お昼のミニ丼で出している押し寿司の画像がたまってしまったのでまとめて掲載します。
初回はトキ鮭です。
「時知らず」が縮まって今では単にトキなどとも呼ばれています。
ご存知のように普通、鮭は4年で産まれた河に里帰りして産卵をします。
でも、中にはうっかりかへそ曲がりなのか3年ぐらいで戻ってきてしまうものもいるのです。
これが、「時知らず」と呼ばれる鮭です。

違うタイプで「鮭児」(けいじ)というのがいますがこちらはうんと高価です。

それに比べると随分お買い得なのがトキ鮭というわけです。
今では一年中手に入ります。
脂が乗って焼いても、〆ても美味しい鮭です。
こんな具合です。
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これを押し寿司にします。
例によって箱寿司にしますので中に挟むネタをチョイスしましょう。
今回はこちら。
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前回ご紹介したトロロ昆布です。
自然な昆布の旨味が美味しさを底上げしてくれます。

あぁその前にトキの特徴を一点だけ挙げるとすれば「顔」です。
普通の4年ものだともっとごつごつした顔になります。
とくにオスだと鼻先が鷲鼻のように前方下部に張り出していかつい顔になりますが
トキは未熟な分だけどことなく剣のない幼い顔をしています。
各部分も丸みを残す「まろやかな顔」がトキの特徴です。

どことなく可愛げのある表情でしょ?
こんな顔で用も無いのに里帰りはしてみたものの
『さて、これから先はどうしたものか?』  と
ウロウロしていて網にかかってしまう可愛そうな、愛嬌のある奴なんです。

薄く塩をして冷凍状態になって保存、販売されていますがこのままでは塩が薄すぎますので三枚におろして塩を入れなおします。
30分の塩。
40分の酢。
例によって小骨を抜き、皮を残しながらスライスして身をそいでいきます。
箱に敷き、シャリを半分だけ詰めます。
このままでもいいんですが、きれいな線を出す為いったん押します。
もう一度開き、トロロ昆布を2列並べます。

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この時に全面に敷くとご飯同士がくっつきません。
せっかく押し寿司が完成しても上と下でシャリがぱかんと離れてしまいます。
ここに挟むネタがなんであれこれは共通の課題です。
ご飯をくっつける余地をあけて挟む具を並べることが必要です。

そして上に再びシャリを詰めて押します。
いったん木枠を外して寿司の天地を入れ替えます。
そうして上に魚がくるようにして今度は重石できっちりと圧をかけて仕上げます。
こうすることで魚の脂を染み出させてシャリに移せます。

でも白身魚ならそれほどの手間は不要です。
一番上に魚を並べて重石をかけれます。
この日は細巻きとで
盛り込みました。
メジマグロの鉄火巻きです。
この日もいつもと同じ小鉢がついて250円です。

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富山県では昆布を非常に多用しますがこれは「トロロ昆布」です。
これをおにぎりの外側にまぶしたものが大好物な県民なんです。
でも、ほとんどの昆布製品がアミノ酸まみれなのが実情。
なぜか?
旨味のない安物の昆布で製造するからです。
こちらのように添加されていないのは良い材料を選択している証なのです。

それにしては価格は何故かほんの少々高い程度です。??
そうです!
市場原理という化け物の正体は良いものほど価格を押さえつけられ
程度の悪いものほど一見安価に見せてはいるものの実は暴利をむさぼる
という一面を持っているのです。

乱暴なきめ付けをするなら、
ですから粗悪品を上手に誤魔化しているところほど大きくなり、
良心的な商品を製造販売しているところほど零細だという側面を持っています。

原価が30円の陳列商品はせいぜい50円程度の価格なのにたいして
原価が3円のものなら安そうな顔をして40円の価格を堂々とつけれる訳です。
原価と仕入れ価格は違いますがつまり流通関係者はおおむね「利幅」を摂るのです。
ですから、今年のような野菜が高騰しているときこそがチャンスなのです。

