あっという間に二月も終りそうです。
3/1のヤキソバの料理講習会もすぐそこに迫ってきました。

今回も日本海ガスさんの展示場「プレーゴ」にて、
4タイプの異なる手法のヤキソバを作る予定にしています。

1、あんかけ
2、塩味を染み込ませる
3、最も多用される醤油味で炒める
4、粘りのあるソースをからめる

およそこの4タイプでほとんどのメニューが可能になります。
応用は無限です。

中華のあんかけスタイルはもう御馴染みでしょうから
ここでは書きませんが、
他の予定しているものをざっとご紹介しておきましょう。

アサリを予定していましたが入手出来ず、カキを用意しました。
コクがあって美味しいダシが出ますから誰にでも旨く出来ます。

ボンゴレ風

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肉と卵の炒めヤキソバ

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当日はナンプラーとキムチを合わせてアジアンスタイルにする
予定です。

ボンゴレ・ロッソ風

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これはカキが余ったのでついでに店のラーメンで出している
極太麺でソース味にしたものです。
tui 006

産地では今の時期どこでも「カキ祭り」が盛んですが、
こういう「カキやきそば」や
カキの入ったお好み焼き(カキオコと言うそうです)
などが振舞われるそうです。

今の時期しか味わえない旬の味を色々なアレンジで楽しむのも
また一興ですね。

今回は6回に分けてヤキソバのご紹介をさせて頂きました。
でも、どんなに美味しいですよと言っても、
仕込むのが面倒だなと手を出さない方も沢山おいでです。

そこで製麺所さんに
ヤキソバ専用の乾麺を作ったらどうか? と提案した事が
あります。

返事はNOでした。
出来ない  と言うのです。

不可能なのか or 作っても売れないから なのかは不明です
でもそんなつれない返事を聞くとへそ曲がりの私は俄然
ムキになります。

で作ってみました。
簡単にできます。

tui 009

しかし、なんと言っても乾麺ですからゆで時間が10分以上
かかります。
パスタを茹でるのと同じ位ですね。

美味しいものを食べたいと思うとやはりそれ相応の手間隙が
かかるようです。






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2011.02.26 春はそこまで
暖かくなってきました。
山ほど積もっていた雪もみるみる融けています。
北側にはまだ残っていますが、陽の当たるところはもう残って
いません。

雪というのは氷と同じで触るほど融けやすいという性質を持ってます。

雪の上で遊んだり、上を歩いたりしたところから融けやすい
ということです。
少しでも除雪をとスコップを使う家は雪の融けるのも早いのです。

ところが積み上げた雪を崩さないで放置しておくと、これは
溶けません。
ほんの少しづつでも削ってやればそこからすぐに融けていきます。

スコップでザックリと切れ目を入れてやるだけでも格段に融ける
のが早まるものです。


と、まあここまでは人間の力で積み上げた場合の話です。

待ちかねた春が来ようとしてるのを感じると一刻も早く冬の
残骸のような雪の塊を失くしたいのが人情ですからせっせと行なえます。

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その一方、機械、つまり除雪機やショベルなどで積み上げた雪は
なかなか融けません。
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中は圧縮され氷柱のようにガッチリと固まっているからです。

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先日スーパーの駐車場で悪戦苦闘している現場に遭遇しました。
残念ながらご本人の画は許可頂けませんでした。
スコップで削れるだけの表面の柔らかな雪をバラシ終えたらもう
歯が立ちません。

今度はツルハシの出番です。

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ツルハシは道路が圧雪状態になった時とか、その圧雪が氷状態に
なった時にも活躍します。

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雪国って本当に色んな道具が必要なんです。
スコップにしたって先端が平らなものなんて普通の家には無いはず。

でもこうして手をかけてやるとその分早く融けてくれます。
道端の陽当たりの良いところでも触らなければこういう具合に
残っている位なんですから。

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富山では沢山積もった雪を評して
「こっぽり と積もってる」と言います。
もう少し多いと
「ごっぽり」 と変化します。

南風が吹き、平野部では相当雪解けが進み、山でもこのように
白色から黒っぽくなってきました。

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ところがゴルフ場ではまだ60cmも残っているそうです。
まだこっぽりと積もってると言えます。
私はゴルフをやりませんが、待ちかねている人も多いのでしょうね。
白いボールを打つゴルフ場では雪は天敵です。

冬の間はキャディさん達も事務の仕事をされていますが、
積雪量が30cmになったら始動だそうです。

「雪踏み」です。
なんとか長靴で歩けるようになったらいっせいに雪上を踏み歩き
少しでも早く雪を融かす作業開始。
冷たくて辛い仕事ですが、これが春の来た証です。

やはりここでも雪は”さわって”融かす手ですね。
雪国では南国のキャディさんの想像すら出来ない仕事があるんです。

そして雪が融けていったんゴルフ場をオープンします。
でも、その年によっては思いがけなく春の大雪に見舞われる事が
ありますよね
そうするとまた「雪踏み」をしなければならなくなるそうです。
雪を除けるのも一苦労ですが
雪を融かすのも本当に大変ですね。


ところで話はそれますが
ゴルフと言えば最近若手の台頭でTVでも盛んに中継が入るので
あまり関心の無かった私も見る機会が増えました。

キレイなコースの中には必ずバンカーがありますよね。
砂地獄に落とすとスコアを落とすので忌み嫌われていますが・。

ゴルフは自然を相手に行なうスポーツだ
と聞いて普通に聞き流していたら

バンカーの整備というのは実は大変な重労働なんだそうです。
激しい雨が降ると砂が全部下に流れ落ちてしまうから  
と聞いて何を言ってるのか解りませんでした。

穴ぼこになっている崖部分に普通は砂なんか無いんですよね。
でも土が露出していたんでは面白くないからと
斜面にまで砂を掻き揚げて”作っている”と言うわけです。

知りませんでした。
ゴルフって手間隙がかかってるんですね~。
もっとも、単純に自然そのままの所だったらお金もらえませんよね。

自然の空の下で遊ぶ、整備された遊び場
と言う事だったんですね。

もうすぐ春がやってきます。
スポーツ、行楽、農作業と皆忙しくなりますが、私にとっては
食料調達行動の幕開けです。
まるで野生動物みたいで我ながらちょっと可笑しいですが、
整備されてない大自然の中ならではの開放感がたまりません。

もうすぐ!













2011.02.22 タルティーヌ
私は仕事上各国のご馳走や高級料理などを勉強しますが、
本当に興味を引かれるのはむしろ普段の食事、
日常のメニューです。

ですから求める専門書も高級料理ももちろん含まれますが
どちらかと言えば「イタリアの地方のおそうざい」とか
「北京のおかず」などといった物が主になります。

そんな中から今回ご紹介するのが
池田書店発行の
「タルティーヌ」という本です。
著者は 渡辺 麻紀 さん。
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この方はほかにも
「キッシュ」「テリーヌ」「ケーク・サレ」などの本を
多数、上梓されてます。

タルティーヌ
聞きなれない単語ですね。
パリの地元住民で賑わうカフェでムッシュが注文しているのを聞いて
とても期待してしまったそうです。

しかし、その素敵な単語とは裏腹に出てきた物と言えば
ザク切りしたバゲットにジャムを塗ったものがカフェ・オレの上に
乗っているだけ。

カフェ・オレに浸して食べるその姿を見て
「え?」と思ったそうです。
そこから探求が始まり、氏のオリジナル考案メニューが満載された一冊となっております。
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そこで自分もマネをしてやってみました。
ミルクは苦手なのでカフェ・オレというわけにはいきません。

ブラックコーヒーに乗せてもあまりお洒落にはなりませんね。
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ちょっと工夫もしてみましょう。
残念でした。
今回はパンが硬めで食べづらかったですね。
またのトライと致しましょう。

こうして著者の期待を裏切りつつ虜にしてしまったものが、
パリの普通の朝食メニューなんだそうです。
オトナから子供まで普通に食べるというのです。

パリといえば三ツ星レストランとすぐに思いつきますよね。
でも、当たり前ですがいつも毎日三食、豪華なフルコースばかり
食べているわけではありません。

むしろ観光客のいない普通のレストランなどで地元の人たちが
食べているメニューが日常的なものだったりするのは私達の食卓を考えても納得できるのではないでしょうか?

