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2008.10.20
ワタリガニ

またまたワタリガニの出番です。
とても美味しい料理に化けてくれますから世界中の料理人に愛されています。
ヨーロッパではブイヤベースに入り、タイではトムヤンクンなどにも入ります。
ですが、現場すなわち漁師さん達はどうでしょうか?
はっきり言ってとても嫌われています。
少なくともここ富山で私が聞いた限りでは異口同音です。
「大嫌い!」

何故かって?
かつてカニカゴで獲っていた時にはさほどではなかったんです。
あ、そうそう そこから話をしましょう。
定置網というのは富山県氷見市が発祥なんだそうですが、このカニカゴも富山県人が発案したそうです。
それからサザエカゴ、エビカゴなどいわゆるカゴ漁としてのジャンルが広まっていくんですが、、。
カゴの中に不要な魚の頭などを入れて漁場に沈めておくだけで簡単にわんさか取れるんですからあっというまに世界中に広まりました。
しかし、今は自粛されています。
乱獲を防ぐというのもありますが、ワタリガニなどの浅い海域ならまだしもズワイガニなどはとても深い海底で仕掛けられます。
それでカゴを深い海底から引き上げる時にまれにワイヤーが切れて落下する事があるのです。
そのカゴはどうなるのか?
永遠にカニを獲り続けるのです。
餌が無くなればカニ自身が餌となり仲間をおびき寄せます。
カニは共食いする習性があるからです。
おとぎ話の石臼は塩を永遠に吐き出す というものでしたがこの化学繊維で編まれたカゴは朽ち果てません。
永遠にさながらブラックホールのようにカニを吸い込み続けるのです。
それで今は自粛傾向になったそうです。
そして昔に戻り網で捕獲しますが、ご覧になれば解ってもらえると思います。
このカニにはやたら突起物が多い。
それで網に絡みやすくなり、獲れるわけなんですが今度は網から外すのが一苦労なわけです。
どうしょうも無い時にはハサミで網を切ります。
奴も命がけで攻撃をしてくるからです。

これでつままれると本当に痛いんです。


それでようやく網から外し終わり出荷すると全漁場からいっせいに出物が集中するから値崩れして安い!
(そこが有り難い所ですが)
漁師さんはそれで終わりではありません。
普通の魚ならそこで終わりなんです。
お酒でも飲んで昼寝ができます。
カニ網は自らハサミで切ったところを補修しなければいけないのです。
それでボソッとつぶやくのです。
「オラァ こいつがいっちゃん嫌いや」
訳(俺はこいつが一番嫌いだ出来ればこんな奴は獲りたくないんだ)
解ります!
お疲れ様です!
感謝しています!
あなたのお陰で美味しい物がいただけます!
でもまた行って来てください!
お願いします!
何故かって?
美味しいからです!
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2008.09.19
中国料理にみるワタリガニ
中国料理のメニュー表記をみると炒めるを(ツォ)とか肉を(ロウ)などと記してあります。
もちろん正式な発音を書いてあるのですがどうも我々日本人にはとっつきにくいのでここでは日本語的な読みでいきます。
日本人だけの厨房でもガチで日本語読みです。
おなじみの青条肉糸だと「チンジョールースー」
チンジャオロゥスゥとは言いません。
から揚げの炸小鶏塊を「ザッチー」などと本場の人には聞かせられない有様です。
さて、ワタリガニです。
代表的なメニューでは宮保青蟹(クンポーチンハイ)があります。
中国沿岸は長大ですから色々な種類があるはずですが私の学んだ上海料理では青いカニと書きます。
日本国内でも赤っぽいものや青、黒などがありますから中国全土では様々なワタリガニの漢語表記があると思われます。
では、この基本の素材をおさらいしてからいじってみましょう。

