最近は各地の湧き水で麺を打っています。
富山県には”名水”といわれる湧き水が豊富にあります。
そしてその水源となる場所が大きな河だと~~河水系などと呼ばれています。
これは上流で地下に染み込んだ水が長い時間を経て伏流水となって湧き出てくるものです。

また、名も無き山あいにも湧き水が流れ、水のみ場になっているところもあります。
そんなところでは昔から往来する人や農耕作業の合間に飲まれたであろう
アルミのカップやカップ酒のグラスなどが伏せて置いてあります。

私はそんな湧き水が好きなので見かけるとたいてい飲んでみます。
そうするとその場所ごとに微妙に味と感触が異なるんです。
一般に名水とまで呼ばれていなくとも美味しい水は県内各地にあります。

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水の味を言葉に置き換えるのは至難のわざ。

一般には土中に含まれる鉱物からしみ出たミネラルの含有量によって違う
性質をph値で量り
硬水、軟水と呼び分けますが、それは水質のお話です。
味となるともう一段違う角度からの話になります。

口に含みゆっくりと流し込みます。
その時の舌当たりや喉越しを
言葉に置き換えるなら
「まろやか」「尖ってる」「さらりとしてる」
それに柔らかい、硬いぐらいしかありません。
これでも味の話ではないですね。

ところが、まれにカルシュウムなどを多く含む水というのがありまして
これは微かに「甘い」味がします。

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これで麺を打つとどうなるのか? これが現在の課題です。

とりあえずかん水などが入らない「うどん」でこれを試してみます。
塩と水だけで打つうどんならより結果が明確に出そうだからです。

塩はナトリウムですから水中のカルシュウムとなんらかの反応をするのでは?
と仮定してのトライです。

見た目だけでお伝えできないのが残念ですが
つるみ感がまるで違います!

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なるほど、これで一応の答えを導き出せました
次に中華麺で試作をしてみます。

果たして水中のカルシウムとかん水はどんな反応を見せてくれるのでしょうか?

と、
ここで閑話休題。

時を古代にまでさかのぼり所は中国。
水の味をみる達人がいたそうな。
最高のお茶を貴人に振舞おうと下人に
「○○の泉の水を汲んでくるように」言いつけました。
さっそく馬を走らせて幾千里ではありませんが
遠路を駆けて指定の名泉に着き、器に水を汲みます。

ところが下人というだけに粗忽者だったんですね。
途中で半分がたその貴重な水をこぼしてしまうのです。

困った下人、思案して
「ま、いいか  どうせ解らないだろう」と
傍の池の水を足して持ち帰ったのです。

するとさすがは達人
「上から半分は××池の水で下半分が○○泉の水である」と
ぴたりと言い当て厳しく下人を諫めました。

史実か寓話かは判りませんがいかにもあの国らしい
突っ込みどころ満載な話です。
私は世に言う
”古代中国の人は賢い民族が支配していたが、今の漢民族は劣る”
という説をあまり信用していません。
むしろ、古代中国も現代中国もほとんど変わりがないと思っています。

ここに出てくる水を誤魔化そうとする行動が現代中国の
「ニセ水」騒動と見事に合致しているではありませんか。
「ニセ水」は今の中国で最も儲かる商売なんだとか(笑)
中国人の本質論になんか興味はないですが

自国だけでやっていてくれと言いたいですね
日本の水資源を狙うのは止めてもらいたいものです。
どうせニセ水に仕立て直すのがオチでしょうに。


もうひとつ閑話をします。

かつて富山にラーメンの達人がおられました。
亡くなられて久しいのですが、
かつて大繁盛の勢いをもって北海道に進出された事があります。
残念ながら結果は思わしくなく撤退してこられました。

私は縁あって薫陶を受けていた頃に
その頃の話を聞く機会に恵まれました。
曰く、
「北海道の水が合わなかったせいか、麺が思うような仕上がりにならなかった」
というものです。
達人にしてそれほどのものなのです。
水と麺の関係は微妙なものですね。

