ヒラタケはよく解らない奴です。

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ヒラタケを初めて採ったのも10年ぐらい前です。
能登では見たことがなかったキノコです。
夢中になって採り回りました。
嬉しくて金沢に住む姉にまで送りました。

ところが興奮が冷めてみると全く美味しくないことに気が付くのです。
大いに落胆し、栽培種のヒラタケの方がよほど美味しいと思い
採ることをやめました。

マイタケ名人のYさんも採らないと言います。
誰かのブログでも栽培品のほうがよほど美味しいと書いてありました。

マイタケ名人がムキタケやヒラタケに目もくれないのは
なにもそんな雑キノコを見下しているばかりでは
ありませんが  ま  その話は項を改めましょう。

昨年は沢山の種類が採れたのでその勢いでヒラタケも
久しぶりに採り、焼いて食べてみました。
今までだったら絶対にやらないだろう調理法で
しっかりと確かめたかったからです。

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これが意外や美味しかったのでその後のヒラタケ採りに
エンジンが回る事と相成った次第です。

ヒラタケは栽培種が沢山出回っていますからどなたもご存知の
キノコです。
でもこの二枚の画像で色が違うのがお判りでしょうか?

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市販品はどちらも美味しいのですが
天然の場合は堅果類木に出るのは黒っぽいタイプが多く
柔らかい雑木に出るのは白っぽいタイプが多いように
見受けられます。

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黒っぽいものより白っぽいものが出がよろしいようで
盛大にわんさかと発生します。
この場所のものだけで恐らく山菜リュック一杯になるほど
出ていました。

恐らく  というのはここでは採らなかったからです。
そう、先ほどの黒っぽいタイプは焼いて食べても旨かった
のですがかつて狂喜乱舞した美味しくないのが白っぽい
タイプだったのです。

触った触感も異なります。
まだすべてのタイプを知り尽くした訳じゃありませんから
今はここまでしか書けません。

しかし、市販品は白、黒どちらも美味しいことからすると
収穫量と味わいといかに研究しつくされているかが解りますね。

実は食材としてのヒラタケは「オイスターマッシュルーム」と
いう名で缶詰めなどでも流通しています。
中国料理店でも多用されています。

ですから
生のヒラタケも応用のしやすいキノコです。
揚げ物、炒めもの、煮込み、鍋物と多彩です。

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が、
残念ながら主役にはなれないのが痛いところです。
所詮は雑キノコといったら可哀想すぎますが
これがキノコ番付のある所以といっておきましょう。

パスタで

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イカと漬け菜と炒めもの

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シイタケと属が近いそうでして
乾燥して保存することも可能です。
水で戻すと旨みが増すように感じられます。

昨年は久しぶりにヒラタケを沢山採り、食べました。
そして未成熟な結論。

黒っぽくても美味しくないのもあります。
ヒラタケは良く解らない奴らです。

もっともっと沢山採って食べないとこれ以上は
判らないのでしょうが果たして続けられるのか
ちょっと自信がありません。

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最近の温暖化の影響からか身近な公園や里山に枯れ木が
多くなったおかげでどこででも採れるようになりました。

でも見間違えやすいキノコにツキヨタケという毒菌があります。
採取にあたってはネットなどで十分それらの特徴を予習してから行ってください。


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10年ほど前 青森の知人から送られてきたキノコの中に
「ムキタケ」が入っていました。
それが初の遭遇でした。

「なかなか見つけられない美味しいキノコなんだよ~」
とのことで鍋物にして美味しく食べました。

これが今年大発生していたのです。
温暖化のせいだといわれているカシノナガキクイムシ
これが枯らせた木から出るのです。
ほぼ10年でこんなことになってしまいました。

>なかなか見つけられない
どころかどこにでもあるキノコになっているんです。

マイタケ採り名人のYさんが
「ムキタケは採ってるのか?」と尋ねます。
「もちろん! Yさんは?」と問い返すと
「採らない、だって美味しくないから」
との答えです。

そりゃ確かにマイタケのような優良菌と比較したら
何だって採る事さえあほらしくなるのは無理もないけど

「だって味が無いだろ?」

とまで言われて
そういえばムキタケそのものの味を未だ確認していない
事に気付いたのです。

でも、キノコの味って何だろう?
普通は雑木林の匂いというのが一般的です。
それは”味”ではありませんよね?