「国産野菜が高すぎますからウチは生活応援のためにやむなく中国産を仕入れています」
「玉葱が3個で98円です、お買い得でしょう!」

つまり高価な(,20年に一度の大チャンス!)玉葱があるお陰でより利幅率の大きい安価な玉葱(しかもケタ違いに安く仕入れた)を恩着せがましく大量に売れると言うわけです。
消費者側から見ればはっきりいってイカサマもいいところです!
全部流通側が仕掛けている事じゃないですか!
相場を釣り上げるのも何もかもが!
生産者がうるおったという話は聞きません!
それどころか火事場泥棒みたいにここぞと安値の野菜で暴利をむさぼっている輩が多いのです!

システムも間違っていますが人間の性も悪すぎます。

本物を見極めて買いたいものです。
本物を少しだけ買い、大事に惜しんで使うことが正しい「もったいない」だと思います。
安いから心置きなくふんだんに使える というライフスタイルが何をもたらしたのかをこんな機会にじっくりと顧みるのもいいんじゃないでしょうか?

私は直売所を頼りにしています。
ここには違うシステムがあるからです。




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(比喩として使う為に並べました。)
(麩は重宝していますので決して批判目的の為ではありません。)
(麩製造者の皆様どうか悪意には取らないでください。)

麩は大変に優れた栄養食です。
でも、もしここに肉の味と風味を備えた麩があったとします。
肉を食べたいと思った時に左の本物の肉を食べますか?
それともはるかに安価な右の肉味の麩を選びますか?

これは長年私が言い続けている比喩です。
もし、今本物の肉が手に入らなくなってしまったら
仕方がないのでそんな偽装肉でも食べるかも知れませんね。
(もちろん肉食否定主義者は違うスタンスでしょうが)
大豆グルテンで作ったタンパク肉などは既に存在していますからあながち空論でもありません。

でも、本物の肉の味を懐かしむ人たちには受けてもそれはほんのしばらくの間です。
『安いからこれでも仕方がないさ』
と諦めて我慢して買ってくれる世代がいなくなればもう次の世代は買わなくなります。
わざわざ不完全で中途半端な食品を求める意味が無いからです。
そも、オリジナルの「肉」を知らない世代は懐かしむ為にガマンしてまで単なる麩より高価な擬似肉を求めないからです。

紫蘇のふりかけに話を沿わせましょう。
先に私が作る昔ながらの紫蘇ふりかけを紹介しました。
塩と梅酢の味を染み込ませた紫蘇です。
太陽の熱でゆっくりと仕上げます。

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では「ゆかり」を商標登録しているこちらのM食品のものには一体何が入っているのでしょうか?
紫蘇、塩、砂糖、アミノ酸、リンゴ酸
ではこのうちの何が「食べ飽き」を起こさせるのでしょうか?
まず、不要なものが添加されている事。
砂糖、アミノ酸です。
次に必要な物が入っていないこと。
梅酢です。

これが食品を工業化する人たちの常套手段とはいえ
ほとんど死に絶えようとしている漬物工業会社と呆れるほど中身は一緒です。

昔から塩梅(あんばい)と言えば丁度良い塩加減を指します。
その為の努力や一定の売れ筋範囲を狭める覚悟を怠けて、
誰にでも受けるいわゆる万人ウケなどという幻を追った愚かな商品を作っていることにいまだに気づいていません。

万人ウケなどという食べ物は存在しないのです。
少なくとも工業化でもたらせは断じてしません。
そんな物がもしあるとすれば手作業の結果でしか得られないのが本当の所です。

機械工業が進んだおかげで確かに便利になりました。
大量生産によって確かに安価で高機能な工業製品が出回り私たちの暮らしを豊かに助けてくれるようになりました。

でも、食べ物は違うんです。
農機具は随分普及しましたが、実際に作物を育てているのは人の手です。
土を作るのも人の手。
時期を見極めて収穫するのも人が判断して行うのです。
ですから、今年のような不順な年には優劣が出てしまうのですが、それはまた機会を改めましょう。