さて、話を戻して今回の名水と麺の結果はどうだったかと言いますと。

大正解

とだけ書いておきましょう。
いつもに増してツルツル、もっちり、
かすかに甘味さえ増したように感じます。

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ある種の水は味では微妙すぎるため正確に聞き比べたり表現する事すら
困難でも、物理的とでも言えばいいでしょうか
水色がはっきりと変わるケースがあるんです。
{忍ぶれど 色に出にけり}  ではありませんが
味覚で判断出来ない→色に出る→麺に仕立てる→味覚で判断可能

水そのままでは判らないが麺にするとその凄さが解る。
と言う事なんですね。
水は全ての基本。
大元。
美味しさを求めるのならまず、水。
それを「正しく」活かす事。

とはいえ、まだ取り組みは始まったばかり。
またこれから長い旅の始まりです。
どんな水と麺の物語が続くのかは誰にも判りません。
出会う水によって好結果が出たり、また予想外の事も起こり得るでしょう。

ましてや聞き水のできるような達人の域など
気の遠くなるほどの彼方です。

まず、今日の一歩を記しておきます。
全ては「美味しい」の為

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富山湾ではアオリイカが最盛期を迎えています。
かつてはこれを狙って夜釣りで徹夜をしました。
大きくなるとクロダイほどの強い引きをするので釣りとしても楽しく、
また食べても美味しいので人気です。

釣りには生きた小アジを使うウキ釣りとルアー、餌木などを使う
いわゆるエサ釣りとエサ無しの二種類があります。

ところでイカはとても獰猛な奴なんだとご存知でしょうか?
総じて気性が激しいと言われています。
よくSF海洋小説で巨大イカと巨大タコが戦うシーンが出てきますが
その激しい気性のなせるほぼ実話をデフォルメしたものなんだそうです。

アオリイカ釣りをしてみるとなんとなくその辺りがイメージできます。
普段はこの格好で泳いでいます。
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人間と違い野生は遊ぶという事をしませんから
「泳ぐ」=「エサ探し」or「繁殖行動」です。
間違っても海水浴なんかではありません。

小魚を見つけるとそーっと近づき手を伸ばして捕らえます。
素早く手繰り寄せて足全部でつかみ食べます。
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小アジをエサにすると良く解りますが
真っ先に頭をかじります。

と、ここまでは足方向に向かって泳ぎます。
推力はエンペラと呼ばれる「耳」で行います。
アオリイカの耳は大きく発達しているのでかなり力強い泳ぎが可能です。

エサ釣りもルアーもこの素早い捕食行動を逆手にとった釣りです。

このエサを手繰り寄せる動きではっきりとしたアタリがとれます。
ここで竿をぐいっと大きくあわせます。
するとイカは必死で逃げようと胴体から水をジエット噴射して抵抗します。

つまり私たちがイメージしている『イカは水を噴射して泳ぐ』というのは
緊急事態のときだけなのです。
このときにイカ墨も吐きます。
が、アオリイカは墨袋が大きいので釣り上げてからも墨を吐き出します。

釣り上げた時に掌に噛み付くのもいます。
凶暴な奴です。

私はボートで釣り上げた瞬間顔に吹きかけられたことがありますが、
この時期に堤防に行くと墨の跡が点々と残っていて笑えます。
歴戦の痕跡というわけです。
釣れているかそうでないかすぐに判明するのです。

この触手のところに滑り止めのようなザラザラがあり、一説にはここから痺れ毒を出すなどと言われていて
普通はここは切り落として、食べません。
もちろん食べても問題はないのですがザラザラの食感もよくないからです。

中央市場で仕入れていた頃はいくら最盛期になって底値といえども
タカが知れていたのですが浜に近い魚屋さんで買うと、
驚くほど安価になる時があります。
流通経路の面妖なところですね。

こんな時に作るのが
かき揚天丼です。
いくら切り目を細工したところで衣がはがれてしまっては興ざめなのと
食べやすさを考えるとやはり一枚モノではなくかき揚です。

刺身状態にします。
贅沢な感じもしますが、刺身になるようなモノしかないので
しょうがないですね。

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油ハネしないようにここで粉をまぶしておきます。
タマネギをスライスして加えて衣をつけて揚げます。

