一本の麺には のし面と切断面がありそれらが太さを構成します。
そして最も重要なのが次の「長さ」です。

この話をするためにはいささか長めの前振りを要します。

音を立てずに細長い麺を黙々とフォークで口に運ぶ欧米人は知らず
日本人は盛大にずるずると音をたててすすりこみます。

麺だけではありません。
味噌汁も音をたてます。

欧米人は絶対!音を出してスープを飲みません。

この違いはスープと味噌汁の温度の違いです。
スプーンですくってぱくりと口中に入れることの出来る温かさがスープの適温なのに対して
味噌汁はただでさえ味噌の保温性が高いのに熱々を良しとしますからとてもそのままグビリとは飲めない高温なのです。

直接唇を触れただけでヤケドをするくらい熱いのですからそのままではとても飲めません。
そこで空気と一緒に吸い込む事で急激に温度を下げているというわけです。
今ここで何度から何度に下がりますとは明記できませんが何かの文献では驚くほどの温度差でした。

よくスープの冷めない距離で暮す  などという言葉が誤解されていますが
そこの所を考慮するとまた違う微妙なニュアンスが見えてきたりしますね。

さて、この高温か微妙なぬるさか というのはお茶でも当てはまります。
高温で淹れるほうじ茶なら音を立ててでもすすらないととても飲めません。
ですから落語家の演じているお茶のすする擬音はほうじ茶なのかな? と
推測できたりします。

ぬるめのお湯で淹れる煎茶や玉露ではすすらなくともそのままグビリと飲めるからです。

コーヒー、紅茶も日本人は概して熱すぎの湯で淹れる傾向があるようです。
そうして考えればいつかアメリカのファストフード店で
『コーヒーが熱すぎてヤケドをしたのはそのコーヒーが熱すぎたからだ』
との訴訟に対してこれを認める判決が出たことがあり、
それを多くの日本人がやはり訴訟大国アメリカはどこか変だぞ  と感じた事も
その点を考慮すれば微妙なニュアンスの違いがあることを解るはずです。

ことほど左様に温度というのは決定的に生活に根付いていて、
そこから習慣の違いや食生活の違いまで起こしています。

さて、長い前振りですみませんでした。
熱いラーメンやうどんはすすらないと食べれたものではありません。
逆な言い方をすればすすれないラーメンは美味しくないとも言えます。

美味しく感じる麺には太さと同時に適度な長さが求められているのです。

以前、製麺所さんから仕入れた最初の頃

-普通は一玉何グラムと注文しますから-
-切り歯の総幅が決まっているので自然に長さも決まってくるのですが、-

厚さを取って太くした分長さが10数センチしかなかった頃がありました。
これは美味しくありませんでした。
すする喜びが半分だったのです。
長さは味に響きます。

すぐに改良しましたがやはり機械打ちの麺は不自由なものだと感じた次第です。

今はどれだけでも長く出来ますがやはり過ぎたるはなんとやら おのずと適度なサイズは決まってきます。
長すぎれば今度は重くなり、すすりづらくなります。
快適にすすれないと美味しくは感じられないのです。

さて、TVなどでラーメンを食べている場面を見ると無性に食欲をそそられませんか?
その原因もこのすする音に主原因があります。
もちろん撮るのも編集するのも放映するのもプロの技があってこそです。
ですがこの音!
すする習慣のない外国人はいざ知らず日本人にはたまらない音です。
名人の落語家はこれだけで生唾を出させます。

gsさんは先日
>官能的快感
と麺を評してくださいました。
いい得て妙とはこの事ですね。
確かな味覚と言葉の的確さにはいつもながら驚かされます。

一説にはこのすする行為は幼児期の記憶に由来する快感だと言います。

唇をこする、通過する刺激が母乳を吸っていた頃の記憶にだぶるのではないか というものです。
おしゃぶりや指を吸う行為とも関連します。
擦過感と言うそうです。

ですから麺にはすすって心地よい不ぞろい感を持たすため
手もみにします。
擦過感をより刺激するように。

いわゆる機械製造による「ちぢれ」には無い太さの違いが生まれるのです。
機械によるちぢれにはこれはできません。
ウエーブはかかりますが太さは変わらないのです。

一本の道路に例えてみると良く解ります。
ウエーブ麺はカ-ブの連続する道路。
ちぢれ麺は路幅の激しく変化している道路と言えます。

麺の太さが適度に変化していることによって茹で具合が微妙に違ってきます。
その事が食感の変化をもたらしいつまでも食べ続けていたい欲求を刺激するのです。
食べ飽きないのですね。