ここ富山県でも朝から晩まで「鱒寿司」やブリの刺身ばかり食べているわけじゃないのと同様。

大阪人だって毎食お好み焼きばかりは食べない”はず”です。

パリの朝食メニューはなにもこればかりじゃないとは思いますが、
案外簡単な食事なんだな  と意外に思いました。

こういう視点から眺めてみるとそれぞれのお国事情といったものが
垣間見えることがあります。

「階級社会のヨーロッパ」というキーワードのメガネを通して改めて
高級料理の本を見返します。

パリの高級レストランといえど豪華なコース料理を楽しんでいるのは
上流階級の人達だけなんではないだろうか?などと、ほの見えてくるのです。

そういう時にいつも思い出すのが船員時代にイランで見た光景です。
まだその頃は王政が敷かれていました。
確か、パーレビ国王だったはずです。

大型タンカーは沖合いに止めてそこで原油を積み込みます。
カーグアイランドというところでした。
そこから上陸するにはゲートを通らなければ行けません。
そのゲートの守衛がちょうど昼ごはんを摂っていました。

普通の船員は一刻も早く上陸したいからそんな光景に目もくれず
通り過ぎますが、私は根っからの食いしん坊なんです。
「ん?何を食べてるのかな?」と見ました。

中東独特の「ホブス」というパンとタマネギです。
ナンを乾燥させたような見た目はカサカサしたようなパン
小さな紫のタマネギをカットしたもの
                  だけなんです。

それを実に旨そうに食べているのです。
興味がわきました。
「それは旨いタマネギなのかい?」と指差して尋ねます。
当然日本語で  です。

食事とか料理に関することではあまり言葉は関係ないものです。
「それが欲しい」「美味しい」「塩っぱい」なんて万国共通の
身振りで通じます。

「食べてみろ」といかにも気の良さそうな笑顔で勧めてくれました。
「ショコラン」
とこれしか知らない礼の言葉を言ってつまんで見ました。

「辛い!」
普通の生タマネギではないですか!
それを小さくカットしたものを嬉々として食べていたんです!
そんな様子を向こうは笑って眺めているだけです。

イラン王朝の頃です。
ホメイニ師がまだ革命を起す前の話です。
王族は贅沢三昧をし、それこそ毎食フルコースどころではないような
アラビアンナイトに出てくるような暮らしをしていながら
外貨獲得の唯一の設備で働く人間はこんな食事をしていたのです。

なんて貧しい食事だと決め付ける気はさらさらありません。
その国なりの食習慣がありますから
パン一枚だってオカユだってそれで満足できるのなら
不満は起こらないでしょう。

でも最近起こっている中東の政治不安などを見ると
庶民はそれすらままならなくなって来たのではないだろうか?
と思えるのです。

キリストはパンのみにあらず  と言いました
しかし、日々の糧が無ければ生きていけないのも現実です。
そんな日々の暮らし、日常の食事から見えてくるものをも
見逃したくないものです。

ひるがえってわが身を見るといくらねじれ国会でドタバタしてるとはいえまだまだ日本は平和です。

水も食料もまだ十分にあります。
食料自給率なんていったいどういう方法で量られているのかは
知りませんが米と魚に至っては100%のはずです。
日本に生まれて本当に良かったと感謝する日々です。







干物を作っています。

以前は通販をやっていましたから今とは比べ物にならない程大量に作りましたが、今はお世話になった方々への御礼とかミニ丼用に少し作るだけです。

なぜ、わざわざ自分で干物を作るようになったかというと
儲ける為なんかじゃありません。
買うのが美味しくなくなってきたからです。
はっきり言ってもはや干物ですらありません。

この際です。
はっきり言っておきましょう。
消費者をなめすぎていますから思いっきり書きます。

まず魚に塩をしただけのものを干物だなんて言っちゃいけません。
ウソはダメです。
次に、乾燥機で適当に水分を抜いただけのものを干物だなんておふざけは大概にしなさい。
えぇ? ピチットシートのような脱水紙で水分を除いたのが干物???
バカ言っちゃいけないよ
それはホラというものです。

何? 減塩が好まれるから アミノ酸液に漬けました ?
余計なお世話って言うんです。
ホントは防腐剤をごまかす為のアミノ酸”等”だってもうばれてますよ!

失礼しました。
つい興奮して取り乱しました。

でもね

しっとり柔らかなものが好まれるから  とか
硬いものより一夜干しが売れるから   
などと小細工ばかりして本物を見失っているから売れなくなるんです。

そこに付け込んだスーパー業界が
「安くなければ売れないですよ」
「安いのさえ作ればどれだけでも売りましょう」
とささやくとすぐに飛びついて今ではほとんどの干物は中国産に!

なんだこの惨状!
この愚かしい有様はなんだ!
いったい何を考えてんだ!

と怒り心頭なのは私だけじゃないはずです。

毎年何百という水産加工業者が国内での製造販売を諦めて廃業している

という話を聞いたのが数年前です。
今ではそんな話も聞かなくなりました。

元気の残っている業者は中国に行って安く製造して日本に発送している

そう聞いて自作を始めました。

一昨年サンマが価格高騰したのはまだ記憶に新しいですが、
あれも主原因は中国の台所でした。
以前は川魚しか食べなかった中国人が海魚の旨さに目覚めた結果です。
遠からず干物もそうなるでしょう。
日本人が中国にまで出かけて中国人好みの干物を中国人のために作り始めるでしょう。
ウワサの地溝油でも塗るようになるんでしょうか?

そうなると日本人のための安全な干物はいったいどこの誰が作ってくれると言うのでしょうか?

日本でも頑張って続けている所もあります。
が、まともなものはどうしても高価です。
自分達用の安全で安価な干物はもはや自作するしかないのです。

ところが!
時代と共に味覚は変化しているんですね!

昔ながらの味を求めて作ってみると同じ味にはならないのです。
ふざけて判じ物めいた話にしているわけじゃありません。

鯵の開きで説明しましょう。
昔ながらの本物は浜で上がった新しい鯵をすぐにさばいて作りますよね。
新鮮な魚でなければ美味しい干物にはなりません。
街の魚屋さんが売れ残った魚で作るものが浜の味に叶わないのはそこが原因です。
新鮮な鯵で作ると皮目がピカピカに光っていますから簡単に見分けがつきます。

最近出回っている大きい鯵の開きはほとんどが外国産です。
たっぷりと脂の乗った鯵の開きは大人気です。
おまけに輸入されて箱を移し変えた場所が仮に「沼津」だとすると
それは「沼津産」として販売しても良い となっていますから
もはやそれが国産なのか輸入品なのかという区別すらできません。

サバの話はいまさら言うまでもないですね。
すっかりノルウェー産の脂に席巻されています。

でも、脂の乗りすぎたものというのは飽きるんです。
それで高価なのをガマンして国産のモノを買うと
脂の乗りが今ひとつだったりします。

もうお解かりでしょうか?
自作することは誰でも簡単にできます。
ところが!
自作して食べてみると昔ほど「美味しい」と感じなくなってしまっているんです。

舌が脂のたっぷり乗った味に慣れてしまった というわけです。

主にその理由から干物の通販は止めました。
自分で自信を持ってオススメできないものを売る事は出来ないからです。

昔、浜では真夏をのぞいて、ほぼ一年中干物が作られました。
夏の脂の乗ってない魚でもあっさりしていて美味しいと人が買ってくれたから作られたのです。
今はただでさえ魚離れが激しいところへ持ってきて脂が乗ってないと誰も買ってくれなくなりました。
これでは水産加工業者も商いが成立しないと逃げ出すのも無理ないかも知れませんね。

安くなければ買ってくれない
脂が乗ってなければ買ってくれない
では業者さんも確かに大変でしょう。
でも、原点を忘れてしまった業者さんも悪かったのです。

日本酒、漬物などをはじめとしたあらゆる食品加工業に言えることですが、
過大な期待を持ちすぎて規模拡大しすぎたり、手抜き、利益追求などをやりすぎた結果
自ら招いた結果でもあるんです。
日本人の為の食を自分たちがしっかりと守るという
拠って立つところを見失った結果でもあります。
その証拠に昔ながらの味をしっかり守り抜いている所は今も健在です。

それぞれの業界の中、全てが悪いわけじゃありません。
業界の中の淘汰に生き残るためにも、まず為すべきを為せ  
というだけです。
それが結果的に自らを助け、消費者も喜ぶ正しいサイクルだったはずです。


さて、今は鯵とサバが美味しい時期です。
それで干物を作っています。

こういうと「ちょっと待った!」と声が聞こえそうですね
はい、鯵は夏が旬です。
もちろん存じております。
でも今の寒中は大型で、しかも冷たい日本海に耐えるため
脂がたっぷりと乗っているんですね。

サバもそうです。
寒サバという名前はダテじゃありません。

干物の話を書くと長くなりそうですから機会を改めるとして、
ここで、干物の干物たる必需構成要素を挙げておきましょう。

新鮮な魚に、味付けをして、天日で乾燥させたもの

これに尽きます。
たったこれだけとも言えます。
この中のどれ一つでも損なう事は許されません。

こうして、寒中の鯵の開きを作ります。
雪が降るということは湿度が多い  と言う事です。
夏や太平洋側と違い、ゆっくりと塩が浸透し、緩やかに乾燥する。
つまり時間をかけた一夜干しが出来るということです。

それを焼くとどうなるでしょうか?