やや高めの温度で色がつくぐらいの強めに揚げます。
天丼とか天ぷら蕎麦などは一品料理のものとは違い汁気を通すので
この位の揚げ加減が適しているのです。
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湯せんで温めたタレに浸してご飯に乗せます。
ついでに言うと

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こんなフグの天丼や

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こんなカマスの天丼などの時とはタレの濃さを微妙に変えます。
かき揚は瞬時にタレを吸い込みますのでその分少々薄めに整えるのです。

ご飯にあらかじめかけるタレも控えめにしなければいけません。

また、
各種天ぷらをいくつか乗せる
という場合にはタレが共通ですから
かき揚衣の堅さで調節します。
いくぶん染み込みづらい かな? と言う位がベストです。

天ぷらも奥が深いですが
天丼も違うベクトルで奥の深い食べ物です。
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でもプロとしてお出しする以上は
どんなに考慮しようと
どれだけ手間隙をかけようと
またどれだけ手抜きしようが
美味しくて当たり前なのは言うまでもありません。
結果が全てです。

お陰様でこの日も好評でした。
言葉では何も言われませんし、こちらもお聞きしません。
野暮は嫌いですから。

お帰りになる時の顔で勝手に判断させていただいています。
今のアオリイカ 美味しいですよ!

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2010.10.18 秋のたそがれ

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河原でススキを撮っていたら
雨が落ちてきました。

こんな情景にぴったりな唄です。




こちらはオリジナルです。



しっとりとした秋の夕景。
熱燗の酒と暖かい食べ物が恋しくなります。
2010.10.14 熊出没注意!
秋にはキノコ採りが定番です。
今年は豊作らしいという噂を聞きますが、行けそうにありません。
熊の出没が例年になくとても多いからです。

こんな事は初めてではありません。
数年ごとに繰り返しています。
数年前にもありました。
その年も山の木の実が不作でしたが今年はそれ以上だと言います。

現に近くの公園に行っても普通ならジャマな程に落ちているドングリがほとんどありません。
トチの実はゼロです。
数年前には
「あんな苦いトチの実まで熊が食べているよ!?」と
山の方々を驚き呆れさせたのですが、今年はゼロどころか梢の方は枯れこんでいる有様です。

秋の木の実として都市在住者にも馴染み深いギンナンも異常に少ないですね。
きっと今年は高値でしょう。
ギンナンの木=イチョウは雌雄異株で
本来その枝振りはラジオ体操の両手を高く挙げたようになります。
ところが雌株には沢山の実がつくので重さで徐々に枝が下がり両手を斜め上に挙げたような枝振りになる
といわれています。
つまりギンナンの成る木は枝振りを見ただけで遠目でも判別できるのです。
一本の枝に毎年数キロ~十数キロの実がたわわに成ればそういう事になるんでしょうが、
今年は見当たりません。
数百分の一くらいの印象です。
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10/8現在で富山県での熊目撃情報は80余件。
昨日も今日も続々と増え続けています。

熊にとっては秋に欠かせないエサの致命的な不作。
夏の猛暑の影響ですが、それ以前に
やれ道路を整備しすぎたから  とか
雑木を切りすぎた  
里山整備を怠った   等など諸説ありますが、
ほとんど全てが”人間のせい”なのは間違いなさそうです。

ところがAさんという山の大好きな方が興味深い話を聞かせてくれました。

世間では山にエサがなくなると熊が里の柿の実を狙ってやってくるから
早く柿を収穫しなさい、とか切ってしまえと言うがあれは間違いなんだ
と言うのです。

「え? 正解じゃないんですか?」と聞き返しました。
すると数年前の出来事を例に引いて話してくれました。

仲間と車で山道を走っていると畑で野良仕事をしているお婆さんがいたそうです。
ナント!そのすぐ傍の柿の木に熊が登って柿を盛んに食べていたのです!
『こりゃ大変だ!』『おばあちゃん逃げなさい!』
と車の中から必死で大声を出さないで身振り手振りでアピールしたそうです。
『お願いだから気づいて!』『あなたの後ろに!!ほら!!』と