適度な太さに続いて
すすって美味しい、心地よいラーメンにするためには
適度な長さと、太さの違うちぢれの入った麺が必要だったのです。

とはいえ、例え9千9百9十9里までできたとしても100点の無い世界です。
評価を下すのはあくまでもお客様。

私はただひたすら自問自答を繰り返すのみです。
つるつるとすすれば一息で口中に入ってしまう一本の麺 
たかがラーメンです。

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ですがその一本の中には折りたたまれた生地の他にも色んなものを一緒に込めて
打っています。

さあ!もうすぐ新年が来ます。
新しい年にはさらに美味しくなりますよう精魂こめて麺を作ります。
前回お出でになった時とは更に美味しさがアップしているはずです。
麺には果てしない仕事があるからです。

年末の正月迎えの用意をしながら決心を新たにして今年の終りとさせていただきます。

今年も沢山ご来訪いただき誠にありがとうございました。
来年もよろしくお願い申し上げます。

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P.S.
今年の年賀状は投函が遅れましたので遅く届きます
先にお詫びしておきます。














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今仕込みに追われています。
実はお正月の企画でケーブルTVさんと約束をしてしまったのです。

今年の秋にケーブルTVさんでウチを紹介していただきました。
私達の味は決して万人ウケするものでないことは当の自分たちが一番良くわきまえていますので今迄TV局さんからのこういったお話は全てお断りしてきました。

悪事千里を走る ではありませんが悪い噂ほど広まるのが早いと言います。

それなら地道に自然なクチコミにまかせるのが一番と思ってきたからです。
好きな方だけ来て頂ければ結構なのです。

ところがケーブルTVさんではじっくりと時間を取って詳しく紹介していただけるというのです。

それならばお願いしてみようか  となりました。

結果今年のラーメン部門ではかなりの反響が大きかったようです。
それで来年お正月1.2.3日に特集を放送します とご連絡がありました。
ありがたいお話です。

例えばスイーツならここ
寿司ならこの店
と言う風に特集を組み、ラーメン部門では当店が選ばれたという事です。

そこでこの番組を見てくれた方にだけ
「見たよ!」
で何かいいことをしましょう。

となったわけです。
その為の仕込をしています。

それをケーブルTVさんのコミュニティCHで
1月1.2.3日「とことん」という番組で放映されます。

今ここでお話を書くわけにはいかないのが残念です。
こちらでは1月1日にアップする予定です。
HPでも告知をします。
どうぞお楽しみにしていてください。

内容は無料トッピングサービスです。

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麺塊を正しく鍛え充分なコシを備えさせたら
丸一日休ませます。

この時の温度が重要です。
昔はうどん職人がこれを肌で測り夏に涼しいところへ運んだり
冬は布団に入れたりコタツに運んだりと、それこそ勘の世界で行いました。
今は温度設定で自在にコントロール出来る便利なものがあります。

こうして休ませるとあんなに硬かった麺塊にまたふんわりと柔らかさが戻っているのです。
これらを「グルテンの緊張と緩和」と呼びます。
いわゆるパンなどの醗酵による膨らみとは別です。
「五分毎に半分まで減少する」性質を応用して柔らかくするのです。

などと書くと小難しそうですが
ナニ簡単なことです。
人間だって鍛えすぎるとそれがストレスになりますよね。
そこでちょいと休ませて気分転換させ、少しだけ油断させてやる  という話です。

そして早朝まだ寝ぼけている麺塊をさささっと伸ばしてしまいます。
「な!? お、おい!ナニを#☆うわ」
などと言ってる間にもう希望の厚みにまでのしてしまいます。
ぐずぐずしていてはまた硬くなってしまうから急ぎ です。

さて、この厚さの話でした。
先に私達プロは太さを考える時にあまり幅を気にしないと書きました。
なぜなら、よほどべらぼうなサイズでない限りあまり影響が出ないからです。
それに比べると太さを決めるもう一方の因子である 「厚み」

これは茹で時間を決定します。
茹で時間は厚みで決まるのです。

多加水手打ちであろうと、超低加水の代表であるパスタであろうと
変わりません。
正方形断面の極太の柔らかいはずのうどんの方が
硬いはずの平べったいパスタ乾麺のフェットチーネより時間が長く掛かるのを見ても
明らかです。