あるキノコ名人が語るには
「キノコそのものの味見はホイル焼きが一番」
だそうです。

なるほど
そうやって味を確かめると風味も旨みも乏しいような気がします。
今まで何年間も”採れた!  嬉しい!”という
感覚に騙されすぎていたかも知れませんね。

でも、鍋で色んなキノコや食材と一緒に食べていた時は
美味しかったのに・・。

で、試してみました。

まずは天ぷら。
美味しいのは美味しいのですがキノコ独自の風味は弱い。
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そこでそれを蕎麦に浸して食べるととても美味しいのです。
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成程、少し見えてきました。

もう少し確かめるためにコロッケに仕立てます。
肉たっぷり入った芋生地を挟みます。
ムキタケは厚みがあるからこんな事が簡単に出来ます。
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これも芋はいくら美味しくてもフライ部分のキノコは
さっぱりなんですね。

解りました。
やはりそういうことでしたか!

これは美味しいスープやダシを染み込ませないと
美味しくならないキノコなんです。

そうして作ったのがこちら
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鶏肉を挟んだムキタケの紅焼(ホンソウ)
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これはうまい!
絶品です!

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美味しいスープを吸い込んだムキタケが味を倍加させてくれます。
不思議なキノコですね。

私たちはキノコというと焼く、揚げるかキノコ飯のような
キノコ料理といったものに
そう型にはまったモノに仕立てようとしてしまいがちですが
それぞれの特質を活かした料理を探してはめ込んでやる工夫が
必要なんですね。

またひとつ勉強です。

タラの頭と煮込んでみました。
タコとタラのマリナーラソース煮
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豆腐と煮込んで昼のミニ丼で
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キノコは不思議です。
味の良いキノコ
味はさほどでもないが食感の良いキノコ
食感は良くないがダシの良いキノコ

香りのよいキノコ

など色々ですがそれぞれに適した調理法を与えて
やらなければいけないようです。
これは奥が深い!

採る楽しみのほかにもう一つ楽しい宿題を抱えてしまいました。







2014.01.11 キノコの話ー4
キノコ採りにとっては常識ですが
普通、採れる場所は絶対口外しません。
能登ではキノコのポイントを”アド”と呼び厳しく守られます。

家の息子はキノコ採りに連れて行っても娘は連れて行きません。
昔は近隣集落に嫁ぎましたから婚家で漏れる事を避けたのです。

なぜそこまでしたのかというと
キノコは場所さえ判ってしまえば誰でも簡単に採れるからです。

これが魚釣りだったらそうはいきません。
たとえポイントがばれてもテクニックやタイミングそれに
適合餌などが伴わないと誰にでもとはいきません。

そこで万一にも娘さんが山に入りたいと言い出さないために
能登ではおどろおどろしい恐怖な話が沢山あります。
どこそこの娘さんが山で大きな蛇に遭遇して・・・・
などといった話です。

子供の頃は本気で信じていました。
その名残で未だに溜池は近寄りたくないというトラウマを
抱えています。

能登はたおやかな山が多く、簡単に入れるので
キノコ採りはとても盛んでした。

ですからー2で述べたような”アルニヨ”事例が多くあったのでしょう。

有峰のアルニヨはキノコを横取りしながら
「これはなんというキノコなんだ?」
「食べれるのか?」
と知識まで要求しましたが能登でキノコ採りをする人は
それが美味しいキノコであることぐらい先刻承知ですから
当然、揉めたのでしょう。

「ここは私が先に見つけたんだから手を出さないで!」
と宣言する律を設けたのです。

無理もないですよね
女子供だけでキノコを見つけた!
さあ!採ろう!
という時に  「アルニヨ」が横取りに出張ってきたら
どう対応出来ますか?

「ここは私達が見つけたんだから取らないでッ!」
と言えば
「あぁそうか分かった」
と言うでしょうか

たぶん言わないと思います

きっとこう言うでしょう

「なにぃ!」
「この山のキノコは全部自分の物だとでも言うのか!」

そう、マナー知らずに対抗するにはしっかりとルールを
作るしかないのは時代を超えて必要不可欠なのですね。

採る権利や採る自由などと言ってる場合じゃないです。

そんな公設ルールの魔法の呪文が
「まいた!」
というものです。

どんな恐ろしげな親父が
「ほう! どれ俺にも採らせろ!」
とか
「ここは先に俺が見つけていた場所なんだ」
などと言ってきても無効にできる最強の言葉です。

この「まいた!」の語源は恐らく漁業の網を撒く
という意味合いだと思われますが、
能登特有の宣言でしょうね。

長崎にもよく似た決まり事があるそうです。

こちらはキノコ採りではありません。
秋になると砂浜に袖イカという巨大なイカが産卵行動で
接岸するのですが、全長1m重さ十数キロにもなる
イカは一人で取り込むのは大変です。

