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ホタルイカはそれだけで食べる分には美味ですが他の材料と合わせづらいという側面があります。

味、個性ともに強すぎるからです。
どんな調理をしてもやっぱりホタルイカのままか
或いは仲たがいしたバランスの悪い料理になります。

今回はディチェコのNo.11のスパゲティでアラビアータ(アラビア風)に挑戦です。

赤唐辛子の輪切り、ニンニク、セリ、細ネギ、茹でたホタルイカ、などを用意して
スパを茹でます。

オリーブオイルを引き、ニンニクをゆっくり加熱します。
赤唐辛子、野菜を加えてザックリ炒めます。

茹でたスパを入れ、味付けをします。
ケチャップ少々、塩、コショウ、ここまでは普通。

ここからがホタルイカとの無理やり仲良し接着剤の投入です。

イカワタの塩辛、いしり少々。

これだけで否応無く一体感のある味にまとまります。
イカワタの深い旨味とホタルイカが全く違和感の無いバランスをもって全体をまとめてくれるのです。

イカワタは使えます。
でも、ホタルイカの味をさらに活かすなら本当は塩漬けにして魚醤にするのがベストなのでしょうね。
今年はトライしてみましょう。

そういえば5年前にカタクチイワシで仕込んだ魚醤がまだそのままだったな  と思い出しました。

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ホタルイカは今が最盛期。
今の新月まわりには「身投げ」といって産卵に来てそのまま砂浜に打ち上げられる様子が見られます。
闇夜に海岸線が青白く浮かび上がるほどに大量に上がります。
以前はよく獲りに行きましたが最近はさっぱり行かなくなりました。

これから出番の多くなりそうな食材です。
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この時期、スルメイカが世代交代します。
一年間成長を続けて冬に大型になり、死んでいくのです。
そして新たに生まれたその子らが今15~20cm位に育ったのがちょうど
麦の穂が出る頃
「麦イカ」として珍重されます。
身が薄くて頼りないけれど柔らかくて甘くて美味しい小イカです。

煮ても、焼いても美味ですが。
酒肴の定番としてはボイルしたものを輪切りにしたものにワサビマヨネーズを添えたものです。
一夜干しにしても歯切れの良い一品になります。

さて、昨年末に大きなイカのワタを塩漬けにしておいたものを活用して今回はこの麦イカをグレードアップさせてもらいましょう。

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玉葱、人参、コーン、しめじ、などの野菜類のほかに
ベビーホタテ、チャーシュー、生姜微塵切りなどをあらかじめ炒めておきます。
ゲソは茹でて刻み、醤油に浸しておいたものを一緒に加えます。

麦イカは細かく刻んだままの生で加えますので冷蔵庫にしまっておきましょう。

例によって多目の卵から始まり、焼き葱の香ばしさを引き立たせて仕上げますが
生イカは葱と同時に加えます。
短時間でしっかり火を通し、しかも硬くならないように仕上げると甘味が際立ちます。
たっぷりと加えましょう。

ここに入れる隠し味がイカワタの塩辛です。
普通のチャーハンの時に魚貝系は別仕立てになる  と以前に書いた事を覚えてますか?

唯一、カニだけは例外的に何も要りません。
カニには十分な旨味があるからです。
(でもそれ以上を作る手立てももちろん在りますが)

エビのチャーハンを作ろうとすると旨味が足りません。
そこで加えるのがエビ味噌です。
食品メーカーの「季錦記」が販売しています。
エビの塩辛風のどろりとしたペースト状のものです。
ナンプラーを強くしたような匂いと強い塩味が特徴です。
良く似たものでタイ産の液体の物もあります。

イカにワタの塩辛を加える事はなんら奇をてらった事でもなんでもないのです。
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左はワタの袋を開いて中身だけを取り出したもの。
と皮をみじん切りにした物

右はエビ味噌とイカワタの比較画像です。
塩辛さはイカワタの比ではありません。

こうして私は自然の旨味、強い味を探し求めてひとつづつ見つけてきました。
水先案内人などいない永い旅ですが、まだ当分止めるわけにはいきません。
いつか無添加の強い味を探す若い料理人にこのブログが目に止まり役に立てればこれほどの幸せはないと思っています。

しかし、これらを使いこなすにははっきり言って時間が少々かかります。
強いからこそ塩梅(あんばい)が難しいのです。
入れすぎると塩辛風味になり好き嫌いが出過ぎます。

どうしてもこのような変わった調味料を使うと
「どうです!この味が判りますか!?」という味にしたくなるのが料理人の性(さが)なのです。

それでは声が大き過ぎます。
目立たないように、主張しすぎないくらいが丁度良いのです。
お客様が
「え? そうなの? 全然判らなかった」
と言う位でよし  なのです。

本来旨味というのはそういう物だったのではないでしょうか?
化学調味料が当たり前になってしまい私達はそんなことも忘れてしまっているのです。

強すぎる旨味など不用ではないですか。
イカにはイカの
エビにはエビの
それぞれの旨味があれば充分ではないでしょうか?

こうして探し続けると各メニューに其々の仕事が必要になりますが
便利な魔法の粉は何にでも通用します。
それこそお酒から味噌、醤油、塩にまで入り込みます。
うっかりすると朝から科学調味料漬けにされてしまっています。

インスタント味噌汁に味付け海苔
ふりかけに佃煮
サラダに掛けるのはアミノ酸入りのドレッシング?
  それとも同じようなマヨネーズ?
  ガツンと旨味の効いた「アジシオ」ですか?
  ご丁寧にアミノ酸で強化された緑茶さえあります。


美味しい物には誰だって興味はあります。
ですが
反省を込めて、あえて言いましょう。
あまりにも私達は食品に関心を持たなさ過ぎました。
森を見て木を見ず  に過ごして来てしまいました。
美味しければなんだっていいや
と言っている間に
すっかり化学調味料に毒されてしまいました。

その強すぎる旨味に慣れっこになってしまったのです。
でも、救いはまだあります。
強すぎる旨味は飽きるからです。
一方自然の旨味で増強すると飽きません。

40過ぎる頃から
「なんか、近頃何を食べても美味しくない」
などとつぶやく人がいます。
昔、アジフライにソースをかけて食べていた人が醤油に変えたりします。
そういえば「ふりかけ」って長いこと食べていないよな  と自然になっていくのです。

そこがターニングポイントです。
そこで意識するかしないかでその後は断然違います。

もう少しだけ突っ込んでみましょう。
なぜ飽きるのか?

理由は簡単です。
体がその過剰な負担に耐えられないからです。

ある、お酒を飲むと非常に二日酔いが激しい  とすれば
飲み続けられるでしょうか?
美味しいお酒は他にいくらでもありますよね?

私の本業のラーメンに例を挙げましょうか?

注文したラーメンが目の前に運ばれてきます・
一口スープをすする。
やおらコショウを探し始めます。
ところが目の前にコショウが無い
すると躍起になってコショウを探すのです。
コショウ! コショウはないか!  と

もちろん私の店ではコショウを卓上に置いてありますから
そんな事はありませんが
こんな光景を見て不思議に思いませんか?

あるお店ではコショウを出す事を止めたそうです。
するとお客様が怒り狂ったそうです。

何故にそれほどラーメンを食べるとコショウが欲しくなるのでしょうか?

頭や目からの情報は非常に強く
舌からの情報をときには遮断すらします。
ですが舌はその強すぎる旨味、過剰な味に悲鳴を上げているのです。
コショウでもたっぷりかけないと堪らない  と叫んでいるから
居ても立ってもいられないほど欲するのです。
コショウを沢山かけて食べる人の方が味覚が鋭いのかもしれませんね。(逆説)

自然な旨味というのは昔から普通に在り、また誰もがそれを日常的に使いこなしてきたのです。
それを、使いづらいとかヘタな使い方を棚にあげて臭いとか匂いがきついなどと敬遠してしまったのです。
その代わりに手に取ったのが魔法の粉と言うわけです。

純粋な旨味
純粋な味そのもの。

それが諸悪の根源だったのです。

とりあえず、諸悪の話はここまでにします。
今回の主役はイカワタですから。
今回も一粒残さずきれいに召し上がっていただけました。
感謝。

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ほしがれいをやくにほひがする
 ふるさとのさびしいひるめし時だ

 板屋根に石をのせた家々
 ほそぼそとほしがれいをやくにほひがする
 ふるさとのさびしいひるめし時だ

 がらんとしたしろい街道を
 山の雪売りがひとりあるいている

       田中 冬二 の詩です。
子供の頃TVのCMでよく聞かされた詩です。
これを見ると冬の寒々しい景色が浮かびます。

先日氷見で炊き(かしき)の煙たなびくような景色を見てからずっと頭の中であのときの朗読が流れていました。

どこかにそんな景色はないものかとさまよい歩き、とうとうスキー場にまでやってきました。
ここより上にはほとんど民家は無くなってきます。

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かろうじて暖をとるストーブの煙を探し当てることができました。

かしきの煙とは言えないでしょうが今回はこれで満足すべきでしょう。
これからシーズンオフに入る平日の寂しいスキー場のペンションです。

これで干魚でも焼く匂いがすれば完璧。

    カマス焼く 香の露地いそぐ 秋の暮れ   
                            中村 孝子
    秋刀魚焼く 匂ひの底へ 日は落ちぬ
                            加藤 楸邨

二宮 尊徳さんは治世の結果を高台に立ち、
家々から立ち上るかしきの煙の数で判断した
と言いますが
国会議員の先生方は何をもってご判断されているのでしょうか?








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銀座グルメセラピーさんの所であ・ら・れ・丼を拝見してから作りたくてしょうがない日々です。

因果な性分で美味しそうなものを見るとこうなります。
食べたい  より 作りたい が先に来ます。

残念ながら今は定置網が上げられている状態で浜は魚種が少ないので出来ません。

よし! こうなったら代わりのネタで趣向を変えてチャレンジ!

というわけで、この日は炊き込みのア・ラ・レ・にトライ します。

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肉、牛蒡、レンコン、こんにゃく、椎茸、人参、コーン、シメジ、などを細かく刻みダシで煮上げておきます。
エビ、イカは生のまま炊く直前に混ぜ込みます。
今は麦イカの柔らかい時期ですからご飯によく馴染み、甘味がもらえます。
野菜ネタだけなら「かやくご飯」ですから肉や魚貝を混ぜて炊いてしまおう と言うわけです。

それだけじゃまだ寂しいので天盛りにキャビアを乗せましょう!
いえ「畑」の方の  です。

畑のキャビア   別名トンブリ  ん?

逆でした トンブリ  別名畑のキャビア  ほうき草の種子です。
これをさっと熱湯に通し、冷水で〆ます。
これだけでもさっぱりとして美味しいんですが
もう一工夫してご飯に負けないようにしてやりましょう。

かつお節と生タラコの醤油漬けを加えて見ると?