熱伝導を考えればもっとよく解ります。


さて、一杯=一人前とするお店なら茹で時間をあまり考慮しなくても構わないかも知れません。
しかし、ほとんどのお客様が麺の追加(替え玉)をご注文される私達の店では
これは大問題です。
お一人が一玉を食べ終わる平均的なタイムで次の一玉が茹で上がるのが理想的なので
茹で上がり時間に合わせた厚みを出してやるのです。

ここが自家製麺に切り替えた理由のひとつでもあります。
自在に厚みを変えれる必要があったのです。

私達の店では当初替え玉はしていませんでした。
当初はスープが弱くて替え玉に耐えられなかったのです。
日々苦心して、スープを強く強く鍛え、ようやく替え玉ができるようになり
「大盛り」をやめる事ができました。

それでも日々強く鍛え続けました。
そうすると麺が負けてきます。
それで麺を太くしてもらいます。

その繰り返しでとうとう切り歯16番でこれ以上厚みを取れない という所まで
来てしまっていたのです。

切り歯16番と言うと「え!?あの太い麺でそんな普通の切り歯なの?」と
驚く人もいました。

もう製麺所でも同じ製法での自家製麺ででも 合わせられない所まで
スープを強くしてしまったのです。

今はどれだけでも厚く出来るようになり
しかもそれを体感させないヒネリ技を交えて
おかげでスープともとても良く噛み合ってくれます。

無添加でも物足らない味を目指そうとしてから10年経ちます。
ようやく何処にも無い誰にも出来ない強いスープに強情な麺を組み合わせることが出来ました。

でも、これで終りではありません。
毎度繰り返しますが蕎麦職人は
「九十九里をもって道半ば」と言います
つまり100里など来ない、在り得ないと言ってるのです。

困りました。
だってウチは100里や千里をとうに超えてしまって万里なのです。

自営を始めて10年してからここに移転して名づけた店名です。
もうここに来てから20年になります。

いまさら改名も出来ませんから生意気だとお叱りを受けてももうこれで行くしか
ありません。

怠けないで精進をしますからとお約束をしてどうか許して頂くしかありません。

道半ばですが万里を名乗って商っております。


チャーシューメン

追伸
道半ばとは言いましたが 控えめに言っても
とても美味しい麺です。
お越しを心よりお待ち申し上げます。
ぜひ一度この不思議な食感を味わってみてください。

なんと申しましょうか
ボリュームのある豊満な麺です。
とても濃いスープなのにある意味淡白なスープとベストマッチしています。

年内は30日までの営業となります。
明けてお正月は3日からの営業です。












小麦粉を水で練り、固まりにしてそれを水中でもみもみすると
表面が溶けて流れ落ちていきます。
それをずっと続けると最後に残るのがグルテンです。

溶けて流れ落ちたものを再び乾燥して粉として取り出すと「浮粉」(うきこ)
海老ギョウザなどでご覧になった事もおありでしょう?
薄く伸ばしてきれいなヒダをつけて蒸すと中身が透けて見える あの粉です。
グルテンを含まない軽い味わいが身上です。

この、加熱で透き通る性質と聞いてピンと来た人は料理通です。
この正体がでんぷん質です。

では残ったグルテンは? というとたんぱく質なのです。
麺にはこの両方の力が形成するコシ、粘り、弾力が必要なのです。

たんぱく質はグルテンの網目構造を作りコシや麺の硬さを形成し、
でんぷんは粘り強さや滑らかさを出します。

さて、私たちが普段耳にする麺作りにはどんな手法があるでしょうか?

手延べ--生地をたらいに詰め込み包丁でらせん状に切り出し細く伸ばし
     木枠にかけてひっぱり伸ばして乾燥させる手法(大門そうめん、氷見うどんなど)
手打ちうどん
   --中力粉を塩水で練り、足踏みで伸ばして包丁で切る(讃岐うどん など)

あとは中国料理の刀削麺や手で引っ張り伸ばして打ち付ける手法などもありますが
麺のコシや粘りなどの相違からここでは記しません。

その他一般的には製麺所さんが採用している機械製造の麺となります。

今回私が採ったのは正確には「手打ち式」と呼ばれるものです。
あまりに強力な生地の為に手では伸ばせないのです。
打つまでは人力で行い、後の工程は機械を導入しています。
讃岐うどんなどが純手打ちと称されるのに比し「手打ち式」となります。