こうです。
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ジ・ジ・ジ  と脂が染み出てきて燃え

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鯵の開きを焼く匂いが部屋中に立ち込めます。

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(当たり前ですが鯵と鯵の開きを焼く匂いというは別物です)

ジュク ジュク ブクブクと残っている水分が出てきます

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こうなるともう食べ頃です。

熱々のご飯を盛り、食卓に運びます。
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鯵の開きを作るときに一番苦労するのは
骨の上に何ミリの肉を残して包丁を入れるのか?
と言う点です。
理想は3mmです。
乾燥して1mm。
そのあめ色を焼くとパリッと仕上がります。

それを
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こうして端からペリッ  とはがして食べます。

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これは残念ながら厚すぎました。
なかなか難しいところです。

でもココを食べたいから作ってると白状します。
ここの美味しさをミニ丼で伝えていきたいのです。
この美味しさを分かる人と分かち合いたい味わいです。

四方を海に囲まれた日本でまともな干物が手に入らなくなる
なんて本当に馬鹿げてると思う人には手作りをオススメしています。












前回からの続きです

師匠の世代というのは大まかに言うと中国料理第一世代です。
中国華僑から直接仕事を習った初めの日本人世代群ということです。
いわば出稼ぎに来た相手から仕事を盗むわけです。

いずれ必ず自分達の仕事を奪う事が分かりきってる奴に仕事を優しく
教えてくれる華僑なんかいるわけがありません。
その時代がどこでもそうだったとも言えますが、厳しい仕事でした。

ですから当時そこを勝ち抜いてきた職人達は皆
粘り強く、ガマン強く、根性があり
勘が鋭く、目が早く、飲み込みが良かったのです。

今のような会社組織の飲食店などほんの一部で
包丁一本で渡るのが当たり前。
もちろん、退職金も年金も無かった時代です。
おのずとアウト・ロウのような性格になっていくのも
無理ないところだったのです。

だからその世代の人達は職人として魅力一杯に光っていたのです。

調理場でも皆、師匠を尊敬していました。
大好きでした。


ある日のこと、
A子ちゃんのお弁当のエビフライ用にタルタルソースを作ると言い出しました。
もちろん厨房全員がアシストします。
滅多に無いことですし、師匠の子煩悩ぶりは皆知っていましたから。

マヨネーズ作りそのものはとても簡単に出来ます。
でも、やっちまった事のある人は知っている落とし穴。
そうです!
なめてかかるととんでもない事になる時があるんです。

卵黄に塩コショウ、酢を入れて
攪拌しつつ油を加える。

たったそれだけなのに、うっかりすると分離してしまう事があるんです。
その不気味な落とし穴にはまると取り返しの付かない無限ループに
はまり込んでしまいます。

この時がまさにそれでした。

一言でいうと”意味不明”
いつもなら目をつむってても出来る位の見習いのボウヤでもという
仕事です。
でも師匠みずから作りたいと言ってる事を代わる訳にもいきません。

最初は皆タカをくくってました。
「あれ?おっかしいな」と新しいボウルを出し
新たに卵黄をつぶし油を入れる代わりに先ほどの分離したものを加えます。
ちゃんと出来ます。

ほら 大丈夫
分離するわけなんかないんだよな

ところが! また いつのまにか分離が始まっているのです!
「ちょっと待て」 とボウルを持つ人、ホイッパーとが代わり
油を落とす人が代わりします。
その度に新しいボウルと卵が用意されます。

こういう事が起こるから単純極まりないマヨネーズ作りなのに
逆向きに回してはいけないなどのおまじないの様な口伝があるのです。
こんな単純な事で失敗すると心底がっくりときます。

でもこうなってくると皆、意地になります。
師匠も「止~めた」とは言えません、
いえ、この人が一番ムキになってます。
なにしろそういう世代なんです。
そうやって愛娘に愛情を注いできたのです。

ようやく厨房に平穏が戻ってきた時
そこには一番大きなボウル一杯のマヨネーズ。
実に50cm径の中に20リットル以上が並々と鎮座していました。

お弁当につけると言ったってせいぜい20ccもあれば充分です。
約1,000倍の量を作ってしまったのです。

マヨネーズの主成分は油です。
この時に使ったサラダオイルは18リットル入りの一缶丸ごと以上を注ぎ込んだのでした。
味については語らないことにしましょう。
__________________________

マヨネーズを自作した事のある方はご存知ですよね。
油さえ加えればどれだけでも増えるということを。

一個の卵黄から20リットルのマヨネーズを作ることでも可能です。
でもそんな事をすると真っ白のものになり油の味しかしません。
たまに、昔ながらの洋食店でそんな物を出す所があります。

美味しいマヨネーズを真面目に作ろうとするなら
良質の材料を揃えるのはもちろんですが、
重要なのはどれだけ油を少なく仕上げるかという点です。

そしてついうっかり分離して前述のような悲劇に落ちないために
私が取る方法をご紹介しておきましょう。

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いつも松田のマヨネーズを愛用してはいますが、
大量のポテトサラダに入れるときなどあまりに高くつきます。
300mlで480円では思い切り使えません。

そこでボウルに卵黄を入れ、松田のマヨネーズをほんの少々出します。
そこから普通にマヨネーズを作り始めるのです。
これだと失敗知らずです。
松田のマヨネーズの”素”となってくれるからです。

おまけに元々の色を参考にしながら油を入れて行けば
油の入れすぎによる味の劣化も予想がつきます。
塩加減も元々のものと比べると安定がしやすくなります。
こうして機会を捉えて多目に作り置きして広口ビンに移しておけば
次回は美味しい自家製マヨがふんだんに使えるという寸法になるのです。

いちから始めるのよりぐんとお手軽です。

そしてとっておきのウラ技。
仕上げにかんきつ類の果汁を入れます。
風味が良くて油っこさが和らぎとても上品になります。
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ブラックペッパーを多目に入れて仕上げたり
ケイパーのみじん切りを混ぜたり
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マスタードを粒マスタードに変えたりしても面白くなります。
ワサビをたっぷりまぜるとイカなどの和え物にぴったりです。

こうして美味しいものには更に手をかけたくなります。
元々昔からマヨネーズはこうやって活用されてきたのです。
手軽に作れて、幅広く使い回しが出来るからこそ
誰でも取り入れてきたのです。

それを21世紀にもなってこれとあれを入れたもの”だけ”が
マヨネーズと表示をしても良い  などと
寝ぼけたことを言ってもらっては困りますよね。

と話をぐるぐるとかきまわし、元のところへ戻った所でおしまいとさせて頂きます。
マヨネーズの話でした。








マヨネーズの話につなげてみます。
話は随分さかのぼり師匠のことから始めましょう。

師匠は
大酒飲みでばくち好き、短気で口が悪く、
オマケに怖い顔とほとんどいいとこ無しの誰からも恐れられる人でした。
しかし、それらの欠点を全て帳消しにするほどの恐るべき腕の良さをお持ちでした。

そんな”最後の職人”と周りから言われていた破天荒なお人柄を
語るエピソードをほんの少しだけ披露させてください。

唯一とも言える美徳が子煩悩でした。
いえ、子煩悩と言えば誤解を与えますね。
愛情の表現の仕方には色々ある  と言い換えます。

愛情過多な人だったのでしょう。

当時、小学低学年だった愛娘A子ちゃんをそれは可愛がっていました。
可愛さのあまり自分がいなくなってしまった後のことまで心配します。

『自分が死んでしまった後で一人っ子のA子はどうやって生きていけるんだろうか?』

と、いつも心にあるものですから余人の考えられない行動をとるのです。
そのひとつが博打です。
健全な普通の社会人の皆様には縁の無いお話でしょうが、
その頃はまだ職人と言うのはカタギじゃない部分があったんです。

つまり、普通のカタギの家庭じゃなかった  と聞いてください。

お父さんが家でお酒を飲みながら娘と花札博打をするのです。
しかも毎晩。
師匠はたくましい子にしたかっただけなんです。

なので勝つと掛けたものを取り上げてしまいます。
当然娘は泣いて返してくれとせがみます。
母親も(奥様)
「いい加減にしなさい!」と一緒に抗議しますが
ガンとして聞き入れません。