そのうちに熊は食べ終わってスタコラ森に帰ります。

一同ホッと安堵し、ようやく車から降りおばあちゃんに近寄ると
おばあちゃん少しも動じる気配もなくケロリとこう言ったそうです。
「あぁアレはいつもの事だから心配いらんよ」
「柿を食うのは冬眠準備の為だから今年もそろそろ籠るんじゃろ」
全員で山の人の知恵に感嘆して帰宅したそうです。

Aさんの話です。
今では山に天然の柿の木がほとんどなくなり
柿というと私たちは人間が植えたもの と思い込んでいます。
ところが熊にしてみればこの時期は柿を食べて冬眠に備えるという
遺伝子の命令に沿って行動しているだけなのです。

ではなぜ柿を食べることと冬眠が関係あるのか というと
冬眠中は排泄をしないため止め栓をする為なのだそうです。
人間にも思い当たる人もいらっしゃるでしょう。
そうです
熊は「便秘」状態を意図的にしつらえるのです。
柿渋がその役割を果たすのです。

そうして冬篭りから明けると
ザゼンソウという山菜や樹皮などを食べて下剤効果をもたらし、いっきに排泄するそうです。
古くから熊撃ち猟師はこれを「栓を外す」と呼び猟期の目安にしたそうです。
すなわち、冬眠中に胆のうが肥大していて
最も大きな「熊の胆(イ)」を得る事ができるからです。
熊撃ち猟師さんにはこれがもっとも高額な現金収入となっていたのだとか。

里に熊が出没して猟友会の方々がこれを射殺すると
主に都市在住の人達が「可愛そうだ」という優しい気持ちから
「殺さないで」という声が上がります。
年々生息固体数が減少し続けている と言う声も上がります。

ところが、現在富山では本業としての熊撃ち猟師がいなくなってしまって実際は熊が増えている
という説もあるのです。
ニホンカモシカが天然記念物に指定されて狩猟できなくなって増えている という説もあります。
温暖化の影響でイノシシの流入と繁殖が問題になってきています。

そろそろ山の事は山の人達の知恵にゆだねたらどうか とAさんは語るのです。

なるほど、
柿の実を早めに収穫すると熊はもう一歩里に近づくしかないのです。
そんなことならいっそ山中に柿の木を移植してやればどうかとも思います。

「街の人達」のする事全てが間違っていると言う訳じゃありませんが
山の方々が眉をひそめる事のひとつに「奥山放獣」があります。

これは里近くに仕掛けた檻に入った熊を殺さないで奥山に放す事です。
一見優しい措置のように思えますね。
ところが現実にはまた出没するそうなんです。

何故か?

山には熊のテリトリーがあります。
其々の熊の縄張りがあるのです。
良い餌場は強い熊が確保していて弱い順番に裾野の方に追いやられているのです。
最も弱いのが子連れの母熊です。
だから里に出没するのは子連れが一番多いのです。
ちょっと山の条件が悪化するとたちまちエサに不自由するようなテリトリーしか持ってないからです。
その下というとそこは里です。

ところが子連れの熊は最も危険です。
何故でしょうか?

オス熊が小熊を殺そうと常に狙っているからです。

オス熊が子孫を残そうとメス熊に近づこうとしても
小熊を連れているメスは受け入れません。

そこでオスはまず、小熊を殺すのだそうです。
そして、小熊が居なくなるとメスは受け入れてくれるそうです。
悲しい仕組みになっているものだとは思いますが、
だから子連れの熊は凶暴なんだと解りますね。
常に臨戦態勢なのですから。
のんきな人間なんかが通り道に遭遇したらひとたまりもありません。

野生動物は常にエサの確保に追われています。
藪から藪へと伝って必死に里へ近づくのも本当は嫌なのです。
ですからそのストレスでいきおい凶暴にならざるを得ません。
ただでさえ空腹で苛立っているというのに、
その点と点を駆け抜ける時に人間と接触したら、
反射的に掌で払う(ボクシングのフック)攻撃を仕掛けるそうです。
過去には痛ましい事故も沢山起きています。

