多加水手打ち麺の良さをもっと知ってもらう為に
夏季限定の冷麺を実施いたします。

とはいえ、冷たい麺というのは実質お盆過ぎにはほとんど出ません。
ですから今からお盆までの期間中に数種類を順次投入します。

期間中は原則、週末も昼、夜間も全て材料がある限り対応させていただきます。

一種類ずつの実施ですから2週間程度で入れ替える予定です。

まずは第一弾!

「ひやかめん」

「冷やか~」というのは鹿児島弁で「寒い」とか「冷たい」といった意味です。

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手打ちストレート細麺に
節と鶏のあわせだしとカエシで作るシンプルなツユでお召し上がりください。

具材は
能登健康鶏の照り焼き
地物新鮮ナスの蒸し浸し
ワカメ
茹でエビ(塩水蝦)
国産or台湾産 うなぎ蒲焼  自家焼き仕上げ
タケノコと椎茸の煮込み
です。
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わけてもおすすめなのが
薬味です。
大葉、小口ネギと並ぶのが
山ワサビと大根おろしをMIXしたものです。
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山ワサビというのは北海道原産の畑ワサビの一種です。
北海道の人たちはこれが大好きでおろしてご飯にのせて
醤油をかけただけのを喜んで掻きこむそうなのですが
実際にやってみると「辛すぎっ!!」
むせてしまってとても食べれません!

なので大根おろしと混ぜて盛り付けておきます。

これを少量取り、そのまま麺にのせて
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麺と一緒にツユに半分程度つけて

一緒にすすってください。

手打ち麺ならではの滑らかな口当たりでするすると入ってきます。
噛むと細いのに似合わないほどの強靭なコシとツユの美味しさ
そして薬味の香り高い辛味
それらが渾然一体となって楽しませてくれるはずです。

冷たい麺というのはえてしてご飯に合わないものですが
ご飯の味方はその点もしっかり押さえています。
お昼にご飯と一緒に食べてもバランスが良い味に整えました。

ぜひ一度ご賞味ください。
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「ひやかめん」 麺増量で  800円

7/1 木 は都合により臨時休業させていただき
7/2 金よりスタートします。

ヴォリュームあります。

「旨かよ~」


 




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2010.06.27 珍味

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赤ナマコが手に入ったので調理してみました。
一応お断りしておきますが、
漁師さん以外の人がコレを獲ると密漁となりますのでご注意!

この方曰く、青ナマコは海底の砂上を歩いてるのに比べ
赤ナマコはテトラポットとか岩の上にいるから味が良いのだそうです。

堅いくちばしを除去。
腹を裂く。
腸を取り出す。

この腸に砂がびっしりと詰まっています。
ナマコは砂や岩の上をゆっくりと匍匐前進しつつ何でも口に入れながら有機物を取り入れ
同時に不要なものを出しつつ海の中を「歩き」まわっています。

ですから海底にはナマコの「歩いた」後には砂の細い軌跡がうねうねと果てしなく続いています。

ナマコ ちょいと見ただけではただの筒にしか見えませんが
ちゃんと先頭がありお尻があり
背中があり、腹があります。
両脇には匍匐するための「足?」のようなものまであります。
一見グロテスクですが考えてみると立派な全身運動体。

コリコリと歯応えが良いのもむべなるかな。

さて、腹を抜いたものをさっと塩で揉み洗いして洗い流し、
小口から刻んで酢醤油で食べればもう御馴染みの酒の友。
哀れ、一個の消化器官運動体がもうこちらに消化されてしまっています。

このコリッとした食感が応えられないのですが
ゆっくり噛むことが大事なんですね。
つい焦って噛むと歯が折れる事があるからです。
ナマコ侮る無かれ。
なかなかしぶとい奴です。