「実社会は厳しいんだぞ」
「勝負の世界は厳しいんだぞ」  と講釈までつく始末です。

おそらくここまでで
『なんてヤツだ!?』と充分呆れるでしょうが、
続きがあります。

お父さんが指し示す価値観を絶対的なものと信じ込んだ
A子ちゃん 恐ろしいことに学校へ花札を持って行くのです。
百戦錬磨のお父さんを相手にしていたんでは負けばかり
『よし、それなら学校の同級生達になら』  

と当然そうなります。
これも教育効果の現れとも言えますが・・

学校ではA子ちゃん無敵です。
赤子の手をひねるようなものです。
そして楽しい遊びは怖い結末を迎えます。

泣いて「返して!」とすがる同級生に
「勝負の世界は厳しいんだよ!」とやったのです。

奥様が  学校に呼び出されたのは言うまでもありません。

このどこがマヨネーズつながりなんだ?
とお思いでしょうが話は次回に続きます。






マヨネーズを初めて口にした時を今でもはっきり覚えています。
若い人達は生まれたときから当たり前のように身の周りにあったからそれほど鮮烈な記憶としてお持ちの方はいないでしょう。


まだTVの無かった頃、
日本中が今のようなひとかたまりの情報にくるまれていなかった頃には
マヨネーズはおろかチーズや餃子も何も知らない子供たちというのは
全国の田舎、いたるところに普通にいたのです。

TVがそれらを一気に広めたと言えます。
木の実ナナさんが今とまったく変わらないお顔で
「ホイホイミュージック」をやっていた頃
提供がQPマヨネーズでした。

(話は違うがなんであんなに変わらないんだろうか?)

母親が買ってきたその新しい調味料
味の第一印象はひどいものでした。
油   です。
『なんだ この異様に油油したものは!?』
ウェ と驚きました。

ところがそれから数年もしないうちにすっかり常備調味料になりました。
始めは使い方を知らなかったんですね。
ポテトサラダ、マカロニサラダ・・・
マヨネーズがもたらしたカタカナメニュー達は沢山あります。
そうして日本人は油を沢山食べるようになってきたのです。

それから味の素、日清が参入してそんな大手で
JAS規格まで作りました。
この際ですから言っておきましょう。
マヨネーズは日本が初めて作り出したモンなんかじゃありませんよ。
マヨネーズの歴史こちらでも書いてありますが
18世紀にはとっくに存在していたものなんです。

その大手同士がまるで談合の取り決めでも交わすかのように
決めた規格にはこれとこれとを入れた物”だけ”が
マヨネーズとしての表示を許される とあったのです。

ちょっと待ってください。
貴方達誰に断ってそんな事を決めれるの?
貴方が世界で初めて商品化したとでも言うつもりなの?
少し厚かましいんじゃないの?

という話なんです。
カレー粉のC&Bだってそんな恥ずかしいことはやりませんでした。
おかげで日本はS&Bという素晴らしいカレー粉を手に入れることが出来たのです。

何故その規格が問題になってきたか  というと。
松田のマヨネーズが出てきたからなのです。

大手各社はそこそこの材料で仲良く金儲けにいそしんでいるっていうのに
今で言うならKYと言うんでしょうか、
松田さんは超吟味した材料で販売を始めたのです。

おまけに各社がグルタミン酸ナトリウムで味をまとめているのに
ここのは一切入っていません。
もともと体と自然に優しいものを作りたかった人なんです。
蜂蜜を少量加えました。

大手各社はそこを突きました。
もちろん直接手を出す という愚は犯しません。
監督官庁にやらせます。

昔からこの監督官庁というのはメーカーの味方です。
一説には天下りをさせてくれるからという話もあるくらいです。
消費者の味方なんかしても一円にもならないからなんて
言われ方をされてますね。

「それはマヨネーズとしては認められない」
「マヨネーズとして販売することはまかりならん」
というわけです。
どうです、ひどい話でしょう?

零細メーカーとしては言いたいことも山ほどあったでしょうが
泣く泣く従いました。
「マヨネーズタイプ」と
ラベルを変えて販売をするハメになったのです。

ところが!
その事がマスコミで流れるとクチコミで評判になり
判官びいきの心に響いたのです。

松田のマヨネーズはマヨネーズだの会
が結成されました。

そして見事マヨネーズであると認めさせることができました。
どうです?
痛快でしょ?
JAS規格を変えさせたのです。

もともと何のための規格か?
人の幸せの為のものではないのか?
という理屈の通じない相手に対して素晴らしい快挙というべきでしょう!

袋の裏書を移し書きます。

おかげさまで”マヨネーズ”です

皆様の応援のおかげで蜂蜜が入っていても”マヨネーズ”と
呼べるようにJAS規格が変わりました。
署名運動や励ましの言葉など本当にありがとうございました。


誠に重宝してありがたく使わせていただいております。
ちなみに、蜂蜜ですが
100%蜂が集めた国産品ですが
それだからこそ一才未満のお子様には与えないでください
とも書いてあります。

本物です。

関連を張っておきます。
海の精 インタビュー
松田マヨネーズの詳細
松田マヨネーズのホームページ

tuc 009

イカの黒作りを作りました。
今では一年に一度くらいしかやらなくなりましたが
のん兵衛ですから作るときは必死で仕込みます。

黒いイカの塩辛というのはラーメンの富山ブラックにも
通じるところが?あるのでしょうか?

とはいえ、黒作りを自作すると黒くなりません。
肝の量が多いからか、
それともスミの色の都合なのかは判りませんが
でも、味はどこにも負けないものに仕上がります。
隠し味満載の味自慢です。

さて、近々これのチャーハンを作りますが
せっかくですからヤキソバにも応用してみましょう。

サラダを用意します。
次にヤナギバチメに塩コショウ。
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愛嬌があってもどちらかと言えばブチャイク系のメバル族にあって
ヤナギバチメは出色の器量良しですから
品良く仕上げないと失礼にあたりますね。

マスタードソースで合えましょう。
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ヤキソバには下仁田ネギを薬味であしらい低温でゆっくりと
焼き目を入れます。
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軽く塩コショウをして黒作りを入れ
炒めたら多目の酒を加えて完成。
tud 010 tud 011

二種類のソースで遊ぶ黒作りのヤキソバです。

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手前には柚子のドレッシングと唐辛子を散らします。
柚子皮と柚子果汁の風味を合わせつついただきます。

こんなのをもし、
フォークだけを添えてだされたらつい億劫になりますが
お箸だとサラダも
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麺だけでも
tud 015

から揚げだけでも
お好み次第です。
お箸の国の住人だから  というCMがありましたね。
一緒に混ぜて食べるのも自在です。
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こうして熱いものと生野菜と合体させるとやわやわと熱が伝わり
ゆっくりとしんなりしていきます。
生のぱりっとした食感もくにゃりとなるのもどちらも美味しい味わい。

声を大にして言いたいのが
ご飯にも合うという点です。


ちなみに、今回はヤキソバに味を染み込ませるという調理ではありません。
ソースやケチャップのような味をからませる というタイプです。
混ぜる系といってもいいでしょう。

次回はオーソドックスなタイプで
アジアンスタイルとまいりましょう。
ヤキソバはどんな形にでもできます。
無限な応用を楽しめる”素材”として捉えてみてください。






2011.02.11 最近のミニ丼
平日昼限定の「ミニ丼」は基本的には日替わりです。
いずれも200円。

が、先日の「チカメキントキ」のように珍しいものだったり、
特に安くて美味しいものが大量にこの時だけ入荷! なんて
いう時には3回続けて出す  という事もあります。
キントキのちらし寿司では見事に3回連続で召し上がって頂いたお客様がおられて
終いには謝りつつお出ししました。

その時の画像から張りましょう。
一回目
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二回目
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三回目
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細かい薬味やワサビの調合などの小ネタ
また上ネタもエビやクロダイなどと細工はしてありますが
ちらし寿司をこんなに続けたのは初めてです。

次はソースチキンカツ丼です。
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新潟タレかつ丼で学んだ要素をきっちり取り入れてみました。
今回はソースに変化を求め、大阪から無添加品を仕入れました。
大阪人はソースにやかましい。(口うるさい  のとは違う意味で)
大阪人は晩御飯にソース味の粉モンを食べる。
ならば、
きっとご飯と相性のいいソースがあるに違いない。(キリッ)
それがこれです。
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まんまと当てはまりました。
(まんまとご飯はかけてません)