うーん  畑から浜辺くらいには来ましたか?
浜辺のキャビアです。
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ここでご注意。
米と同量かそれ以上の具材を入れて炊き込みご飯を炊くと案外美味しく仕上がらない事があります。

ぱらりと炊き上がるからなんですね。
具沢山の物を作りたければ適宜「もち米」も加えてください ♪

スプーンで食べるのなら少々パラついていても何とかなりますが、
私達は「お箸」で食べますよね?
ここが不思議なんですが、

箸でつまめない バラけるご飯って美味しく感じないのです。
いくら味付けが良くても、具材がどんなに豪華でも  です。

お米のもっちり感  ふうわりと箸でつかめる感じが大切なんです。
でも、具沢山にしたい  
その対立を取り持つのが「もち米」の粘り力なのです。

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はい、今日も美味しくできました。
畑と海の恵みに感謝。






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菜の花が大量に入手できたので中華丼に仕立てました。
花が満開になると八百屋さんとしては気が引けるらしく値引きをしてくれたのです。

早速花穂だけを摘みます。
茹でて水さらし。
絞って軽く塩を振り、漬け込みます。
そのままなら菜の花の浅漬けです。

そうです。
菜の花は茹でて水分を強制的に抜かないと漬物にはならないのです。
白菜だったら生で漬かりますが、花穂が立った菜の花だと生ではいけません。
今回はアブラナ科やその他も混じっているから尚更です。

その浅漬けに昆布を挟んでやります。
これで立派な昆布じめになります。
nrf 001菜の花には苦味がありますが
昆布じめにすることで苦味を感じにくくさせ、
更に旨みを乗せてやる事ができるのです。
これはそのまま漬物や酒肴として使えます。

タケノコでもそうですが先端部分の成長点が苦いのです。
アクが強い=成長力旺盛な部分  ともいえます。

少し話を脱線してこの「苦味」の話をします。
春の味が「苦味」です。
山菜や野菜の芽吹き、トウ立ちによる苦味など様々ですが、
幼児には文字通り苦手な味覚です。

本来は苦味=毒を意味するシグナルなんだそうです。
まだ経験の浅い幼児~子供はそれを判別できないからストレートに受け付けないのだそうです。
大人はそれが無事な苦味なのかを判別できるから
「ほろ苦くて美味しい」などと喜べます。

子供に抹茶を飲ませると「にが~い」と困惑しますが、
もっと言うと生まれたなりの赤ん坊に砂糖水を嘗めさせると「もっと欲しい」というような仕草をするそうです。

私はこのような苦い、酸っぱい、渋いといった味を嫌味要素(けんみようそ)と呼んでいます。
日本では昔から五味と言われる味に
甘い、酸っぱい、しょっぱい、苦い、旨味、がありますが
「甘み」と「旨味」だけでは味が立体的にならないのです。

ところが、この嫌味要素こそは鍛えないと身につきません。

最近では家族であっても朝から一人一人別々の各自好きなものを食べる家が増えてきたそうです。
お父さんはレトルトのカレー
お母さんは菓子パン
子供はカップヤキソバ  などという風に。
「個食」と言うそうです。

こうして自分が食べたい、自分が美味しいと思うものだけ食べて成長するとこの嫌味要素を受け止められない舌の持ち主になります。

いわゆる幼児味覚人間です。
甘ければ美味しい
旨ければそれでいい!
という味覚に固定されてしまいます。

残念ながら私はこのような方に「美味しい」と言わせる自信がありません。
五味整ったものを出すと「なんか苦いネ」とか「酸味がある」というからです。
昔の話をしても仕方ありませんが、
祖母祖父が優しくうるさく
「これは体にいいんだから食べなきゃだめだよ」
と言い聞かせつつ団欒を囲む食卓の光景はもうどこにも無いのでしょうか?
いったいどこまで食べ物に無関心になって行くのでしょうか?

失礼しました。
食の未来に明るい展望が見出せないものですから
つい、嘆き調になります。

これから山菜が大量に出始めます。
嫌いだ などと言わずに口にしてみてください。
35歳過ぎから劇的に味覚は変化します。
「あれっ!これこんなに旨かったっけ?」となります。
「ん!?僕確かこれ嫌いだったはずなんだけど??」となります。

いつの間にか美味しく受け入れられるようになっているやも知れません。
それは貴方にとても良い影響をもたらします。
新しい味覚の扉が開くのです。
体が喜ぶ味覚の始まりなのです。
その第一歩が春の「苦味」です。
野生動物はちゃんとその事を知っていて熊なども冬眠空けに真っ先にフキノトウを食べるそうです。
冬の間に蓄積してしまった余分な脂をお落とす為だそうです。
究極のしかも安上がりのデトックスではありませんか!
しかもまさしく体によい栄養素がそこには詰まっているのです。

わき道から本筋に戻ります。
この日はお昼に中華丼をしました。
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ほろ苦い菜の花も有り得ないほどたっぷり加えましたが、
幸い当店には残す方はいませんでした。
ありがたいことです。

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小鉢にまでフキノトウの天ぷらをつけましたがこれもOKだったようです。
フキノトウはつぼみが閉じているものほど苦味は強く、
これくらいに開き始めたものから苦味は少なくなってきます。
お子様などにはこれらから食べさせると美味を早くから教えられます。
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お昼からワンタンメンのご注文が入りました。
ワンタンで+150円
ミニ丼 で+250円がラーメン代金に加算されます。
これが高いか安いかは私にはなんとも言えません。

食べたいと思った方に召し上がっていただければ、それだけで私も幸せです。


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「おくりびと」で一躍脚光を浴びている富山県の出版社の桂書房ではそれ以外にも郷土の本が多数出版されています。

その中で最近、夢中になって読んだのが表題の「猟の記憶」 森 俊 著

ここにはカモシカや熊、狸などの猟の事やそれらの生態が詳しく綴られています。
動物学術書などでは見られない生きた生々しい「獲る」ための知識が披露されています。

野山を駆け回り獲物を追った人たちの語り書き。
それは原初の狩猟本能を刺激します。

詳しくはおいおい紹介するとして、
先日フキノトウ採りに言った時にさっそくここで得た知識が役立ちました。

カモシカを発見したのです。
残念ながら眼下遠くの田んぼの中です。
しかも、その時にはカメラを持っていませんでした。
でも、撮りたい!

そんな事が富山の山では度々起こります。
普通は眺めて終りか、カメラを持って来たらもうカモシカは居なくなっている というケースが多いのです。

ここで、本で得た知識を試してみました。

持っていたレジ袋を振り回し大声で叫びます。
こちらに気づかせるのです。
家内にカメラを持ってきてくれるように大声で頼みます。

そして、袋とカメラを交換して今度は家内が振ります。
その間カモシカが移動したのは5~6歩。
その時の画像がこれです。
    nre 014 nre 015

そうです。
カモシカは珍しいものや動くものを凝視する習性があるのです。
時には半日にも及ぶそうです。
かつて、まだ天然物指定されていなかった頃は猟の対象でした。
二人一組になり、一人が旗や手ぬぐいを振り気を引いてもう一人が後ろから襲ったそうです。

この日は、め一杯ズームアップしてもこの大きさが限界で残念ながら小さく写っていますが収穫は大きいです。
こうして撮れるということが判ったからです。

実はカモシカは昔から山で暮らす人たちにとって最大の害獣なのです。
若木の芽や皮を食べて木を枯らしてしまうからです。
その為カモシカを襲う狼を神と崇める習慣すらあったそうです。
狼が絶滅してしまって今度はカモシカが増えているのに「獲るな」ですから、
山の人たちは大変な困難に直面しています。
田畑を荒らすのです。

このような理屈の通らないことを、やれ「かわいそうだから」などとそれこそ山の事を何も知らない霞ヶ関などで決めず、山の人達に任せておけばいいのに と思います。

私が食べたいから言っているのではありませんよ。
念の為に書いておきます。ウゲロくま・よだれ



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スルメイカのワタはご存知の通り塩辛に欠かせないものですが、
これだけでもとても美味しい塩辛になります。
もちろん新鮮なもので無ければならないのは言うまでもありません。

ワタをそっと取り出してスミやその他の内臓を取り去り目玉の上あたりから切り離します。
ペーパータオルなどで水気をふき取り巻き簾(まきす)やザルの上などで塩をたっぷりまぶして2~3時間放置して水気を出させます。

これは塩辛制作時でも同様の手順であり、これでイカの生臭みを取る大事な工程です。
その後新たな塩を振りタッパーなどに移して冷蔵庫に保管します。
4~5日ぐらいから食べれますが塩辛いので、やや薄く切って少量づつ食べましょう。

濃厚で芳醇な海の美味しさが詰まっています。
濃い塩辛とでも言いましょうか、口中でねっとりとした旨みが広がります。
これをよく冷やした純米酒でさらりと流します。
酒好きの魚好きには堪えられない一品となります。
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これは漬け込んでから相当日数が経ったもの。
永く置くほど水分が抜けてねっとりとしてきます。

当然ご飯のお供としても素晴らしいおかずになります。

ですが、それだけではもったいない。
他に活用してみましょう。
  nrd 001 nrd 002 nrd 003
今回はバリラで合わせて見ます。
パスタ表面の違いや太さなどでスープを吸わせる時間などが微妙に違ってきます。
粘りの強いソースでからめるのと違い、その分 茹で加減を調節しましょう。

自信がなければ硬めに茹で上げてじっくりスープを吸水させるのが一番です。
もちろん茹でる時の塩は充分にして、味付けもその分考慮しましょう。
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この日は仕上げのイカワタの他に生タラコの醤油漬けもプラス。
更に豊穣の味わいでした。

お次はこれです。
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鍋にオリーブオイルとニンニク。
それに新鮮なイカワタをペーパータオルで包んで水切りしていたものを乗せ、
弱火で超ゆっくり焼きます。
15分ほど。

破れても気にしない。
ペーパータオルで余分な油を切りお皿に移します。
ふき味噌に酢をかけただけのシンプルな酢味噌で頂きます。
別に黄身酢でもいいんですがこのワイルドなイカワタにはストレートな酸味がバランスが取れます。
これならワインでもウィスキーでもOKです。

さて、ざっと書いただけでこれだけ活用できる美味が普通はいとも簡単に捨てられてしまいます。
私はお店でイカを使うときに捨てないで塩を振るだけですから、常時保存していますが
もったいないと思いませんか?

まだまだ利用法はあります。

期間限定でチャンポンメンをする時にはこれが心強い隠し味になってくれます。

これをチャーハンに加えるとどうなると思いますか?