甲羅と腹殻を取り、肺(ガニ)とクチバシを取ります。
食べやすい大きさに切り分けて衣(小麦粉、片栗粉半々+卵水)を付けて揚げます。
二度揚げしてカラリと揚げたら鍋にきれいな油を少々引き
薬味(葱、にんにく、生姜、輪切り唐辛子)を炒めます。
醤油1
砂糖0,8
ケチャップ1
スープまたは水1,3程度を加え良く混ぜます。
味見をして良かったら水溶き片栗粉をほんの微量加え揚げた蟹を戻し入れます。
強火で鍋をあおりタレをよくからめて一気に仕上げです。
これは冷凍の蟹でも可能です。
殻つきのエビや殻むきしたエビなどでも御馴染みの味ですが、蟹は単品メニューよりコース料理の中で供される事が多いですね。
甲羅は蒸してきれいに発色させて油を塗り飾りにします。
手づかみでワイルドに食べるのはこれも同じです。
一般に殻ごとの蟹を揚げるということは少ないので香ばしい蟹の風味にとりこになるほど喜ばれます。
さて、ここからがいじりです。
素材のまま宮保でもいいんですが揚げ物はその時にしか美味しくありません。
冷凍して加熱しても風味が落ちます。
なので、これも茹でましょう。
ダルマさん状態で茹で、ハサミで適宜カットします。
おっとその前に一仕事です。
茹でている間にタレをささっと済ませて置きましょう。
薬味を用意してオリーブオイルを多目に使って炒めます。
調味料も同じです。
違うのは水の量。
全部の蟹が漬かるぐらいの量を入れます。
味見をします。
しっかり味が染み込みますから濃い目などにする必要はありません。
この時の味見のままの蟹の味に仕上がりますのでお好みで調節しましょう。
油で揚げない分、タレに油分を加えてコク味を補うんです。
茹で上げた蟹をカットしてタレに漬け込むだけです。
当日でも美味しく食べれますが冷蔵庫で保存出来ますから1週間でも大丈夫。
また、タレにお好みで酢を加えてもOKです。
正確にはメニュー名が変わりますが ま、ご家庭なら無問題でしょう。
これも、エビで活用できます。
また素材の宮保青蟹はポモドーロソースで作ることでパスタに合わせる事ができますが、
この「茹でちゃった宮保」ででもヤキソバやパスタに合わせられます。
茹でた蟹の風味しか知らないで過ごすのは不幸です。
一度揚げるか炒めるかしてみてください。
その香ばしい風味に病みつきになります。
これから小型のワタリガニが山盛りで安価に販売される時期がやってきます。
ぜひ、作り置きをおすすめします。

もちろん正式な発音を書いてあるのですがどうも我々日本人にはとっつきにくいのでここでは日本語的な読みでいきます。
日本人だけの厨房でもガチで日本語読みです。
おなじみの青条肉糸だと「チンジョールースー」
チンジャオロゥスゥとは言いません。
から揚げの炸小鶏塊を「ザッチー」などと本場の人には聞かせられない有様です。
さて、ワタリガニです。
代表的なメニューでは宮保青蟹(クンポーチンハイ)があります。
中国沿岸は長大ですから色々な種類があるはずですが私の学んだ上海料理では青いカニと書きます。
日本国内でも赤っぽいものや青、黒などがありますから中国全土では様々なワタリガニの漢語表記があると思われます。
では、この基本の素材をおさらいしてからいじってみましょう。


甲羅と腹殻を取り、肺(ガニ)とクチバシを取ります。
食べやすい大きさに切り分けて衣(小麦粉、片栗粉半々+卵水)を付けて揚げます。
二度揚げしてカラリと揚げたら鍋にきれいな油を少々引き
薬味(葱、にんにく、生姜、輪切り唐辛子)を炒めます。
醤油1
砂糖0,8
ケチャップ1
スープまたは水1,3程度を加え良く混ぜます。
味見をして良かったら水溶き片栗粉をほんの微量加え揚げた蟹を戻し入れます。
強火で鍋をあおりタレをよくからめて一気に仕上げです。
これは冷凍の蟹でも可能です。
殻つきのエビや殻むきしたエビなどでも御馴染みの味ですが、蟹は単品メニューよりコース料理の中で供される事が多いですね。
甲羅は蒸してきれいに発色させて油を塗り飾りにします。
手づかみでワイルドに食べるのはこれも同じです。
一般に殻ごとの蟹を揚げるということは少ないので香ばしい蟹の風味にとりこになるほど喜ばれます。
さて、ここからがいじりです。
素材のまま宮保でもいいんですが揚げ物はその時にしか美味しくありません。
冷凍して加熱しても風味が落ちます。
なので、これも茹でましょう。
ダルマさん状態で茹で、ハサミで適宜カットします。
おっとその前に一仕事です。
茹でている間にタレをささっと済ませて置きましょう。
薬味を用意してオリーブオイルを多目に使って炒めます。
調味料も同じです。
違うのは水の量。
全部の蟹が漬かるぐらいの量を入れます。
味見をします。
しっかり味が染み込みますから濃い目などにする必要はありません。
この時の味見のままの蟹の味に仕上がりますのでお好みで調節しましょう。
油で揚げない分、タレに油分を加えてコク味を補うんです。
茹で上げた蟹をカットしてタレに漬け込むだけです。
当日でも美味しく食べれますが冷蔵庫で保存出来ますから1週間でも大丈夫。
また、タレにお好みで酢を加えてもOKです。
正確にはメニュー名が変わりますが ま、ご家庭なら無問題でしょう。
これも、エビで活用できます。
また素材の宮保青蟹はポモドーロソースで作ることでパスタに合わせる事ができますが、
この「茹でちゃった宮保」ででもヤキソバやパスタに合わせられます。
茹でた蟹の風味しか知らないで過ごすのは不幸です。
一度揚げるか炒めるかしてみてください。
その香ばしい風味に病みつきになります。
これから小型のワタリガニが山盛りで安価に販売される時期がやってきます。
ぜひ、作り置きをおすすめします。

