能登には「いしり」の食文化があります。
昔は恒常的にイワシやイカの豊漁が続いた結果生まれて
継続されてきたのでしょう。

ib49.jpg

私の生まれ故郷には港にイワシの缶詰工場まであったと
言いますからどれだけの水揚げがあったのかと想像すら
できません。

しかし、物心ついた頃にはもう工場は跡形も無くなっていました。
イワシの減退期を迎えて早々と撤退したのでしょう。
それかあらぬか生まれ故郷では「いしり」といえばその材料は
「イカ」でした。

イカが激減した今でもそれは継続されています。
能登半島の反対側は「外浦」と呼ばれますが富山湾側でなく
日本海に直接面した輪島地方ではイワシやサバで作られています。

もっとも、輪島や門前では各家庭や飲食店などで独自に
作られているケースが多く、驚かされます。
材料は様々で魚種は問われません。

小魚なら何でもござれと言った風でさらに驚かされます。
「海から上げたばかりの小魚を洗わないで塩をまぶすだけ」と
事も無げに語るのを聞いてまた唖然とします。

何年か常温で保存して漉し、砂糖少々を加えて加熱。
それだけだというのです。
魚は跡形も無く溶けて目玉だけが残るそうです。

そんな手作りの「いしり」をご当地ではホタテの貝殻に
イカやきのこを乗せ火にかけて「いしり」で煮上げる”貝殻焼き”
新鮮な魚を「いしり」で味付けして干した”いしり味の干物”
”いしり味の漬物”などに活用されて能登の味と高評価を受けています。

私も富山のハタハタを塩漬けにしたものをビンで保存していますが
常温保存にビビってしまい冷蔵庫でしたばかりに発酵がいつまで
たっても進まずどうやら完成するのかすらも怪しい状態となっています。

そこで今回は既製品の「イカのいしり」で”ナス鍋”にトライしました。
材料はいたって簡単「いしり」と茄子だけです。

平鍋に「いしり」を少々入れ薄く切った茄子を入れて煮るだけ。
ib48.jpg

勿論卓上で煮ながら食べてもOK.

ib44.jpg

煮詰まって塩辛くなったら適宜水を加えて調整すればいつまでも
美味しく食べられます。

メーカーによっても塩分濃度は若干異なりますから
あくまでも自分好みで調節しましょう。

ib43.jpg

お酒のアテにもご飯のお供にもぴったりな一品です。
ib42.jpg

夏の盛りには「鍋」と聞いただけでも拒否感がありますが
秋風が立ち始めた頃に秋茄子でやるとまたひとしお。

ib41.jpg


なお戦後全国的に大ひんしゅくを買った「芋のツル」ですが
能登では今でも盛んに食べられています。
その一因がこちら

ib47.jpg

実は芋のツルは「いしり」と非常に相性がよろしいのです。
柔らかく茹でてお浸しにし、「いしり」をかけて
また煮物には隠し味程度に垂らすだけでとても美味しくなってくれるのです。

戦後に芋のツルの正しい食べ方を知らないで食べた方が
その恨みを未だに抱き続けているのが滑稽な程の美味しさです。




スポンサーサイト
2017.03.22 北陸の食文化
能登半島から氷見、富山と続く長い海岸線
この豊かな海に面した地域に住まう私たちは昔から様々な
海の幸に恵まれ、先人たちの作り上げた美味に接して来ました。

スガモ
輪島から今年の新物が出来上がったと連絡が入りました。
まだ冷たい能登の海からの嬉しいプレゼントです。

ちなみに
雪解け水が入る今の季節が一番海水温度が低い時期です。
真冬は空中より海水温度が高いため
冷え切った夜間は海から湯気が立ちこめているほどです。

アゴだし
トビウオは全国に美味しいだしが取れる魚として認知されていて
様々な加工を施されています。
五島列島から仕入れたものは腹から開いて炭火でじっくりと
焼き上げて焼き干しとなっていました。

普通は丸で焼き干しか煮干しにされています。
私が作るものも丸の焼き干しです。

ところが能登半島の物は三枚におろしの煮干しになっていて
これがどういうわけかめちゃくちゃ旨いんです。
普通は焼き干しの方が濃厚な味になるはずなのですが
こればかりは受け継がれた技の力と言うしかありません。

