2015.02.26 冬カレイ
冬は魚全般がそうであるようにカレイもまた美味しくなります。
浜で生きているのを仕入れてきて
まず、
頭を落とし腹を出します。
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このカレイは抱卵していてもうこぼれ落ちるくらい充実しています。
本当は煮付けかから揚げにしたいくらいですね。

頭を落とす時点で体全体で飛び跳ねる程の反応を示します。
生きている命を頂くことのありがたさを痛感する瞬間です。
この様に活きている魚からは血がだらだらと流れます。

だから血抜きが出来るのです。
死んでしまった身肉ではこうはいきません。
どろりとした塊が出るだけでそういう魚では血抜きはできず、
生臭みの残る刺身にしかならないのです。

これを活き締めと言い鮮度を保つ方法とされています。
いっぽう、何も手当をせずに放置して絶命させたものは野締めと
呼ばれ、ノジなどとも言われます。

普通はこの活き締めして血抜きしただけで十分なのですが
九州地方などから発達した神経締めと言う技がありますので
今回はそれで念を入れて施しましょう。

神経を抜き取るわけです。
私たちが歯医者さんで神経を抜くときにも同じような
器具が用いられていると思いますが、

この針も表面がザラザラに加工してあります。
これを魚の背骨の上方にある神経の通り道  穴にさしこむと
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この様に瞬時に激しく、頭を落とすとき以上の暴れ方をします。
ヒレ全体は言うに及ばず、身肉までがしばらく痙攣さえします。

頭はなくてもまだ体が生きている証拠ですね。

これをしばらく冷蔵庫で休ませてから「洗い」にしましょう。
カレイやヒラメは5枚おろしと言う方法で下ろします。

背骨に沿って中央に切り目を入れそこから両脇に包丁を入れていきます。
そうすると表で2枚、裏で2枚、残った骨で1枚の合計5枚ということですね。

まず、氷水を用意します。
水の氷を入れただけじゃ本当の冷水にはなりません。
よ~くかき混ぜてやります。
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器の外に水滴が付く位になれば準備万端。

薄切りにした身を水に入れていきます。

ゆるゆるとかき混ぜます。
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ザルに空けて氷を捨て
布巾でくるんで水気を切り
器に盛れば完成!
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これはワサビ醤油でもポン酢でももちろん美味しく頂けますが、
今回はこのために梅肉タレを仕込んでいましたので
その工程をご紹介しましょう。

梅干を用意します。
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こちらは梅干を作る途中につぶれたものを除けて置いた
いわゆる「つぶれ梅」です。
10年モノですから色は良くありませんが塩慣れした逸品です。

まな板に置き包丁で皮、肉をこそげ取ります。
小型のすり鉢に移してすります。

滑らかになったらみりんと、醤油を加えてすり完成します。

これをちょんと乗せて身をクルリと巻いて食べます。
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冬の甘露
今だけの美味です。
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タコ釣りは誰にでもすぐに出来る釣りですが
生きたタコをどう処理して
どう食べるかが問題だという方もいらっしゃいます。

そこで今回はそんな”問題”を解決してみましょう。

まず、釣り上げたタコをアイスボックスに仕舞います。
でもこれだけじゃタコはすぐに逃げ出そうとします。

かつて私はフタのロックをし忘れて
その隙間から脱走されたことがあります。
イカや魚と違い手足があるぶん随分器用な奴なんです。

でも大丈夫しょせんタコはタコ
アイスボックスに海水を少し入れておけばこれだけで
安住してしまうんです  不思議ですね。
これ、柴さんに聞くまで知りませんでした。

アングラーズ富山の店長の柴さんはホント頼りになります。
初心者のかたもベテランの方も、柴さんがもしヒマそうに
していたらそんな時はチャンスです。
ぜひ話を聞かせてもらいましょう。
目からウロコの話の在庫が豊富ですよ!