2008.09.17
ワタリガニを韓国料理から学ぶ
カニという奴は殻にくるまってじっとこちらを窺っているように見えます。
そこでついこちらもカニというだけで何かしら身構えてしまっていませんか?
基本的なことさえ押さえてしまえばなんてことはありません。
今回の材料は韓国の「ケジャン」です。
素材をいじる前にケジャンをおさらいしましょう。
生きているワタリガニが手に入ったら
たわしでよく洗います。
ケジャンのタレ(後記)をあわせて置きます。
甲羅を下からはがし肺とクチバシを取り、つま先をカットします。
キッチンハサミで1/2~1/4に切り分けます。
タレをまぶして容器に入れて冷蔵庫に保管。(一番上にたっぷりのタレ)
3日ぐらいから食べれます。
このポイントは「非加熱」という点。
したがって体調不全の方は食べてはいけません。
ワタリガニ料理は全て手づかみでバリバリと食べるのがルールです。
身を齧り取り、殻をほじりしゃぶり尽くして 殻を出します。
口中に残った細かい殻はお酒でグビリと流し込みます。
気取っていては美味しく食べれません。
私はズワイガニでもこれを作って平気で食べますが回りは引いてしまって食べてくれません。
恐る恐るどうにか一口食べるだけです。
やはり生ガニというのが抵抗あるのでしょう。
そこで誰でも安心して食べてもらえるようにちょっとだけいじってみました。
大した事じゃありません。
茹でるだけです。

このカニは絶対小型がおすすめです。
大型は殻ごと頬張るのに向いていません。
ひと山いくらの安価な小型は殻も柔らかくて食べやすいです。
そして足先には身がほとんど入ってないのでカットします。
第一関節には少し身が入っていますがほとんど手に取る時の持ち手の役割程度です。
このダルマさん状態で約10分茹でます。
茹で上げて粗熱が取れたらハサミで1/2にカットして容器に
タレ、カニ、タレと重ねて収めていきます。
一番最後にはタレをたっぷりと乗せて冷蔵庫で保存。
翌日から食べれます。
生でなくても味はよく染み込んでくれますので保存性も良いようです。
1週間は持つでしょう。

これで”活きているのでなければならない”という縛りが解けました。
新鮮なものならばいつでも可能なことが判ったわけです。
ただし、ケジャンの醍醐味とも言える卵の味わいに関してはやはり茹でる分風味は落ちるでしょうが。
レタスや胡瓜などを添えて辛味を和らげながら召し上がってみてください。
殻付きのエビでも同様に行えます。
野菜や冷麺に乗せて酢やレモン果汁などをかければたちまち韓国風サラダや冷麺になります。
ケジャンの主材料であるコチュジャンには酢を加えた「酢コチュジャン」という使い方もあるんです。
(そのままやん)
これはイカのお刺身などに最適。
ですからケジャンと酢の相性もバッチリという訳です。
ケジャンのタレのレシピを書いておきます。
カニやエビの旨みが混ざったタレは残ったら色々と使えそうです。
鍋物の隠し味、ヤキソバ、パスタ、ナムル風、各種和え物、海鮮チャーハン、ビビンバ、Etc..
また、まだ試してはいませんがエビやカニを殻ごとぶつ切りにしたものを炒めてケジャンのタレで少し煮込むように仕上げると新たなチリソース具足煮となると思われ
しかも恐ろしくお酒が進みそうな予感に満ちています。
ご飯にも合いますよね。(付け足し的にご飯の味方)
(基本のケジャン作り方)
コチュジャン 1カップ 活きているワタリガニ
醤油 1/2カップ ふたつき容器
砂糖 1/2カップ
ゴマ油 3/4カップ
酒 1カップ
韓国唐辛子 1/3カップ(好みで調節)
生姜少々、ニンニクその3倍程度。
玉葱みじん切り2カップ
長ネギみじん切り1カップ
野菜類をみじん切り、またはフードプロセッサーにかける。
材料を全てボウルに合わせてホイッパーでよく混ぜる。
カニの爪を切り外す。
殻ごとたわしで洗う。
甲羅と腹側のフタを外す。
ガニ(肺)とクチバシを取る。
卵やミソを取り出しタレにからめておく。
カニを食べやすい大きさにカット。
爪は1/2に切り分ける。
容器にタレ、カニ、タレと交互に入れていく。
甲羅の内側にもたっぷりタレを入れて重ねていく。
最後に残ったタレをたっぷりと乗せてふたをして冷蔵庫へ。
3~10日が食べ頃。
そこでついこちらもカニというだけで何かしら身構えてしまっていませんか?
基本的なことさえ押さえてしまえばなんてことはありません。
今回の材料は韓国の「ケジャン」です。
素材をいじる前にケジャンをおさらいしましょう。
生きているワタリガニが手に入ったら
たわしでよく洗います。
ケジャンのタレ(後記)をあわせて置きます。
甲羅を下からはがし肺とクチバシを取り、つま先をカットします。
キッチンハサミで1/2~1/4に切り分けます。
タレをまぶして容器に入れて冷蔵庫に保管。(一番上にたっぷりのタレ)
3日ぐらいから食べれます。