技と言えば
私達は料理の経典にも載っていないだしの取り方をします。
浜の知恵です。

もうひとつ
北陸には昆布締めの伝統があります。

今回はカニワンタンに添えたくて菜の花を〆ました。
hp54.jpg

ほろ苦さと昆布の旨みとで幸せな気持ちになります。

まだまだ北陸には内緒な美味が一杯あります。



2016.08.11 夏の花
タチアオイの一番上の花が咲いた頃が
梅雨明けだ  と言う話は良く聞きますよね。

実際は年によって微妙に差異がありますが、
だいたい毎年そんな様子なのを見てなるほど昔の人は
じっくりと周りを観察する余裕があったのだなと感心させられます。

現代人はあらゆることがスピードアップしてしまい
じっくりと身の回りを見渡す暇もないほどです。

ところが「ネジバナ」の花も同じように梅雨明けのサインなのだと
聞き半信半疑で観察していました。
じっくりと観察する暇はありませんが
朝の水やりの時にちらりと見るだけです。

ちょうど梅雨明け宣言が出されたその日の様子です。
間違いありませんね。

hh57.jpg


夏でも山に行きます。
この日は山みょうがを採りに入りました。
今年のみょうがも2週間程度早く始まりました。
山菜もそうでした
何もかも早いようです。

家内が茶花に関心を持っているので
葛の花を摘んできて活けたところです。

hh84.jpg


次は山の夏の花を撮影してこようかと思いました。
いつも花より団子ばかりじゃなく
花も愛でようかとなって  やはり歳のせいなのかと




2016.05.04 身近な山菜
ようやく山菜が芽生え始めました。
フキノトウに続いて次は「シャク」です。
hf10.jpg

御覧のとおりニンジンそっくりでしょう?


ついた別名が「山ニンジン」
でもそれは見た目がそっくりというだけで根がニンジンだとか
いやいやもしかして高麗ニンジンの日本版では?

などということは全くありません。
手に取るとせり科の強烈な香りがします。

陽の当たる明るい開けた場所に群生します。
道端やがけ下、野原などです。
hf9.jpg hf5.jpg

こうして葉の中心から花芽が立ち始め
すぐに大きく伸びます。
この時が収穫時。

この後花芽が膨らみ花が咲き始めるともう硬くなって
食べられなくなります。
植物はこうして動物に食べられないように
身を守るために必死になって自衛しているんですね。

ですから美味しく食べられる期間はとても短いのですが
わざわざそこを狙って収穫するのも
これがそれだけ美味しいからなのです。

茹でてあく抜きをして
味噌漬け、きんぴらなどにすると何とも言えない
山の香気が春を感じさせてくれます。

お客様に出すと
「ウドですか?」と尋ねられます。

嬉しいですね。
この方は何の説明も受けていないのに
1、山菜であると解る
2、ウドが美味しい山菜だと知っている
3、それがウドに匹敵するくらい美味しいと認識した
と言う訳です。

若い方々にもお出ししますが誰も残されません。
もうすぐ山に入れば道端はシャクの白い花で
まるでお花畑のようになりますが、

これが美味しい山菜だとご存じない方が多いのか
それとも強いせり科の芳香を嫌うのか
収穫されるのを見たことはありません。

身近で美味しい山菜がわんさかと萌え出ているのに
いつも惜しいとお花畑を横目で見て通り過ぎています。






2014.10.30 有峰の秋
先週と今週の二回立て続けに有峰に行ってきました。
先週は残念ながら小雨。
daj-18.jpg

daj-23.jpg daj-20.jpg daj-22.jpg

daj-21.jpg daj-16.jpg

daj-25.jpg

でもしっとりと湿った景色もなかなかいいものでした。

今週はたった一週間で見違えるほど紅葉が進み
枯れ込みが進んでいて遠くの薬師岳は白く雪化粧をしていました。
dak-23.jpg dak-26.jpg dak-22.jpg