次はビビンバです。
tkw 049
春に能登で採ってきたゼンマイが特選素材です。
ビビンバは良く混ぜて食べるのが流儀です。
昔、25年位前に初めて出した頃は誰も混ぜてくれなくて
毎回一人づつに
「よ~く混ぜてから食べてくださいねっ」
と強要していたものですが今は皆当然のようなお顔で混ぜてくれます。
楽チンになりました。

ここで「ハッ!」と気づきます。
「最初から混ぜて作ればいいんじゃマイカ!?」
それがこちら

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石焼ビビンバ風チャーハンです。

これはすごいです!
次元の違う旨さというか
美味しいと思える要素が全部、しかもぎっしり濃密に詰まってる味です。
中、韓のいいとこ取りをちゃっかり日本人がやっちゃった 一皿
そんな感じです。
決め手は自家製コチュジャン。

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これは紫蘇じゃこの丼。
いくら200円といっても流石に少し寂しい
これではオーダーがもらえない。
しょうがないこれもつけちゃえ! とばかりに
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小さいながらも海鮮茶碗蒸しです。
今はタラの白子が美味しいのでチョイス
車鯛の切り身も入れて富山湾まるごとです。
で、こうなりました。

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ところで
天丼ですが、
天丼ってのは不思議なもので
しばらく作らないと無性に作りたくなります。

で、こちらです小エビのかき揚げ天丼
 
tkn 002


そして一回にこうして沢山の人のを作るともう食べたく無くなります。
天ぷらってのは不思議です。
天丼はもう一段不思議さが違います。

リンクさせていただいている
うおちゃんぐむさん

ご推薦の「天ぷら専門店  天平」さん

にも中々行けなくて、自分でしばらく作ってない期間を設けて
ようやく先日行けました。
やっぱり専門店の味は一段も二段も違いますね。
勉強になります。

そうして次回の味につなげます。
うおちゃんぐむさん にも感謝。

tkm 090
これはアオリイカのチャーハンです。
アオリイカのお刺身を生のまま炒めて作ります。
甘いイカの味が加えられます  

風味が弱いのでアオサノリをかけました。
これは歯につかないのでご安心。

お次は久しぶり
目玉林飯
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サンライズ丼です
英語で書くとさらにご利益が増します。
sun rise rice 日の出飯? ん? 居酒屋飯になりそうですね。
ハヤシライスに目玉焼き
これを出すとたいてい
「めだまはやしめし  だって」
とボソボソと話し声が聞こえてきます。 いいんです
中国料理店だった名残だな  くらいに読み飛ばしてください
200円分のシャレですってば。

ちなみに私たちは
「めだま りんぱん」  漢字があってよかったね。

tks 023
突然ですが、
竜田揚げご存知ですよね。
作って簡単、皆大好き、野菜も美味しい
そんな丼が何故どこにも無いんだろう?

そんな丼が
あったらいいな?  

あるんです(CM調)
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肩ロース肉を細切り(ココ重要)
竜田揚げをタレにくぐらせて新潟風にして仕上げました。
どうしても野菜を加えたくてレタスを乗せると

もうご飯に合いません。
どうして生野菜ってこんなにご飯と不仲なんだろうと泣けます。

この不仲を取り持ってくれるのが正義の味方
「松田のマヨネーズ」
無添加で濃厚なので細く出すだけでみごとに美味しくなってくれます。

お断りしておきますが、私はいわゆる「マヨラー」ではありません。
ご飯にマヨなんて大っ嫌いです。
ですがこうして竜田揚げを介して合わせると何の違和感も無くなります。
「え? 仲が悪いって誰が言ってました?」
と言う位になります。

でも、マヨを褒めるのは嫌なのでこの際「竜田揚げ」がエライと
いうことにしておきましょう。

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パエリャ風です。

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道の駅にはこんな珍しいマツタケがあったりします。
地方ごとに色々な~~マツタケと呼び名のキノコがあるんですね。
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というわけで昨秋は沢山のキノコご飯を作りました。
天然のキノコには独特の強い旨味があり具が少なくても味が豪華になります。

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これも天丼です。

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塩マスを小スクエアにカットして燻製にすると
こんなに小さくなりますが、味は濃厚になります。
それを
tkm 007
こうやりました。
香りがごちそうになります。

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香りがごちそうと言えば
炭火で焼くと鮭がまさしくそれにあたります。
ガスや電気で焼いたのと炭火ではまるで味が違います。
その原因が匂いなんです。

それを確かめるために
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こうして炊き込みご飯にしました。
炊き上がりにイクラを混ぜて
刻み生姜と海苔を乗せた「はらこ飯」です。
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やっぱり  匂いは馳走です!

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メンチカツ丼

tkl 017
トムヤンクン風味のチャーハン

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寒サバの棒寿司です。
普通はワサビをつけませんが脂の乗りが凄いので
ワサビを塗りガリを添えて
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真鱈の卵を煮付けたものを忍ばせます。

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最後にこちら
回鍋肉の中華丼。
かつて、これをアレンジして味噌ヤキソバというのを中国料理店の時に出していましたが全く出ませんでした。
10年間でこの丼で出した一日分すら出ませんでした。

あまりにも早すぎたのか、丼が強すぎるのか
今となっては丼でよかったと言うべきなのでしょう。












若い頃は随分と暴飲暴食をしました。
それで悪い事は沢山ありましたが、一番困ったのが朝です。
街を歩いても飲み物が無いことです。

自販機には甘ったるい飲み物ばかり。
どうしてお茶や水が販売されてないのかと長い間不思議でした。
呑んだ翌朝は激しく喉が渇くからです。
甘いジュースでは尚更渇きが酷くなります。

最近ようやくお茶が出てきたと思ったら
あっという間に恐ろしくまずいお茶ばかりになってしまいました。
最近は歳のせいで酒量がそれほどでもなくなり、特に不自由は感じませんが
いつの間にか喫茶店が少なくなっているんですね。

渇いた喉には喫茶店の冷水が一番
二番がブラックコーヒーかトマトジュースだったのです。

それほど助けが要らなくなったのは何も歳のせいばかりでもなく
自販機にブラックコーヒーが売られるようになったことにも原因があるでしょう。

特に最近は技術の進化が凄くて豆から淹れてくれる
ドリップ型の自販機まで出てきました。
高速のSAばかりでなく街中でも随分と進出してきています。

私は車では湧き水しか飲みませんが高速道路では眠気覚ましのため
これを利用する事が多く、手軽で美味しいと常々感心しておりました。

先日これの補充する現場に出くわしました。
若い子がてきぱきと作業をすませると最後に一杯試飲をします。
そこで声をかけてみました。
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「これだけの事が出来るのなら自販機でお茶漬けも可能やね?」

すると生真面目な表情で応え
「いえ、これは喫茶店の営業許可しか取っていないので無理なんです」

こちらは何のことだか分からずぼんやりとしていると
説明をしてくれます。

つまり、
ここで(この機械で)コーヒーを淹れて販売すると言う事は
喫茶店営業にあたるので喫茶店営業許可が必要になってくる。

もし、具材の入ったものをここで(この機械で)調理販売するとなると
飲食店営業許可が必要になってくるんだそうです。

「え?」と
まだ飲み込めないおじさんはもう少し聞きほじります。
「じゃ缶入りのポタージュなんかの自販機はどうなの?」
「あれは調理してないから特別の許可は要らないんです」

いや、大層驚きました。
そうなってるんですか!
知りませんでした!