しかし、人間にとってそんなに危険でも熊同士では弱いランクにいるものを
つまり幕下力士のようなのを横綱クラスが居座っている所へ放すとどうなるでしょうか?
良くて追いやられてまた舞い戻るか、
悪ければ殺されてしまうのです。

熊は雑食性だといいます。
前回の熊騒動の時に岐阜県で聞いた話ですが
そうして奥山放獣した熊が殺され、しかもその後その遺骸を食べていたそうです。
檻に入った熊を殺処分するのも止むを得ない処置なのではないかと思う所以です。
実際に檻中の熊を処分する人には辛い役回りです。
皆でその心労を察してあげましょう。

子連れでないメス熊にはさらに深刻な事情があるそうです。
熊には「着床遅延」という特殊な繁殖生理があり、出産できるか否かは
秋の堅果類の摂取量に左右される  というのです。

熊は6月ごろに交尾をしますが、受精卵は発育を休止したままで子宮内膜に
着床しないのだそうです。
秋の食餌が順調で炭水化物を充分摂れて、
11月頃の栄養状態が良いと実際に着床して本当の意味での妊娠となるといいます。
その為、妊娠あるいは出産の可能性のあるメス熊はより以上に広い範囲をエサを求めて活動するのです。
これも遺伝子と空腹にせっつかれて気が立っていそうです。

反対に不十分な体だと流産してしまうか
体に吸収される という事です。

命を残す、伝える とは過酷なものですね。


話はそれますが、
月の輪熊は春のススタケ(ネマガリタケ)が大好物です。
沢山生えるど真ん中にデンと座ってあの巨大なクマデのような爪で
タケノコを一本一本器用に皮をむいて食べます。
ですから
熊がタケノコを食べた後には皮が山のように残っているそうです。

とここまではよく聞く話ですね。

でもちょっと考えてみてください。
あの愛らしいパンダは笹を食べるんです。
堅い笹竹をバリバリ食べるパンダってものすごいと思いませんか?

いっぽう
いちいちタケノコ(ススタケ)の皮をむかなきゃ食べられない
月の輪熊って熊族のなかでは、なんて”ひ弱”な奴なんだろうって思えませんか?

凶暴なイメージを持ちがちですが、いえ、もちろん人間にとっては危険な存在には
違いありませんが案外弱い側面を持っているのも確かなんですね。
生存という点でみれば
近年急速に増えているイノシシに劣るのではと思います。
食性、繁殖全ての面において。

私は出来る事なら山で熊に出会いたくはありませんが、
山の方々は昔から熊を山の親父と呼び
恐れと敬いをもって時には狩り、時には崇めて共存してきました。
そんな良い関係を保てないないものかと密かに心を痛めています。

しかし、果樹園を経営する方々の苦労は察するに余りあります。
シカや猿にやられ、熊の出没です。
熊は実も食べますがもっと深刻なのは枝を折る事です。
翌年の収穫も失ってしまうからです。

ついに今年は果樹園従事者の方まで襲われてしまいました。
被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げますとともに
近隣の皆様のご心痛や不安はいかばかりかとお察し致します。

根本的な熊対策が無いものか
またなにか私達にも出来る事がないのだろうかと思っています。
どなたかご教示くださる方がいらっしゃらないものでしょうか?

te 001














つい最近までピザと聞くだけで難しそうだなと敬遠してました。
ところが手打ち麺のお陰か、小麦粉に対する認識が改まってきて
近頃はなんでもトライするようになり、
そして簡易版ピザに挑戦したところ実に簡単で美味しいのに驚きました。

そこで調子に乗ってきちんとしたレシピでトライしてみました。

分量とレシピを記しておきます。
醗酵と聞くだけで尻込みしていたのがウソのようにあっけなく出来てしまいます。
ぜひ、トライしてみてください。

(4枚分)
強力粉______250g    打ち粉(強力粉)適宜、分量外
薄力粉______250g
ドライイースト__ 12g  
塩________ 8g
水________250ml