キャンプ場のカラマツもすっかり紅葉。
普段は木々の間からはダム湖は見えないのに見通しが良くなっています。
dak-21.jpg dak-19.jpg dak-18.jpg

dak-17.jpg dak-13.jpg

立ち枯れの木から出ていた名も知らぬキノコが凍っていました。
体が冷えたので山の上でもカレー鍋です。

dak-16.jpg

途中大型トレーラーに積まれた重機に何台もすれ違いました。
もう現場は撤収作業をしているようです。
もう今年はそろそろ終わりですね。
2014.01.16 熊棚
昨年はドングリが大豊作で、
キノコ採りに山に入ると地面にびっしりと敷き詰めたように
ドングリが落ちていて朝露に濡れて光っていると
『ナメコか!?』と気が逸るほどでした。

そういうこともあって,初めて熊のフンを目撃しました。
夜行性ですからそこはリビングキッチンだったのでしょうか
人間がやってくる頃には寝室へとお帰りになってくれている
ようでよかったです。

そういう堅果類の木があるところでは多種多様なキノコが
採れるのです。

IMG_0026_edited-1 - コピー

これはきれいなモミジの落ち葉。
ここに茶色のキノコが出れば非常に見つけやすいのに
こういう所では何もありませんでした。

なかなか上手くいかないものです。

もうひとつ昨年初めて見たのがこちら
熊棚(くまだな)です。

DSC_0047_edited-1.jpg

熊が栗やドングリを食べようと木に上り太い枝に陣取ります。
実が沢山つくのは大抵枝先ですから引き寄せてむしゃむしゃ
細い枝先に行くと折れて落ちてしまうから無理ありませんが

むしゃむしゃとやりつつ次の枝と繰り返すうちに
体重で押しつぶされた枝がそのままになって残るのです。

DSC_0045_edited-1.jpg

まるで盆栽の刈込のようになっていますが、
よくみると幹には上る時についた鋭い爪跡がついています。

DSC_0046_edited-1.jpg

果たしてこの栗の木には翌年実がつくのかが気になるところです。

堅果類が豊作だったということで昨年は里への熊出没が少なく
人的被害も目立ったものは無いようでした。

おかげで比較的安心してキノコ採りも楽しめました。

なんだか皆で熊の恐怖を忘れてしまったかのようです。

ところが!
熊の生態を考えるとむしろ怖いのは春です。
きっとこの春には子供を産んだ熊が多いだろうと
想像できます。

堅果類をたっぷりと食べたメス熊が冬の間に出産するからです。
子連れの熊の恐ろしさは誰でも知っています。

平和な秋の次に恐怖の春が待ち構えているなんて自然は皮肉ですね。

山菜採りに山に入る皆さんはくれぐれもご用心!


ツキノワグマの着床遅延
ツキノワグマを知ろう
熊を防ぐ
熊知識

DSC_0082_edited-1.jpg

ある初冬の朝キノコ採りに行った時の光景です。
車を降りてカメラを向けると子ザルは必至で逃げ惑いましたが
ボスは悠然と食べ続けています。
それを見て子ザルもまた戻って食べ始めました。