それで、帰りの高速SAで早速自販機をチェックしましたら。
なるほどしっかり営業許可が貼ってありました。

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人間が淹れてくれる喫茶店が少なくなってきたと思ったら
こんな24時間営業の喫茶店や飲食店が増えてきているんですね。
面白い勉強をさせてもらいました。
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真面目で親切な好青年に感謝。
ブログ掲載の許可をもらって一枚撮らせていただきました。
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しかし、この青年とも話したんですが
お役所もなかなか辣腕というかやるもんですね~。

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ちなみにこの好青年が従事しているとこがここです。


余談ですが最近ネットではこんな缶飲料も出てきています。
あまり買う気になれませんが。

kann coffee








冬の富山湾は魚も脂が乗って美味しくなりますが、
海藻やナマコまで美味しくなっています。

地元で獲れたナマコには内臓が入ったまま流通していますから
コノワタが作れます。
あとはコノコだかクチコだか良く分からないものも一緒に出てきますが
構いません全部まとめて塩辛にしてしまいます。

そうするとよく解りませんが普通のコノワタより美味しいものになるようです。
多分に気のせいだとは思いますが・・。
なに、酒飲みの独り言と読み飛ばしてやってください。

コノワタが一番の目的ですが、胴体も片付けなきゃいけません。
酢の物も結構ですが大量にあると箸が止まってしまいます。

そこで炒めて見ました。

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ナマコはイカやタコとは根本的に肉の構造が違うので
下ごしらえをしっかりとやらなければいけません。
でもその一手間をかけるとふうわりとした柔らかい口当たりに変身してくれます。

次はこちらです。
ナマコのフェットチーネとホラを吹きたいところですが
表題でバレバレですね。

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ヤキソバです。
通常のお店で使う極太麺で仕込みました。
太いので蒸しは軽くすませています。

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ブリッとした歯応えの麺と、

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フワリとしたナマコの食感が楽しいヤキソバです。

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生麺からヤキソバ麺に仕込む時間は
「蒸し」で10分とすると
「茹で」で1分その他もろもろで30分もあれば誰でも
簡単に終えられます。

それを一人前、一回分だけの時間とするなら随分効率の悪い
手間の掛かる仕事だ  となりますが、
10玉分を一度に出来るとなると話は別ですよね。

後の一週間はいつでもすぐに出来る麺が
冷蔵庫の中でスタンバイしている。
なんて考えただけで楽しくなりませんか?
お台所の理想的な仕込みとも言えますよね。

ヒマな時に仕込む→忙しい時にパパッと作れる
と言うわけです。

今回は今が旬のヤリイカと「ながらも」を使ってヤキソバにしてみましょう。
所要時間は5分です。

フライパンに油を薄く引いて火力を弱火にします。
前回仕込んだヤキソバを乗せます。
ゆっくりと焼き、焦げ目をつけることと
麺についてる余分な油を落とすためです。
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その間に材料をカットしましょう。
使うのはイカゲソです。
一本づつに切り分け、「ながらも」をザク切りにします。
ネギとしょうが、ニンニクをカットして薬味にします。
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合間合間にフライパンをグルグルと回してやります。

フライパンの麺をそのままひっくり返します。
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こんがりとした焼き目がついたら今度はそのまま裏面を焼きましょう。
よく勘違いをする人がいますが、
油は材料に染み込ませる為に使うのではありません。
油っぽい料理なんて誰も嬉しくないでしょう?

油は焦げ付かせない為に使いつつ、余分な油を落とす。
これが賢い使い方です。

ここでも合間をみてフライパンをグルグルと回して麺が焦げ付かないようにしてやります。

裏面を焼いている間に新聞紙とペーパータオルを用意します。
ザルとボウルでも結構です。
そこにヤキソバを移します。

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さらに油を落とすのです。
ここで油が沢山出てくるようならそれは使いすぎです。
次回はもう少し控えてもOKでしょう。

空になったフライパンに薬味をいれ、香りを出し具を加えます。
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水を加えます。
塩、コショウを入れて炒めます。
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先ほどの麺を入れて混ぜつつ、炒めます。
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ただ上から塩コショウを振るだけでも良さそうですが、
実は全然違うのです。

水分に味を馴染ませて、熱を加えながら(圧をかけ)染み込ませるということなのです。
そうすることで麺の中まで味が浸透するのです。
パスタにも通じるコツです。

日本的な発想がただ塩を振るだけという考えになりがちだから
「パスタ用のふりかけ」なるものが売れたりしています。
全く、ずれているというのがお解かりいただけるでしょうか。

こうして麺の中まで美味しさが浸透するころには麺の硬さも程好くなってきています。

ここまでで5分程度。
完成です。

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ヤキソバがパスタより優れている点をふたつ挙げましょう。

1、焼き目がついている分だけ香ばしい

2、ラーメンと同じように硬めでも柔らかめでも自在に対応が出来る

と言う点です。
個人的にはまだまだ挙げられます。
箸で豪快に食べることが出来る  とか
お店で食べるパスタと違って音を立ててもOKなどです。

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柔らかいソースヤキソバしか知らない麺好きに
このヤキソバを食べさせると皆その初感触に驚きます。

ヤキソバ 
どうか見直してやってください。
作り置きさえすればこんなに美味しくてこんなに簡単にできます。





本当のヤキソバと言いましても実は数種類の作り方があります。
大きく二つに分けて、生麺を蒸すタイプと蒸さないタイプです。
どちらが良いとは言えません。
上から具をかける場合と混ぜ込む場合、
また、粘りのあるソースか、アサリのようなさらりとしたのを滲み込ませるか
などで話は全て異なるからです。

また、日にちを持たせるのならば蒸した方が適していますし、
醤油味などで含ませてすぐに食べるのなら蒸さない方が適しているという人もいます。

ここで人それぞれのお好みなどといい加減な逃げ口上はやめ
ひとつの基準を設けましょう。
1、スーパーの蒸し麺よりも確実に美味しい事
2、メニューの多彩
3、パスタに匹敵する美味レベルである事

これらをクリアする事を目標にしましょう。

ヤキソバを追求すると見えてくるものがあります。
それは麺の全てに共通するコツと新たなメニュー作りのヒントです。
「ヤキソバとちゃんぽんが同じ原理で成り立っている」って信じられます?

年も明けたことです。
慌てずにゆっくりと進めましょう。
3月に予定している「みどり共同購入会」さんの料理講習会まで時間をかける予定です。

麺を茹でるということはアルファ化させることです。
たっぷりの水で茹でるのは誰でも知っていますね。
では生麺を蒸すとどうなるでしょうか。
tky 001 tky 002

成分が反応して黄色から茶色へと変色し、
充分な水分が得られない為に表面が硬くなります。

この時の匂いが最も「麦粉臭い」状態です。
茹でるという事から比べれば最も不適な状態(対極の位置)とも言えます。
だから正しく茹でなければ麦粉臭くなるんだ  とも言えます。

これをさらに茹でます。
パスタでいうところのアルデンテつまり完全に
水分の飽和しきっていないところで湯から上げます。
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麺がひとかたまりになりますから優しくほぐします。

このままでは余熱で火が通り過ぎるので流水で洗います。
止める  と言うわけですね。
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洗って絞め、ヌメリを取り、茹で上がりを止めます。
これをザルに移して簡単に水気を切り、
麺がくっつかないようにサラダオイルを少量まぶしておきます。
これだけです。
(ここで完全に水切りしてはいけません)
tky 005 tky 011

冷蔵庫で一週間は持ちます。
作り置きの可能な麺です。
こんな便利な麺って案外無いでしょう?
しかも、元の量に比べると増量しているのがお解かりでしょうか?

ちょっと手間をかけるだけで美味しくて、安くボリュームたっぷりな
どこにも無い物が出来る。
これが私のオススメするメニューです。

いいと思いませんか?原価で手に入る美味です。

この状態をスーパーで売っている「ヤキソバ麺」と比べれば子供でも
まるで別物だと判ります。
食べてみればもっと解ります。
この蒸したヤキソバは本編として次の機会に書きましょう。


今回は先ほど書いた、蒸さないヤキソバとチャンポンの作り方を並べて書きます。
違いをいくつ見つけられますか?

tkw 011具はどちらも同じにします。
ネギしょうがの薬味
肉、イカ
キャベツ、タマネギ、青菜、シイタケ
麺、スープ、(カツオ節)

〔ヤキソバ〕 酒、醤油、コショウ、ごま油。

〔チャンポン〕塩、コショウ、ごま油。

【ヤキソバ】
具材を用意します。
(今回はイカがありませんでしたが違いは出ません。)
tkx 002 tkx 003 tkx 004

フライパンに油を引き、薬味を炒め香りを出す。
肉を炒め、その他の具を加えて炒める。
スープを80cc程度入れて酒、醤油、コショウで調味。
ここまではずっと強火で炒めます。

tkx 005その間に別鍋に湯を沸かしておき、
生麺を2/3程度の時間茹でます。
ラーメンの茹で加減が10とすると6~7といったところです。

それをざっと湯きりして具材を炒めた中に投入します。
混ぜ合わせつつ、さらに炒めます。
tkx 006 tkx 007 tkx 008

パスタではこの工程がとても重要です。
ここで油と水分を乳化させるからです。

ヤキソバは中華鍋でしかも菜箸で行なうととても簡単に
乳化と味の浸透が行なえます。


水分が少なくなったら茹で湯またはスープを足し、味を調節します。
味が決まり、麺の硬さが程好くなったら仕上げのごま油を少々加えて
ひと混ぜしたら完成です。
tkx 013