自然の旨みを上手く取り入れようと思うと実に大量にして多種の美味しさに囲まれているんだなと今更ながら感銘を深めます。

今迄いったい何を見ていたのか!
今迄いったい何を味わっていたのか!
と恥ずかしくさえなります。

解ったつもりで書き、語る口舌の徒や文筆家は書き逃げや言い逃げが出来ますから
自由自在と思ってなんでも語ります。
しかし、料理人はそうはいきません。

「そんな事を言うんだったら実際にやって見せろよ!」と言われます。

それでつい遠慮、萎縮して何も言わないでいる間に無責任な輩の言いたい放題が過ぎました。

そろそろ料理人が本当の事を語るべき頃だ  と思います。


それは  まだ  甘い と。
何も解って無い人の言葉だ    と。









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麺といえば私達日本人は細長いものと思いますが、
イタリアではパスタと呼ぶように、(そもそもパスタって何?)
粉と水を混ぜて練ったものが麺なのだそうです。
パスタ=麺 だったんですね。
ピザもふかしパンも (パスタ=麺)  と理屈では解ります。

でも、パスタはともかく具の無い蒸しまんを「麺」とはやっぱり呼べない。

ごろんとした小麦粉の固まりとしか見えない物を「美味しそう」と感じるのは私達が米だけのおにぎりを旨そうと感じるのに似た感性でしょうか?

私はやはり、米食人なんですね。
小麦粉だけの饅頭より、おにぎりの方が美味しそうに見えます。
麺といえばツルツルッと食べるものと決めつけたいです。
例えそれが小麦粉でなくても米粉でも、
細長くなってれば麺と呼びたいです。

というわけで
山から採ってきたフキノトウでご飯にぴったりなふき味噌を作ります。
いろんなやり方がありますが一番簡単で風味の強いタイプをさらっと復習しましょう。

 まず、きれいに水洗い。
 ボイルー水さらし
 刻む、すり鉢で摺る
 味噌を混ぜ、砂糖、みりん、醤油少々 で整える。

これは風味が抜群ですが味噌を入れてから加熱がされてないので日持ちがききません。
冷蔵庫で二ヶ月くらいでしょうか?

ですから長期保存をするなら冷凍が適しています。
一年中フレッシュな風味を楽しめます。
熱いご飯に乗せたり、和え物にしたりと日々助けてくれます。
盛夏にカマスのフキ味噌田楽など最高ですよ!

この日は春キャベツのスパゲッテイに混ぜました。
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nrh 011自家製アンチョビとニンニクを
オリーブオイルで炒めてから春キャベツを炒めます。
スパゲッテイを入れて茹で汁を少々加え塩コショウを足します。
煮含めたらふき味噌を加えて仕上げです。

パスタもヤキソバも調理のコツは同じ。
したがってこれは中華麺でも同様にできます。
毎度おなじみですがうどん、蕎麦、春雨、ビーフン全て共用レシピとなります。
以前に200種のヤキソバレシピの話を書きましたが、共用も加えるととてもそんな少量ではすみませんね。
でも、メニューの多寡はこの際問題ではありません。
その時その時の美味を取り入れれば簡単に美味しい物が、
変な添加物無しに家庭で作れるんですよ と言いたいだけです。

春のやさしいキャベツを炒めるとまた格別の柔らかな風味があります。
さらにふき味噌とあいまって力強い麺に仕上がりました。
アンチョビは下支えの意味で加えています。
ベーコンでも、ハムでも次回に取り上げる「イカのワタ」でも同じ効果が得られます。

イタリアンでは化学調味料など加えなくても充分なレシピが確立されています。
それが何故か日本では、市販のパスタソースにはほとんど添加されています。
わざわざ、不味くするにはそれなりの理由がありますが
それはまた機会を改めましょう。

とりあえず、春の訪れと恵みに乾杯が先ですから。








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我家のプランターに植えた行者ニンニクが採り頃になりました。
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サカタのタネ オンラインショップで球根を購入して植えたものです。
もちろんこれを採るわけではなく、お知らせタイマーとして鑑賞用に植えているんです。

これが、この位になった時に今、山では何がどのくらいな状態なのかを知る手がかりになります。
他に植えているのはウドです。
あと、花もタイマーとして役立ちます。
レンギョウが咲いたらタケノコなどという風に目安に出来ます。

行者ニンニクは自分では採りに行きません。
知っている場所もありましたが最近入山禁止になったそうで、もう長い間行ってません。
というか、他の山菜で忙しくそこまで手が回らないのが本当の所ですね。

 という訳で、今年も能登の幸寿し 通販でお願いをしましたら、
もう届きました!

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これは美味しいんです!
炒めたり、刻んで卵焼きに混ぜたり、天ぷらにしたりと大活躍です。
が、それだけじゃありません。
業務用に使うのが本来の目的です。

   一升漬け
  刻み青唐辛子と麹、醤油を同量で漬け込む 
  東北~北海道などで盛んに作られる濃厚調味料
  各一升づつ量ったことからそう呼ばれるが
  総量から三升漬けとも呼ぶ

我家ではこれに行者ニンニクを加えて寝かしているんです。
都合四升漬けになりますね。
面倒だから「一升漬け」と呼びますが。

   餃子
一年分能登と青森から仕入れて餃子に少しづつ加えています。

さて、山菜採りと仕込みで忙しい春が始まります。



一升漬けを作るはこちらからどうぞ。
一升漬けを使った焼きお蕎麦はこちらからどうぞ。
2009.03.21 山笑う
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山笑う とは早春の明るく晴れた気持ちの良い山を指す季語だそうです。

山笑ふ野はさざ波の光満ち        手塚順

と言う事は山菜採りにいく時ってのは大抵笑ってるんだな と思い
そんな山の笑う姿を撮ってみようと出かけました。

この日の狙いはフキノトウとお山。

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さざ波の光満ちるのはいいんですが春かすみで遠景がぼけますね。

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狙いのフキノトウもまずまずの収穫でした。
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今年は温かいので出が早いようです。
開ききったのも沢山あります。

つぼみから開き始めた頃が一番食べ頃なのですが、フキ味噌にするのならかなり開いたのでも充分美味しくなります。

右はカンゾウの芽です。
ノカンゾウ、ヤブカンゾウ、ニッコウキスゲなどの新芽。
もちろんニッコウキスゲなどは希少ですから採ってはいけませんが普通のカンゾウだったら少しぐらいなら採れます。
茹でて酢味噌などで食べると非常に美味しくて、つい食べすぎてしまい腹に来るので私は採らない事にしています。
見逃してやろう と言うわけです。ウゲロくま・泣く

帰途、道路を横断する不審な奴が!!bikkuri

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    nre 040 nre 041

キジの子供です!

ヒナよりはもう少し大きく羽音も一人前です。
こんな住宅地で繁殖しているんですね。
日本の国鳥ですがハンターの手出しできない区域をちゃんと解っているのでしょうか?
もっともっと増えて欲しい鳥です。
放鳥といって、育てたのを野に放しているそうです。


雉がたつ 庭もつ宿の ししおどし        博多成光

山中でいきなり足元からばたばたと飛び立つとびっくりしますが、懐かしい景色です。











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またまた「ちらし」を作りました。
菜の花を見るとつい作りたくなってしまい困ります。
毎日こればかりになりそうだからです。

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ホタルイカと大葉に乗せたワサビ漬けが目玉。
他に椎茸、かんぴょう(今回は自家製ではありません)
レンコン、ウド、薄揚げなど御馴染みの顔ぶれがずら~っと。

自分的には普通は入れない茹でスルメイカが本日のトライです。
私は寿司職人ではありませんから全てカンで作ります。
そのカンで書かせていただきますが、
寿司は口の中でご飯とタネがほどよく馴染み、ほぐれて飲み込まれなくてはいけないと思うのです。
いつまでもタネだけが口の中でクチャクチャと残るようでは不適だと思います。

それなのに何故スルメイカを? とお思いでしょう?
そこがトライです。

イカはリング状にすると見た目が良いためよく活用されますよね。
でも、皮付きのまま供されると皮が喉に引っかかって「グッ」 となります。
いえ良く噛めばいいだけなんですが。

ですから、皮は絶対剥かなきゃいけません。
火の通し方にももちろん工夫は必要ですが、それは基本ですからあえて書きません。
問題はイカの胴体の繊維の方向なのです。
丸い形に添ってリング状の繊維が通っているのでそれを切ってやるのです。

筒状になった胴体の中に隠し包丁を幾筋も入れて噛み切れやすくします。

これで試食しました。
思ったとおり口の中でご飯とほどよくばらけ、馴染み、飲み込まれていきます。

今迄、パエリャやその他の炊き込みなどでもOKでしたがやっぱりお寿司は日本人には特別な食ですからちょっぴり不安でしたが大丈夫でした。

実はこれは随分前から実践しているのですが元ネタは寿司の漫画です。
「音やん」といいます。
これ以外にも料理漫画はよく読みますがすべて勉強だと思っています。
税務署さんにはどうか経費で認めて欲しいところです。

ダメ?

ちなみに、菜の花はボイルして芥子醤油をダシで割った中に漬け置きしますが
イカは茹で上げてからワサビ醤油をダシで割ったゆるいツユに漬けて下味をはっきり漬けます。
ちらし寿司は濃い目の味付けが好みです。
この日もおかげ様で好評でした。





banner_br_sakura.gif←恥ずかしながら参加してみました。

先日サクラマスのお茶漬け(汁かけご飯) をご紹介しましたが、今回はダシを使わない煎茶で作るタイプをご紹介します。

こちらの方こそお茶漬けではないか!  とお叱りを受けそうですが
どちらもお茶漬けのカテゴリーに入ります。
どちらかと言えば「ダシ」のほうが種類は多いようですね。

さて、お茶と一口に言っても色々ですが熱湯で入れるタイプが適しています。
ですが、あくまでも好みでいいんです、番茶でも麦茶でも、玄米茶でも。
熱くても、ぬるくても、、。
今から書くのは基本のはなしです。
緑茶を使います。
いわゆる煎茶(せんちゃ)です。
今回は煎茶の中でも葉ではなく茎の混じった「かりがね」を用意しました。
  nrc 020 nrc 019
より、熱湯に適しているからです。

次にご飯の盛り加減です。
基本は大き目の茶碗に少な目の飯。
間違っても小さめの茶碗に多目の飯なんてやらないでください。
それはお茶掛けご飯で お茶漬けではありません。
いいですか?  これは好みの問題だなどとは言わせませんよ!
  nrc 021  nrc 022
  左が正解        右は×
では今回の主役サクラマスを焼きます。
塩を少々きつめにふって一時間~一晩寝かしたものを皮を下にして焼きます。
これはサクラマスを焼く時のお約束でしたね。(詳しくは上の赤線をクリックして復習)
  nrc 023  nrc 024
皮と身の間に脂がありますからこれと、身と皮をお好みでほぐし混ぜつつご飯に乗せましょう。
ああ、その前に用意しておくものがあります。
薬味といいますかワサビとアラレと海苔です。

ワサビと海苔はともかくアラレは本来不用でした。
永谷園が最初に発売したときに乾燥袋の品質がまだ不完全でしけったそうで。
乾燥保持のためにアラレを入れたのだそうです。
それで、逆転のイメージが定着してしまい今ではアラレが入った方が、よりお茶漬けらしく見えると言う事になったのです。
でも、これはこれで香ばしくて美味しいから意味があるんです。
お茶屋さんで販売しています。

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熱い煎茶をゆっくりと回しかけます。

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おろしワサビとアラレ、最後に海苔をあしらって完成!