林の中に入るとサルの鳴き声がやかましくて
どこの国のジャングルか! という位でした。

DSC_0079_edited-1.jpg DSC_0080_edited-1.jpg DSC_0081_edited-1.jpg


サルは普段でも目にする機会が多いのですが大抵無言です
やはり美味しい物を食べる時は声高に騒ぐのですね。
「キー!キー!」
と、とても騒々しい朝でした。



2013.11.12 有峰の秋
有峰が秋の装いに包まれています。
n6-a20 031

春には山菜
夏にイワナ釣り
秋にはキノコと紅葉見物

自然は恵みに満ちています。

n6-a20 032 n6-a20 027 n6-a20 020


もうしばらく
あとほんの少しだけ遊ばせてくださいと
有峰の神様にお願いしてきました。
n6-a20 028

秋は気ぜわしいのですが
今日のような冷たい雨が降る日にはゆっくりと体を休めて
美しい歌声で癒されています。




2013.08.28 夏の花達

立秋も過ぎたと言うのに
いや
こんな紋切り型のセリフはもうやめましょう。

暑い夏まっさかりというだけで充分です。
ちょっと前までは夏の暑さでバタバタ死者が出るなんて
考えられなかったこの国で沢山の犠牲者が出てるんですから

私たち北陸の雪国住まいの人は昔から
「行き倒れ」
という言葉は冬のイメージでしかありませんでした。

あまりの吹雪の凄まじさで凍えて歩く人が倒れて
朝に凍った姿で発見されるというものです。

昔は貧富の差無く等しく人間に降りかかった厄災だった
のでしょう。

今は夏の暑さで倒れる人が続出しています。
まだまだ気をつけましょう。
いまだ誰も知らない温暖化という
未知の季節が襲い掛かって来ているんです。

でも
こんな暑い日差しの中でも健気に咲いている花があります。

そんなスナップを張ってみました。

n6-a13 121
野生の朝顔が意外に涼やかで驚きました。

n6-a13 117
庭のフサスグリも息絶え絶えです。

n6-a13 116
一株58円の雑草のスベリヒユにしか見えない花

n6-a13 115
レッドバジル
普通のバジルと変わりなく使えます。

n6-a13 113
今年も種が沢山採れそうなバジル。

n6-a13 128

n6-a13 127
これを見るとようやく暑い夏も引き際かと思えます。

n6-a13 125
オクラの花はまるで日傘のように涼しそう。

n6-a13 124
こうしてみると暑苦しい花も

n6-a13 123
力を失いつつある青空を背景にするとなんとか見られます。

n6-a13 139

n6-a13 138

n6-a13 136

n6-a13 134

n6-a13 132

n6-a13 156

n6-a13 158

n6-a13 142

n6-a13 141

n6-a13 140

n6-a10 047 n6-a8 089
n6-a11 009

n6-a11 008

n6-a11 007

n6-a11 005

n6-a11 006

そろそろ台風が来そうです。
目まぐるしい季節ですが体調に気をつけて
過ごしましょう。



五月のうららかな日差しを浴びて瓦屋根が光り輝く中、
鯉のぼりが悠然と泳ぐ姿を
「いらかの波 そよぐ風・・・」と唄う唱歌があります。

今日、雛の節句の富山では穏やかな冬晴れの朝を迎えました。
うっすらと瓦に積った雪が昨日までの低気圧が去った事を
告げて朝日を照り返しています。
abe 046

思えば今年はキツネにつままれたような冬でした。
12月の早い時期からいきなり積もり続けた雪に驚かされた
にも関わらずあんがい小雪だったのです。

でも冬のお荷物は雪だけじゃありません
今朝のおだやかな雪景色の中、白く光る
いらかの波模様がそれを予感させます。

abe 043 abe 042

昨日までの冷え込みが過ぎ去り、
前線が北上した後の平穏なこの時期にはこんな白い波頭が
砕けるのです。

abe 029


「寄り回り波」です。

北西の風が吹き荒れると日本海側では風波(かぜなみ)が
激しく打ち付けます。
その前線が北海道に移動した頃には
海はまさに嵐の去った後のように静かになっているのです。

abe 034

しかし、北海道から日本海側と大陸の間を小さなうねりが
振幅を増すように肥大しつつゆっくりと押し寄せてきて
富山湾に入りさらに大きな振幅のうねりへと成長したころに
それは起こります。