さて、家に着いたらタコを〆ます。
目と目の間に包丁を付き立てると完了です。
それとも
頭の皮をくるりとひっくり返して内臓を全部除去と
いう方法もあります。

どっちにしろ内蔵を除去しなければいけないので
慣れてくるとそちらの方法しかやらなくなりますけど。

それから塩もみします。
タコは海底を歩き回っていますので吸盤周りもたっぷりの塩
でもみ洗いしましょう。

次にすすぎです。
これは塩を洗い流す程度で結構です。

その間に大きな鍋にたっぷりの湯を沸かしておきましょう。
そこにタコの頭を持って足先からそろりと漬けては上げ
もう少し漬けては上げて
とすこしづつゆっくりと沈めていきます。

最後に頭まで湯に漬け込んだらペーパータオル等で
軽くフタをして、中火にして
大きさにもよりますがだいたい10分前後ゆでます。

ゆであがったら (出来ればで結構ですが)
頭にフックを掛けて吊るしましょう。
そして重要なのが次
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足の付け根に切り込みを入れておきます。
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こうすることで足が素直に伸びてくれるのです。

タコを食べる時にぶつ切りにして食べてしまうのなら
何も問題はないのです。
でも
薄切りのお刺身や握り寿司にする時には
これが重要な仕事となってくるのです。

ここまでで下ごしらえは終了です。
冷めたらフックから外して
頭と足をカットして冷蔵庫に保存です。
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さて、薄切りのお刺身にするのに
ただスイーッと薄く切っただけじゃタコは美味しく
なってはくれません。

つるりとした断面には味が乗りにくいのと
食感が単調だからです。

ですから
包丁をのこぎりで切る様にして前後に細かく動かして切ります
さらに
その時に刃を上下に動かします。
これは慣れると意外に簡単にできますから
ぜひ取り入れてみてください。

上向きにしてして押しだしn6-a13 035


下向きにして引くn6-a13 032

というふうにしつつ削ぎ切りするのです。

でもタコの足は柔らかくグネグネしているので
最初は上手くできないのが普通です。

ですから慣れないうちは足先を千枚通しやアイスピックで
まな板の端に打ち付けて行なうと簡単です。
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タコの足先は食べないで捨てるのが普通ですから
最後まで切る必要もありません。

慣れてくるとごく薄い削ぎ切りも自在に出来るように
なります。
不思議な事にこうして厚さに変化をもたせると
歯の弱い方も食べやすくなります。
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いや、私は食べ応えのあるほうが好きだという方は
ぐっと厚めに切る事も出来ます。
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これは波目模様をつけないで素直に厚く切ったものに
刻みを入れているところです。

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鹿の子に入れると
ほらこんなに味がしっかりと乗り

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しかも歯切れがいいのに食べ応えもあります。

私はタコの昆布じめなども作りますが
この隠し包丁スタイルで仕込みます。

どうやって食べても美味しいタコですが
やっぱり釣ってきた生のタコは格別です。

さあ、竿を持って海に出掛けましょう!
美味しいタコを食べましょう!

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こちらでデビルエイトでのタコ釣り動画が見られます。
http://www.devil8.com/005movie/movie1/devil-1.html
2012.10.22 ハゼの洗い
今回は洗いです。
この日は麺打ち仕事を早くに終らせて上市川に急ぎました。
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ようやく陽が上り始めてススキが黄金色に輝く中、
もう数人が釣り始めています。
中にはお隣の県のナンバー車も。
いったい何時に起きてくるんでしょうか!?

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そうです
ハゼはやり始めると熱中するんです。

帰ってさばく時間、仕事を始める時間などを引くと
釣りに許される時間は小一時間で朝釣りとしては充分。
そのかわりのんびりとした釣りじゃありません。

ハゼはうららかな秋晴れの中のんびりと釣る方法と
せかせかと数を稼ぐ釣りと選択ができるのです。

今回は数を狙いましょう。
ところ!が
こんな時に限って食いがシブイ。  

潮の加減でしょうかポツリポツリとしかアタリが出ないのです。
下げ潮でした。
(下げ潮=引き潮 潮止まりよりは良、上げ潮よりは劣る)

そんな時には二本竿を出します。
それでようやく数が出だしました。

隣で釣っていたおじさんがのぞきに来ます。

「釣れないねぇ」
「おや?釣っとるやないか!」

ハゼは入れ食いが当たり前のように思っているとこうして
思ったよりアタリがないとがっくりとくる釣りなんですね。

(入れ食い=エサを投入後すぐに釣れる、&持続する)

それでこうして釣れている人の様子を見に来ると言うわけです。

この方は今シーズン五百匹は釣ったと自慢していきました
全部白焼きにして冷凍保存したそうです。

そうこうしているうちにタイムアップ。
急いで帰ります。
一時間で25匹が釣れました。

帰路、クーラーボックスの水氷が
チャプチャプ、ガシャガシャと心地よい音を立てるので
ラッシュも気になりません。

帰ってすぐに氷水を作ります。
ボウルに水と氷を入れただけじゃ冷たくはなりません。

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こうしてしつこい位にグルグルグルグルと混ぜて置きます。
そこへさばいた刺身を切っては入れ、引いては放り込み
もう一度グルグルグルとやってザルに空けます。

氷を捨てて
布巾でギュッと絞り、洗いの完成!