さあ!お熱いうちにさらさらっと食べましょう!

nrc 037

一杯飲んだ後のお茶漬けはまた格別です。
でも、「翌朝 胃がもたれる」と言う人もいるはずです。

これは飲んだあとのラーメンにも言えます。

その犯人は決してお茶漬けやラーメンではありません!
そこに入っている化学調味料なのです。

その証拠にこうして家で作った無添加のものでは翌朝のもたれは食べ過ぎない限り起こりません。
実は二日酔いと化学調味料にははっきりとした因果関係があるのです。

それはまた機会を改めて書きますが
くれぐれもマスのお茶漬けは美味しいからといって食べすぎにはご用心を。



サクラマスのかけ蕎麦はこちらからどうぞ

眼は口ほどに物を言い  と言いますが
その眼から入る情報量もまた大きなものがあります。

時には舌で味わう味覚ですら狂わせます。

でも、頭で考え過ぎたりしても味覚判断を誤ることもありますから、
本来毒見役としては最後の砦であるはずの味覚というのも案外危ういものなのかも知れませんね。

さて、バラエティで「芸能人の格付け」という番組での事

ここではあらゆるジャンルの芸能人の五感を試すハードルが用意されています。
高価なバイオリンと練習用の安価なバイオリンを聞き分ける といった少なくとも芸能人なら外せないプライドをかけた戦い というわけです。
しくじると一流から二流へとその度に1ランク落とされていき、扱いもそれにつれぞんざいになります。

その中で面白いのが味覚テストです。
例えば松坂牛とスーパーの安売り牛肉の味比べなどをさせるのです。
ポイントは目隠し。

これは実は思っている以上に過酷なんです。
私達の味覚と言うのは眼と鼻に相当部分頼っているからです。
次の罠は触感を狂わせる仕掛けです。
つるりとしたスプーンをあえて使わずに不細工な大き目のスプーンでぐいと口の中に押し込まれます。
これで最初の触感は相当狂います。

TVのこちらからは
「いくらなんでもアワビと椎茸の違いが解らないはずがないだろう」
と思っていると見事に外してくれるものだから大うけするという訳です。

例えばフォアグラと味噌汁に入っている麩を味見せよ  
と言うのなら誰だって それこそ眼を瞑っても判ります。
ですが
「フォアグラと麩の味比べ」
とだけ表して
実は同じに見せかける技を駆使したらどうでしょうか?

触感が変わらない位の麩を選び、フォアグラをソテーしたソースにたっぷりまぶして
最後の罠の
1cm角くらいの微少量だけを味見させるのです。

これは至難の判別です。

でも、これを見事にクリアしてのける芸能人がいるのですから大したものです。
さぞ、鋭敏な味覚の持ち主なのでしょう。

一方全くダメな人もいます。
そういう人は答えを外しまくり味覚オンチと司会者に罵られ、
しまいには「映す価値無し」として本当に画面上から削除されてしまうのです。

ステレオタイプのお決まりの手法ですが、ここまでが長い前置きです。

かつて料理の鉄人という番組によく出演してはいたもののとうとう鉄人にはなれずじまいだった
S氏がこの日の特別ゲストです。
S氏は有名な料理人ですからこの日の出演者とも交友がある様子です。
彼の作ったチャーハンとスタジオのアシスタントの作ったチャーハンの味の判別がこの日の問題です。
公平を期すために材料は同じ、アシスタントの指導もS氏がするといった念の入れようです。
(どうやらこの番組には相当の知恵者がついています。仕掛けが巧妙すぎます。)

「Sさんの作ったチャーハンなら僕は絶対当ててみせる」
と豪語する味覚の鋭敏なベテラン俳優氏。
ギャラがいいから相当高価であろうS氏のお店の常連な様子です。
一方外しまくりの若手芸人氏は早くも不安顔。

注目の一口めはアシスタントの作ったものからです。
「うんうん」
続いてS氏のチャーハン
「だめ! くどい!」
S氏 苦笑いで首をひねる。

次に若手芸人氏
アシスタントのチャーハン「うーん」
S氏のチャーハン     「旨い!」
S氏 そうだろう とばかりにうなずく。

結局この日は味覚鋭敏な芸能人がそろって皆何故か外してしまいます。
S氏は盛んに首をひねっては
「おっかしいなー? なんでだろ?」と連発でした。

私には大笑いの結果です。
こうなる事は想像できました。

なぜならこのS氏は化学調味料をとてつもなく大量に使うからです。
以前に他の番組で見たことがあります。
いくら素人にこうやりなさいと指導したところで
茶碗一杯のご飯に対して化学調味料を大量には入れられないのが普通の感覚です。

S氏は慣れっこになっているから何時ものように多量に入れそれでこのような結果になったのです。

いかに、眼で味覚が騙されているか  の好例です。
もちろん、番組では達人の方を選ぶ  というお題ですからハズレはハズレなのですが
私には本物の味覚を持った芸能人なのだと 良く解りました。
やはり正常な味覚をもった人にはあんなシロモノは旨くないのです。

TVによく出てる有名な料理人だから  と頭で騙され
店内の豪華な装飾やきらびやかな食器に騙され
その眼を剥くような価格に騙され  ていれば
味なんか分かりっこありませんね。

でも、目隠しで判別できたのだから立派でした。

その点、友人のMr.Sさんは飲食業に従事しているわけでもないのにズバリと核心をついた評を下します。
その恐怖の名言に
「センサー感度が低すぎますゼ !?」
というのがあります。
舌をセンサーとして味覚レベルを語るのです。  コワスギマス 汗
飲食店店主は見てくれや能書きで簡単に騙されてくれる「楽な客」ばかりではない事を今一度思い返してみる必要があります。
この友人のような「恐怖の客」も紛れて入店しているのです。


さて、巷間喫煙をする料理人の事を料理人失格だとか
味が解るはずも無い  などと評します。
でも、10数年前まで喫煙者だった私が弁護するのもはばかられますが
喫煙していても味は分かります。
事実そんなお店を何軒も知っています。
騙されてはいけません。
人はそれらしい根拠を指しつつもっともらしく騙します。
大メーカーはその達人です。

確かに過度の喫煙は舌を荒らしますが、味覚を破壊まではしません。

しかし、日常的に化学調味料漬けになっている料理人には美味を創ることは困難です。
第一に良い材料すら判別できるか疑問です。
これは嗜好とか好き嫌いなどの問題ではありません。
タバコより明確な害があります。
仮に無添加の良いハムと化学調味料で強化されたハムの二品があったとしたらどちらを選ぶか?
答えは聞くまでもありません。

何と何を組み合わせれば商品になるという事を知っていてそれを繰り返しているだけですからそこから進化しないのです。
それは本当の美味なのでしょうか?
もっと美味しいものを求める客に見放され始めてはいないのでしょうか?

いやしくもプロの料理人は味の素を入れるということが
何を意味するのか?
どういう影響を受けるのか?

つい入れてしまうその「ほんの少しの不安」の正体はいったい何なのかを
自己総括する必要があります。


そんなこんなを思いつつ
今日もTVで料理番組を見ます。
今日はどんな発見があるでしょうか?















TV離れが激しいそうです。

もっともパチンコ屋さんやサラ金のCMやらウソつき報道ばかり垂れ流していたのでは当然の結果とも言えます。
先日もWBC韓国戦でコールド勝ちしたその後のニュースで「日本が惨敗しました」などと報道をしていて呆れ果てました。

また、最近では首相からのバレンタインのプレゼントに添えられた達筆な直筆の手紙のかな遣いが誤っていると公文書でもない、一私信を公開してみせる恥知らずな女性記者まで現れる始末です。

昔から新聞はインテリが作ってヤクザが売る と言われましたが
最近のマスコミはどうやらインテリヤクザが何もかも仕切ってるようで信用できませんね。

でも、信用できないのはそんな人たちの口であって映像には絶対とまでは言えないまでもかなり真実に近いリアルなものがあります。
ただし、良く視ていないとダメです。
漠然と視ていると見過ごします。

ネットが導入されてからは私はTVでは料理関係などしか熱心には視なくなりました。
これなどはやはりTV取材力の底力の凄さを思い知らされます。

普通の我々が立ち入れない現場にずかずか入り込んで映像を流す恐ろしさをその現場の人たちは多分理解してないんじゃ?
と気の毒にさえなります。

  大繁盛しているラーメン店での事
丼にまさにスープを注ぐその瞬間 先に入れられていたタレにまだ溶け切らない大量の化学調味料が映っていました。
これなどはあまり放送して欲しく無かったに違いありません。
でも、現場のカメラマン氏はきっと「凄い量の化学調味料だな!bikkuri」  と思ったから流したのでしょう。
ほんの一瞬です。
ですが、お茶の間からそこをアップで視れるということは凄いことだと思えます。

  ある老舗料亭での新人板前君の奮闘記で
全国から若者が修行に入店してくる巨大料亭で毎日頑張っている二年生のA君。
彼の役割は日々の業務の他にまかないを作ることです。
その日も献立を考えて居るとおかみさんから呼ばれ

「今日は何作るん?」と聞かれます。
「○△です」 
「いや、それは止めてシチューにおし」 
「はい、そうします」

というわけで彼が買出しから戻ってきたら何と! 
既製品のシチューの素の紙箱を持っているではありませんか!!

『どこが悪いんだ?』 と思われるでしょう?
実は大問題なんです。
そこは一般家庭ではないのです。
きっと皆が同じ感覚で取材し、撮影し、放送しているのでしょう。

この大料亭ではおかみさん、板前、仲居さんに至るほぼ全員がインスタント舌だったという現実を晒したのです。
高級料理をこなす雲の上のプロが普段はインスタントで食事をすましていたなんて公言していいのでしょうか?

仮に高名なフランス料理店のシェフが家ではインスタントの味噌汁で食事を済まします。
と聞けばどう思われるでしょうか?

誰かその事実を解る人がひとりでもいればそこをカットしてくれと頼んだに違いありません。
でも一人もいなかったのです。 ソレガ モットオソロシイ  にげ

カメラマン氏に悪意があったとは思えません。
かえって無垢だったからこそ微笑ましい映像だと撮ったのでしょう。

よく眼を凝らして視ると「面白い」料理関係のTV番組。
まだまだその壺は沢山あります。

取材のレポーターがその作り笑いをほんの一瞬 固まらせ そして
「美味しいです!」
と叫びます。
『本当かよ!?』と突っ込むのは私だけじゃないはずです。

ほんの一瞬にこそ真実が垣間見れます。
眉が ピク と動く
唇が ピ  と引きつる
眼が ほんの微かに曇る
その瞬間に露見するのです。


次回に続きます。
料理番組を心より愛する一視聴者として
応援を惜しみません。

もっと面白い番組を心待ちにしています。
TVって面白いのも沢山ありますよ!