とここで終わってしまうと退屈な話です。
せっかく中の入ったままのブツが入ったのですから。
もう一仕事しましょう。

まず、腸を持ち箸でゆっくりとしごきます。
するといったいどこに在ったのかと驚くほどの砂が大量に出てきます!
(いえ、この腸なんですけどね)
次に棒に掛け吊り下げて、さらに丁寧にゆっくりとしごいて完全に砂を抜きます。

これを適当な長さに切り、塩をまぶして二日ほど冷蔵庫に寝かすと
「コノワタ」
の完成となります。
意外と簡単に出来るんですよ。
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そしてもうひとつオマケがありました。
「クチコ?」らしき「卵巣?」らしきブツです。
これもそのまま塩をまぶしてしまい込みましょう。

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珍味です。
旨いです。
つい飲みすぎてしまいます。
ご飯にも合います。

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『そんなナマコなんか手に入らないよ』と思った方、さらに
『だけど食べてみたいな』と思った方はこちらから買えます。
宣伝するわけではありませんが美味しい話の責任を取ってご紹介しておきます。
日本海の珍味でした。
能登前「幸寿し」通販、奥能登のこのわた

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富山湾に面しているところに住んでいるといっても
滅多に入手できませんが、たまに食べるとやはり旨いですね!
海の香が口いっぱいに広がります。



2010.06.25 最近のミニ丼

平日昼日替わりの丼も毎日のように作っていますと未処理の画像ばかりが沢山になってきました。
その中から映りのよい物だけをいくつかまとめてあげておきます。

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自家製ベーコンエッグの丼
既製品の添加物まみれのベーコンが食えなくなってから久しく、
食わなくても平気になってはいるのですが
たまに無性にベーコンが食べたくなりますので地物の豚肉で作ります。
塩分がきついので小さく刻み野菜をたっぷり添え、
フライパンに残った脂をほんの少量垂らしてOK.
仕上げにみりん醤油を落として完成です。


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焼きイワナとタケノコご飯
いったん炭火で焼いた岩魚をほぐし、骨を取ります。
骨はガーゼにくるみ、身と上に乗せてタケノコご飯を炊きます。
鯛とタケノコご飯も出会い物でしたがイワナも中々の仲の良さでした。

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こちらはタケノコと親子丼。
タケノコとしいたけをじっくりと煮含めて作ります。
鶏肉を大きめに切りそれに負けないくらいに大きく切ったタケノコですが
とても柔らかいので驚くほどの軽やかさにびっくりします。

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タケノコと春キャベツのチャーハン。
タケノコは細かく刻みしいたけと煮付けておきます。
キャベツは刻んでからもみ、しばらく重石をして水気を切ります。
それにつけても
美味しいチャーハンの基本は卵だと今回もつくづく思う。
よく見る卵の少ないチャーハンは本当に貧相でしょうがない。
たっぷりの卵がふんわりと柔らかくそれでいてぱらりとした仕上げにしてくれる。

卵少なめの油多めでパラパラを演出したものでは油臭さで興ざめして、
豊かな気持ちになんかなれやしない。
それに頼むから人参で色味なんか出さないで! とつい叫んでしまいそうになる。
(元中国料理コックのボヤキ)
美味しい卵をたっぷり!!!
適切な調理!!!
それだけで後の具材はなんだって幸せな気持ちになれる。
それが美味しいチャーハンなんだっ っ  っ  てば。


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この時期恒例の「タケノコが主役の中華丼」
その割には真ん中でエビが大きな顔をしています。
でも食べてみれば納得のタケノコの確かな存在感。
一年分をこの時期に保存食用として作り置きするから地物タケノコを
使える幸せ。
麻筍を使っていた頃が随分大昔の事のように思えます。

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春小鯛のタタキ丼
この時期の子鯛は「春子」と書いて「カスゴ」といいます。
江戸前の寿司ネタですっかりおなじみですが
幼いあっさりとした淡味を愛でるものです。
ところがここ日本海では今はホタルイカの脂の乗った時期にあたります。
だから淡いのに脂が乗り、薄く切っても濃厚な春子です。
おなか一杯ホタルイカを食べてこれからぐんぐん成長するのです。