昭和30年代に規制が緩和されてから新しい加工食品がどっと街に溢れかえりました。
けばけばしい色のハムや保存料のたっぷり入った腐らない便利な加工食品(製造販売する側には夢のような、買う側は悪夢のような)です。

この時からわざわざ家庭で作らなくとも安価にいつでも買えるようになったからと顧みられなくなった食べ物達のなんと多いことか!。
ここから日本人の食品に対するアンテナがさび付き始めたのです。

それ以来なし崩し的に危険を予見する外堀を埋めるようにして新商品を受け入れ続けているのです。
カップ麺が出た時に「便利」が一番に叫ばれました。
確かに災害時であったこともそれに拍車をかけたでしょう。
ですが日常は災害時とは違うはずです  が簡単に意識を置き換えてしまったのです。

カップうどんを例に挙げましょう。
生の茹でうどんが入っていて常温で販売されていますよね?
薬品が入っていなければ無理な話です。
カツオだしの味と風味はあります。
でも、どんな栄養があると思いますか?
ほとんどゼロです。

肉の味、風味のする麩を食べているのとなんら変わりはないのです。
いえ、麩よりはっきり劣っています。
食品の工業化というものはおおむねそういうものです。

私たち一般の食品を扱う職種の原価率というものはだいたい30%前後と言われます。
100円の商品なら30円前後の材料費 それが一般的な損益分岐点です。
残りの70%で光熱費、人件費、設備諸経費の回収などが引かれて残るのが少々の純益となります。

ところが工業化をするのに膨大な機械設備費を先行投資して、そんな原価率ではとても回収なんて不可能です。
最初からまともなものなんて期待できない  といっても過言ではないでしょう。

もし私がそんな会社の開発担当だったら(また出た!!)
世界中から安価な材料を調達してこう書きます。
一番良いものを選んで来ました!
また、食品に対する不安が残る国からの仕入れには
一番生産量の多い国から仕入れました
と書き 多数派安定志向の多い消費者をなだめます。

そうして主点のみを強調した商品を作るのです。
紫蘇さえ入れておけば文句はあるまい。
塩が入っていればふりかけになるだろう。
味が塩辛いと言われないように砂糖も混ぜておこう。
旨味がないといけないから化学調味料もしっかりと。
酸味? 最後にちょっぴり入れておこうか何しろ酸味は嫌われやすいからな。

これはあくまでも
もし私が社員だったらという仮定での話です。

でも仮にそんなスタンスで本当にやったら100円のものを数円で作る事ができるかも知れません。
そうすれば本当に安い物を
お客様のため、暮らし応援します!
と言って99円で恩着せがましくセールできるかも知れませんね。

原価を考えればちっとも安いとは思えませんが皆様はいかがお考えでしょうか?

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私は紫蘇のふりかけを炎天下で汗かきつつ揉み解しながら
いつも母を思い出します。
私が大好物だったため毎年たっぷり作ってくれました。
わざわざ梅酢を絞りすぎず時間がかかるのを厭わず。

揉み解しても全部が一気に終わるわけではありません。
ほぐせないのはまた干しなおします。
固いのはすり鉢ですり潰します。
そうしてまだほぐせないのはもう一度干しなおします。
こんなに手をかけてようやくふりかけになるのです。

自分が美味しく食べたい ということももちろんあります。
でも、家族や大切な人たちの喜ぶ顔を見たいことも大きな原動力になります。
手作業の美味とはそんなものだと思っています。
おかげで息子も大好物です。
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そうして美味しい物を次世代に繋いでゆく、たったそれだけで国の未来が明るくなるとは言いませんが少なくとももう少し加工品を見直す事が必要だと思いませんか?

