうですが、
蕎麦の茹で上がりを見極めつつ、
          熱いダシをグルグルッと回し、
  その中へ溶き卵を
         菜箸に沿わせてそろりと流し込み、
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  温めた丼に蕎麦と台海苔を入れるや
         仕上がりが半熟になるタイミングで
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  完成させる。
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これもまた蕎麦をたぐる毎にふわりとした卵がまといつき
からみつつ蕎麦と卵の風味が鼻と口を同時に楽しませてくれます。
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そんなべらぼうな食材やテクニックなんか無くたって
この能登絹もずくさえあればたちまち料亭風に仕上げてくれます。

料亭風といえばついでですから
もずく雑炊の作り方を記しておきましょう。
(材料)
美味しい炊き立てのピカピカご飯
カツオ一番だし
絹もずく
ミツバ

(調味料)
酒、塩、醤油

(作り方)
ご飯を水で洗い流しヌメリを流し取る
カツオダシに薄色に調味
ご飯とモズクを入れさっと煮たらすぐ器に移す
ミツバを盛り付けて完成。

これの眼目は決して煮すぎない事!
野暮なおじやのようにしてしまったら台無しです。
ですからダシは多目、ご飯少な目が重要です。
ご飯はあくまでもサラサラ
もずくのとろみで頂くという点がポイント。
高級料亭の雑炊を簡単に家で味わえます。

こんな美味しいのも全て海がきれいだからです。
ありがたきかな美味し海。
豊穣の海 
   富山湾
     能登の海 


 
疲れてしまってご飯を作る元気が無いとき
こちらの「たば田」さんでエネルギーを充填します。

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このマスターは大阪の料亭で修行を積んだ腕利きですが、
凄いのは早朝から四方浜(よかたはま)まで直接出かけて
買い付けをしていることです。

遅くまで働き、
早起きをするという毎日はかなりきついことでしょうが
その結果ははっきりと味に現れてきます。

新しい魚が美味しいのは当然の事だと思ってませんか?
では、何故美味しいのでしょうか?

海から上げたばかりの魚というのは温かいんです。
それを活きたまま放置すると暴れまくった末に絶命します。
これを野締めまたはノジと言います。

漁師さんによっては温かい海水の水槽に活きたまま泳がせて港に帰ってくる人もいます。
それを水揚げするとこれまた温かいコンクリートの上で跳ね回って絶命します。

船倉に氷を満載して漁場に行く船は魚を上げるとすぐに
水氷に漬けます。
この「みずごおり」というのは氷と海水を混ぜたとても冷たい水のことです。

冬の海よりももっと
自然界ではありえない冷たさですから忽ち絶命します。
暴れるヒマもありません。
活絞めに限りなく近い状態です。
これが最高の魚となります。

ノジはあまり触りたくない魚です。

まず、ここまでの目利き。
次にココからの仕込み。

この最高の魚を入手したら一刻も早く血抜きをしてやらなければなりません。
水氷に漬かっているとはいえ新しい魚はまだ体が生きています。
人間の皮膚を切ると血が流れるように
新しい魚はサラサラと血が流れ出ます。

古くなった(死んでしまった)魚は流れ出ません。
ドロリと溜まったのが出るだけです。
身肉の中からは出てきません。
だから生臭みを感じるのです。

ですから一刻も早い血抜きが必要なのです。
浜から市場に運ばれ、そこで温かいコンクリートに並べられ
何度も水をかけられ、それを魚屋さんが仕入れ、店に持ち帰る。
それを買ってきて血抜きしようとしても限界があります。

判っている料理人は早起きの苦労を厭いません。
すこしでも源流に近づかなければ”美味しい”を提供出来ないという事を知っているからです。

こうして正しい目利きと正しい処理をしてようやく
そこから腕の見せ所となります。
プロにとってはここまでは”当たり前の世界”なのです。

一度ここに振られてしまったときに他店で刺身を頼んだら
ネタケースの中から頭皮の付いたままのカワハギを手に取り
内臓を出すところから始めたのには絶句しました。
当然生暖かく、生臭い刺身でした。

プロとセミプロとの間には気の遠くなるほどの絶壁があるのです。

ではさっそく入店しましょう。
冷えた生ビールとともに突き出しが出されます。

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いつも最初に頼むのは刺身盛り合わせと焼き物。
焼き魚なんか家でも食べられるからお店では頼まないという人がいます。
もったいないと思います。
家では食べられない美味を食べに行くんです。