純手打ちで中華麺を作る地域もありますが、麺の硬さなどの点で
富山ではなじみ難いかと思われます。


さて、先日書きましたように多加水です。
それで手打ち式で作るには訳があります。

その前に小麦粉をこねあげて麺の固まりがここにあるとイメージしてみてください。
その中はどうなっているのでしょうか?
よく例えられるのが鉄筋コンクリートです。
白いコンクリートがでんぷん。
中のしっかりとした骨組み構造がグルテン というわけです。

でもこれだけで終りではありません、ここからが仕事の始まりです。
これを伸ばします。
すでにかなり強情になっていますから素直には伸びてはくれません。

そこで佐野式の出番です。
今は衛生面を考慮して鉄パイプを採用していますが、強度も考えるとやはり竹に行き着きそうです。
栃木県佐野市ではこれを「青竹打ち」と呼びます。
テコの原理を応用して強力な力を得る手法です。

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これで体重をかけると手ではびくともしなかった麺体がいとも簡単にのせます。
こうして圧延をしたら畳み、角度を変えてまた繰り返します。

先ほどの鉄筋コンクリートを思い返してみてください。
丸い固まりを平らに押し伸ばして金網状態にしたものをもう一度折りたたみ、
また伸ばす。
そうすると中の構造はどうなっていくでしょうか?

つまり、これが手打ちの理由。
グルテン=コシの多層構造の構築です。
パンで言えばクロワッサン。
菓子で言えばパイ。

ここから更に数度折り畳み鍛えます

しまいには全体重を掛けてもパイプは下には降りてくれないほどの硬さにまで鍛えられます。
そうして伸ばし、カットします。

すると一本の麺の中にこの多重構築された層が全て収まっているのです。
それが口の中で噛み切られるときに独特の歯応え、食感をもたらします。

何本もの繊維を断ち切るようでいて
柔らかな つき立ての餅を噛む様な
優しいようでいて、しかしとても強情な麺です。

これを作り上げるのに多加水、手打ち式が最適だったのです。
美味しい麺に仕上がりました。

噛み始めはふうわりと歯が入ります
噛むとやんわりと押し返すような弾力があり
それはどんどん強くなり
やがてぷっつりと切れます。

その時の感触がブルンと口中ではねかえるような未経験の食感なのです。
もっちりとして
つるつるとして
ふわふわ
しこしこ
そしてぷるぷるの麺になりました。
手打ちでこれだけの太麺はちょっと他には見れません。

その極太麺と絡むのが強烈な黒いスープです。
いかがでしょうか?

はやくも病み付きになった方が沢山いらっしゃいます。

ありがとうございます。
苦労も報われると言うものです。

こうして書くと
『なんだ 良いことばかり言ってるじゃないか』と思われるかも知れません。
実は欠点もあります。
大量生産に向いてないのです。
多加水手打ち式の手もみ仕上げは だから製麺所ではあまりやりたがりません。

製麺所などの機械製造麺は現在低加水麺が大流行中です。
これは短時間で大量に製造できるからです。
しかし、今述べたような鍛えたコシを形成しにくいという欠点があります。
そこでグルテンや各種添加剤を加えます。

私はできるだけ余計なものを加えない原点回帰を指向していますから
手打ちに行き着くのもごく自然な結果だったと言えます。


次回は太さについて書きましょう。
太さには明確な意味があるのです。







人間一人一人に個性があるように小麦粉にも個性があります。
まず、主にグルテンの強さから見て
強力粉(きょうりき こ)
中力粉(ちゅうりき こ)
薄力粉(はくりき  こ)と分類されます。

そして性格もあります。
これは灰分(かいぶん)と呼ばれるミネラル分の含有量と種類によります。

普通 そば粉などでは一番粉、二番粉 などといった粒のどの部位を挽いたものかを
示しますが小麦粉ではそれらはメーカーの極秘事項となっていて公開されません。

その代わりにこの灰分とグルテンのグラフを発表していて、私達は多彩なブレンドラベルから
自分の指向する粉を選択するしかないのです。

ここに沢山のメーカーが存在する理由のひとつがあります。
ブレンドの妙というものです。

小麦粉は輸入品を「外麦」(がいばく)
    国産品を「内麦」(ないばく)と呼びます。

大雑把な言い方を許してもらうと
麺には  非常に残念ながら外麦が圧倒的に美味です。
以前にうどん王国讃岐にて地粉使用を掲示してあるお店が、実はオーストラリアの粉を使用していた
という事件があったのを記憶してらっしゃる方もおいでだと思いますが
これなどが実に端的な話です。