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ムギイカのチャーハン
麦の時期のスルメイカを特にムギイカと呼びます。
まだ子供の柔らかいイカです。
これをチャーハンに加えるのですが、
とても大事な事がひとつだけ。

生で加えるという一点です。
茹でたり、炒めたり、焼いたりしてはいけません。
新鮮なイカの甘い旨味が全部逃げ出してしまいます。
身肉が薄いからです。
そんな甘いイカを熱いご飯と一緒に炒めるから
イカの旨味がぎゅうっとつまったチャーハンになります。
柔らかなふんわりとした卵に負けないほどの柔らかな食感のイカです。

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アジのタタキ丼
今は小鯵が美味しい時期です。
ジャコイワシの群れを追って富山湾に入ってきたのでしょう。
腹にはパンパンにジャコイワシが詰まっています。
小さなアジは少々手間がかかりますがとても美味しいタタキになってくれます。

これからが楽しみなアジですね。


いずれも平日昼のサービスメニュー
日替わりミニ丼  200円
お好みのラーメンと一緒にご注文をいただく設定になっています。 





本来、味覚は美食の為だけに在ったのではないはずです。
腐ったもの、毒のあるものなどを感知する自衛の為の最終チェックの役目を担っていたはずです。
臭覚も同じです。
口に入れる前に匂いを嗅いで安全か新鮮かを確かめなければいけません。

だから!というのも今更ですが
両者には密接なつながりがあります。
どんなに美味しいものを食べる時でも
例えば茶碗を持つ指先に灯油の臭いなどがほんの少し付いているだけで
もう美味しく感じることができません。

だから良くない匂いを排除しなければいけないのです。
といって食品全てを網羅するほどのヒマもないので
ラーメンに限定して書いてみます。

では、ラーメンにはどんな良くない匂いの可能性があるでしょうか?

ネギの古くなった臭い。
(硫酸系の悪くなった臭いは強烈です)
メンマの古くなった醗酵臭。
(特に塩メンマの経時品は頭痛がするほど)
チャーシューの肉臭いもの。
(輸入豚の飼料由来の生煮えのような異臭。原因は抗生物質)
脂の酸化臭、スープの劣化臭
(店外からも臭います)
麺のかん水過多によるアンモニア臭
(かん水性悪説ではありません、入れすぎなだけです)
麺の保存状態の不適によるやや醗酵したような臭い
(経時または高温のため)
茹で方の不適による麦粉臭さ
(湯の不適)

これらには全て原因と対策、改良案がありますが今回は特に小麦粉の風味と勘違いをされる事の多い「かん水」に限って書いてみましょう。
よく聞く割には誤解の多いかん水です。

主成分はアルカリ性の物質で天然由来のものと化学合成のものがあります。
かん水には色々な種類があり、その全てを試したわけじゃありませんが
現在当店で使用しているものは液体タイプのものです。

かつて入手困難だった時代に灰汁の上澄み液や苛性ソーダなどを代用した事があったそうで
それがかん水のイメージを甚だしく貶めてしまったと言われています。
現在では例えば、中国料理では野菜を色よく茹で上げる時などに普通に茹で水に加えたりする位安全なものとされています。

これが無色透明で無臭なのです。
ここから誤解その一が始まっているようです。
先日、作り比べをしましたのでその画像を張りながら話を進めます。

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中力の二等粉を同量で二杯用意し、一方には塩と水だけ。
そして他方には同量の塩と低かん水を加えます。
灰分の多い粉です。

つまりかん水以外の条件を全く同じにして製麺する  という事です。
ただし、これはあくまでかん水の小麦粉に対する働きを実証するためであり、
必ずしも最善の麺を作るための作業ではありません。
その点を誤解なさらないようにご理解ください。