abe 036 abe 035 abe 037

いえ、どこでも起こるわけじゃありません。
滑川漁港から富山市にかけての海底が急深になっているエリアで
特に頻繁に起こります。

このように波の無い静かな海に
突然、一筋のうねりが持ち上がったかと思うまに
まるで生き物のように”立ち上がり”激しく激突するのです。

abe 038 abe 039

これは見た目以上の脅威と破壊力があります。

まず、一見おだやかな海なので釣り人がやられます。
過去にも堤防でさらわれたとか波消しブロック上で
取り残されたなどの事故が起きています。

まさに
巷間釣り師の間でささやかれるタブー
”波に背を向けるな”
の教えそのものです。

abe 030 abe 031 abe 039


最悪だったのが魚ノ射と言う所で起きた警察官殉職事故です。

波がまったくないベタ凪の日にテトラに上がっていた
釣り師が強烈な寄り回り波に襲われ身動き出来なくなり、
そして
救助活動中の警察官が殉職されてしまったのです。

ここには慰霊碑が建立され今も恐怖と勇気を伝えています。

破壊力はもっと顕著に出ます。
高塚地区ではしばしば高潮被害が起きます。
民家に海水が流れ込むのです。

また滑川漁港では灯台が倒されました。
白岩川河口の堤防も破壊された事があります。

先の高塚地区でも被害を防ごうと波消しブロックを
投入するのですがあまりに破壊力が強すぎてすぐに
テトラが崩れてしまうのです。

今ではここは釣り師の間では「半テトラ」という
ポイント名がつけられています。
常にその状態だからです。

波に襲われたテトラは手前にも崩れていますがほとんどは
沖側に沈んでいきます。

頑丈な堤防が崩れるのも同じ理由からです。

それは何故でしょうか?
これは東日本震災のときに堤防が崩れたのと同じ
理由からだと思われます。
「洗掘(せんくつ)」
というそうです。

河や海岸で水の浸食により起こる落ち掘り現象なのだそうです。

河では小石は流れにより上から下に流れ落ちますが、
巨岩は濁流で上に登ることがあるそうです。
激流は岩の直前の土砂を削る為、上流に転がるというのです。

これが洗掘です。

東日本震災の津波は堤防を乗り越えて内側の砂を掘ったため
堤防は岸側へと崩れたそうです。

立山黒部の渓谷は急峻な高低差を下る水が大地を削って
造られました。

富山湾は海底のその急激な落ち込みを表して「あいがめ」と
呼ばれます。
深い海底の水が藍染めの瓶の中のように黒く見えるからです。

海もまた気の遠くなるような長い時間をかけて
水に削られ続けて地形を変えてきたのでしょう。

大きなうねりというのは巨大な質量を伴った水の塊です。
それが傾斜の緩やかな海底ならそのまま砂浜を駆け上がる
だけですみますが、
急勾配の駆けあがり地形ではそこで激突して立ち上がります。
これはまさしく小さな津波なのです。

こんなのが毎年、秋から冬にやってきては海底をえぐり
防波堤を壊し、家まで洗う
これは周辺の住民の方々にとり想像を絶する苦難です。

千年に一度の大津波はもちろん怖いですが
千年の間毎年訪れる小さな津波もおそろしいです。

abe 030 abe 031 abe 025


しかし、禍福はあざなえる縄の如しといいます。

その地形のおかげで豊漁をもたらせます。

磯釣り師が狙うのもいわゆる「かけ上がり」がポイント。
魚が集まる地形でもあります。

今の時期ホタルイカ漁が盛んですが
富山湾のホタルイカが全て同じ味わいではありません。
この寄り回り波の被害の大きい地区とホタルイカの
美味なポイントとは重なるのです。

深海から遊泳してくる小さなイカの体力の消耗と
鮮度がその味に影響しているのだと考えれば
おのずとその原因を地形に求めざるをえません。

漁業と地形の相関の例を挙げればきりがありません。
カニやバイ貝などもあります。

でも地元であってもほんの少し海岸線から離れただけで
気づかないこのような好天にこうしてまるで津波の
ような波が襲っているのです。

この日
近くの方が様子を見にきていたので尋ねると
波が砕ける衝撃で家が震動するんだと仰っておられました。

海岸線を走る国道ではかつて堤防が未整備の頃
人の頭ほどの石がごろごろ転がっていたそうです。
ドライバーははじめそれが何を意味するのか判らなかった
といいます。


abe 026 abe 027

道路を洗う波がそれを頭上から降らせていると
察した時の恐怖はいかほどだったでしょうか?


自然がもたらす恩恵と被害。
これはそこに住み続ける限り縁が切れません。
そうして人は闘い、耐えてきたのです。


この日
北海道では暴風雪で8人もの尊い人命が損なわれました。

寄せる波のように全国で繰り返される自然災害を見聞き
するにつけ
なぜこんなにも日本人が勤勉な人種になったのか
その遠因の一部を窺うような気がします。

せめて
今を生きている、生かされている私達は先人たちの
知恵や苦労を忘れないでいきたいものです。

3.11より二年が過ぎました。
合掌














2012.11.13 有峰
有峰大雨注意報発令中とでも呼べばいいほどの豪雨のなか
またまた有峰に行ってきました。

abd 024

紅葉真っ盛りをやや過ぎ始めた山道は落ち葉がかたまりに
なっています。
そこへもってきて豪雨。
落ち葉はたたでさえ滑りやすいのに非常に危険な道路になっています。

昔は大型バイクに乗っていましたからこんな道を見ると
どうしてもライダー目線になるのです。
カーブの砂、雨に濡れた落ち葉、郊外の夜道を横断する亀。
恐怖は沢山ありますね。