もちろんウソはいけません。
これはそれとは次元の違う話で
麺を商うお店ではまず美味こそが主題だからやむを得ない結果なのです。

以前にTVでオーストラリアの研究所の映像を見たことがあります。
多種の小麦粉で麺を作り様々な実験を繰り返します。
茹で伸びを計測したり
麺に重りをつけてどのくらいの弾力があるのかを計測して、
「これは日本のどこそこの麺に適している」などと答えているのです。
さすが国家戦力を持っているところは気合が入っているものだと舌を巻きました。

我が国ではどうでしょうか?
温暖化で米作りに悪影響が出てくるからと品種改良は確かに進んでいます。
各地では対応型の品種が続々と産まれています。
でも、いつまでたっても米ばかりなのです。

そういう意味では富山県は非常に対応が遅れているといえます。
野菜生産の率が日本最下位なのだそうです。

ところが!
”JA高岡”さんでは小麦栽培を盛んに奨励していてすでに地元製粉会社を通じて
販売をしているのです。

高岡の戸出地区では昔から小麦粉生産が盛んで乾麺のうどんも販売されているのは知っていましたがまさか小麦粉の販売までしていたとは知りませんでした。

早速メーカーからグラフをもらい、検討。
次にこれを配合して試作してみました。
「ゆきちから」
なかなか柔らかい仕上がりになってくれました。
基本は外麦で一部内麦。

構図が決まりました。
ありがたい事です。
地元のものがあればそれが一番なのです。

本来こういう仕事こそJAさんが果たされるべき役割だと思います。
JA高岡さんは立派なお仕事をされていますね。
まだまだ生産量が少ないとの事ですが周知されるにつれ飛躍的に販売量も増えていくと思われます。
どうか増産のほうもよろしくお願い致します。

こちらがその粉で鍛えた麺体です。
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この中で何が起きているのか?

それはまた改めて・・。








年末に入りただでさえ忙しいのに更に気ぜわしくなってきました。
やるべき事が多すぎて頭がパンクしそうです。

でも、お昼にはきっちりとミニ丼を作ります。
それどころか一年の感謝を込めて年末には毎年サービスアップメニューを用意します。

具増量の牛蒡飯に続いて
鯛とハタハタのタタキの乗ったちらし寿司
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ヒラマサとフクラギのちらし寿司
そして一年の最後のメニューとなります12/24.25はお約束していた
高菜のチャーハンにエビのチリソースを掛けたものです。

前にも書きましたがこちらではまだまだ高菜は一般的ではありません。
加工品は出回っておりますが添加物まみれのものしか入手できず、
もう口には入らないかと半ば諦めかけていました。

それが本場より随分小柄で可愛いサイズとはいえ栽培してくれる方が現れたのです。
ありがたい事です。
漬ける技術はあっても栽培してくれる方がいない事にはどうしょうもありませんからね。

それがようやく漬かりました。
細かく刻んでネギと生姜だけのシンプルなチャーハンにします。
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そこでエビのチリソースをかけて完成。

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チリソースも基本のスープをしっかりと作れば無添加で充分美味しく作れます。
巷にあふれる化学調味料てんこ盛りのチリソースは
この基本のスープを正しく作れないから故なのです。
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スープさえ正しく出来ていればほんの少量の塩だけをぱらりと落としてやるだけで清湯すらできます。

先の料理講習会でも
まず、スープが完成した時点でスープのみを味見してもらいました。
寸胴から小皿で取って一口
塩ッ気の無いその黄金色にすらなっていない湯が
素晴らしく美味しいのです。