今、安くあげる事が出来ても医療費などでかえって高くつく可能性があるとは思いませんか?
そしてその時に医療を正しく受けられるのでしょうか?
まず、正しい味覚を取り戻す。
その為の努力を始める。

そうして危険を予見できるセンサーを磨きましょう。

大勢の皆がそうして本物の美味を求めればほんの少しこの国も良くなるかも知れません。
決して大げさな話でもないんですよ。
ここ数年の急激な化学調味料離れがそれを証明しています。







梅仕事の最後は紫蘇のふりかけ作りです。
実はこちらの方が梅よりはるかに難題です。
先に書いたように梅だけなら太陽が出ていなくとも仕上げが可能です。
どうしてもというなら扇風機をあててもなんとかさまになります。
梅酢と紫蘇の互いの浸透があれば完成するからです。

ところがふりかけ作りは絶対的な太陽の強い光線と熱が必要なのです。
今年は雨の多い夏でしたからお盆にまで土用干しがずれ込み、
お店の繁忙期と重なって大変な目に遭いました。
それが終わってやっとふりかけ作りにかかれるのです。

梅のタルから紫蘇を取り出して干す。

普通はそれだけで記述は終りです。
本というのはなべて簡潔に書かねばあまりに煩雑な手順をそのまま書くと誰も手を出さなくなると心配しているのでしょうか?
詳細な手仕事が必ずあるのに誰もそういう事には触れたがりません。

裁縫や大工仕事その他、なんでも手仕事には書かれていないコツや要領のようなものが沢山あるのです。
そういう事を本が伝えてくれないならこのようなブログも少しは誰かの役に立てるかも知れませんね。

紫蘇を取り出したら絞ります。
ここが鍵です。
早く干し上げたい、今年のような熱くない夏は特に早い乾燥をと
誰もが望みます。
普通でも、タダでさえ炎天下の作業はつらいのです。
ですから固く、きつく絞ります。

それが間違いです。

そうすると紫蘇の味しかしないふりかけになります。
『え!?紫蘇だからそれでいいんじゃないの?』
と思った方は残念ながら美味の壺を見落としています。

せっかく梅酢と紫蘇の交互浸透が完了したものから片方を追い出してしまったら何にもなりません。
そっと、ゆるく絞るだけで干すのです。
ザルに新聞紙を広げ、その上に並べて干します。
最初はビショビショに濡れます。
ですから乾燥させるのに梅などとは比較にならない時間が要るのです。

乾燥したら手で揉み解して密封保存します。
乾燥剤を同封しておくと数年は香りも持ちます。
梅酢と紫蘇の風味の美味しいふりかけに仕上がります。

子供の頃にこの美味しい味を知ってしまうと大人になっても忘れられません。
しかし、自分で作るヒマが無いという人は市販品で間に合わせるしかありません。
全国版のM食品の「ゆかり」が有名でどこでも手に入ります。
先日も市場調査で大型スーパーでチェックしてきました。
わずか26g入りで138円です。

これが高価なのか安価なのかは解りません。
ただ、昔懐かしい味を求めてこれを食べても失望させられます。

なぜかほとんどの人は最後まで使い切ることすら出来ません。
次回はその辺を暴きつつ、なぜ私が美味こそこの国を救う手立てだと叫ぶのかを書いてみます。


富山湾では昨年からメジマグロがいつになく大漁です。
ご存知本マグロの幼魚です。
関東ではその体表の横じまから「ヨコワ」と呼ばれ
関西以西では「シビ」或いは「シビコ」
北陸ではメジマグロと呼びます。
昨年秋には20cm前後だったものが今年は4~50cmサイズが主です。
同じ群れだとは断定できませんが大きくなるのは確かに早そうです。