ちょっと見るとややこしそうに思うかも知れませんが、
粉類と水、ソースとチーズだけです。
おまけに加水率は50%!これは扱いやすい分量なんです。
ぜひ!トライしてみてください。
簡単メニューです。

電話一本で配達してもらうのは手軽かも知れませんが高くつきます。
楽しみながら簡単に安く、しかもお好みの具をたっぷりと乗せて作りましょう。

私はかつて「こだわらない蕎麦打ち」を提唱していた時期があります。
そこではどこの台所にもある調理器具で作ることを推奨していました。
今回もそのパターンです。

(道具)
ボウル、スケッパー(包丁)、麺棒(ホームセンターで売ってる丸い棒)
デジタル計り
たったこれだけです。
オーブントースターの網目が粗いようなら生地が垂れ下がらないように
餅焼き網をカットして用意した方がよろしいでしょう。
ta 033

粉を計量する必要性からデジタル計は必須です。

ta 034分量を計り、混ぜ込みます。
菜箸で充分ですがコツはくっつけて持たない事。
指を深く挟んで箸と箸の間隔を広げて持つとやり易いでしょう。
このコツは蕎麦打ちにも有効な技です。
慣れないと指が痛いですが身につけて損はありません。

ta 035まとまってきたら掌で押し付けて練ります。
どんどん「らしく」なりますが体重をのせて5分程こねます。
ここまでは「打ち粉」は不要です。
手にくっついた粉も随時落としながら練ります。

ta 036まとまってきたらひとまとめにして4つに切り分けます。
スケッパーが便利ですが(ホームセンターで150円ほど)
無ければ包丁で切ります。

ta 038これを容器に移して布巾をかけ常温で2時間放置。
すると醗酵してふくらみます。
それを冷蔵庫で3時間寝かせれば生地は完成します。

tb 004台に打ち粉を広げて生地を置き、
手で押しつぶします。
麺棒で伸ばします。


tb 005これだけで出来てしまいます。
これは子供さんと一緒に作ると喜びそうですね。

この時は縁を盛り上げ、
具は無しで、ソースとチーズだけで焼いてみました。
結果はこちら。


ta 042生地がパリパリに焼けてとても美味しくできました。

tb 013お次は具をたっぷり乗せて作ってみました。
生地は伸ばすととても柔らかいので具を乗せると
オーブンに入れることすらままなりません。

tb 012
そこで薄い合板をカットして大きなヘラを用意しました。
この幅一杯に生地を伸ばします。

tb 006今回は縁をつけません。
角を出します。
反対側も角を出して、
後はひたすら伸ばします。 
 tb 007 tb 008


tb 016トマトソースを塗り、具をたっぷり乗せて
上からチーズを乗せて焼きます。


tb 018美味しそうな匂いが上り、チーズが溶けて焦げてきていました。



tb 020
これで焼き上がりです。
伸ばした時には厚さが3ミリだったのが
焼き上がりでは6ミリになっています。
普通のもっちりタイプとクリスピーの中間といったところです。
tb 022


何も乗ってない縁はカリカリで
具の乗ってる部分は程良くもっちりでやはり自作は美味しいですね。

ただシュレッダーチーズばかりだとやや重く感じるのが難点です。

そこでお次はモッツアレラチーズのみで作りました。
こうです。
  tc 006 tc 007


さすがにこれは味がまるで違います。
程好く粘り、伸びて糸を引き、全くしつこさがありません!
少々お高いのも納得の旨さです。

次回はチーズを混ぜてトライです。

思っているよりもずっと簡単に出来て
想像以上に美味しく出来上がります。
しかも、ピザは具の多様さではぴか一。
一度お試しください。






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(昼のミニ丼)
能登健康鶏で作る新潟風タレかつ丼を一週間通しで実施。
初めて目にすると言う方もおられてご質問なども受けました。

昼だけとはいえ、湯せんでタレを加熱し続けると味が濃くなります。
それで随時味を見て、カエシやダシを加減して調節するわけですが
一週間それを続けて飽きないのです。
それどころか味見をするほどに良く出来た丼だと感心させられました。