今年は早くワサビ菜が手に入りました。
いつもの八百屋さんに山里の人からの持込みがあったそうです。

例年になく早いので驚いていたらよくみると、さらに早い事にトウ立ちして花芽までついているではないですか!
これは凄いことになってきました。

私も山菜採りをしますが昔、山の人とワサビは採らないと約束をした事があります。
今では誰と交わした約束だったかも思い出せませんがしっかりと守っています。
ですから長いこと山で生っているワサビを見ていませんがこれは異常な早さです。

今年の夏が今から思いやられます。
昨日は瞬間最大風速30mの強風が吹き荒れパネルトラックが横転するなどの被害が出ましたが、
リンク先のメルボルン、あゆみの実験ワールドには時速100~140kmの風が吹いたと書いてあります。
日本流の秒速に直すと28m/秒~40m/秒くらいでしょうか?
台風でもないのに、まさに温暖化の脅威です・・・。

さて、気を取り直してわさび漬けを作ります。

お湯を沸かします。
菜の量(体積)と同量ほど必要です。
冷凍庫にタッパーの入る場所を確保します。
ワサビをきれいに水洗いして刻みます。
ザルに入れてお湯の沸くのを待ちます。

ワサビはいくら丁寧にやっても全然辛く仕上げれない  という人がいます。
それでつい「ワサビは手を嫌う」などの風説が信憑性を帯びたりします。
手を嫌う とは梅干作り時にも聞かれます。
要するに 「私じゃだめなのね  」 というダメ出しのセリフです。

全くそんなことはありません!
お湯の温度が原因です。
熱湯ではいけません。
80~90度で行ってください。
絶対失敗しませんから。    簡単です。

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タッパーに醤油、みりん、そして砂糖(少量)を合わせておきます。
ワサビは砂糖に反応して辛味が強くなりますので入れるのです。
決して入れすぎないでください。
甘くなったらいけません。(既製品のような味になります)

90度の湯をゆっくりとまんべんなく掛けてやります。
ザルを揺すってだいたいの水を切ったらタッパーに移して
しっかりフタをします。

IMG_7824.jpg IMG_7826.jpg
タッパーを激しく揺さぶります。
ここで虐めればいじめるほどワサビが怒ってより辛くなります。
ですからしっかりとフタをしなくてはいけないのです。

今迄何度も失敗をしましたが、揺さぶり疲れてつい上下に振ると
熱で緩んだフタが開き そこから飛び出してしまいます。
前後左右に振ってくださいね。

そして冷凍庫にしまいこみます。
冷蔵庫でもOKですが温度差が大きいほど辛くなります。

翌日解凍し、密封袋に小分けして保存。
そして、お待ちかね今年の
「初ワサビのザル蕎麦」の出番です。
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去年のお話はこちらからどうぞ

八割蕎麦を用意しました。
粉ワサビや大根おろし、小口ネギなどの薬味類はいっさい不用です。
この組み合わせの前にはかえって邪魔ですのでいっさい用意しないでください。
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蕎麦にワサビ菜を少量乗せて蕎麦ごとつまみます。
そして、ツユにひたして口に運びます。
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乾麺でもこの至福の味が楽しめます!
口中でカツオだしの風味
蕎麦の風味
ワサビ菜のピリッとした心地よい辛味とかみ締めたときだけ飛び出す更なる辛味。

それらが仲良くハーモニーをかなでつつ飲み込まれていくのです。

蕎麦通の中には「噛むな!飲み込め!」などという人がいますが、
とんでもない!
噛まなけりゃ この口福は味わえません!
この刺激は脳にも薬効があるそうです。

ちなみに、ワサビ漬けの残り汁はお浸しなどにかけて食べるとまた乙な味です。
二度三度と楽しめます。

ついに我家でも春到来です。
暗いニュースばかりですが冬来たりなば春遠からじ と言ってじっと待っていました。
ありがたいことです!
春にはこうして天然の美味が味わえます。
欲を言えばきりがありません。

自然の恵みを賜ることに素直に感謝します。
そして素晴らしい自然と日本に感謝。

  


汐マスを焼きます。
先日書いたようにこのままではいまいち美味しくありませんのでチャーハンに仕立てます。
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焼いて身をほぐしておきます。
頭は氷頭なますにしましょう。
薄くスライイスして酢に漬けて放置。

他の具は葱と自家製紅生姜微塵切り。
例によって卵多目で仕上げていきます。

仕上がり間際に葱をたっぷり乗せて丸ごとひっくり返し、
脂とみりん、醤油を回しかけて焼き目を入れるまではいつもの通り。
ここで今回のマスに足りない味を補ってやりましょう。

押し寿司にはマジックとして味の凝縮(酢締め)と
脂の滲出(強押し)という仕事で淡白なカラフトマスを美味に仕上げる事ができました。

チャーハンにはそんな補助が期待できないので外から足りないものを加えるしかありません。
それは何かというと

脂と酢
マヨネーズです。
この自家製品は仕上げに柑橘の果汁を入れてるのでさっぱりとしています。
ほんの少しだけ入れてやります。
くれぐれも入れすぎないようにご用心。
これを少しだけ加えるとマスの不足感を穴埋めしてくれました。
過不足のないまん丸の味です。

どこか欠けていたり、突出していては○にはなりません。

nrb 021


氷頭なますは酢をいったん捨てます。
これで生臭みを取り去るのです。
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大根おろしと酢と味噌、唐辛子を加えて混ぜます。
自家製柚子コショウを加えて風味をプラス。
ナマスの出来上がりです。


マス寿司はこちらからどうぞ

np 009いつもとは違う所で買ったので
残念ながら産地は判りません。
鮮度がいいのと珍しいので
衝動買いしてきました。
これも、勉強です。
ネットで調べたら どうも「シキシマハナダイ」らしいです。
南方系の魚です。
美味しいらしい としか書かれていません。

食べた人の直の感想が無いようですね。
やや、小さめのウロコがびっしりありますがこれはベラ系では? 
と思いウロコを剥がずに調理してみます。

np 014
思った通り、ベラ系でした。
あっさりとした白身で弾力があり、プリプリと歯応えもあり
かすかな脂も乗って甘味があり、とても美味しい魚です。
後から風が痛くならなければいいのですが(笑)

「???」と思った方いませんか?

「ベラ」ほど毀誉褒貶の激しい魚はいません。
まず、食べようなどと思わない と言う人が大半なのが富山県民。
大阪人は食いつきそうになるほど喜びます。
石川県能登では青ベラは食べませんが赤ベラ(カマタキ)は喜んで食べます。
佐渡では非常に大切に慈しまれています。

残念ながら他は知りません。
これだけははっきり言いましょう。
単なる「食わず嫌い」です。
あるいは「見た目で判断しているだけ」です。

京料理で珍重される「グジ」いわゆる「アマダイ」ですが
言うまでもなく高級魚として持てはやされています。

それは京都というブランドがそういう色を付けたんじゃないか? というぐらい
私にとっては普通の魚です。

ある時友人のボートで沖釣りに行き、大きなアマダイと大きなベラが釣れました。
アマダイでは歓声を上げた友人がベラを見てがっかりするのです。
それで私がその2尾を持ち帰り刺身にして出した所
「やっぱりアマダイは旨い」と舌鼓を打つのです。

断っておきますがその友人はボートを持っているくらいですから散々美味しい魚を食べつくしており、
味覚が他者より劣っている というわけじゃありません。
それどころかかえって私なんかより美味しい魚の事には詳しいくらいな人です。

「それ、ベラとアマダイが混じってるんだよ」 と言うと大層驚き認識を改めてくれました。

機会を改めて書く事もあるかと思いますが、私は自分で釣った魚は毒魚以外は必ず食べるようにしていました。
食べなければそのままリリースするのです。
でも、遊びで釣るのでもありません。
釣ったら食べる  それを当時、身上にしていました。

だから、ベラでも食べたんだ というのではありません。
その頃は普通の釣り人がまず食わないような魚も沢山食べました。
スズメダイ、ギンポ、ギンダイ、
その後には別の友人がきれいな湖沼で釣ってきてくれたバス、ブルーギルなど。

そしてその結果判った事があるのです。
まずい魚なんていないのです。

適切な調理をされずに不味くなってしまった「料理」ならそこらじゅうにあります。
それは魚のせいじゃ ありません。
人間が勝手に毀誉褒貶して格下だのなんのと気を抜いた料理にして
端から見下げた気持ちで箸をつけるから不味い魚だ となっているんです。

ベラは昔から普通に食べますからその美味しさはよく知っていました。
アマダイと見た目も味も判別出来ないほどです。
ただし魚種による相違はあるでしょうね黄アマダイと白アマダイなど、、。

この手の身の柔らかい魚はウロコをはがないで調理します。
皮付きの蒸し物などでは恐らく包丁で削ぐんだと思いますが良くは知りません。

刺身などでは一気に大名おろしにして皮を引きます。
ウロコを落とす為に皮をこすったりすると身肉がぐにゃぐにゃになり使い物になりません。

大名おろしでさばいた身は柔らかくて弾力があります。

シキシマハナダイ 焼いても、揚げても美味しかったです。
でも、やっぱり刺身が一番向いています。
持ち味が活かされます。

ついで最近ではそれほどでも無いようですが、
下魚の代表の「イワシ」です。
これの新鮮なものは最高に旨いのです。

この日は天丼にしました。
早朝に仕入れてきて、さばき、仕込みをしておきます。
nm 013
新しいイワシはキラキラと光を美しく反射します。

お昼、オーダーが入ってから揚げ、熱いツユにくぐらせて仕上げます。
nr 006

まったくクセもなく美味しく食べてもらえました。

魚に格の上下なんてありません。
それぞれの味わいを活かせばみんな美味しくなってくれます。



人間も魚も同じです。







2009.03.12 マス寿司
さて、いよいよマス寿司に入りますが長くなりそうです。
ここで天然のサクラマスで仕込めばどんなにいいかと思います。
でも、それではいくらなんでも250円では不可能ですしそれに

「え~っサクラマスなんて何処にも売ってないよ~  むかつく 」 って叱られそうです。

ここは塩マスの出番と行きましょう。
これなら全国どこでも手に入ります。 それにぐっとお安いですしね。

カラフトマス系だと思われます。
nrb 002 nrb 009 nrb 008
カラフトマスはかつて塩を入れすぎて大失敗してこの頃では薄塩の冷凍で流通していますからマス寿司にはもってこいなんです。
でも、はっきりいって今度は薄すぎて焼くとほとんど塩が効いていません。
マスは本当に難しいようですね。

このヘタなお絵かきエディタ画像は川魚と海魚の骨格の違いです。

右の海魚が背骨から真横に小骨が伸びているのに比べ
川魚は斜め上に伸びています。
これを骨抜きで一本づつ抜きます。

全魚種ではないでしょうが、川魚を食べ慣れない人が例えば
サクラウグイの塩焼きなどを食べて大いに困惑するのがこの小骨です。
ウグイはY型をしています。

キング(K)もアトランティック(A)も紅も銀もみなサーモン類(鮭鱒類)は同じ骨格です。
ですから、ムニエルなどにするときでも小骨は同様な処理が必要です。
最近よく見かける養殖トラウトサーモンも刺身にしようとすれば同様です。
(しかし面妖なネーミングですね、けいそん を逆読みして「そんけい」でしょうか。笑)

次は塩をします。
そのままでは全く効いてませんから改めてたっぷりの塩で1~2時間
(身の厚さと脂の違いで判断)
塩を洗い流して
次に酢で0.5~1時間 これは冷蔵庫で。

その間に寿司飯を合わせて冷ましておきます。
合わせ酢を炊きたて飯に混ぜて、今なら外で冷やします。

nr 038次は切り身にします。
マスは鮭に比べると皮が柔らかくて丸ごとでは引きにくいので削ぐようにして一枚づつ切り取ります。
厚さは自在ですが、
塩の残り味を見てからにしましょう。
今回はかなり残っています。
やや薄めに切りました。 それでも市販品よりは厚いですよ!  日本旗

nr 039 nr 040
木枠を水に浸して作るかorこのようにラップを敷くかはお好みでそうぞ。
ラップを敷くと切り分けが楽です。
今回は塩味がけっこう残っていましたので胡瓜をはさみ手綱寿司風にしましょう。
nr 041 nr 042 nr 043
一種類のタネで作るなら隙間無く同じ方向に並べます。
複数のタネでやる時には裏がどうなって見えるかを常に考えながら
頭の体操をしつつ並べます。 楽しそうでしょ?