この位のサイズだと食物連鎖による弊害が少ないのでまだ安心して食べられます。
味も優しい赤味でしつこくありません。
今回はこれをいじってみましょう。
韓国料理で御馴染みの「ユッケ」です。
あちらでは魚で作るのかどうかは知りませんが、赤味つながりでなんとか行けるのではとトライしてみた至って大雑把な日本人です。
韓国の料理らしきものを作るからと言って同胞認定はお止めくださいね(笑)

ユッケに使う主な調味料は「コチュジャン」という辛子味噌です。
これを買うと結構高価で添加物混入品が多いので自作をお奨めします。
すり味噌と粉唐辛子(韓国唐辛子)を良く混ぜて砂糖をたっぷり加えて甘味噌にすればだいたいOKです。
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冷蔵庫で保管するならそのままで、
常温保存するなら水で緩めてから煮詰めてください。
これがあると簡単にレパートリーの幅が広がります。
使い方はとても簡単!  単なる唐辛子の入った甘味噌ですから。

マグロを小さくカットしてコチュジャンと醤油、みりん、ごま油少々を混ぜるだけで大むね完成してしまいました!
こんな簡単でいいの?  というぐらい誰でも作れます。
後はお好みでニンニクのみじん切りを加えたり季節の香味野菜を加えたりして変化を楽しみましょう!
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というわけでタタキ風に和のハーブをたっぷり入れました。
みょうが、青紫蘇、ネギ、しょうが、です。
たっぷりと加えた方がよりさっぱりと美味しく食べれますね。
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あまりに美味しかったので翌日の「ミニ丼」でも出してみました。
好評です。
これならいくらでも食べられそうです。
マグロにはかすかな酸味や渋みがあり、それは味を引き立てる作用となっています。
けっして嫌味要素にはなっていないのですが、こうして甘味噌と合わせると実に素直な旨味となって口中にバラケて行きます。

ますます調子に乗り、次々にトライしてみました。
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蕎麦です。
普通のザル蕎麦状態に乗せました。
ツユはザルよりやや辛め。
なかなか乙な味わいでした。
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冷ラーメンです。
若干柔らかめに茹で上げて冷水で締めます。
醤油、酢、砂糖少々、チキンスープでタレを合わせて
下タレとします。
これも美味しいですね。
酢が混じるとさらにさっぱりとします。
とはいえ、ユッケに最初から酢を入れると薬味ともども変色しやすいので後からにしましょう。

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お次はスパゲッテイです。
例によって柔らかめに茹で上げて冷水でキンキンに締めます。
ドレッシングを冷ましたチキンスープで割ってタレ(ソース)にしますが、
ここで奥の手をひとつ。


こちらです。
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バジルはしそ科と言われていますが、
別々に香りを嗅ぐと全く別物みたいに感じます。
ところがこうして一緒に刻んで混ぜると誠にいい香りにグレードアップするのです。
これはスィートバジルだからでしょうか甘い香りまで漂うのです。
またひとつ勉強です。

これを乗せて食べるとまた一味違う味に変化してくれました。

夏には洋と東西を問わずハーブ類がぴったりです!
いつもと一味違うお刺身を楽しんでみませんか?

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ナスを使った冷たいパスタです。
とは言っても茹でたり、蒸したりはしません。
ナスには油が合いますのでいったん炒めてから合わせます。
焼きナスも熱いうちにダシに漬け込んだ方が美味しい冷焼きナスになるように、
しっかり炒めて味付けをした後冷やします。

ナスは何にでも合う素直な奴と思われがちですが、どっこい夏野菜のはしくれ
強情な一面も持っています。
ですから油や味噌と相性がいいんですね。
今回はそんな強情な性格を引き出すため、ただEVOオイルだけじゃ退屈ですから個性の強い2種の副菜を用意しました。