普通のかつ丼はカツ一片とご飯を一緒に掻き込みます。
それでよく噛むことで口中調理となるのです。
肉が大きければひとかじりで同じように進みます。
かつ丼には一種独特のご馳走感があり
(肉、脂、油、野菜、卵のコラボ)
ボリュウムたっぷりの至福の食べ心地ですが、
それゆえに何日もは続けて食べられないという欠点があります。

ところがタレかつ丼は肉をひとくち頬張るとカリッとした食感がそのままなんです。
そこへご飯を一口加えて口中調理となります。
つまり丼のバクバクッと掻き込む豪快感を持った定食のような食事が楽しめるということなんです。
がっつり食べるボリュウム感が無く、あっさりとしているのも
濃厚さゆえの食べ飽きという点から見るとはっきりと計算ずくの味付けなんだと言えます。
しかも、
こう言ってはなんですが
甘くないから食べ飽きが来ないのです。

皆さんはお気づきでしょうか?
定食や一品料理でトンカツを食べる時のソースの
甘さを?。

一般的な市販のソースはもはや甘すぎて連続使用に耐えられないレベルにまでなっています。
例外的にあっさりとしたものもありますが、ほとんどの量販店では利幅のより大きい
廉価汎用品が売り場を独占している有様です。
それで30歳台後半ぐらいから急にソースが嫌いになる方が増えるのです。

二日続けてトンカツを昼食に食べられますか?
おそらくNO!と言う方が多いのではないでしょうか?

肉の脂がいけないのでしょうか?
揚げ油がいけないのでしょうか?

いいえ一番の敵は甘くどいソースなのです。
だからやたらキャベツを欲するのです。
ウソだと思ったら一度醤油で食べてみてください。
3日でもいけるはずです。
もちろん栄養が偏りますからオススメはしませんが、・・。

今回のタレかつ丼は二日続けて召し上がられた方が4人いらっしゃいました。
二日連続で昼食にかつ丼です。
こんな事は今までのかつ丼では無かった事です。
いかに美味しくて食べ飽きないかという実証ですね。
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ダシで煮込まない。
甘くない味付け。
たったこの二つのポイントです。

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しかし、残念ながらタレかつ丼のこのままのスタイルは封印します。
今回限りです。
次にこの手のものをする時にはなんらかのアレンジをしなければ出しません。
とても美味しいだけに惜しいのですが、
いつまでもマネばかりは続けられません。

でも、このタレかつ丼を試してみたいとか
どんな作り方をしたらいいのか聞いてみたいと思われる方が
アマチュア、プロ問わず もしいらっしゃいましたらどうぞお気軽に
お出でくださるなり、メール、TELなんでもお問い合わせください。
出来る限りお力になります。

そうしてそれぞれが独自色を出せるように知恵を出し合っていければ幸いです。

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アレルギー治療の名医の方のお話をラジオで聞く機会がありました。
それによると、
今まではアレルゲンとなる物質をとにかく避けるという事に尽きましたが
最先端の治療は「食べて治す」というものだそうです。
もちろんこれはDr.の厳密な指導のもとに行われるものです。
ごく少量づつを体の状態を見つつ慣らしていくのだそうです。

そこで卵アレルギーだった人の改善例を紹介されていました。

Dr.
「卵アレルギーが治った患者さんが真っ先に何を食べたがったか解りますか?」
アンカー 
 「菓子でしょうか?」
Dr.
「いいえ、ラーメンなんです」
アンカー
 「えぇっ?!」 

これには私も驚きました!

言うまでも無く卵がダメとなるとほとんどのケーキ類やどうかするとパンなども限定されます。
私もてっきり菓子類だと思ってました。

違っていました。
つまり
ほとんどの中華麺には卵が入っているから今までは危なくて食べられなかった
というのです。

ではなぜ麺に卵が入るのでしょうか?
ここから製麺機メーカーの大和製作所が発行している教本から引用要約します。
_________________________
卵の使用にはいくつかのパターンがあり、卵白のみと全卵そして粉卵とです。
卵白の特徴の好例として「ゆで卵の白身部分」が解りやすいでしょう。
その食感として表面は弾力を持ちながら一旦歯が立ち込むと亀裂が走り歯切れの良さがあります。
またこの白身は水を通しません。
この「歯切れ良い弾力」と
「水を吸いにくい」=「茹で伸びに強い」性質を麺に加える。