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透き通った身がもちもちでとても美味しくできました。

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キュッと冷たく締まったハゼがあまりに美味しいので
調子に乗って握り寿司も作ってみました。

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かつて「ハゼ禁止令」を出していた家内も
「今度は私も行ってみようか」などと言う始末です。

冷たい雨が続くようになるとどんどん海へと降っていく
もうしばらくの間ですが
ハゼ釣りは老若男女どなたでも楽しめる釣りです。
一度トライしてみませんか?

簡単に釣って楽しく過ごし、美味しく食べる。
まさしく釣りの原点のようなひとコマとなるでしょう。





秋はハゼ釣りの季節。
富山は河川が沢山あるのでこの時期になるとあちこちで
釣り糸を垂れる人を見かけます。

休日ともなると釣り上げるそばから持ち込んだコンロで油を
沸かし、から揚げを作る家族連れの姿も見ます。

ところが私は永年このハゼが嫌いでした。
むかし、一度だけこれをやったことがあるんです。

釣り上げてすぐをから揚げにすると美味しいよ  と
聞いていたのですが実際にやってみるとなんだか泥臭く
美味しいとは思えなかったのです。

それを家に持ち帰り家内に食べさせたところ
冷めている分だけさらに美味しくなかったと見えて
とうとう「ハゼ禁止令」まで出される始末でした。

それから20年近く経ち
最近
「いやハゼは美味しいんだ」と聞いたのです。

こちらも僅かな記憶をたてに反論しました。
でも、
『そう言えば大した手間を掛けていなかったな』とも
思い出したのです。

ハゼを不味いからと敬遠してから後も色々な釣り遍歴を
しましたが、その中で船釣りが参考になりそうです。

釣り上げた魚を美味しく食べるーつまり鮮度を保つには
様々な手法があります。
堤防などではクーラーボックスなどを持参しますが
沖のテトラ釣りではかさばりますから持参できません。

そんな時にはストリンガーという大きなフックのついた
鎖やロープを持参します。
エラぶたから口に通して海に垂らして泳がせておくのです。

その時に重要なのが尾びれの根元の骨に少しだけ切り込みを
入れる事です。
そうすることで魚は泳ぎながら少量づつ血を流し帰宅
するころには血抜きが出来ているということになるのです。

船釣りでは大きなクーラーボックスを持参できますから
そこにたっぷりの氷を持って行き沖で海水を入れてやります。
これを「水氷(みずごおり)」と呼びます。

氷が溶けて塩分の薄まるのを嫌う人は塩を加えたり
ペットボトルの水を凍らせた氷などを併用します。

この水の冷たさといったら手をつけていられないほどで
たちまち魚は絶命してしまいます。

常温で、
例えば堤防の上や無氷のクーラーボックスの中などに放置
してバタバタと暴れまわった挙句絶命してしまった魚は
野締めと呼ばれ味は著しく落ちます。

一方、生きているうちにエラぶたから包丁を入れたり
こうして水氷などで瞬殺したものを活き締めと呼びます。

どちらが美味しいかは言うまでもありませんね。

ところが実際の漁の現場では驚くほど無頓着に扱われている
場合が少なくありません。

ひどいのになると夏の盛りに胴の間に温かい海水を貯めて
その中に魚を泳がせたまま帰港し、
水揚げしたら市場の温かいコンクリートの上に並べて
跳ね回らせている
というのまであります。

それを素人は「なんて活きがいいんだ!」などと
喜びますがプロは眉をひそめます。
絶命する頃には身が焼けてしまっているからです。

では表題の
ハゼはどうかというと恥ずかしながら、バケツで川の水を汲み
そのまま帰宅するまで中で絶命するまま放置して
しまっていたのです。

ハゼは汽水域で泳ぐとはいっても本来は海の塩水で生きています。
川であってもハゼの遊泳層は塩水です
それを水面の水、つまり真水に長々とつけておけば
どんどん味が落ちて当たり前ですよね。

子供が観察して喜ぶ為に釣り上げるのならそれも良し
でしょうが、
いい歳をしたおっさんが釣るのは食べる為なのです。

心を入れ替えて”たかがハゼ”などと言わず
ちゃんとそれ相応の手当をしてみよう。

と反省しつつ
先日行ってきました。
ハゼと言えば誰でも山ほど釣れる。
という概念も捨て去り、この日は10尾ほどだけを釣り、
早々に帰宅しました。

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たっぷりの氷に天然塩。
そして水道水で作った水氷はとても冷たくハゼはたちまち
ピクリとも動かなくなります。