その滋味深い味わいに一同歓声を上げました。
これでなくちゃ 美味しいものなんか作れっこありませんっ てば。
皆様に充分納得していただきました。

そんなスープでチリソースを作ります。
基本の仕込みに比べればチリソースなんて子供でも出来ます。

この日はいつになく大にぎわいなお昼でしたが用意もたっぷりとしておいたので
売り切れにならず最後までご注文を受ける事ができました。

これで正月明けまでの間お昼のミニ丼はしばらくお休みを頂きます。
その間ラーメンのみで頑張りますのでご来店をお待ち申し上げます。

そうそうお正月は3日からの営業となりますが3.4.5日と
特別期間限定メニューを予定しています。
詳しくはまた日を改めて。






開店に際して沢山のお祝いの品々をいただきました。
ここで改めて御礼を申し上げます。
ありがとうございます。

同級生の能登前「幸寿し」の大将がヒラマサを持ってきてくれました。

ヒラマサ(平政)
--ブリに似た魚でブリと反対に春から夏にかけて味が上がる。
  夏旨くなり冬は不味い
 
と、私の参考書には書いてあります。
素人の筆ではありません。
徳間書店刊「築地魚河岸60年 伊藤勝太郎口伝 魚の目きき」
プロ中のプロ お墨付きの玄人の語り書きの書です。

事情が異なるのは刊行が昭和59年と言う所です。
達人が今の海の事情を見たらなんと仰るかだいたい想像はできますが、
まさか冬の日本海のヒラマサがこんなに旨くなってきているとは想像もつかなかったでしょうね。

どちらかといえば暖流という雰囲気が似合いそうなカンパチ、ヒラマサ、
ヒラアジ、シマアジ、ヤガラ、サワラ。
今では日本海でもすっかり御馴染みの顔ぶれです。

ところが、これらが皆 冬になった途端ものすごい事になっているのです。
こちらを見てください。
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こんなに脂の乗った身を見ると寒ブリと見まがうほどでしょう?
ところが白身なんです。

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たっぷりと脂の乗った白身。
これが全くしつこくないのです。

九州の人たちも恐らく知らない冬景色のヒラマサです。

せっかくなのでこれをお昼のミニ丼で出しました。
ちらし寿司です。
味を対比させる為に「フクラギ」(ブリの幼魚)と並べて盛りました。

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ブリが冬の日本海でレベルアップするのならヒラマサ君だって同じだったんですね。

その刺身は淡白な味わいだと評されることの多い「ヤガラ」だってこんなに脂が乗ります。
端麗にして芳醇な味わいそして後口にさわやかな脂が舌の上を流れ落ちていきます。
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私のところではせいぜいがお昼のちらし寿司までしかお出しできませんが
北陸の寿司店や和食店ではもっと卓越の技で食べさせてくれます。

どうぞ、冬の日本海の美味なる魚を食べにいらっしゃい!
飛行機で飛んできてもお釣りの出るくらいとびっきりの鮮魚が待ってますよ!

能登空港なら東京からひとッ飛びです。
富山空港なら町のど真ん中の河川敷に滑走路がありますから10分で市街地です。

そしてお帰りにはここ万里で富山のラーメンで〆てお帰りください。

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2009.12.22 味の集約
リニューアル後もミニ丼は継続しています。
寒い日が続いた日は炊き込みご飯が好評でした。
その中でも「鶏牛蒡飯」「肉牛蒡飯」が大人気。

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こんな感じです。
使う材料は能登健康鶏か富山県産優良豚肉の違いのみ。
後は牛蒡、人参、生姜だけのとてもシンプルなものです。

でもこれだけでとても美味しく仕上がります。
昆布だしやカツオだしをしっかり取るのは当然として
やはり毎度言いますがしっかりと土の匂いのする牛蒡の力のなせる技でしょうね。

最近はまともな牛蒡がなかなか入手出来なくなっていましたから
あちこち探しまくってようやく良い牛蒡を見つけてきたのです。
良い牛蒡を置いてあるお店はそれだけで惚れ込んでしまいそうになります。

あと、とっておきはこの冬に収獲した我家のプランターで栽培の生姜です!
もちろん有機、無農薬。
しっかり地上部が枯れこむまで待ってから収獲しましたから市販品のような
頼りない新生姜じゃありません。
見た目からすでにヒネ生姜のような風格があります。

この香りが欠かせません。
細切りにして一番最後にたっぷり上から散らして炊き上げます。

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  ポイントは鶏肉はカットしてから生姜醤油に漬け込んでから炒める
豚肉はダシでしっかり茹でてから生姜醤油をからめる事です。