シャリの扱いにはベーカリー用のスケッパーがとても便利で重宝しています。
拝むように形をまとめて木枠の真ん中に乗せ
中心から両端へと広げます。
カメラを持つ手がお留守になっていますがここに右手があると想像してくださいね

nr 044ラップの上下だけたたみ、
落し蓋をして体重をかけて押します。

左右もたたむと空気が抜けないので押しがききません。

さてこれで一応形だけは整いました。
焼くと塩が足らず、脂は皮目にはあるもののいくぶんパサついた感じでした。
切り身にした時点で握り寿司で一個食べても塩と酢のバランスがいまいちでした。
脂の味も全く感じられませんでした。
カラフトマスじゃダメかな?
というぐらいでした。

ではこれでばっちりか?
いえ、残念ながら ここで食べても全く美味しくないのです。
何だよ! TW?って怒らないでもう少しだけお付き合いください。
-A-ここから押し寿司のマジックが始まります。

nr 017
こうして出来るだけ重い重石をかけてしばらく置きます。
富山の旧家に行くと
30cm四方もある巨大な押し型木枠が沢山あります。
お祭りなどで沢山の寿司を作ったんでしょう。
そしてそこには必ずそれ用の専用重石があったはずです。

ただし、これは壁などの転ばない場所を利用して行ってくださいね。
また、モノによっては軽く押したものの方が美味しく仕上がる事もあるはずです。

nr 045 nr 046
無事お昼に間に合いました。
しっかり押しが効いて切り分けやすいです。
ラップもはがしやすく仕事が快適に進めます。

しかし、なんといっても重石のおかげであのカラフトマスの薄い切り身から
(いや、だから 市販より厚いってば  冷汗
脂がにじみ出してきているんです!

じつは押し寿司のマジックとは-A-でそのまま押すのではなく
そこでいったんひっくり返すのです。

つまり形を整えて切り身を並べる事で切り身が飯の横まで回り込みます。
しかし、そのまま強押ししても脂は流れ落ちるだけです。
そこでいったんひっくり返すと強押しでにじみ出てくる脂が飯に染み込む。
こういう事なのです。
そんな作業を楽にこなすのにラップ成形が適しているのです。

お解かりいただけましたでしょうか?
塩蔵冷凍のカラフトマスでも立派に美味しいマス寿司になります。
そこはかとない淡いマスの脂の旨み、味わいを堪能できます。
ぜひ、ご家庭でもトライしてみてください!
面倒だからイヤだ と言う方はウチでどうぞ!
  (いつ とは言えないのが本当に残念です)

nr 050
手前右の一個が切り身の回り込み をしているのがお解かりいただけますか?
どうせならたっぷりと美味しさを味わいたいですよね。

マスにはマスの味があり、鮭には鮭の味わい方がありますがそれを最大限に引き出す工夫を私達の祖先からずっとし続けてきたのです。
最近は脂が乗ってさえいれば「美味しい!」っと大喜びをしますが
それは本当に「味」なのか?  と問いましょう。

中島みゆきさんの歌を引用させていただきます。

愛ではないっ!  それは愛ではない!

それは「脂」です。

本当の美味がまだ在るうちに沢山食べて正しい味覚を培っておきましょう。
それは必ず自身を救ってくれます。
味覚とは最大の自己防衛本能だからです。



甘エビワンタンのあんかけチャーハンはこちらからどうぞ





鮭の方がマスより上だと認識している人が多いのはおそらくイクラのせいではないかと思います。
イクラ=美味しい=鮭が美味しい  となるんでしょうか?
マスの卵はマス子と呼ばれイクラのようにはバラされないで筋子のみで流通します。
主に紅鮭の卵が多いので「紅子」(べにこ)と呼ばれています。
粒は小さくてびっしりと袋に詰まっています。

好みの問題といえばそれまでですが、一般的にはこちらのほうが格上とされます。
イクラは寿司に乗せれば高級になりますが、それのみを食べると大量には食べられなくなります。
それも、適塩であればこそ の話であって
近頃の既製品の醤油漬けはアミノ酸等が入りすぎていて食べられません。

こちらの方が売れるそうですが多分にメーカーの都合が入りまくりの製法だと思っています。
イクラの醤油漬けも塩漬けもどちらも自家製しますが飽きないのは、やはり塩漬けです。
でも、冷凍していても塩漬けは痩せます。
醤油漬けは液体に浸っているだけに痩せません。
これに防腐剤が入っていればメーカーの都合は甚だよろしいものになりますからね。

ではマス子は無事なのか?  というと
残念ながらそれほどでもありません。
紅子などはそれらしく見せるためなのか紅い色に着色されています。
主に輸入されてきた時点で既にそうなっていますが、
これらを食べるのはほとんど日本人だけなので商社がそのように技術指導しているのでしょう?

量は少ないのですが北海道で製造されている無着色のマス子もあります。
タラコなどでもそうですが、色ははっきりいってよろしくありません。
黒っぽいのや、黄色っぽいのや白っぽいのが混じります。
これで当たり前なのですが長年真っ赤なものに慣れた都会の消費者には受けないのだそうです。

タラコでさえ、無着色に見える「自然色」(自然食ではありませんよ)という色で染められているのが現状なのですから。

都市部では売れませんから当然その違いを解って受け入れてくれる町でしか流通しません。
どこか?  といえばそれは漁師町です。
富山県でいうなら氷見市、新湊市、四方、岩瀬、水橋、魚津、黒部などで一部の塩干屋さんなどで売られています。
その味の違いは一食瞭然ですが、
解らない人はまず、大量に食べてみるしかありません。

食通の「開口健」氏は著書の名言で
「大量に食べてみなければ解らない味もある」と記しました。
氏は健啖家としても高名でしたがキャビアを丼に盛って食べて それを語りました。
チマチマと少量づつ食べていると不純な味に騙されやすい事もありますし、
何より長年食べ続けてきた人たちの感覚を後追いで理解しようとするなら、やはりそれは正解なのでしょう。

とは言え誰もが食通を目指す必要はありません。
美味しければ何だっていいのも確かです。
ただ、開口氏の言は実践者としての重みを帯びている と言いたいのです。
解った人しか吐けない言葉です。
その辺の「ぶった」半可通の口舌の徒な評論家風には言えません。



話が大幅にそれました。m(_ _)m
今回は蕎麦でした。
すっかり忘れていました。
私は長々と語りましたがイクラももちろん好きです  と言いたかっただけなんです。
 ハァ? 絵文字名を入力してください アイコン名を入力してください 絵文字名を入力してください 豆7

失礼しました。

蕎麦はその表面がザラリとした食感があるためか油との相性が抜群です。
天ぷら蕎麦の例では「油食い」という表現すらあるそうです。
かつてここでも私流「にしんそば」で書きましたが、
不思議とうどんではそれほどでもない「にしん」の脂が驚くほど良く合います。
これはザラリとした食感があればあるほどよいみたいで
つまり、そば粉の割合が多いほどという意味ですが
それを書くとまた長くなりますので機会を改めましょう。

サクラマスを蕎麦で食べる時に「かけご飯」では不要だった「甘味」が必要になりますので
みりんを少量足してやらねばなりません。
再三述べているようにご飯には充分な甘味=旨みがあるから不用なのです。

例え蕎麦粉100%でも茹でると湯の中に滲出してしまい甘味が足りなくなります。
蕎麦がきでは甘味は不用ですし、蕎麦湯に旨みが多いのもその辺が理由です。
市販の乾蕎麦では小麦粉が多いのでなおさら必要となります。
「小麦粉本来の甘味があるではないか」  という雑音が聞こえてきそうですが
ここはとりあえず、却下ということで。

だからと言って手抜き屋さんのように砂糖を大量に入れる必要はありません。

昆布ダシを火にかけ味をつけます。
具材をにぎやかにする為、葱やしいたけを加えますがもちろん無くとも構いません。

関東風のカエシで作る黒いダシもいいですが、マスの色を尊重して(鱒)
みりん、塩、醤油で整えます。
一杯の蕎麦(汁麺は皆同じ)に入るダシの量は多くて500ccです。
それに必要な塩量はおおむね一定です。
この際言っておきますが色はほとんど問題ではありません。
小さじ一杯でOKです。
繰り返しますがうどん、ラーメン、蕎麦、ビーフン、春雨全ての汁麺はこの塩量で充分なのです。

後はお好みの色に醤油を加えるだけです。
今回は約500ccのダシに
みりん大匙一杯、塩小匙一杯、醤油大匙一杯 とやや濃いめの色をつけました。
うどんなら醤油は小匙一杯が好みの色です。

そこにサクラマスを投入、煮立たせないで火を通します。
nr 025
別鍋で茹でた蕎麦を丼に盛り、ダシを上からかけて出来上がりです。
三つ葉を添えます。

自家製「柚子胡椒」を入れながら味見。
かつおだしほどガツンとは来ませんがあっさりとして
滋味深い奥ゆかしい味わいです。
なるほど、高尚な味に仕上がります。

サクラマスは河に遡上して大河の主になります。
鮎などを盛んに捕食してさらに大きく逞しく成長します。
当然味も数段の進化をとげます。
しかし、最近では川魚漁師さんの投網にも滅多に入らなくなりその数は減少の一途だそうです。