かん水には小麦粉に出会うと収斂作用があります。
つまり、「まとまり、縮みやすくなる」のです。
もうひとつやや黄色く発色します。

そして独特の香りを発します。

このかん水の原液は濃度が高いので水で薄めて使用します。
ウイスキーの水割りのようなものです。
この濃度を光学式の機器で計測をして一定を維持します。
この時の値を「ボーメ度」と言います。
値が高いほど濃度が濃く、かん水臭い麺になります。
低ければさほど気になりません。

今回は極低かん水で作りました。
それでも違いは明瞭に表れます。
水回し(加水)段階でもうかん水臭が出ます。
打ち込み、畳みまで全て同じ回数で打ちました。
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色   左は白っぽいのに比べ右はやや黄色味を帯びています。
堅さ  左はふっくらと柔らかい、右は堅い
匂い  左 穀物臭  右 かん水臭

そして茹でます。
茹で上がり時間にまではっきりと差異が出ます。
実際やって比べるまでこれほどとは思いませんでした。

水洗いしてザルに上げました。
左がうどん   右が中華麺です。

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まず、そのまま匂いを嗅ぎます。
左が穀物香がほどよく立ちます。
そして、右がかん水の匂い。

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どちらかと言えば左に比べると右のかん水の方がやや不快です。
ただし、これはそのまま嗅いだ時の話で
今度は何も付けずに食べますと
どちらも風味を感じることが出来ます。
どちらも不快感はありません。

それどころかかん水の入った右の方が小麦粉の風味として感じるから不思議です。
次にツユを付けて食べます。

左の方はツユに隠れてしまいほとんど風味を感じません。
やはり蕎麦に比べると数段香りが弱いです。
対して右は風味感を強く感じます。
仕掛けをした本人ですらつい
「これって小麦粉の香りなのか?」と思ってしまいそうです。

巷には麺を一口すすり
「う~ん!小麦粉本来の香り!」という評論家のような
語りが蔓延し、その全てがそうだとは言いませんが
相当、勘違いが多そうですね。

小麦粉本来というより中華麺らしいという表現がベターかと思われます。

では、かん水を入れないと中華麺にはならないのでしょうか?
いえ、他に卵を入れる方法もあります。
全卵、または卵白を加える方法です。
以前にも書きましたが
私は当初こちらの方を指向していました。

しかし、実際はこちらの方がアレルギーなどで実害が多い事に気づき止めました。
卵の殻を焼いて作る焼成カルシュゥムを加えるという手もありますが
やはりアレルギー反応が出るそうです。

ここで話を整理しましょう。
日本古来の「うどん粉」ではうどんが最適な麺なのです。
なぜなら地粉(内麦)はグルテンが弱いから多加水で「強靭なコシ」を作ってやり
なお食べ応えを求めるなら太くする必要があったわけです。

対して輸入粉(外麦)にはグルテン含有率が高いので
低加水でもコシと錯覚させるに充分な弾力が得られるのです。
外麦強力粉+かん水で
食べ応えのある強いコシがある(ような)麺の出来上がりだったわけです。

こうして因子を分解してしまえば後の方程式は簡単です。

内麦強力粉を主体に低加水で製麺するには
+グルテンの添加強化+やや多めのかん水
  
となります。

これに比べて
外麦強力粉を主に多加水で製麺すると+少ないかん水
で充分なコシが得られるというわけです。

私が採用したのは後者です。
ですからかん水が起こす独特の風味感のようなものは弱いです。
そんなかん水臭さは無くてもいい匂いですから少しも構いません。

ですが特級粉で作るとその代わりに素晴らしいものが生まれます。
「かすかな甘味」です。

良い粉はつるみ感だけではなく甘味を伴います。
ただし非常に微妙です。

しかし、ラーメンにおいてはそれでも威力を発揮します。

当店では昆布を多用していますからスープには
旨味の他に「渋み」「苦味」「えぐみ」「酸味」が混在しています。

これは嫌味要素となります。
例えばマグロでも
「旨味」「脂」の他に「渋み」「酸味」といった嫌味要素があるからこそ
かえって味に深みが出ているのです。
旨味や甘味だけでは単純な味となりすぐに飽きます。