あと余分な脂は除いたほうがしつこくなりません。

お試しください。





お陰様で無事開店をしました。
4度目の開店ですが今回は様子を見ながら静かに開けたいと思ったので
控えめにしようと関係各位からの花輪なども謝辞して地味にしました。
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すっかり店内は様変わりして「違う店に来たようだ!」 と大変に驚かれます。
そうです 違う店に生まれ変わりました  と応えます。

メニューが少なくなったと嘆くお客様にはひたすらお詫びします。

そうして新しくなった一杯をご提供します。

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これがどこにも無い「万里の新しいスタンダード」です。
どこそこ風 とか 某店に似ているとかでは無く 万里そのもの
誰も同じものが出来ない  万里だけのスタイル。

長い話(旅)になると思われますが麺の話を-ー今回はほんの入り口の所だけを
簡単にご紹介しましょう。

料理人はどういう眼で見、何を見つけようとし、何を捉えようとするのかをご説明します。

小麦粉を水で練ると麺になります。
家庭で食べるだけのうどんならまさしくこの通りです。
袋の中の粉に塩水を入れ揺すって放置しておけば勝手に麺体ができています。
実に単純にして簡単です。
ですが、
私が人に手打ちうどんや蕎麦打ちを教える時には必ず言い聞かせる言葉があります。

「必ず簡単に美味しいものができます」
「でも、それでお店でもやろうか とは決して思わないでください」
「プロにはプロの技があるのです」  と

手打ちうどんなどのような水分を多く加える麺を多加水麺といいます。
これに比し少なく加水するのを低加水麺といいます。

これだけでもう解ったような顔をすると半可通と笑われてしまいます。
両者の間には無限な差異があり
また限りなく近いとも言えます。
言葉で言い尽くせぬ程の多くのタイプ、食感の違いが生まれるからです。

今回私が踏み切ったのは多加水麺です。
自分が求める要素を実現するのにこちらの方がより多くの示唆を含んでいたからです。

つるつるっ  とした感触を表現したいと思い、
それでは多加水で行きましょう となりました。

ではその麺のどこが つるつるっ としているのでしょうか?
どの部分が     それ    を最も実現なしえているのでしょうか?
 
麺の太さを言葉にするときに普通は何ミリと言います。
製麺所では「切り歯」という部品で切り出しを行うので
一定の幅で何本の麺を切り出せるか決まってきてその番手で言います。
よくある一般的な太さのラーメンなら18番という具合です。

ですがそれはあくまでも”目安”でしかありません。
半可通な人は盛んに番手で語りたがりますが通というより「痛」になりがちです。
プロはほとんど気にしません。

麺の太さは幅だけでなく生地の厚みが重要だからです。
麺生地を伸ばして(のして)一定の厚みになったら切り出しを行います。

一本の麺を良く見るとのした面と切った切断面から出来ていることが解ります。
そうして正面から見て真四角なら同一寸法。
厚みのある のし面の少ない長方形か
厚みの無い のし面の広い長方形か   に分かれます。

一般にのし面がつるりとした食感を持ちます。
乾麺でいうならきしめんがつるりとした食感を持ちやすいのも頷けます。
のし面を広く取るからです。

番手で呼ばれる切り歯はローラー状になっていて切断面の食感にはある種の特徴があります。
それは別の機会にして、
ここではツルリとした食感に限って続けましょう。

では、のした生地を切るのに包丁で切ったらどうでしょうか?
腕の良し悪しにもよりますがこちらの方が断然食感はよくなります。

腕とは何でしょう?
真上から包丁を押し付けて切るのと 包丁を前後にスライドさせて切る という違いです。

もうお解かりいただけましたでしょうか。
切り歯と包丁の違いとはここにあるのです。
包丁切りにしようと思うなら厚みも自在に変更できます。
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ですが食感を良くするのにもうひとつ手業があるのです。
最後の一手間
手もみ です。
今回一番手間どり、苦労したのがこの一番単純な作業でした。

真四角に切り出した麺でも強引に押しつぶせばきしめんのような扁平になります。

要は どういう 麺を表現したいか  という振り出しに尽きるのです。
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ようやく実現出来てきました。
ですが蕎麦打ち職人の言葉を借りるなら
「九十九里をもって道半ばとす」