妙なメニューや奇をてらった料理が増えてくるわけです。
家では絶対食べられない美味とはプロが焼き上げた焼き魚
まず、第一に挙げましょう。

えぇ!新しい魚は刺身にしてももちろんですが、焼いた時に
その真価を発揮します。
余分な水分を抜き活絞めされた魚は絶品の旨さです。

ただし、焼き物は時間がかかります。
一番初めにオーダーする理由です。

刺身です。

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この日は「のどぐろ」と「赤イカ」、「鯵」です。
富山湾は今の時期定置網が上げられていて最も魚の少ない
時なのにこんな上ネタが揃っています。
もちろん近海物ばかりですから冷凍マグロなどは出ません。

のどぐろは焼き霜作りになっています。
いわゆる”炙り”というのは理由が無ければ美味しくはありません。
イカや白身魚を炙ってどうなるというのでしょうか?
こういうふうに
皮目の香ばしさと皮の下の脂を動かすという意味を伴って
初めて意味のある仕事となるのです。

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たっぷりと乗った脂が軽くとろけるような美味しさです。
脂が動いているのです。

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鯵は背中側はタタキ、腹側はそのままと二種類味わえます。

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コリコリとした食感です。
これが活絞めの効果です。
完全に血抜きが出来ている証の旨さです。
余分な水分は抜けて脂はしっかりと残っているという
素晴らしいお仕事です。

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赤イカは個人的には一番好きなイカです。

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柔らかく、甘味がありとても高級なネタで、お寿司屋さんの中にはイカはこれしか使わないという所も珍しくありません。
特に今はハシリで小型ですから更に柔らかいのです。
でもイカは醤油が乗りにくいですよね?
そこでこうして細かく切り目が入っています。

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キメ細やかな仕事ですね。
これなら歯の弱い人でも安心でしょう。

来ました今夜はハチメの塩焼きです!

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身が弾けているでしょう?
これが新しい証拠です。
包丁目が入っているからどんなに不器用な人でも
ぽろりとむしり取れます。

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焼き魚をお店で食べて家庭クラスのものが出てきたら
もうそんな所に行くのはおやめなさい
と言うぐらいにプロの焼いたものは絶品なんです。

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ここでは鯵、ヒラマサの頭、カレイ、ハタハタなど
どんなネタでも食べますが期待を裏切られた事は一度もありません。

お次は海鮮グラタン。
赤ワインと一緒に楽しみます。

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具がたっぷりでチーズもしつこくなくもたれません。
密かにカツオダシで作っているんじゃなかろうかと邪推して
しまうほどあっさりと仕上がっています。

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あと何品かは撮り忘れました。
こちらはジャガイモ饅頭。

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とろりと柔らかでねっとりとした芋にカツオダシのあんが
かかっています。
ただの芋だけじゃこんなに美味しくはなりません。
あっという間にとろけてしまいました。

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釜飯です。

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これも時間のかかるメニューです。
炊き上がってから丁寧にかき混ぜて供されます。
お釜で炊いていた昔を思い出します。
炊き上がりをそのまま出すお店は見た目ばかりを重視するんでしょうが

お釜のご飯というのは炊き上がり→蒸らし→混ぜ
の一連の作業が不可欠なんですよね。
ですから上の具材は別にして中身の具材は
小さく切り揃えてあります。

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ほどよいおこげ。
実に手の込んだ仕込み、仕上げぶりではないですか!

美味しいご飯には美味しい漬物が欠かせません。
ここのご主人のお母さんが育てた新鮮野菜の漬物。

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それとシジミの味噌汁が

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すっきりと美味しく舌を洗い流してくれます。

つい今日も飲みすぎ食べ過ぎてしまいました。

そうそう、ついでですが
ご家庭では絶対食べられないプロの作る美味というのは
ここで食べるもの全てなのはもちろんですが、
今日はメニューに載っていなかった

「アジフライ」

を挙げておきましょう。
笑いますか?

馴染みのあるものほど対比が容易と言う事ではなく
ひとくち頬張ればどなたも目を見張る味わいです。
無理を言って準定番に加えてもらいました。

アジフライの絶品

ふわふわの衣
さくさくのパン粉
ふわりとした身肉

ご経験おありでしょうか?
もし、メニューに載っているという僥倖に恵まれたなら
必ず頼んでみてください。
目からパン粉いえウロコが落ちます。




場所
富山市高屋敷
旧グリーンプラザ前交差点を南
お好み焼き、ヤキソバの「まるた」さんの向かい
定休日 月
営業時間  夜

ご夫婦のみで切り盛りされています
やたらなお電話はご遠慮ください