全卵は風味付けと着色
粉卵は衛生上の安全を考慮して

使用量は原料小麦粉に対して生卵で5%、粉卵で1%以上使用した場合に
卵麺としての表示が”可能”です。
________________________
となっています。

スーパーなどで並べるのなら「卵麺」と表示して値打ちをつけることもあるでしょう。
しかし、ラーメン店などでは普通は表示しないで営業しています。
5%以下 1%以下もあるでしょう。

それでもたとえ微量でもアレルギーの人は発症するのです。
確かに君子危うきに近寄らず となって入店できなくなるのも
無理からぬところですね。

今までに何度も書いていますが私達の麺も昔は卵白を加えていました。
無添加にこだわりたくて、かん水よりも卵の方が良いだろうと思っていたからです。

でも現実はやや様子が違っていたのです。
思っていたよりも卵アレルギーのお客様が多かったのです。
無添加という表示に『もしや?』と淡い期待をもって電話をしてこられるのです。

皮肉にも安全だと思っていた卵の方に実質的な害があったのです。
先の卵アレルギーの人達もそれが怖くてかつてのラーメンブームの只中ですら
じっと我慢を強いられてきたのですね。

お察しします。

さらに、かん水悪玉説というのまでありまして、
それでかつて一部の生協などでは無かん水麺と称して
卵の殻を焼いて作った焼成カルシュウムというものを添加した麺を
販売したことがあるそうです。

効果はかん水とほぼ同じなのですが、
卵アレルギーを持つ人はやっぱり発症してしまうそうです。

卵とかん水のどちらに実害があるかを示す好例と言えますね。
実態のあやふやなかん水悪玉説ばかりを向いた結果かえって実害を起してしまった例でしょう。
今では焼成カルシュウムもかん水と表示されるようになったそうですが、
それよりもむしろ
「卵を含む」「卵を含まない」と
明確に表示していただきたいものです。

恐る恐る手に取る方々が現実に”居る”ということに留意しなければいけない
ということに尽きます。

それが製造者の”良心”というものじゃないでしょうか?
いったん加えたものは後で手に取った人は除去のしようが無いのです。
そこをよく理解してもらいたいのです。

私達の現在はというと
今は全く卵を使用していません。
数年前から思い切って極低かん水のみに切り替えました。
今回の手打ちに切り替えてからはかん水の他に
粉を厳選して食感の改善をし続けてついに
以前よりさらにかん水を減らして尚、コシを強くすることに成功しています。

これも青竹打ちによる製法の賜物です。
普通の人力では不可能な強力な延しと畳みの効果とも言えます。
いまは無き「福力」さんで何気ない会話を交わしていた言葉がよみがえって
来る事もあります。

不思議な事ですが
『あぁ あの時にあんな事を言っていたのはつまりこういう事だったのか!』
と得心させられるのです。

青竹打ちの本場では終始、竹だけで麺を鍛えますが
私は最初だけを軽い竹で打ち込み、後は鉄パイプに持ち替えて打ち込みます。
鍛えるにしたがって強靭な麺体になってくると竹では歯が立たなくなってくるからです。

当初は軽い(肉薄の)パイプで行って充分だったのが
夏になり気温と湿度が変化するに伴い粉の配合を変えるにつれ
今までより数倍の力が必要になりました。

結果、軽いパイプは無残にもへし曲がって使い物にならなくなってしまいました。

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今は重量パイプで加圧しています。
全体重を目一杯かけても曲がる心配はありません。
そのかわり持ち上げるのにいささか苦労します。
でもその苦労の分だけ「美味しい」が産み出されると思えば
甲斐もあるといえます。
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手打ちにしてよかったと心から喜びを噛み締めてまた早起きする日々です。

職人の矜持にかけて、なにより安心、安全をご提供するために今日も。
安心な食を求めてご来店下さる皆様のために 明日も。

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