まだまだとば口に取り掛かったばかりです。
ですが
どこにも無い万里だけの一杯はありがたいことに好評を得ています。
初めてご来店されて麺を追加してくださるお客様が多いのです。
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もうひとつ嬉しいことがあります。
これまであっさり味の和風ラーメンだけを召し上がっていただいていたお客様が
今度の新しい一杯を「美味しい」と言って食べてくださる事です。
こちろんそれにはそうなるような仕掛けが仕込んであるからなのですが
そこを認知してもらえるとやはり嬉しいものです。
先日は奥様もご一緒に来店していただけました。



富山のラーメンをもっともっと美味しくするため全力を尽くす事を約束します

と表に貼り出して工事を行ってきた間に
張り紙に
「期待しております」と書き込んでくれた方がいらっしゃいます。
ありがたいお言葉です。
どれだけ勇気付けられた事か!
皆様のご期待に背かないよう必ずそれ以上のものをご用意して来店をお待ち申し上げます。























お待たせ致しました。
明日12/3(木)11:30平常通りの時間でリニューアルオープンします。

美味しい麺が完成しました!

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プルップルの美味しい麺です!
お約束どおりチャーシューを崩して混ぜ込むようにしてお召し上がりください。
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お詫びも申し上げねばなりません。
麺作りに時間と労力を割く為にメニューと営業時間そして客席を変更しました。
座敷、小上がりを無くしてカウンターのみ  となりました。
和風、餃子をやめて

ラーメン
チャーシューメン、
麺追加
ライス

のみとさせていただきます。

そして夜の閉店時間を21:00と短縮させていただくこととなりました。
日曜~平日まで同一時間での閉店となります。

お詫びとして美味しい麺を作りますので
なにとぞご理解のほど申し上げます。


明日12/3開店します。

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2009.12.01 フクラギ
ブリの子供「フクラギ」
関東関西で呼び名はそれぞれ変わりますが
人間で言えば高校生位でしょうか?
あと2歩で大人のブリというサイズです。
市場では詰めて「ラギ」と呼ばれます。
当て字では「福来木」

大きさで言えば4~50cmほど。
これも寒くなると脂が乗って美味しくなります。
背中と下腹のふっくらとした姿がその見極め。

これは北陸ではある意味、一番基本の魚と言えます。
さばく練習しかり、料理法の習得しかり、・・

ですからお刺身はもちろんの事、味噌漬け、醤油漬け、
揚げ物など広く各種活用されて重宝されています。

一番基本と言うぐらい広く一般的ということは
お客様にも、とても馴染みがある  と言う事です。
良く言えば当たり障りの無い無難な
悪く言えば普通すぎ、何の工夫も無い  となる訳です。

私は寿司ネタとして、生と梅酢で絞めたものを使います。
馴染みのある生と並べる事で違いを浮き立たせます。
一工夫すると即、新しい味わいが生まれるのですから
今迄あまりいじられて来なかったエリアにあえて強引に
持って行ってみたいと思っています。

キムチ風の和え物もとても美味しい酒肴になります。
それでミニ丼ではすかさず、「フクラギのビビンバ」で
お出ししましたところ、お陰様で好評でした。

私は退屈が大の苦手です。
もちろん守り続けなくてはいけない仕事はきっちり守らねばなりません。
しかし、変えなければいけない事、挑戦しなくてはいけない事もあります。
それらに目をつむりただ漫然とリフレインする事が嫌いな性分なのです。

守るべきは守り伝え、さらにステップアップし続け、新しい仕事を創り出すことこそ
料理人に与えられた使命とすら思っています。
ラーメン屋風情がこんな事を言うと生意気だとそしられるのには慣れています。
かつてはネットで毎日繰り返し
『悪口雑言を浴びせられ続けたお陰』と今では鉄面皮に
変身できたことをある意味感謝すらしているほどです。(呵呵大笑)

ラーメン屋風情が作りました。
今回は納豆で和えます。
刻み納豆、味噌、醤油、唐辛子、刻みネギ、で和えて刻みゴマをぱらりと散らします。

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美味しい酒肴となりました。

こうなりますとご飯の味方としてはお約束。
丼です。

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こうなります。
お好みでワサビ醤油をちょいとかけて豪快にかき込む。
日本に生まれてよかったと思う旨さです!

そしてもっとしみじみしたい方にはこちら
熱々の煎茶をかけて
お茶漬けです。

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うーん
やっぱりお米が美味しい。
ご飯に感謝!日本人で良かった!
ん?
フクラギの話でした?

美味しいお米があればこその美味しい魚だと改めて感謝です。

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