当店では
「在るがままに」「原点回帰」として砂糖などで誤魔化す事をしてきませんでした。
それが一部のお客様の間では不評でした。
無理もありません。

化学調味料と砂糖をたっぷり加えた
「旨みたっぷりのコク」と「舌がよろこぶ甘い」スープに慣れた舌には嫌味要素など
ありえない味覚だったからです。

ところがうっすらと甘い小麦粉がこれら嫌味要素を押し込めてくれたのです。
無くなったわけじゃありません。
今も混在して深みを与えてくれています。
あたかもマグロがヅケで更に美味しくなるように
特級粉がスープを美味しくしてくれたと言う訳です。

もちろんそれはかん水がごく少ないからこその恩恵です。
なぜならかん水が過多だとスープに重大な悪影響を及ぼすからです。
詳しくは書きませんが、
あまりにも麺の食感をかん水に頼りすぎるのは麺の味にもスープの味にも弊害が多すぎます。

麺を持ち上げた瞬間にムワッと立ち上る匂いが
アンモニア臭のようになっているのは明らかに入れすぎでしょう。
体に良くない恐れが・・などというレベル以前にまず、美味しくありません。

ところが
そればかり食べていると感じなくなってしまうんです。
ひとつの考えにとらわれ過ぎて
『美味しいと思わなければいけないんだ』と入り込む場合もあります。
まさに囚人の行動原理と言えます。
顔の両側に掌を立て添えたようなものですね。
それを本当に美味しく感じるようになります。

味覚臭覚を正しく保つのは案外簡単なようで実は難しいのかも知れません。
肝要なのは正しくニュートラルを自覚することだと思います。
何事にもまず、立ち位置を決める事が大事です。
0を確立しなければ+1もー1もありません。

さて、かん水の話はこのぐらいにして
次は時間をあけて「麦粉臭い」実態を記してみましょう。

かん水の話を書くのに引き合いに出したのは「うどん」でした。
麦粉臭い話を書くのに引き合いに出すのは「蕎麦」です。
う~ん気が重くなるほどの危険水域の香りがプンプンしますね。

少しだけ時間をあけて続きます。
まさに、美味しいものに美味しくない匂いがあってはならないからです。
及ばずながら広めていきます。




 







2010.06.17 麺の話
小麦粉を水で練ると例えそれがどんな形態であれ全て「麺」となります。
イタリア語では「パスタ」です。

私達日本人に馴染みのある「うどん粉」とは
中力粉です。
塩水を加えて練り、細く切るとうどんになります。
これが多加水麺の代表です。

TVなどでよく見る
手打ちそばなども(小麦粉ではありませんが)
やや多加水麺の手法といえます。

いっぽうラーメンでは強力粉を使います。
低加水麺だと手でまとまりません。
ぱらぱらとばらけてしまいます。
ですから練りようがありません。
加水が少ないとはそういう事なんです。

そこで機械のローラーで強力に圧着して麺体にします。


ご承知のようにそば粉にはその粉の栄養成分の違いから
一番粉 二番粉 三番粉 と分類されます
これはソバの部位や製粉、配合などの違いからうまれます。
そば粉と小麦粉の違い

これと比べ小麦粉では市販品では既に混合されたものしか無く、
灰分(かいぶん、ミネラル)の含有量を示した表を頼りに配合粉を選ぶのです。

麺類販売店は製麺所から仕入れます
製麺所は問屋から
問屋は製粉所から仕入れます

製粉所とは
粉のプロ中のプロです。
粉の配合から販売まで行うホンモノのプロは
出荷段階での保水率をコンマ数パーセントにまでコントロールし、
管理して最善の状態で製麺にまで届くように気配りをします。
ですから当店でも粉を大型冷蔵庫で保管して保水率が狂わないように管理しています。