車でも危険なのは同じです。
なにしろスリップでもしようものならたちまち谷底まで
ひとッ飛びなのですから
ゆっくりと走ります。

有峰はいよいよ冬支度が始まり工事関係者の人も少なくなり
終らない現場はシートをしっかりかけて冬篭り状態です。

まだ残って工事をする方々はこの寒い中本当にご苦労様です。

方々から撤収した簡易事務所を積んだトラックが降りて行きます。

春の残雪の上に木々の梢の鞘が散らばる頃から
イワナを追い求めた川も今はひっそりとひと気も無く
次世代をはぐくむゆりかごとなっているはずです。

aau 039 aau 013 aau 014

aau 030 aau 034 aau 041

abd 031


山菜からイワナそしてキノコ
豊かな大自然がもたらしてくれる喜びを享受
と言えば楽しい事ばかりのように聞こえますが

険しい崖の登り降りや夏のオロロの襲来
そして今回の氷雨と難儀なことも多いのが山の決まり。

カラマツは落葉松と書くだけあって一瞬だけ黄金色に
輝いて落葉し林内を覆います。

abd 019

今回は落ち葉が多すぎてキノコも思うように見つけられず
でしたが、
なにキノコを探す前に森の勉強にきているんだと思えば
かえって熊やキツネに遭遇しないだけまだ安心?

とばかり
雨にも負けず、風にも負けずに歩き回ってきました。
いろんな樹種があるので行く度に新しい発見があるのは
とても楽しいのですが流石に全身びしょぬれで限界です。

abd 021 abd 020

登山道に向かう道端では雪が残っています。
いくつか確認したかったことも無事すませ。
帰路につく事としました。

abd 026

こんな冷たい雨の中交通整理をする人もご苦労様です。
缶コーヒーを差し入れ。

abd 023

上では落葉ばかりで美しくなかった光景が標高が下がると
雨上がりという事もあり輝いてきました。

abd 028

abd 037 abd 038

abd 036


帰宅してアオリイカとキノコの蕎麦を食べて温まり
ようやく人心地がつきました。

abd 007








キノコシーズン真っ盛りの岐阜県神岡へ行ってきました。
目的は直売所です。

こちら神岡は標高の高い地域なので涼冷地帯特有の美味しい
野菜がふんだんに買えますが
今の時期は取れたての天然キノコが出てくるんです。

朝8時の開店を待ちわびて数人が並んでいます。
残念ながら今回は天然ものが少なく
原木椎茸、原木ナメコ、原木ヒラタケなどが多いようでした。
天然ものはナラタケだけでしたが、今年は猛暑が祟って
初入荷なのだとか、
まあ 幸運だったと言っておきましょう。