帰宅してまな板に乗せたそれはしっかりと硬直してとても
裁きやすくなっています。

魚の命は果ててしまっていますが、こうして処理された
身肉は活きているんですね。



刺身にしても洗いにしても美味しくなります。

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今回は刺身でいただきましたが
ほんのりと甘く、とても美味しいものでした。
家内にも食べさせたら「美味しい」と評価をしてくれました。
数十年ぶりでハゼ禁止令も解けそうです。

そう思って顔を見ると今までは不味そうにしか見えなかった
のに妙に愛嬌があり釣り上げられたのも解らないとでも
言いたそうなキョトンとした表情まで滑稽です。

ハゼが不味いなんて不明のいたり
まずは己のなまくらを反省させられた一日でした。

魚の美味しさをお伝えするのにいつもつたない握り寿司を
作りますが今回はこんな専門誌に出ていたハゼの握りを
真似てみました。

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天ぷらも作ってみます。
いずれも河原でザザッとさばいてから揚げにしたのとは
まったく比べ物にならない美味しさでした。

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よし、ハゼ君これからは気合を入れて遊ばせてもらおうか。
なに遠慮することはない。
大いにお近づきになろうじゃないですか。
ささ、まずはこのご馳走を君に・・・。




え?そうだろう旨そうだろう?
そうこなくちゃね。










2009.12.01 フクラギ
ブリの子供「フクラギ」
関東関西で呼び名はそれぞれ変わりますが
人間で言えば高校生位でしょうか?
あと2歩で大人のブリというサイズです。
市場では詰めて「ラギ」と呼ばれます。
当て字では「福来木」

大きさで言えば4~50cmほど。
これも寒くなると脂が乗って美味しくなります。
背中と下腹のふっくらとした姿がその見極め。

これは北陸ではある意味、一番基本の魚と言えます。
さばく練習しかり、料理法の習得しかり、・・

ですからお刺身はもちろんの事、味噌漬け、醤油漬け、
揚げ物など広く各種活用されて重宝されています。

一番基本と言うぐらい広く一般的ということは
お客様にも、とても馴染みがある  と言う事です。
良く言えば当たり障りの無い無難な
悪く言えば普通すぎ、何の工夫も無い  となる訳です。

私は寿司ネタとして、生と梅酢で絞めたものを使います。
馴染みのある生と並べる事で違いを浮き立たせます。
一工夫すると即、新しい味わいが生まれるのですから
今迄あまりいじられて来なかったエリアにあえて強引に
持って行ってみたいと思っています。

キムチ風の和え物もとても美味しい酒肴になります。
それでミニ丼ではすかさず、「フクラギのビビンバ」で
お出ししましたところ、お陰様で好評でした。

私は退屈が大の苦手です。
もちろん守り続けなくてはいけない仕事はきっちり守らねばなりません。
しかし、変えなければいけない事、挑戦しなくてはいけない事もあります。
それらに目をつむりただ漫然とリフレインする事が嫌いな性分なのです。

守るべきは守り伝え、さらにステップアップし続け、新しい仕事を創り出すことこそ
料理人に与えられた使命とすら思っています。
ラーメン屋風情がこんな事を言うと生意気だとそしられるのには慣れています。
かつてはネットで毎日繰り返し
『悪口雑言を浴びせられ続けたお陰』と今では鉄面皮に
変身できたことをある意味感謝すらしているほどです。(呵呵大笑)

ラーメン屋風情が作りました。
今回は納豆で和えます。
刻み納豆、味噌、醤油、唐辛子、刻みネギ、で和えて刻みゴマをぱらりと散らします。

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美味しい酒肴となりました。

こうなりますとご飯の味方としてはお約束。
丼です。

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こうなります。
お好みでワサビ醤油をちょいとかけて豪快にかき込む。
日本に生まれてよかったと思う旨さです!

そしてもっとしみじみしたい方にはこちら
熱々の煎茶をかけて
お茶漬けです。

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うーん
やっぱりお米が美味しい。
ご飯に感謝!日本人で良かった!
ん?
フクラギの話でした?