周囲にいた人が手助けするのでしょうね。
そして後で揉めたのだと思われます。
そこで出来たルールが
「最初にタッチした人に所有権が生まれる」というもの。

獲物を前にすると本性が顕れるのはどこでも同じですね。

話がずれてきたので戻しましょう。

キノコのポイント”アド”を知っていれば簡単に採れる
でしょうか?
いえそれははっきり言って甘いです。
甘すぎます。

アドを守るというのは実は大変な労力を伴うのです。
車のなかった昔、
朝の暗がりから近所の人に気づかれないようそっと引き戸を
開けて足音を忍ばせて家を出ます。

途中、何度も後ろを振り返りつつ歩み
山に入る時には出来るだけ朝露を落とさないよう
蜘蛛の巣を払わず腰をかがめて進みます。

これでお目当てのキノコがまだ出ていなければそっと
引き返し何食わぬ顔で一日を過ごします。

もし、出始めたらさらに大変です。
望みの大きさに育つまで気が気じゃありません。
毎日様子を見に行って見つからないように隠します。

いざ収穫と言うときには
採った後を判らないように木の葉で隠してこなければ
なりません。

普通は採れれば採れたで、また採れなければ採れなかったで
誰かに話したいものですが禁句なのですね。

また、採る事には誰しも熱中しますが
採った後などは無頓着なものです。

ですから大勢が入る山では探索した形跡が
ごまんと残っています。
毒キノコがひっくり返っていたり足跡がついていたり
落ち葉を盛大にひっくり返した後はキノコを採った証拠でしょう。

ここまででもうんざりするくらい大変なのですが
もっと大変なのが骨折や病気などで入院した時です。

シーズインなのに身動きできないとなると
もうこれは毎日が拷問です。

誰かに見つかってはいないか!
誰かに採られていやしないか!
そして一番恐ろしいのが
「荒らされていやしないか」という点です。

あるマツタケのポイントがありました。
割と知られたポイントでしたからアドとは呼びません。
アドとはあくまでも(自分だけの場所)だからです。

その場所はそれでも数年間は採れました。
ところが、急速に出なくなりました。

松の落ち葉はまるで箒で掃き清めたように地肌が露出し
さらに地肌の赤土は鎌で至る所引っ掻いたようになっていました。

マツタケは地中に横たわって成長し、少し大きくなってから
地上に立ち上がります。
名人は目星をつけた枯葉の上からそっと抑えて探しますが
素人は見つけられないと手当たり次第に地面を引っ掻いて
地中に横たわっている幼菌まで採ろうとするのです。

たまにまぐれでそれに引っかかると赤土の中で白く
傷が発見されるからいやでも判りますが
何しろ小さいからいくらでもそれをやり続けて
とうとう菌が死に絶えてしまうのです。

これが”場荒れ”です。

病院から出ると真っ先に”アド”へ直行して安否を確認する
などという笑えない話も無理からぬところです。

富山市内の某山でシバタケがそろそろ出ていないかと
様子を見に行った時のこと
もう7,8年前でしょうか?

出ていないので帰ろうとすると奥の方からお父さんが一人
出てきます。
「何を採ってるんだ?」
「シバタケでも出ていないか見に来たんだ」

「そりゃまだ早いな」
「お父さんは何を?」
「ふふふこれだよ」

とポケットから小さなマツタケを二本出して見せるのです。
あぁよかったね
と別れて帰ってきましたが。

私がマツタケに執着しない人間だったからよかったものの
能登では、しかも鼻の利く名人だったなら
たちまちばれてしまいます。

アドは大切にしましょう。

もっとも
現代では芝を刈りに山に入らなくなり
良いキノコがぱったり採れなくなりました。
それに加えて出かけるときには大抵現場直近まで車です。

見る人が見れば
『オォッ あそこの山では今○○が採れてるんだな』と
すぐにばれます。

アドを守るのも一段と難しくなりました。





2日も雪が無く小雨から曇り空に変わり穏やかな天気です。
こんな優しいお正月は久しぶり。

よし!今年は久しぶりにエノキだ!