【チャンポン】
具材を用意します。
tkw 012 tkw 013

フライパンに油を引き、薬味を炒め香りを出す。
肉を炒め、その他の具を加えて炒める。
スープを400cc程度入れて酒、塩、コショウで調味。
tkw 014

その間に別鍋に湯を沸かしておき、
生麺を1/2程度の時間茹でます。
ラーメンの茹で加減が10とすると5くらいといったところです。
tkx 005

それをざっと湯きりして具材を炒めた中に投入します。
麺が入ることで味が薄まりますので、味を調節します。
tkw 016 tkw 017

味が決まり、麺の硬さが程好くなったら仕上げのごま油を少々加えて
ひと混ぜしたら完成です。
ここで味を濃くしたいならカツオ節を少々足します。
tkw 020


これもパスタになぞらえるならスープパスタと同様の工程です。


いかがでしょう?
ヤキソバとチャンポン。
並べて書くとほとんど同じなのにお気づきでしょうか。
同じなんです。
(パスタもほぼ同じです)

こういう醤油味で炒めつつ、味を染み込ませるタイプのヤキソバは
上海ヤキソバと呼ばれ中国料理店の定番となっています。
もちろん蒸したヤキソバでも作られます。
実はこのタイプが応用と言う意味では最も幅広く活用の出来るヤキソバなのです。
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このように焦げ目はつきませんが麺自体のコシとピュアな歯応えを素直に感じ取れます。

マスターして大いに利用していただきたいコツに満ちています。
焼きラーメンとか焼きちゃんぽんなどといった暗示すら見えます。

追々ご紹介しますが、
今回はここで取り上げたチャンポンについてもう少しだけ追記する事にします。

チャンポンと混同されやすいメニューにタンメンというのがあります。
肉野菜の具のスープの掛かった塩味のラーメンですね。
(湯麺と書くとスープそば全体を表わしますから若干意味違いになります)

これは麺だけを茹でて丼に移し、上から具入りスープを掛けたものです。
見た目は同じように見えますから
お店でもチャンポンと称してタンメンを出す所が多いようです。
なぜなら、チャンポンの方が一般に価格設定が高くできるからです。

もう一つの理由が
一度に複数の注文をこなせるから  という事もあります。
タンメンなら一度に8個だって簡単にこなせますが
チャンポンは具とスープと麺が絡み合った中から一人前づつお玉で取り分けるのが手間だからです。
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手間がかかる=時間がかかる=のびやすい 
となります。

これを嫌った店主が伸びにくい麺を探してついに
スパゲティでチャンポンを作っていたお店に行った事があります。

美味しくありませんでした。

何故か?
それは
タンメンとチャンポンの美味しさのポイントに留意すると見えます。

タンメンはお湯で茹でたサラリとした口当たり、塩味のすっきりとした味わい

チャンポンは具の旨味がしみ出たスープを麺が吸い込んで
いわゆる「美味しい茹で伸び」をしたような適度な硬さの麺。
(とはいえもちろん伸びているのではありませんよ)
そして最も異なる点が次の
スープに小麦粉が溶け出しているかすかにトロミのある状態。

ここにあります。
このチャンポンのルーツになっているのが
中国料理の麺料理「煮込みラーメン」です。
ポピュラーなのが「鶏煮込みラーメン」(ラン・チー・ウイメン)

美味しさの秘密はやはり溶け出した小麦粉の旨味です。
ですから1/2くらいに茹で上げた麺を具入りスープに入れて煮込むまでは
チャンポンと同じですがここからクタクタになるまで
煮込みに煮込みます。

麺は箸で簡単に千切れるくらいに柔らかくなりますが、
スープには小麦粉が見事に溶け出して、
とろりと極上のオカユのような深い味わいとなります。

通な人は宴会の〆にこれをご注文される事も多いメニューでした。

煮込みラーメンもチャンポンも麺の小麦粉つまり麺の表面が溶け出したものが旨いという事をお解かりいただけましたでしょうか。
それのあるのが煮込み系
無いのがタンメンというわけです。
うどんでも甲府のほうとうなどがこれに相当します。
美味しいものを突き詰めると似通って来るようですね。

そうなると麺の生地、つまり麺体が重要になってきます。
タンメンなら硬めに茹で上げれば、ある意味粗悪な小麦粉でも分かりませんが
チャンポン、煮込みラーメンでは粗悪な小麦粉では美味しくなりません。
つまり、ここでも美味を求めるなら
まず、最初に小麦粉を選ぶという原点に立ち返らねばいけないのです。

やたらかん水臭い麺でやるとどうなるか
ちょっと考えただけで誰でも判るはずです。

先ほどのスパゲティを使用したチャンポンが何故美味しくなかったかというと
スープに小麦粉が溶け出さなかったという所が原因だったのです。
茹で時間や麺の選択が難しいという訳ですね。

でもヤキソバなら難しくありません。
簡単に美味しく作れます。
先ほどの茹でただけの麺でヤキソバを作った後の鍋をアップでご覧ください。
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小麦粉のトロミが鍋肌に残っているのがお解かりでしょうか?
実はここからもこういうタイプのヤキソバとチャンポンなどの煮込み系が
同じ理屈で調理されているのが分かります。


次回はもう一度蒸したヤキソバから始めましょう。
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本編です。
また違う地平が広がります。
そしてそれはさらに限りない応用を呼びます。

P.S.
みどり共同購入会さん主催の料理講習会の日程が決まりました。
3/1(火)です。
ご希望の方はどうぞお申し込みください。











この時期氷見から「ながらも」という海藻が入荷します。
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どうやら正式名は「アカモク」らしいのですが
例によってそんなことはどうでもいいですね。
其々の地域に根ざした食べ物は其々の地元ネームでなんら不都合はないからです。
キノコと同じですね。

北方四島には天然のフキが沢山採れるそうです。
そこにはロシア人や朝鮮人、そして日本人が住んでいて
それぞれ仲良く交流していたそうです。
(その頃には韓国という国はありませんでした)

まだ日本人が引き上げてくる前の話です。

国同士では色々あっても辺境の地ではお互い助け合わなくては生きていけません。

せっかく沢山あるものを食べれればいいのだが、ロシア人や朝鮮人には食べ方が分からない
どうにか調理してみてもまずくて食えたものじゃない。
ところが日本人だけが嬉々として採ってるのです。

そこで日本人に教わって皆がフキを食料とすることが出来るようになった。
と言う話です。

町に住む人には何のことか分からないでしょうね。
辺境の孤島。
周りに沢山ある野生の草(?)が食べられるようになった
しかも保存食にもなる。
それがどんなに偉大な事か!

そこではおそらくロシア人も朝鮮人もそれを「フキ」と呼んでいた事でしょう。
このような限定された地域では名前はほとんど意味を持ちません。
レシピだけが優先されます。
そこではレシピは人種に関係無く生存に貢献できたのです。

素晴らしい話だと思います。
未知の食材の食べ方を知るという事はある種の感動です。

この「ながらも」を始め、
海藻には私たちがまだよく知らないものが沢山あります。
いえ、知ってるものが少ししかない  という方が正しいですね。

この「ながらも」も知ったのはほんの数年前でした。
この時期にしか入荷しません。
海藻を摂って食べることは大昔から普通に行なわれてきましたが、
近年、海の汚染と海岸の浸食により急激に生産量が減っています。

それだけに貴重な海を大切に守らなければと
美味しい恵みを食べつつ思いを新たにしています。

キレイな海であることとキレイな岩が無ければ海藻が
育たないということがあります。
よく聞く「もずく」なんかも岩について成長します。

今の時期、岩海苔の採取もニュースに流れますがこれもキレイな岩礁地帯があればこそです。
ではキレイじゃない岩とは何でしょうか?