ひとつは 「能登のいしり」 ご存知イカの魚醤です。
あまり知られてませんが魚醤とナスは相性抜群!!。
もうひとつは「サバのへしこ」を焼きほぐして加えます。

EVオリーブオイルにニンニクを入れて点火。
香りが立ったらナスやへしこその他お好みの具材をしっかり炒め下味を付けておきます。

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スパゲッテイを茹でている間に超冷たい水を用意します。
水に氷を入れただけじゃいけません。
よーくかき混ぜます。
ボウルの外側に水滴が付くぐらい冷やしたら準備完了。
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ナスをボウルに移して冷まします。
氷が溶けたら新たに加えます。
柔らかめに茹で上げたスパを流水で洗って水を切り投入。
塩コショウで味を整えつつ、良く混ぜて冷やしつつ
「行者ニンニク醤油漬け」、プチトマト、海ブドウなどを加えていきます。
慌てることはありませんが、のんびりもできません。
味見をしつつ、パスタの芯の芯までキンキンに冷えたら完成です。

夏は冷たいのがご馳走です。
ただ流水で洗い流しただけの「単なる熱くないパスタ」では冷製とは言えませんね。

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思ったとおり、いしりとへしこに合わせる事でナスのしたたかさが良く味わえます。
懐の深い野菜です。
海ブドウがプチプチと歯応えも軽やかでとても美味しい一品に仕上がりました。






2009.08.04 ナス料理で丼
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辰巳芳子さんの料理本をよく参考にしています。
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今回は加茂ナスを使用。
ナスは皮を剥くとすぐ変色しますので一皮むく毎に水につけます。
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辰巳さんの本では大きなナスを丸ごとフライにしておられます。
興味のある方は本をご覧ください。(参考引用はここまで)


ところで、飲食店のメニューというのは不変なようでいて実は結構めまぐるしく入れ替わっているのにお気づきでしょうか?
入れ替わらないまでも花形人気だったのがいつのまにか廃れてしまうという事がよくあります。

原因はファミレスだったり、大手食品工業の安価な既製品です。
Tボーンステーキは高級メニューなのですがファミレスの手にかかるとたちまち魅力のない美味しくないメニューとなってほとんどの消費者の目には陳腐な文字列としか映らなくなってしまいました。

ナポリタンと言えばパスタの人気メニューでしたがレトルト製品が出始めるとたちまち魅力を失います。
肉団子は中華メニューでは人気でしたが、同じくレトルト製品が出るとすぐに
「わざわざお金を出してまで食べるメニューでは無い」存在に成り果ていまではお店の品書きに探すのすら困難です。

こうして挙げ出すとかなりの数になりそうです。
つまり、いくら美味しいメニューではあっても常に進化をさせないと劣化コピーともいえる大量品に手足を引きずられ貶められて、しまいには廃れてしまうのです。

ですから料理人も習った仕事だけを延々と何十年も繰り返しているだけじゃ通用しなくなりました。
「料理店の味をご家庭で!」などという馬鹿げたコピーで襲われるのです。
始めの一時期は広めてくれるから好都合だと歓迎しますが、そのうちにばったりと売れなくなります。
そんなメニューのひとつに「マーボナス」があります。
例年夏にはミニ丼の定番でした。
私はナスを干したり切り方を変えたりしていましたがついに出なくなりました。
家庭で沢山食べるからお店では見飽きたメニューとしか映らなくなったのですね。

上等です。
レパートリーだけはふんだんにあります。
ほとんど材料はそのままで「色」を変えて出してみましょう。

マーボナスなどというメニューは元々正式なものでもありませんでした。
正統なものに「醤焼茄子」(ジャンソーチェズ)というのがあります。
これとマーボを安易に置き換えたような存在だったのです。

そこでこの大元のメニューをおさらいしてみましょう。
ナスは皮をむき、切り目を入れて揚げます。
ひき肉を炒めて味噌、醤油、砂糖で煮込みます。
仕上げにごま油を垂らして完成。

これでは丼にするには難しいですね。
仕事をばらして再構築をしましょう。
①ナスは皮をむいて充分吸水させます。
②切り目を入れてサイコロ状にカット、小麦粉をまぶして高温の油で揚げておきます。