麺打ちの合間を縫うようにして近くの河原にエノキ茸を採りに
行きます。

エノキ茸は洋名を「ウインターマッシュルーム」といい
冬のキノコなんです。
雪の中でも発生し、成長すると言われていますが
雪国では積雪があるため冬季の採取は出来なくて
雪が溶けてからの早春が適時とされています。

でも雪が無ければ見つけにいかない手はありません。
チャンスなんですから。

朝早くに麺の加水と寝かし、それに一回目の打ち込みを
終わらせて出発です。

冬の初めに一度積雪があっただけで河原の草は
すっかり押しつぶされていますが
野バラの茎は負けていません。

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まるで映画「大脱走」のスティーブマックイーンが
終盤バイクごと絡みつかれてしまった有刺鉄線のように
体や長靴に絡みつき非常に歩きづらいですね。

でも枯れ木を見つけては探索  と繰り返すうちに発見!
第一エノキです。

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エノキはこの「アカメガシワ?」の木によく出ます。
ここは土手の改修整備時の材が沢山転がっているので
好ポイントになりそうです。
でもこんな切って間もない新しい木には出てきてません。

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菌そのものはかなり在るようで道端のこんな小さな小枝に
まで発生しています。

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今年の冬までにまた広がるでしょう。

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天然のエノキの見分け方の特徴である足を見てください。
そう、茎がまるでシャム猫の足のように下に向かって
黒くビロードのようになっているんです。

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この時期にも他のキノコはいくつはか出ていても
この点において見間違えるようなものはありませんから
比較的同定のしやすいキノコです。

でも小さいので量が採れません。

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3時間歩き回ってたったこれだけです。
でも大満足!

山では前回積もった雪が凍ってその凍結路を
剛の者がまだキノコ採りに駆け上がって行っています。
私の車では到底無理!

せいぜい谷底に転落する心配のない河原くらいです。
楽に簡単に沢山採りたい人にはつまらないエノキでも
私にとってはやはり自然の恵みです。

料理か味噌汁の一回分にしかなりませんが
冬の味覚を楽しみましょう。

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こんなのもあります。
フユイチゴ
木イチゴの中では美味しい方だと言われています。



2013.12.30 キノコの話ー3

前回は主に木または木質部から発生するキノコでしたが
今回は土から出るキノコです。
とはいえ
こちらも木と密接な関係があるそうです。

土から出るとはいってもやはり木の子なんですね。
その代表がマツタケ、ご存知のようにアカマツ林に出ます。

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アミタケ、地の呼び名ではシバタケです。
他にハツタケ、アカハツ,オウギタケも一緒に採れました。

土の中に菌本体が生息していて時期になると地上部に
子実体として発生する仲間です。

私達が目で見ているキノコとは本体ではなくむしろ木や土の
中にいる菌糸が実体なのだそうです。
見たり食べたりしているキノコはお年頃になって出てくる
一時的な姿だというのです。

驚きですね!
キノコとはなんと奥深い奴なんでしょうか!

その奥深さに魅入られてしまい顕微鏡で観察するマニアが
大勢いらっしゃるというのも無理ありません。
もっともそこまでハマルと食べることにあまり関心を
示さなくなるそうですから私とは方向性が違うようですね。

さて、このタイプの仲間にも色々な種類があります。
前述のハナイグチ同様、カラマツ林の大好きなキヌメリガサ
これには今年、泣かされました。

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発生時期は晩秋。
カラマツの落ち葉の中から一斉に萌え出ます。
名前の通りややぬめりがありますからびっしりと
落ち葉がくっつくのです。

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それに小型なのはしょうがないとしても繊維がもろいので
こうして一個づつピンセットでつまんで掃除をするのです。
しまいには目が痛くなりました。

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ついた別名が「コンキタケ」というのも成程です。

ところがこれには続きがあります。

鶏肉とこれの炊き込みご飯を昼に出したところ
どこにあるのか入れた当人にも判らないほどなんです。
これには泣きました。

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でも、味は良いので来年には道具を工夫して
収穫倍増を目指しましょう! 
キノコ採りはめげないのでした 