でも
ここのは自然の中での栽培だからか椎茸も美味しいんです。

店を出て上に向かいます。
目指すのは天空の村「山の村」。

abc 065 abc 052 abc 038

abc 057



山はすっかり紅葉です。

こんな明るい林が延々と続きます。
こんな所にキノコが出るんでしょうね。

abc 040 abc 037 abc 076


急坂を登りつめたところに碑が立っています。

abc 066

abc 071

abc 077

abc 083


これより山の村とあります。
昔の人はこの坂を歩いて上りここで一息入れたのでしょう。

もう一つの目的地は山の村の道の駅。
ここでもキノコが買えるんです。

ところが!
なんと今年、
つい最近から火曜日が定休日になってしまったそうです。

残念!
これでは永久的に訪れられません。
キノコを買って蕎麦を食べようとしていたのに。

仕方が無いのでこのまま有峰林道を通って帰りましょう。
有峰も紅葉真っ盛りで紅葉狩りの車が行き交っています。

abc 106 abc 107 abc 110


途中
サルとキツネに遭遇。
サルは見事な冬毛に生え変わっていて温かそう。

abc 101 abc 103 abc 105

このキツネは全く臆することなくゆうゆうと
食事をすませ反対側に消えていくのですが
最後にちらと一瞥をくれるサービスの良さです。

有峰は野生動物のエリアでここでは人間は単なる
闖入者にすぎません。
ジャマをしないで間違ってもエサなど与えず、
食べ物くずなど落さずそっと去るのがルールです。

abc 093

帰宅して
買ってきたキノコと
最近よくお客様から頂くキノコを混ぜてキノコ蕎麦を
作りました。

abc 114


豊かな自然の恵みに感謝。

6月の開通を待ちわびた有峰林道もそろそろ冬支度が
近づいてきました。
今年はあと何回行けるでしょうか。


片貝川の上流の沌滝(どんたき)を見に行ってきました。
ここは8号線から10分ほど南に入ったところで、
一帯にはりんご園が広がっています。
aav 077


車を降りてから15分ほど急崖を登るだけでこんな光景が
待ち受けています。
一面に苔むした大石の間を美しい水がいたるところから
流れ出てとても神秘的です。

aav 102

aav 089 aav 112



ところで
金の卵を産む鶏を殺すと聞けば
欲深い人は全てを失うという寓話を連想します。
少し考えれば誰でもその愚かな結末を想像できるはずです。

近代
人は幸せを求めて大都市に向かいました。
ムラは窮屈
ムラでは個性が活かせない

いっぽう
都会にはなんでもある
自由と豊かな生活は大都市にしかない

とでも言わんばかりに田舎を捨てて街へと
さながら民族大移動のように流れました。

それを受けて人口減少した地方はなんとかお金を産まないと
もっと人口流出に歯止めが掛からなくなるからと

木を伐り、山を削り、農地をつぶして巨大なレジャー施設
を建設。
立派な道路を通し、川をつぶして見た目はきれいになりました。

今、
スキー場は寂れ果て動かなくなったリフトは赤錆の塊となり
トンボの止まり木となっています。

巨大なホテルには人もなく駐車場には草が生い茂ります。

だからと言ってただやみくもに開発そのものを批判するのじゃ
ありません。
ただ
自然の魅力の伝え方や
新たな魅力の創生にやや短兵急なところがあったのじゃ
なかろうかと思うだけです。

広葉樹林には様々な生物が豊かな命を育まれていたのに
それを伐採し、杉を植林したものだから
杉は硬い地下に根を張らず柔らかな腐葉土の層にばかり
つまり、横にだけ根を伸ばし通常3年掛かる成長を1年で
育つありさまです。

生き物の育たない杉林はそれだけでも薄暗く不気味なのに
大地の守り神としての役割も果たしません。

大雨が降るといともたやすく大事な表土ごと流れ落ちます。
普通はがけ崩れが起こると木は倒れるのですが
こんな脆弱な人工杉林はまるごと木が直立したまま
ずるりと腐葉土層全部が流出するといいます。

そうなると出番だとばかりに
建設省のオエらい人達がやってきて砂防ダムを建設します。
流出後はむきだしの硬い岩盤が露出したままとなって
何十年経っても草も生えません。

まるで皆でこの国を役割分担して絞め殺そうとでも
しようとしているんでしょうか?


そんないたたまれない光景は決して珍しくはありません。
市街から30分も車を走らせればいたるところで見受けられます。
整備された道路。
新しい橋。
コンクリートで固められた河。
一見整然と整備されたように見えるその下に踏みつけられた
ものは数え切れない命です。