美味しいお米があればこその美味しい魚だと改めて感謝です。

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富山湾では昨年からメジマグロがいつになく大漁です。
ご存知本マグロの幼魚です。
関東ではその体表の横じまから「ヨコワ」と呼ばれ
関西以西では「シビ」或いは「シビコ」
北陸ではメジマグロと呼びます。
昨年秋には20cm前後だったものが今年は4~50cmサイズが主です。
同じ群れだとは断定できませんが大きくなるのは確かに早そうです。

この位のサイズだと食物連鎖による弊害が少ないのでまだ安心して食べられます。
味も優しい赤味でしつこくありません。
今回はこれをいじってみましょう。
韓国料理で御馴染みの「ユッケ」です。
あちらでは魚で作るのかどうかは知りませんが、赤味つながりでなんとか行けるのではとトライしてみた至って大雑把な日本人です。
韓国の料理らしきものを作るからと言って同胞認定はお止めくださいね(笑)

ユッケに使う主な調味料は「コチュジャン」という辛子味噌です。
これを買うと結構高価で添加物混入品が多いので自作をお奨めします。
すり味噌と粉唐辛子(韓国唐辛子)を良く混ぜて砂糖をたっぷり加えて甘味噌にすればだいたいOKです。
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冷蔵庫で保管するならそのままで、
常温保存するなら水で緩めてから煮詰めてください。
これがあると簡単にレパートリーの幅が広がります。
使い方はとても簡単!  単なる唐辛子の入った甘味噌ですから。

マグロを小さくカットしてコチュジャンと醤油、みりん、ごま油少々を混ぜるだけで大むね完成してしまいました!
こんな簡単でいいの?  というぐらい誰でも作れます。
後はお好みでニンニクのみじん切りを加えたり季節の香味野菜を加えたりして変化を楽しみましょう!
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というわけでタタキ風に和のハーブをたっぷり入れました。
みょうが、青紫蘇、ネギ、しょうが、です。
たっぷりと加えた方がよりさっぱりと美味しく食べれますね。
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あまりに美味しかったので翌日の「ミニ丼」でも出してみました。
好評です。
これならいくらでも食べられそうです。
マグロにはかすかな酸味や渋みがあり、それは味を引き立てる作用となっています。
けっして嫌味要素にはなっていないのですが、こうして甘味噌と合わせると実に素直な旨味となって口中にバラケて行きます。

ますます調子に乗り、次々にトライしてみました。
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蕎麦です。
普通のザル蕎麦状態に乗せました。
ツユはザルよりやや辛め。
なかなか乙な味わいでした。
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冷ラーメンです。
若干柔らかめに茹で上げて冷水で締めます。
醤油、酢、砂糖少々、チキンスープでタレを合わせて
下タレとします。
これも美味しいですね。
酢が混じるとさらにさっぱりとします。
とはいえ、ユッケに最初から酢を入れると薬味ともども変色しやすいので後からにしましょう。

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お次はスパゲッテイです。
例によって柔らかめに茹で上げて冷水でキンキンに締めます。
ドレッシングを冷ましたチキンスープで割ってタレ(ソース)にしますが、
ここで奥の手をひとつ。


こちらです。
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バジルはしそ科と言われていますが、
別々に香りを嗅ぐと全く別物みたいに感じます。
ところがこうして一緒に刻んで混ぜると誠にいい香りにグレードアップするのです。
これはスィートバジルだからでしょうか甘い香りまで漂うのです。
またひとつ勉強です。

これを乗せて食べるとまた一味違う味に変化してくれました。

夏には洋と東西を問わずハーブ類がぴったりです!
いつもと一味違うお刺身を楽しんでみませんか?

2008.09.25 やまかけ丼
美味しい物で話が盛り上がるのは楽しいものですが、美味しくなかった物やお店で酷い目に合ったなどという話もおおいに盛り上がるものです。
これは何も悪口大会ということではなく、食べ物の恨みは怖いという話ですね。
いろいろな感性の持ち主が様々なメニューをこなしているわけですから結果的に好き嫌いも出て当然でしょう。

今の本業のラーメンの世界でもよくある話です。
だいたい一冊のラーメン特集本で好きなお店が何軒あるのかと問えばおのずと答えは見えてきます。
膨大な数のその他のお店は好きではない のですから。
余談ですが、一度回覧が回ってきました。
ラーメン特集本で好きな店に○嫌いな店に×をつけて友人に回せ というものです。
誰が始めたのか誰が書き込んだのかは不明です。
見ると○より×のほうが多いのです。
この事が全てだとは言いませんが、とにかく食べ物の好みは色々ですね。