③ひき肉にニンニク、生姜のみじん切りを加えてぱらりと炒めておきます。
④玉葱のみじん切りを加えて炒め、水、八丁味噌、醤油、砂糖で煮込みます。
⑤ほんの少量だけ水溶き片栗粉でトロミをつけます。
多すぎて汁気がナスやご飯にしみこまないようではいけません。
さらりと僅かなトロミが理想的です。
⑥仕上げにごま油を少しだけ垂らして混ぜて完成。
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ご飯にナスを乗せ、ひき肉あんをかけます。
みょうがと青紫蘇のみじん切りをぱらりと散らして鹿児島のサツマイモのから揚げを乗せて出来上がり。
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ナスとひき肉を一緒に煮込むと宴席で御馴染みのメニューですが,
ばらして再構築をすることで簡単に丼や麺に活用できる1種となりました。



2009.08.02 梅の土用干し
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例年の今頃には梅雨明けの青空が広がり梅干の仕上げに入っている所です。
ザルに広げて真夏の日差しを一杯に受けて梅漬けから梅干になるのです。

が今年は梅雨空が明けません。
20年前ぐらいにもこんな年がありました。
問題はこんな年、こんな空模様の時には梅干をどうすべきか  です。

中には梅を漬け込んだタルを日差しの強い日を選んで日光浴をさせる という方もいます。
また、諦めてこんな年には土用干しをやらないと言う方もおられます。

ですが、それではいけません。
これは必要欠くべからず作業です。
もし、炎天下の日がこの夏に訪れなくともぜひこれだけはやっておいて欲しいという作業手順をここに記しておきます。

まず、土用干しというのは太陽に当てるという主目的の他に大事な意味があるのを見落としてはなりません。
それは梅と赤紫蘇の中身を交互に浸透させる という意味です。
これを見落としていると梅に充分な塩を入れている筈なのに紫蘇にカビが発生したりする事があるのです。
ですから緊急に書き上げます。

「もう今年は3日間太陽に当てたから梅仕事は終わりました」
と言う方はここから先には関係ありません。

ですが大抵の方は今の状態はタルに梅が漬かり、その上に赤紫蘇がびっしりとかぶさっている
という姿だと思います。

梅雨空が空けても、炎天が訪れない場合。
ずっとこんな肌寒い冷夏だったと仮定して書きます。

まず、ボウルに赤紫蘇を取り出します。
次にボウルを当てたザルに梅を取り上げていきます。
梅を全部取り出したら赤い梅酢の中に赤紫蘇を戻してやります。

赤紫蘇は塩でもんだ時によじれて縮んでいますからそれを解きほぐすようにして
たっぷりの梅酢の中で優しく混ぜ込んでやります。
そうして紫蘇の固まりをばらして葉の一枚づつに梅酢を浸透させてやるのです。

梅は汁気を切ったまま日中を過ごし夕方にタルに戻します。

これを2~3回。

そう、土用干しと同じ作業をしてやらなくてはいけないのです。
違うのは梅を平ザルに並べない事だけです。

ですが、太陽熱による熱の加圧は無くとも多少は交互の浸透作業は果たせます。

昔、多忙にかまけてこれすらしないで梅干を漬けたところ随分経っても下のほうの梅に色が付いていなくて驚いたことがありました。
赤い色は上辺だけにとどまって底辺にまで行っていなかったのです。

梅の酸味が充分行き渡らないと塩分濃度の充分でない赤紫蘇からカビが発生しやすくなります。
晴れていない空の下でこの作業をするのは決して楽しい仕事ではありません。
まして、数10キロと漬け込んだ方は時間もそれなりにもかかる面倒な仕事でしょうが、
昔から連綿と日本人はこれを繰り返し若い世代にと受け継いできたのです。
頑張りましょう!

まずは、取り急ぎ老爺心から。