一番は泥による汚染です。
油汚染などは滅多に起こりません。
河川から運ばれる土砂が海底や岩礁をダメにしています。

何故、そんなことが起こるのか?
森林を含む「山」の荒廃です。
放置林、耕作放棄、竹林の暴走、過疎、ダム
などがその原因とされています。

どうにも大きすぎて一人の力では太刀打ちできそうにない無力感にさいなまれますが
まず、一人一人山や河を汚さない、ゴミを捨てないというところから
心がけるしか手はなさそうです。

北方の島のような狭いエリアではそういう事も差し迫った現実として
皆等しく受け止めざるを得ないのでしょうが、
なまじ、周りがあるものだからつい
『誰かがやってくれるだろう』とか
『お金で買えるんだから』などと真剣に受け止めないような人もいます。

残念な事に山の上にはどこまで行ってもびっくりするようなゴミが捨てられています。
よくぞこんな所まで運んできたものだと妙な感心すらします。
これが自分の家の井戸の傍なら絶対捨てないだろうに
と残念な気持ちにさせられます。

そういう人は自分が捨てた車や冷蔵庫から染み出た汚染物質が回りまわって
自分や大切な家族の口に巡り戻ってくるという簡単な事が想像できないのでしょう。

今更ながら「自然を大切にしよう!」という翁の言葉を思い出します。
自然に対する感謝の気持ちを忘れないようにしたいものですね。


さて、この「ながらも」を食べましょう。

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さっと茹でてザックリと刻みます。

それを三杯酢、酢味噌でいただきます。
やや粘り気があり、さっぱりとして、サクサクとした心地よい歯応えでどれだけでもいけます。
イカや魚貝類などと和え物にしても、サラダにしても十分使えます。
美味しい海藻です。
どんどん積極的に取り入れたいものです。
味噌汁にしてもとても美味しい粘りが出ます。

料理人としてパスタやお好み焼きなど百通りのメニュー、百通りの美味しさを
ここで語ることは簡単にできますが、
やはりラーメン屋ですから百聞は一見にしかず
ラーメンで語らせてもらいます。

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あっさり味で仕上げてみました。

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細麺にゆるく粘りがまといつき、かすかな海の香を
持ってきてくれます。

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もずくや海苔もそうですが、海藻は日本人にとって
根源に関わる食品だと思えます。
今の時期しか食べられない自然の賜り物「ながらも」
美味しいですよ!

家族みんなで海藻の話をしながらこれを食べましょう!
きっと心にも体にも染みとおる美味しさとなってくれるはずです。





永田さんから”持込み”されたエゾ鹿肉でジャーキーを作って
肉の特徴をさらにチェックすることができました。

豚でも牛でもないその肉質は大いに学ぶ所があり、良い経験をさせていただきました。

基本的に持ち込みというのは半返し。
色々試してみて半分を完成品でお返しするというものです。

次にgenさんが「熊肉」を持ち込んで来られました。
熊のロース肉だそうです。

野生獣というのは主に鉄砲で仕留められる事が多いのです。
その当たる部位によって味が変わると言ってはなんですが、
例えば鹿ですと
臆病な鹿は頭部か心臓を狙います。
胸などに当たると恐怖と苦痛で大変苦しみ逃げ惑います。
そうすると血が全身に回りレバーのような臭みのある肉の味になるのです。

つまり「味」は撃つ人の技量に拠るところが大きいと言えます。
熊やイノシシもそういう点では同じと言っていいでしょう。

次に重要なのが血抜きです。
これも施行者の技量に拠るところの大きな要素です。
それらが的確に処理されて始めて食材となります。

養殖された家畜とは元々からが別物なのです。
ですから
「昔食べた鹿肉は美味しくなかった」とか
「熊鍋を食べたらクセが強かった」 などと安直に語るべきではありません。

肉屋さんで買ってきた牛肉の味を語るのとは根本的に違うという事を
正しく認識し、美味しい肉にお目にかかったら
鉄砲打ちの確かな技量とその後の素晴らしい処理を賞賛すべきものなのです。

いつでも誰にでも手に入るものではないという事を認識し感謝すれば
なまなかな食後感などいえたものではない
という事が分かる筈です。

特に鳥獣、獣肉に限って言えば
巷に無責任、かつ恩知らずな食後感想が溢れるのを普段から苦々しく思っていましたのでこの際個人的な思いを書かせて頂きます。

今回触る事のできた鹿と熊はどちらも肉質は大変に素晴らしいもので
初心者の私にでも射撃の腕の確かさと
処理の技量の見事さを感じ取る事ができました。

それを台無しにしてはいけないと身の引き締まる思いで調理をするという
プレッシャーがまた心地よく
とてもためになりました。

エゾ鹿肉は色々試すうちの一つの選択としてジャーキーにトライしましたが、
genさんの熊肉は「燻製で」というオーダーがついていました。
燻製にも色んなタイプがありますが、お預かりしたときにはまだ暖かかったので
ジャーキーで行こう  と最初から決めていきました。
genさんにも「お任せします」と快諾をいただきました。

その画像がこちらです。
エゾ鹿
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熊ロース肉
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有難く調理をさせていただきました。
初めての貴重な経験をさせていただき
両氏及び狩猟関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
2011.02.01 肉と丼の話

日本の食用牛は配合飼料で育てられる事がほとんどで高カロリーのため
程好く太り、脂肪がたっぷりと乗った ”日本人好み” の食肉になります。


若干時系列が前後しますが、
かつて米国が牛肉自由化を迫ってきた頃
未熟だった私は国産牛の方が絶対旨いのに何を無理強いするんだろうと反発しました。

(紆余曲線は省きます)

今ではほとんど牛肉は食べなくなりました。
ほんのたまに共同購入のを食べるくらいです。

かつて中国料理店をしていた頃
いちど和風ステーキ丼を出した事があります。
国産では原価がかかりすぎるのでオージービーフを選択しました。

すみませんがここで確信的に思いっきり、話は横道にそれます。
昔「和風ほにゃらら」とメニューに書いてあったから注文するとお箸がついてきた
というジョークのような実情が本当にありました。

お箸を添えたから「和風ステーキ」「和風ハンバーグ」「和風スパゲティ」などです。
本当です。
今となっては笑い話ですがその頃は誰もそれを奇異とは捉えなかったのですね。

その後大根おろしを添えたりなどの進化(???)を見せているようですが
私はナイショですがそんな貧相で退屈な話が(仕事が)嫌いです。

どこが和風なんだろ?
?よく解らないけどこのポン酢をつけてあるところとか??

というような会話を傍で聞くだに人事ながら恥ずかしくなるのです


失礼しました話は戻ります。

和風ステーキ丼です。
オージービーフのサーロインは脂が少ないのでかえって好都合でした。
調味したカツオダシに漬け込みます。
じっくりと焼き上げ、
その間に熱々のご飯を盛り、カエシを回しかけ、刻み海苔を散らします。

肉が焼き上がったら一口大に削ぎ切りして盛り付け
今肉を取り出したばかりの鍋にカエシを入れて焼き付けてから上からかけます。
仕上げに西洋ワサビ(レホール)を天盛りにして完成。

期間は短かったのですが900円ほどだったと思います。
好評でした。

箸で食べる「丼」というのは
個人的な考えとして「かき込める」という事を鉄則としています。
丼としてまず、食べやすいのが原則です。
肉の大きさが決めてになってきます。

次に「丼」としての味のバランスも重要です。
なにもひとかたまりの味でなければいけないとは言いませんが
少なくとも器の中の小さな総和がちぐはぐでは話になりません。

洋風天丼というものがあったとします。
ごま油で揚げた海老天にデミグラスソースをかけたものが
もし、出てきたらそこには洋風に解を導く為のなんらかの仕掛けが必要なのです。

ただ
ソースをかけたから
ピクルスを添えたから
パセリのみじん切りをかけました
スプーンをつけてお皿に盛り付けました

だけ
では根本的に「抜けている」としか言えないのです。

同じように普通に焼いたハンバーグを丼の上に乗せただけのものを
「和風ハンバーグ丼」と出されて「うーん」と困惑するのは当然でしょう。

見た目ばかりを考えていると、そういう仕事になります。

根本の「見えない所の仕事」を大切にして欲しいものです。
仕事というのは表面的になら誰でも学べます。
いまならこうしてネットでも簡単に検索ができるでしょう。

しかし、本当のコツとか重要な事というのは誰にも教わる事が出来ないのです。
研鑽をつんで自分で編み出す。
これが現場に立つ一人一人の料理人の自分だけの技です。
現場では誰も助けてはやれません。

唯一自分がかいてきた汗だけが逃げ出してしまいたいようなプレッシャーの中で自分を支えてくれます。
上っ面の見せ掛けや誰かの受け売り。
どこからか持ってきたような「借り着」では支えにはなりません。

そんな程度で事足りるのは安っぽい物書きくらいでしょう。

くどいようですが繰り返します。
安直で誰にでも喜ばれるような仕事というのはすぐに飽きられます。

霜降りのステーキを三食毎日食べ続けられますか?
いくらお金があっても続かないはずです。
もちろん続けられるとしてもたちまち命の危機を伴う大病を病むでしょうが・・

霜降りステーキのカツがいくら美味しくても伝統料理になり得ないのが同じ理由です。

肉がまだ珍しかった頃は脂さえ乗っていれば皆喜びました。
でも今はすっかり様変わりしました。
肉汁たっぷりと言ってるその過剰な脂が体に良くないんだと学んでしまったからです。

脂がたっぷり乗った肉を使いたいなら
まず、その余分な脂を「どう」落とすかと言う所がスタート地点です。
そして食べ飽きない味を創らないと本当の日本人好みとはなり得ません。

作り手の頭の中がメタボじゃいけないのです。