加水が0.1%違うだけでもがらりと変わる世界だからこその管理です。

そのプロたちが小麦粉の食味でもっとも重視するのは
「つるみ感」です。
つるつるとした食感のことです。

灰分が多くなればつるみ感は失われていきます。
その最たるのが「全粒粉」ですが、
その代わり灰分にはミネラルなどの栄養素と風味や香りといったものが含まれます。

その分類をそば粉とは違い小麦粉では
一等粉、二等粉などと呼びます。

一等粉はつるみ感が豊富で色も白く
二等粉以下は灰分の増加に伴ってつるみ感が失われるのと引きかえに風味感が増します。

風味感とあえて書きましょう。
風味とは何でしょうか?

小麦の香り?

それは確かにあるのでしょうか?
良い香り?
小麦臭い匂い?

粉を扱う業界では香りの話題はあまり出ません。
「麦粉くさい」という話題の方がむしろ多く出ます。

そうです
風味感というのは食べた時に口腔内から鼻腔に抜ける微かな穀物香のことです。
それはプンプン匂うというものではありません。
どちらかと言えば存在しないと言ってもいいほどの香りです。
ですから「なんとなく幸福感を伴って感じる」という程度のものなのです。
それは蕎麦でも同じです。

卓上に供されたときにそれがザル蕎麦であれ、掛けそばであれ
ラーメンであれ、うどんであっても
麺を持ち上げて鼻を近づけてクンクンと嗅いでも滅多に感じないはずです。

蕎麦で言うと
かつて手打ち蕎麦店主に伺った所、
「匂いなんかありませんよ」ときっぱりと言われました。
「蕎麦がきなら香りは立っているでしょうね」
「ザルもね、水回しの時には多少香りは立ちますよ」
 でもね 考えても見てくださいと続けます
練ってから切り、それを茹で上げてからじゃぶじゃぶと水洗いする時に香りなんか飛んじゃいますよ

無理もありませんね
やはり食べる時の微かな香りは蕎麦の内部から零れ落ち
口腔内を経由して鼻に抜ける
美味しい蕎麦を食べているという至福感に付随した風味感だったのです。

では小麦粉の場合はどうでしょうか。
次回に実験画像を張りながら解説をしますが蕎麦よりもっと微少な香りと言っておきましょう。
むしろ「麦粉臭さ」の場合が多いのが現状です。
粉や麺の保存状態が悪かったり、
茹で方が足りなかったりするとそうなります。

生っぽいような、粉っぽいような、明確な穀物臭です。
ホワイトソースの不十分な加熱調理のもので感じる事もあります。
そうめんや冷麦の茹でたりない、洗い足りないときにも感じる事もあるはずです。

蕎麦は生茹ででも食べれます。
ところが小麦粉は生茹でだとお腹をこわします。
だから「麦粉臭い」というのは一種の危険信号を発しているんだと捉える事ができます。

さて、私の本業に入りましょう。
ラーメンではどうでしょうか?

ラーメンの匂い、香り そんなものをひとくくりにして書いてみましょう

なんだかまたまた危険水域に入りそうな予感に満ちつつ
次回に続きます。

最後に今は亡き達人の薀蓄に富んだ名言を添えておきます。

「美味しい物ってのは良い匂いしかあってはならないんだ」
「良くない匂いがあるって事は、それは本当に美味しいものじゃないってことなんだ」

しかと肝に銘じて日々を努めております。
合掌



 
過日、久しぶりに永田さんと山菜採りに行った時のことです。

谷間から30mはあろうかと思える大きな朴の木がそびえ立っていました。
そこに大きな白い花が咲いているのです。

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初めて見ました。
近寄ってみる事は出来ませんでしたが甘い香りがするそうで、
神様が好きな花なんだとか。
そう言われて見るとなんだか神々しい気品があります。

朴の木は私の故郷にもありました。
毎日雑木林の中を通って登下校していましたから年中見ていたはずなのに
花の記憶が全くありません。
あるいは巨木にならないと花が咲かないのかも知れません。
故郷にはこれほどの巨木はありませんでしたから。