里山が大好きだから過多に感情移入してしまうのでしょうが

だから、
ここに来て本当に嬉しくなりました。
手付かずの自然などとは言いません。

人が草刈や崩れなどを手当しているからこそ
こうして訪れることができるのです。
aav 078


手当はするが、壊さない。

金の卵を一日に一個だけ産む鶏に餌を食わせすぎては
いけません。
ましてや腹をかっさばいては一個も得られなくなります。

きれいな水
澄んだ空気
安心に暮せる幸せな環境

aav 106

人が望む幸せはここに全てあります。
このあたり一帯の水道水は豊富な地下水が源泉で
豊かな腐葉土を経て湧き出る水はミネラルたっぷりで
とても旨い水です。

それは田畑をうるおし、沢山の生き物も育みます。
aav 143

aav 155 aav 158 aav 178



自然の恵みを吉として欲張らない生き方を選択した
こちらの方々の知恵に敬服いたします。

私達もまた
この景色から学ぶべきことが沢山ありそうです。
山中に広がる栃林は巨大で根周りだけで背丈を越える程。

aav 141

悠久の時を想いながら
広葉樹独特の明るい木漏れ日の中を歩くと小動物にでも
なったように自分がちっぽけな存在なんだと自覚させられます。

水こそが命の源
短い時間でしたがそんな当たり前を再認識しました
四季折々の滝の姿を見に来ようと家内と話しながら帰宅。




2012.09.12 夏から秋へ
以前にオーストラリア在住のあゆみさんのブログで
40度の猛暑が通り過ぎたお庭の画像を拝見したことがあります。
猛烈な熱波が通過した跡は枯野でした。
温暖化とはこんなに恐ろしい光景をもたらすのかと
恐怖しました。

ところがそれから数年後まさか日本でも40度の夏が
来る事になろうとは!

さすがに富山は40度までは行きませんでしたが、
恐ろしいフェーン現象の熱風が連日吹き荒れました。

日本列島の真ん中に山脈がそびえている為に
冬の北風は日本海の湿った空気を雪に変えて落としますが、
夏の南風は山を駆け下りてくる時に猛烈な高温になります。

このフェーン現象には漢字があるそうで
「風炎」
と書くそうです。
まさに閻魔大王の炎の息吹のような風です。

aaq 050

aaq 049

鉢植えもご覧の有様です。

aaq 051

このようなサボテンの仲間しか生き残れない季節に
なろうとしています。

でも
そんな厳しい暑さももうそろそろ交替時期がきました。

aaq 047

陽射しは強くても空の上にはいつのまにか秋雲。
陰もずいぶん長くなりました。

aaq 029 aap 046 aaq 031

里には稲穂の海が広がり
柿は着々と実り

aap 043

ひまわりもそろそろ仕舞い準備を始めています。

aap 033


浜には打ち捨てられた花火の残骸が転がり
賑わった夏の余韻を残すのみです。

aaq 027 aaq 035

もう少し涼しくなれば今度はキノコのシーズンですが
こんなに暑さで疲れた年は初めてです。
それまではもう少し体を休めましょう。


先週の店休日。
この日は雨上がり。
この様子ではオロロはいないだろうと出かけてきました。

前回も書いたように人が通った後のミョウガのコロニーは
悲惨の一語。
なぎ倒され、踏み付けられ、時には肝心のミョウガでさえ
踏みつけられています。


こんな跡をそのまま通ったんではまるで収穫は望めません
この踏み倒されたミョウガの木を起してその下を探すのです。

さいわい、先行者はオロロの襲撃にたまらず焦って
足早に見てまわったのでしょう。
やや花が開いてはいるものの数だけは沢山採れました。

とはいえ
藪から転げ出る頃にはすっかり汗と泥とで
まるで山芋でも掘ってきたかのような有様です。
ご丁寧にその頃になるとオロロまで出てきて
顔の周りをブンブンと飛び回ります。

こりゃ漫画にでも出てきそうな
絵に描いたような小汚いおっさんだなと苦笑しつつ帰途に・

aap 034

富山地鉄電車の踏切を越えて川に降りると

aap 037

鮎釣りをしている人たちがいたので写真を撮らせて
もらいました。

友釣りです。
この川は入漁料がいらない事
放流していないから釣れるのは天然遡上の鮎
などの理由から近年隣県からの釣り人が多く訪れます。
今回は平日だと言うのに岐阜ナンバーや松本ナンバーが
5~6台もいました。

aap 042

橋の下でテーブルなどを出しているところを見ると
泊りがけでしょうか?
いやはや釣り人はどこでも熱心です。

aap 040

鮎は珪藻という石に付いた藻を食べます。
この黒いところが鮎の食み跡。
釣り師はこれを見てポイントを探します。

丁度目の前で釣れました。
12~3cmほどでしょうか。
小型ですが天然モノですから上々と言えますね。

aap 041

aap 039


以前に関東からここに来て鮎を狙っていた人がいて
その時は全く釣れなかったんですが
川から上がってきて
「水から上がっても臭くないのがいいですよね」
などと言っているのを聞いてビックリしたものです。

世間じゃそうなんだ! と妙な所で感心しました。

いつまでも暑い夏でしたがそろそろ曲がり角。
稲が美しく色づいてきました。

aap 026