したがって体調不全の方は食べてはいけません。
ワタリガニ料理は全て手づかみでバリバリと食べるのがルールです。
身を齧り取り、殻をほじりしゃぶり尽くして 殻を出します。
口中に残った細かい殻はお酒でグビリと流し込みます。
気取っていては美味しく食べれません。
私はズワイガニでもこれを作って平気で食べますが回りは引いてしまって食べてくれません。
恐る恐るどうにか一口食べるだけです。
やはり生ガニというのが抵抗あるのでしょう。
そこで誰でも安心して食べてもらえるようにちょっとだけいじってみました。
大した事じゃありません。
茹でるだけです。

このカニは絶対小型がおすすめです。
大型は殻ごと頬張るのに向いていません。
ひと山いくらの安価な小型は殻も柔らかくて食べやすいです。
そして足先には身がほとんど入ってないのでカットします。
第一関節には少し身が入っていますがほとんど手に取る時の持ち手の役割程度です。
このダルマさん状態で約10分茹でます。
茹で上げて粗熱が取れたらハサミで1/2にカットして容器に
タレ、カニ、タレと重ねて収めていきます。
一番最後にはタレをたっぷりと乗せて冷蔵庫で保存。
翌日から食べれます。
生でなくても味はよく染み込んでくれますので保存性も良いようです。
1週間は持つでしょう。

これで”活きているのでなければならない”という縛りが解けました。
新鮮なものならばいつでも可能なことが判ったわけです。
ただし、ケジャンの醍醐味とも言える卵の味わいに関してはやはり茹でる分風味は落ちるでしょうが。
レタスや胡瓜などを添えて辛味を和らげながら召し上がってみてください。
殻付きのエビでも同様に行えます。
野菜や冷麺に乗せて酢やレモン果汁などをかければたちまち韓国風サラダや冷麺になります。
ケジャンの主材料であるコチュジャンには酢を加えた「酢コチュジャン」という使い方もあるんです。
(そのままやん)
これはイカのお刺身などに最適。
ですからケジャンと酢の相性もバッチリという訳です。
ケジャンのタレのレシピを書いておきます。
カニやエビの旨みが混ざったタレは残ったら色々と使えそうです。
鍋物の隠し味、ヤキソバ、パスタ、ナムル風、各種和え物、海鮮チャーハン、ビビンバ、Etc..
また、まだ試してはいませんがエビやカニを殻ごとぶつ切りにしたものを炒めてケジャンのタレで少し煮込むように仕上げると新たなチリソース具足煮となると思われ
しかも恐ろしくお酒が進みそうな予感に満ちています。
ご飯にも合いますよね。(付け足し的にご飯の味方)
(基本のケジャン作り方)
コチュジャン 1カップ 活きているワタリガニ
醤油 1/2カップ ふたつき容器
砂糖 1/2カップ
ゴマ油 3/4カップ
酒 1カップ
韓国唐辛子 1/3カップ(好みで調節)
生姜少々、ニンニクその3倍程度。
玉葱みじん切り2カップ
長ネギみじん切り1カップ
野菜類をみじん切り、またはフードプロセッサーにかける。
材料を全てボウルに合わせてホイッパーでよく混ぜる。
カニの爪を切り外す。
殻ごとたわしで洗う。
甲羅と腹側のフタを外す。
ガニ(肺)とクチバシを取る。
卵やミソを取り出しタレにからめておく。
カニを食べやすい大きさにカット。
爪は1/2に切り分ける。
容器にタレ、カニ、タレと交互に入れていく。
甲羅の内側にもたっぷりタレを入れて重ねていく。
最後に残ったタレをたっぷりと乗せてふたをして冷蔵庫へ。
3~10日が食べ頃。
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