土から発生するキノコでは生まれ故郷の能登の経験が豊富。
例を挙げるならマツタケ

マツタケ
と聞くとキノコ番付的には誰しも横綱級と思われるでしょう。

でも、驚かれるかも知れませんね。
能登ではマツタケはせいぜい大関クラスです。
いえ
もちろん採れたら嬉しいし、その翌朝家の中に充満する
マツタケご飯の匂いで飛び起きするのはもちろんなんです。

魚には番付が不要と言い続けている私ですがキノコには
歴然とした序列というか番付があります。

シバタケ(アミタケ)が平幕なら
アカタケ(サクラシメジ)が小結
マツタケクラスが大関
準横綱がジコ(コウタケ)
そして正横綱がホウキタケの一種のコノミタケです。

もちろん番付外の雑キノコもその他大勢です。

昔、能登一帯にパイロット事業という名の嵐が吹き荒れ
柴山を刈り取りブルドーザーで切り崩し
栽培栗を盛んに移植しました。

今はどうなっているのか私は知りません。
能登の焼き栗が全国を席巻したかどうかは聞いたことがありません。

覚えているのは
コノミタケを二人で採りに行った時の
母の絶望の悲鳴だけです。

むき出しの赤土からは
もうここが楽園ではなくなったんだという匂いが
立ち上がりなかなかその場を立ち去れませんでした。

威風堂々としたカタチ、どっしりとした株、縮れたような
葉先はうっすらとピンク色を帯びて
根元周りの心地よい歯ごたえは天然マイタケにも勝り
かぐわしい香りはマツタケなんぞ足元にも及びません
まさにキノコの王という称号が相応しいコノミタケ

その後は採ったことがありません。

木とその周囲の環境を変えてしまっては木ノ子は出なくなるのです


2013.12.27 キノコの話ー2
私たちはキノコと呼びます。
でもキノコっていったい何なのでしょうか?

そこでこんな文字をご紹介しましょう。
木の子
そう、キノコというのは木と密接な関係があるのです。

例えばカラマツとハナイグチなどのように共生とさえいえる
密接な関係があるキノコ。

つまりキノコを採りたければまず木のことから勉強する
必要があるのです。
当て字でもなんでもなく本当に木の子供というわけです。

そこで分厚い樹木の本を求めてきたのが3年前。
ところが、これがほとんど役に立ちません。
やはり山に分け入ってこの目で学ぶのが一番ですね。

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今年こんなキノコを見つけました。

これが有名な「クリタケ」。
とはいえ私は初めてお目にかかりました。
能登では見たことがありません。

これを採って林からよろめき出た私の前に一台の車が
急停車します

あたふたと降りてきたおじさんが
「これを見てくれないか」と
トランクから取り出したのがまさしくおんなじクリタケです。

今年はこれの発生が有峰では多かったようで
同じ時期に同じような生育過程のクリタケを見て思わず笑ってしまいました。

「私も今しがた同じものを採ってきたところ」
と告げるとおじさんいかにも嬉しそうに大急ぎで
帰っていってしまいました。

これは雑木林の中の枯れ木の多いところで見つけましたが
残念ながら今年はこの一株だけでした。
クリタケはいわゆる木から出るキノコです。
枯れ木または地中に埋まっている木質部に住み着いた菌ですね。

ナラタケなどもその仲間です。

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森のお掃除屋さんと呼ばれていて
枯れ木や倒木を食べて分解してくれます。

ハタケシメジもこの仲間

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これも一株しか採れませんでしたが
美味しいキノコです。

有名なところではマイタケ、ブナシメジ、ナメコ
ヒラタケ・・他にもこの仲間は沢山ありますが
今年お目にかかったものでは
チャナメツムタケが特に印象深いものでした。

あこがれのキノコを初ゲットですが、
毒キノコと間違えやすいので画像は出さないでおきましょう。


キノコ菌がいなければ森や林の中は枯れ木や倒木だらけで
歩けなくなるでしょう  と言われています。

有峰の林の中は露出した土がないほど幾重にも
倒木や分解された木質部が折り重なっていますから
この仲間が大喜びでコロニーを形成しているとみえ
多いところではさながらキノコパラダイスとなっているそうです。

でも、
木を食べる菌は腐朽菌とも呼ばれています。
中には元気な木にまで取り付き枯らしてしまう強い菌まで
いるのです。
私たちにとっては森の恵みでも、
林業関係者にとっては厄介な代物のようです。

そうそう
ハタケシメジで愉快なことがありました。
有峰は常に道路整備をしていて工事区間によっては
長く待たされることがあります。

ある時、
待ち時間が長いのでふと横の斜面に目をやると
交通整理をしている作業員の後ろ、急斜面からハタケシメジが
貌を出しているじゃないですか!
即、車を飛び出し急崖に張り付き採りだしました。

作業員が呆気にとられるのも構わずにやっていると
なんと!
私の前に停車していた車からも人が飛び出してきて
私のすぐ横で採り始めて言うのです。
「ここにも有るによ!」
(ここにも あるじゃないか!)