その生息域というか捕食区域は激流の真っ只中。
nm 031
投網では難しいその場所で釣る人がいるのです。

このたくましい尾びれ付近の太さを見てください。
この尾びれが王者の泳ぎを証明しています。
海の魚などではここが細いほど泳ぎが速いと言われています。
代表選手がカツオ。
他にヒラアジ、シマアジ、マグロなどですね。
でも、大河の圧倒的な水量ではそれだけでは太刀打ちできません。
なにしろ、清流域のスネぐらいの深さでも真っ直ぐ進めないくらいの圧力なのですから。
ですから、この尾部の筋肉も締まって美味しいんです。

しかし、人間も白く泡立つほどの激流域に立ち、自在に泳ぐサクラマスを釣ろうなんてのは至難の技です。

それを狙って遠征しても一年に一本姿を見るだけで「大幸運」という位の貴重なサクラマスをいとも簡単に持って来てくれる友人がいます。
Gさんとしておきましょう。
もちろん実際は簡単ではありません。
早瀬を走り回り必死で取り込むのです。
でも、達人の証 として現実に年間数本も上げ続けています。
きごう2大達人きごうとして深く尊敬しています。

今頃は準備に忙しいことと思います。
無事と豊漁を祈ります。

今年も待ってます。お日様



サクラマスの茶漬け(汁かけご飯)はこちらからどうぞ









マスのことをよく知らない人は何故か、はなっから鮭より下的な感覚で見ます。
鮭にも、マスにも種類は沢山ありますから全部が全部とは言いませんが
「おおむね、鮭よりマスの方が美味しいんです」 と言うと
「え”~」という表情をされます。

皆が一様に美味しいと認知する紅鮭は実はマスです。
キングサーモンは塩鮭にすると不適ですがムニエルなどが最高に美味しいですよね?
これも、マスです。
和名はそのものズバリ  マスノスケと言います。

富山では昔から鱒寿司で認知されているハズなのにいまだに誤解が多いようです。

その理由のひとつに上げられるのが
戦後 食糧難の時に北海道の「カラフトマス」があまりに大漁だったため
適切な処理をされない大雑把な不出来な塩漬けで大量に出回った 

ということが挙げられます。
いくら食糧難ではあっても美味しく無いものは苦痛ですから
「マスは不味い」という認識が特に鮭をよく食べる地域に浸透したと言われる そうです。

余談ですが、かつて西日本ではあまり鮭を食べる習慣はありませんでした。

これは、同時期に富山湾が日本の胃袋を支えたと後に言われるようになった「氷見丸干しいわし」などの美味しいものと好対照です。

また、食い物の恨みは恐ろしい という事も今更ながら言えますね。
給食支援をしてもらっていながら「脱脂粉乳のミルクは不味かった」と自分でも言いますから、良く分かります。
不味いものを食べさせられるとこんなにも永く悪評が続く というのは料理人にとっても肝ですね。

しかし、美味しいものを美味しいんですよ と伝えるのもまた使命だと思っています。

日本人は昔から美味しい魚  という時には何をもって判別したでしょうか?
1、刺身で美味しい
2、素焼きで美味しい
3、塩蔵品で美味しい  などです。

ところがマスはこれに当てはまりにくい のです。
確かに刺身には超旨いのですが運が悪いと寄生虫がいます。
それでー20度位の冷凍庫でいったん〆てやらないといけません。
昔は出来なかった話ですよね。

また、漁師さんたちが判別の根拠にする
「素焼きで醤油をかけて食べれば不味美味の差が一番分かる」
これも、マスにとっては不利なテストです。
塩蔵品と同様な理由です。
いわゆる下品なくらいの脂のノリ というのが無いからです。

(逆に言えばここにマスの美味の秘密が隠れていいるのです)

冷凍の出来なかった昔はサバのように塩で〆て酢で殺し、「寿司」にするのが一番だったわけですね。
 
と言う事で、
マスの本当の美味しい食べ方を探してみましょう!

と言うか、正しいマスの美味の壺を理解しましょう とでも言い換えた方が良かったりします。

まず、今の時期から上がり始める「サクラマス」
これは高価です。
ですがこれを食べてみないとマスの味が判りません。
出来れば一匹を丸ごと、無理ならせめて一切れでも買ってみてください。

一番簡単な塩焼きでその味を体験できます。
塩を振り、少し寝かしてからガスグリルなどで焼きますが

ここでご用心!!

皮をつけたまま、皮を下にして焼く
これが最大のポイントです!
脂のだっぷり乗ったサバや肉ではその多すぎる脂を落とすのが目的だから切り口が下でもいいでしょう。
マスの上品で淡い脂を理解するためには少しでも逃さない工夫が要ります。
皮を下にして焼き、皮めに残る脂の味を確かめていただきたいのです。
焼きすぎない 事も重要です。
焼き立てをすぐに食べる 事も重要です。

鮭でも他の魚でもない マス独特の上品な味わいを理解していただけるはずです。
これをガンガンに塩蔵してしまうと損なわれてしまいそうなもろい脂なんだと分かってもらえるはずです。

この脂の美味を解れば塩マスでもかすかなその旨みを探すことが出来るようになります。
同じ焼き塩マスを皆で突付いても解っている人と解ってない人の味わい方には明確な相違が出ます。
味覚って不思議です。

絵や骨董品などと似ているかもしれません。
同じものを見ていても、見えていない事ってありますよね?

さて、生のサクラマスで絶対の美味は?と聞かれれば
私は迷わずに「お茶漬け」と答えます。
塩焼きでは理解できなかったと言う人もこれを食べると目の色が変わります。
意味不明な程の未経験の美味に戸惑います。

実況してみましょう。
nm 031 nr 024 nr 032
これがサクラマスです。
紡錘形の小さな頭がいかにも俊敏さをうかがわせてくれます。
鮭は川に遡上すると命の終焉に向かいますがサクラマスは今の時期河に遡上してから本領発揮し、奔放に大河に君臨します。
まさに王者です。

昆布だしを沸かして塩、醤油少々で濃いめの吸い物程度に調味。
ぶつ切りのサクラマスを投入。
ウロコなんか取らなくなって大丈夫です。
鮭とは違い皮もウロコもとても柔らかいので全く気になりません。
なまじウロコを引くと味を落とします。
さっと水洗いすれば充分です。

nr 033 nr 034
すぐに火が通り、脂が染み出てきます。
左の画像を拡大して見てください。
これが、旨さの正体。
焼きすぎると逃げていってしまう、強烈な個性を持っているのに気弱な脂です。
これを逃がさないで熱々のご飯にかけます。
アラレや三つ葉、ワサビなどを添え物として一応用意しますが実は不要です。

もっと言えば昆布もいりません。
水だけでも充分 未知なる美味に出会えます。
初体験の人は感動するくらいの味です。
おかわりが止まらなくなりますのでご飯はたっぷり必要になります。(笑)
最近「猫まんま」がブームだそうですが、
これは正統派な「汁掛けご飯」として第一級の旨さです。

nr 035


こんな美味しいサクラマスが食べれる幸せを少なくとも富山県人はかみ締める必要があると思います。
というのも、仕方がないとはいえ今魚の価格が低迷して私達消費者はありがたいのですが漁師さんたちが大変な苦労をしているからです。
もっと地物の魚のよさを再認識して美味しく感謝して積極的に食べたいと思います。

もし、廃業でもされてしまったらこんな美味しい魚を食べられなくなってしまうんです。
それは困りますから
微力でも一人で広報活動をさせていただきます。

次回は続いて同パターンで蕎麦を、
その次にはマス寿司の作り方を挙げながら塩マスを美味しく食べる方法を探ります。






9.1.27 024この口の上の釣竿の先についているブニョッっとした物が水中では威力満点な効果を発揮して小魚をおびき寄せます。

TVで見たところ右に左にクイッ クイッ とベテランアングラーのロッドアクションさながらでした。
9.1.27 025
本当に小魚の好む餌らしく見えます。
そこで つい小魚がそれを食べようとやってきた所
この大口でバクリと一飲みです。

9.1.27 026大きな口の中には歯がびっしり内向きに生えています。
良く見ると舌やエラ、喉に至るまで小さなトゲ状の突起がわんさか突き出ていて獲物を絶対逃さない仕組みが出来ています。

不思議なのはその小魚が、ルアーは見えてるのにどうしてその下で待ち構える大口が見えてないのか?
という点です。
もちろんジャングルで兵士が雑草などでカムフラージュでもしたようにアンコウ全体が海草の生えた岩か海底のような形態で目くらましをしている  という事もあります。

でも、私にはその餌食となる小魚がその小さな眼でしか視てない。
つまり、自分の理解の及ばない範疇の脅威が在ることを分かってないからではないかと思います。

私達人間は上から横からTVなどで全体を見て滑稽なしぐさを笑います。

上手に釣りでもするように餌を食べる巨魚。
それは私達人間の世界にもいると思いませんか?

ささやかな景品で釣ろうとしたり、
さも有りなん という映像で釣ったり、
大きな声で指差して釣ったり、

どうやら巨魚はいっぱいいるようです。
背後や足元をしっかり見据えて歩きたいものです。
たいていそんな巨魚は逃れられない仕組みをびっしりと用意していそうですから。





9.1.21 039
氷見の海岸線を走っていた時、
うたた寝するくらいの陽気にたまらずに車を降りて風に当たって一休み。

海草を採る船や漁をする忙しげな船の中で一艘だけ何やらのんびり日向ぼっこでもしているようなゆったりとした風情の船が、。

「荒城の月」で有名な滝廉太郎さんが小学生の頃富山に3年ほど在住された事があるそうで組曲「四季」の中の「雪」は富山の光景を思い出して創ったと言われています。

他にも納涼の歌詞に「ありそ海」(富山沿岸一帯を指す言葉)
などが出てきます。

そんな事を想いながらこんな光景を見ているとあの「春の海」も富山湾の景色だったのでは?
などと思ってしまいます。

春、南風が吹くと太平洋側では波が立ちますが
日本海側ではこのようなベタ凪の鏡のような
 「ひねもすのたりな」海になります。
冬の北風吹きすさぶ荒海から凪の海に変わるとやっと海辺で春を実感できます。



しめ鯖を焼いて焼き鯖の棒寿司にしようと焼いた所、実に良い香りがしたのでチャーハンに仕立てたくなりました。
no 002
普通焼き鮭などで作ると小骨取りが面倒なのですがこれは既に抜いてあるので楽にほぐせます。
塩と酸味と脂とが微妙にからみあって旨みに変化します。
なるほどしめ鯖を焼くとこうなるんですね。

でも焼き寿司は次回に回しましょう。

具はほぐした鯖と葱、コーンとインゲン。
卵と生姜の微塵切りと自家製紅生姜の微塵切り少々。

ここで、私流無添加の美味しいチャーハンをおさらいしておきましょう。

(火力は常に強)中華鍋に油少々を熱し、溶き卵を投入素早くかき混ぜる。
(この時に卵をケチってはいけません。  実に貧しいものになるからです。
ふうわりとした優しい油っこくないチャーハンにするのには多目の卵が必須です。
巷に溢れる硬くてベチャッとした油っこいのはそこが主原因です)