ホオノキは古来から人の営みに大いに役立ってきました。
材は堅いので下駄の歯や刀の鞘に加工されたり、
樹皮は生薬に
そして葉は火に強いので断熱効果から保存が利くと解釈されて
古くから食器として利用されました。

朴葉寿司、朴葉餅などです。
枯れても活用されます。
朴葉味噌です。
お隣の岐阜県が有名ですね。
落ち葉を保存しておいてさっと濡らし、あわせ味噌をのせて火にかけます。
ネギや椎茸、イカなどをそこに加えてじんわりとあぶりながらつまみにするのです。
朴葉の香りが立って酒好きには堪えられませんね。

さて私の郷里では朴葉飯というものがありました。
林業の人たちが持っていく昼飯だったそうです。
作り方はいたってシンプルなものです。
炊きたての熱いご飯を生の朴葉に乗せたっぷりの甘いキナコをまぶすだけです。
幾重にも重ねた朴葉が熱いご飯に蒸されて何ともいえぬ良い香りがしたものです。
子供の頃のご馳走ご飯のひとつです。

話は飛びますが
高菜でくるんだおにぎりを「目張り寿司」と言います。
三重県地方の郷土料理ですね。

これも元は林業の人たちの昼飯だったんだとか、
塩気の強い高菜で包んだご飯はさぞかし重労働のすきっ腹にどっしりときたことでしょう。

かたや、塩気の強い携行食。
かたや、甘い携行食。
どちらも重労働の体喜ぶ食事ですが今では昔語りの世界となりました。

食事だけではありません。
雑木林も見かけなくなりどこへ行っても杉の木ばかりが目立ちます。
手っ取り早く育ち金になるから でした。

栗の木やかえで、ホオノキ、柿、、、
昔はそんな雑木と言われる材で家具などを作ったものです。
気候が変わり、山も変わりますが
大本は全て人が変えたものなのかも知れません。
何もかも手っ取り早くお金に換えることばかり 

打算ばかりしてきた結果なのではないでしょうか?

このホオの花の花言葉は
「誠実な友情」

下駄もはかなくなり、ましてや刀を持ち歩く事などありませんが
今も変わらず私達を助けてくれる自然を大切に思う気持ちを持ち続けたいものです。

人付き合いの基本も同じだと思います。
裏切らない誠実な気持ち
他者はどうあれ
せめて自分だけは身勝手な人の打算や毀誉褒貶に惑わされず
この、ひと気の無い谷間にひっそりと咲く
孤高の朴の花のように生きていけるように
しっかりと足元を見据え、矜持を保ちたいものです。

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お客様から
「福島の郷土料理でニシンの山椒漬けってのを知ってるか?」と
聞かれたのを機に作ってみました。

身欠きにしんを使います。
ところが最近の柔らか志向のせいで
身欠きにしんにはべっとりとサラダオイルがまぶされているのです。
この油の少ないor無いのをと探した所
「本乾」というのがありました。
昔ながらのカチコチのものです。

これを米の研ぎ汁に一晩漬け込みます。
もっと柔らかいのがお好みだったらそのまま一度火にかけます。
沸く寸前に火を止めそのままゆっくり冷ますとぐんと柔らかく
また、余分な油もさらに抜けます。

(材料)
身欠きにしん10本
山椒の葉  4~50枚

(タレ)  醤油 150cc
      酒  150cc
      酢  150cc
      砂糖 大さじ4

(作り方)
ニシンを4等分に切ります
山椒の葉は洗っておきます

タレを合わせて沸かし、冷まして置きます
深めの容器に山椒の葉とにしんと交互に置き
最後に山椒の葉がくるようにします。

タレを注ぎ、落し蓋をして軽く重しをして冷蔵庫にて5日程度休ませたら完成。

ご飯の友に、酒肴にもってこいのおかずとなります。
これの応用技として、生姜や赤唐辛子などとの併用もいけそうですね。
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