これには私の方が呆れました。

普通はこういう場合は遠慮するものですが
自分も採らねば損をするような気がしたんでしょう?

この後
私たちはこのような人種を『アルニヨ』と呼ぶことに
決定しました。


いっぽう、土から出るキノコもあります。
これは能登でも見かけます。
長くなりますから次回に続けましょう。

大げさな言い方をお許しいただければ
キノコ採りは人間の根源の欲望を呼び覚ますような
喜びを伴います。

宝探しのような
と書きましたが実際はそれよりももっと生々しい
食欲に根差した渇望です。

私は子供の頃から生活をかけて
かつ
食欲と数少なかったレジャーの一環として
キノコ採りを生活の一部として取り込んできました。

小学生の頃
夏休みが終わり涼しい風が吹き始めると学校からの帰途
道草ならぬ道ゴケとばかりに藪を覗きながら帰ったものです。

そうして道々シバタケを採り、すすきの穂に刺したものを
持ち帰ると夕食には味噌汁となって食卓に上がってきました。

未だに忘れられない楽園のような思い出です。

キノコ採りを思うにつけ
それは単なる山菜取りや魚釣りなどの野遊びと同列に
置けない自分を不思議に思うほどです。

物心ついた時からの親に刷り込まれた部分も相当ありますが
やはり私自身食い意地が張っているせいだと
この際正直に認めて白状しておきましょう。

不思議なものです。
河には魚が、海には魚が
野山には山菜が、そして立ち枯れの木からはキノコが出るのです。

見渡せば周りには天然自然の食べ物達が
人間の手を待っているように佇んでいるんです。

これはやっぱり採らなきゃだめですよね?
食い意地も張ってくるってもんです。





2013.12.15 キノコの話ー1
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子供の頃は秋になると親たちとキノコ採りに行きました。
大きくなり勉強や部活が忙しくなると行かなくなります。
それをこの年になり後悔しています。

もっと沢山のキノコについて教わっておけばよかった。
もっとポイントをしっかり覚えておけばよかった。

失ってしまった楽園を懐かしむような気持ちです。

もうふた親は無く、美味しかった味を共に懐かしんだ次姉も
おりません。

今では故郷の山に入っても浦島太郎さながら
たまに見つけられるのはありふれたものばかりです。

ところで、
私はこれまでブログ上では極力キノコの事には触れないように
してきました。
毒キノコと間違われたりするのを避けたかったからです。

キノコは出始めの幼菌→成菌→老菌と
色や形が変化し、また発生する場所や時期などによって
様々に変化しますからなまじ一瞬の映像を見せると
間違いが起こりやすいのです。

ここ最近はもっぱら有峰にばかりキノコ採りに出かけていて
間違えそうなものとそうでないもの
等々画像が少しだけ揃ってきましたのでそこのあたりを
用心しながら食べ方と一緒にゆっくりとご紹介したいと思います。

故郷のキノコとは種類も味わいも別物ですが
キノコ採りの宝探しのようなわくわくする楽しさは同じ。
昔と違って量は沢山採れませんが、楽しみ方は学んできました。
果たしてそれがどの程度お伝えできるか・・・。

有峰のキノコ採りはハナイグチから始まります。

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もっともこれは私の場合であって
キノコ全般でいうなら早いものでは梅雨の頃から採れる
ものもあるそうですからここでは道路の開通時期全てが
キノコシーズンだと見ることもできます。

ハナイグチはカラマツのある所にしか発生しません。
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幼菌の可愛い姿、やや傘が開きかけた姿はまるで絵本に
描かれるキノコそのものといった風情で見つけた瞬間に
思わず声を上げてしまいます。

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多い時にはこうして丸くコロニーをなして出ます。
これをフェアリー・リングと呼ぶそうです。
我を失って突進してしまいます。

煮物、汁物、鍋などに最適。
人気のキノコです。