卵に6分目くらい火が通ったら温かいご飯を投入。
お玉を垂直に立ててご飯を突きほぐします。
卵とご飯を混ぜ込んだら塩を入れます。
具を加えて混ぜたらたっぷりの葱を広げて丸ごとひっくり返す。
鍋肌から脂を少量まわしかけて鍋全体をぐるぐる回転させて葱に「焼き目」を入れる。
鍋肌からみりん、醤油をまわしかける。
焦がさない程度に焼きを入れたら全体をひっくり返してざっくり混ぜ込む。

葱と醤油の程好く焦げた香ばしい「焼き飯」の出来上がりです。
仕上げに醤油をほんの申し訳程度にふりかけてすぐに火を落としただけでは全く風味が出ません。
「焼き」を入れなければ美味しいチャーハンにはなりません。
(エビ、カニなどの海鮮系は全く別誂)

さて、今回はあんかけですから塩分は半分にしてあっさりとした味でまとめます。
あんかけの具は「アマエビのワンタン」
久しぶりに作りました。
アマエビの栄養を全て取り込む為に、「脱皮エビ」を丸ごと挽いたアスタキサンチンのワンタンです。

詳しくはこちら
塩スープに浮かべればそのままワンタンです。
no 011 no 007
中には身抜きのアマエビを一匹ずつ入れてありますのでエビの風味絶佳といったところです。
ただし、これは醤油には合いません。
風味が負けてしまいますので、塩味でまとめます。
今回はシロエビとフキノトウのかき揚が小鉢。

キノコをたっぷり入れて調味したら片栗でとろみを付け、卵白を混ぜます。
茹でたワンタンを混ぜ込み、仕上げは鶏油でコクを出します。
ジャーに入れて保存。

オーダーが入ったらチャーハンを作り、あんをかけて完成。
チャーハンは作り置きできません。
菜の花をあしらってこんな感じです。

no 035

美味しく出来ました!
見た目よりあっさりとした薄味でするすると口に入り朝から食べ過ぎてしまいました。  

鯖とアマエビのワンタンとで補い合う、重なり合う味わい とお好みのラーメンでお昼を出しました。
この日もきれいに食べていただきました。

感謝。


前回の小まとめ記事はこちらからどうぞ
2009.03.07 新湊港
富山ではどこの港の魚も美味しいのですが、
中でも自他ともに広く皆認めるのがトップブランド「氷見港」の魚です。
魚の扱いの丁寧さと魚種、量等などずば抜けてトップクラスでしょう。

次に私はその新しさから「新湊港」の魚だと思います。
そして肩を並べるようにして「滑川」「魚津」などがあります。

ここで少し新湊の珍名さんの話を書いてみましょう。
TVなどでも紹介されていますからもうご存知の方も多いでしょうが。

「湊さん」  (みなとサン)
「釣さん」  (つりサン)
「風呂さん」 (ふろサン)
「桶さん」  (おけサン) などが有名です。
風呂さんの家と桶さんの家が並んでいるそうです。

新湊高校が甲子園で勝ち進んだ時の実況で
「ピッチャー釣 キャッチャー釣」  と二人の名前が連呼されたのは今でも語り草。

そんな話を聞かせてくれたのは
波 タカシさん。 (公開許可受諾済み)
高志さんとは書かないそうですがカタカナ表記にしておきましょう。

波が高いと聞くと粗暴な印象を持たれるかも知れませんが
いえいえ、とても穏やかで温厚な良きパパで、可愛い女の子沢山
(こだくさん)
なご家庭を持つ古くからの常連さんです。


さて、この新湊の魚が何故新しいのか?というと
地形に恵まれているからです。
漁場と港が近い。
例えば「バイ貝」では 2,3泊してこなければ帰って来れない所もあります。
「カニ」では東北まで足を伸ばす所もあります。
ところが新湊ではその日のうちに水揚げがされます。

ここまでは普通ですがここの凄いところは朝と昼の2回セリが行われるところです。
とにかく新しい。
普通に魚屋さんの店頭で魚が跳ねているのです。
ですから〆ても血抜きがしやすいんです。
最近は定置網が上がったせいで量は少なめですが
そんな新鮮な魚の美味しさを表現するのに最適なのが寿司。

不器用ですが握ってみました。(あくまでも主役は魚)
takaoka 160
ハタハタです。東北産に比べるとやや脂が少ないですがお刺身になります。
nikon-2 024 nm 018 nm 024 nq 007
左からハタハタ、マイワシ、アジ、サヨリとカタクチイワシ。

最近はイワシの水揚げが多くおかげで家内の郷里鹿児島の「キビナゴ」風の黄身酢かけを作れました。
カタクチイワシも新しいと刺身が一番美味しいようです。
先日お昼の小鉢にカタクチの酢洗いを作って生と味の比較をしましたら刺身の方が旨いと言われてショックでした。
新鮮さが命ですが、料理人も負けてられませんね。

nq 013

2009.03.06 雪山の画像
今年は雪が少なかったので冬景色というにはちょっと黒っぽい画になりました。
9.1.28 038
この頃はまだ少し残っています。
9.1.28 008 9.1.28 010 takaoka 021
これは雨晴海岸からの御馴染みの景色です。
amaharasi 029
だんだん雪が少なくなっていきます。
ni 016

nikon-2 108 ni 029wx 026
そろそろ山菜の始まりです。
np 052




またまた日替わりミニ丼の画像が溜まってしまったので一挙掲載です。
例によって全品250円 小鉢付き。
ただし、ラーメンとセットでのご注文となります。

ni 004能登カキのチリソースかけご飯です。
今年の能登牡蠣は身が大きくぷっくりとしています。
辛味を抑えて小辛で。
小 とは小学生でも食べれる程の辛さという当店での表現です。      

nj 013これも能登牡蠣の醤油煮込みかけご飯。
中国料理ですが食材には国産しか使用していません。
紅焼(ホンソウ)という調理です。
これにはスープを使わないのでご家庭でも簡単です。

9.1.27 008特殊な豚肉でトライした、
中華丼ですが、汁気を極力抑えてアンかけではないスタイルで。
具を多目にしてザッと強火で作るのがコツ。

9.2.5 036小鯛の押し寿司です。
小鯛は淡白なので、シャリの間にマグロふりかけを仕込みました。

邪道だとお叱りを受けそうですが、
9.2.5 042ラーメンに合わせるのなら
これ位がちょうど良い感じです。
最近はお絵かきをするのが忙しい朝の楽しみです。
魚の絵を描くのも楽しい(美味しい)仕事。

9.2.5 027ポチそぼろ丼。
従来はそぼろ目玉丼と目玉焼きでやっていましたが、ポチドエッグがよろしいようです。
肉には植物油が合わないんじゃないかとますます思うようになりました。

9.2.5 003月見鶏すき煮丼です。
これもジビエではありませんが鶏油で焼いてから作ります。
半熟卵の加減に気をつけて仕上げます。
潰れてしまったら悲惨ですたらーん

don 008パエリャ。
この日は冷凍ながらムール貝が安く手に入ったので
その他の魚貝と合わせて作りました。
ホタルイカやガスエビが入れば
「富山湾の」と冠がつきます。 にょろん

ww 002煮込みハンバーグ丼。
ダシはガラスープ。
味付けは和風。
仕上げはブラウンソース。 
それらを結びつけるのが鶏脂。
しっかりとコクがあり、くどくなく もたれません。

ww 017またまた能登牡蠣。
これは「牡蠣のおぼろ丼」
しっかりと火を通して卵でとじました。
牡蠣は亜鉛が豊富、男の元気の源ですが
これが不足すると味覚オンチになるそうです。
冬には積極的に摂りたい食品です。


おかげさまで好評をいただいております。
いつかリクエストセールを実施したいと考えています。
こんなメニューばかり毎日考えて過ごせる幸せをお客様に還元したいと思っています。



自然薯とろろご飯はこちらからどうぞ

2009.03.03 トビの巣作り
nq 001
昼 海辺を走っていると、車の中からトビが草切れを咥えて飛んでいるのを発見。
あわてて停車し、カメラを構えて待つ事しばし ぐるぐる回ってようやく巣に入りました。
まだ営巣中なのでしょう。
警戒してストレートに巣に向かわないのは野生の本能。

でもバレバレなんですってば!ウゲロくま・汗

雄雌がつがいで協力して巣作りに励む姿は立派です。
最近では人間でもそれを放棄している人が多いのが心配なのです。

でも、茶化すわけではありませんが
富山県宇奈月下立地方にはこんな言い伝えがあります。

「トンビが巣作っているような~」

トビはセキレイ、スズメに比して非常に乱雑な巣を作る。このような生態を踏まえて下立では乱雑で始末の悪い状態を指してこう言います。
引用 ー桂書房ー 『猟の記憶』 森 俊著

残念!
いまいち丁寧な仕事が出来ないトビ君 頑張って!harutyan01


おそらく弱肉強食の上位にいるから  と思われるその無警戒な習性
『人間にもそっくりそのまま当てはまる』 となんだか同意してしまいそうな
怠惰な自分がカメラのこちら側にいます。

ご用心 と声に出して巣に戻った所でシャッターを押します。
もちろん
「トンビが巣こっしゃえとるみたいな」 状態が常の我家には彼を非難する気など
毛頭ございません。





9.1.30 013
岩瀬の「酒の田尻本店」と言えば土蔵造りの有名な酒屋さんですが、
この向かいに小さなお店がポツンと開いています。
小説の題名から取った名前を冠したこのお店では手作りの安全な食事が頂けます。
9.1.30 010 9.1.30 011

店主の早山(はやま)さんは健康志向のお店で修行の後、この港町を選びました。
家庭的な雰囲気の中で優しい食事を摂ると栄養が体にしみこんでいくような不思議な満足感に包まれます。
IMG_7315.jpg 9.1.30 015 9.1.30 016

前回は食事でしたが
この日は自家製のアップルパイとコーヒーを頂きました。
9.1.30 019 9.1.30 018 9.1.30 021
真ん中の小さな小さなクッキーが笑わせてくれて
小さな贅沢感を感じます。

「ぱっかん」とは「ポン菓子」の事で店舗同居の形を取っていますが
実際はその他の健康食材と一緒に並んで店内で販売されているわけです。

ここで販売されている無添加のワカメのふりかけは家族の大好物となっています。
こんなに美味しい既製品は本当に久しぶりです。

食事も手作り感溢れる安全なもの、ケーキもコーヒーも美味しい雰囲気も良い。
ひとつだけ困った点があるとすれば、
こことウチの定休日が同じ火曜日だという事です。

日曜日がお休みのほとんどの人が日曜定休のお店に行けない様になかなか顔を出せません。
この点が唯一困った所です。
その代わり楽しみでもあります。
家内と「今度はいつ行こうか」と話します。
安心しておすすめします。

こんな正しい方向に針路を定めたお店をささやかでも応援したいと思います。
酒店隣の慶集寺の駐車場が駐車可能なスペースです。
9.1.30 012