私にも経験はあります。
味の素を受け付けないので外食には相当用心していますがそれでも時たま地雷を踏んでしまいます。
何処にも安全地帯が無い場合はかえってファミレスが良かったりします。
焼き魚定食などがあればご飯と魚だけで安全に済ませられるからです。
困るのが高速道路。
逃げ場がありませんからSAで摂るしかありません。
昔話ですが、怪しいのを却下し続けて蕎麦とやまかけ丼が残りました。
蕎麦はツユが業務用でしょうからオーダーはやまかけ丼で決まりです。

あぁそうですね結果を先に書いておきましょう。
これ以後SAでは何も食べない事に決めています。

そも!
山掛けと言えばまぐろの刺身にとろろをかけたものを指しますよね?
それで醤油をかけて食べるという単純な話です。
何も問題など起こるはずもない  のが丼では違ってきます。

丼は小宇宙だと誰かがほざいてますがそれなら味噌汁椀の中では核爆発が起きていると返しておきましょう。

おおげさに語るべからず! 美味しければ皆ハッピーなのです。

出てきた丼は実にさりげないものでした。
小ぶりの丼に優しく飯を盛り、山掛けが乗っているだけです。
真っ白なとろろにきれいなマグロの赤が妙に鮮やかではありませんか。
なるほど山掛けを丼飯にのせたから「やまかけ丼」です。

そこで醤油を取って掛けて食べ始めました。
とろろには醤油味が付きますがマグロには付いてません。
そこで慎重にマグロだけに少量垂らそうとしますが時既に遅くとろろがマグロに絡み付いて不可能なのです。
考えて見てください。
温かいご飯に味の付いてないマグロの切り身を乗せて醤油をつけないで食べるという状況を!
好みの問題ではすみません。
レシピが間違っていると思いませんか?

ですが私もプロの端くれです。
こういうケースも全て教材に変えてしまうのです。
転んでも路傍の山菜を掴んで立ち上がると言われています(ウソ)

自分ならどうやるだろうか?と思うだけで答えはすぐに出てきます。
そしてそれ以後私の得意メニューになっているのでした。

昨日はブリの幼生30cmクラス「フクラギ」でやまかけ丼を出しました。<250円>
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ご飯にすりゴマとタレ(みりん+醤油+昆布)
刺身のヅケを乗せる(みりん少し+醤油+生姜+わさび少量)
とろろをかける  (丸いも+長芋+だし少量+醤油)

IMG_6820.jpg小鉢は筑前煮です。
里芋が美味しくなってくると無性に作りたくなる品です。

秋茄子とみょうが、胡瓜で秋の柴漬けです。
暑かった夏と秋のこの時期で柴漬けも終わりです。
過ぎてみれば短い夏でした。

材料にはきちっと味をつけなければバランスは取れません。
10人10色の答えがあってもかまいませんが、これが私の答えです。
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この日は珍しく仕込んだ分を完売しました。




そぼろ納豆丼の記事はこちらからどうぞ
2008.07.06 鯵のタルタル
鯵のタルタルを作ってみました。
三枚におろして中骨を避けて身おろし。
さあ、これでお刺身ってところで塩を振りしばらく置きます。

この塩を馴染ませる時には室内で行います。
冷蔵庫ではいまいちです。
(逆にしめ鯖などのように酢で絞める時には冷蔵庫内で行います。
酢も冷たく冷やしておけば完璧です。)

塩が馴染んだかどうかの目安は塩が溶けたかどうかで見ます。
だいたい15分くらいでいけそうですね。

その間に玉葱ならみじん切り+水さらし
らっきょうも同じくみじん切り+水さらし と下準備します。

ハーブも刻みます。
今日はバジルを用意しました。

マヨネーズ少し、塩、粗引き黒コショー、オリーブオイル、ゆず果汁を加えてさっくり混ぜます。

出来上がりです。
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ワインなどに合います。
これは昨日ネットで見つけたレシピを頂いて今日某所で作ったものです。
お皿もそちらのものです。

甘夏かんを加えて、トマトを下に敷こうと思っていたのに完全に忘れていってしまいました。
その代わりゆず胡椒のドレッシングとワサビドレッシングと合わせる複合技は決まってなによりです。
なかなか他所様の厨房で作るというは勝手が違いますが、それもまた楽しいものです。
若い人達のやる気がこちらを刺激してインスピレーションがどんどん湧き上がって来ます。

またこれからも面白い仕事をさせてもらえそうで楽しみです。




2008.06.24 なめろう
鯵の「なめろう」
房総の名物料理ですが、
こちら日本海側ではムロアジの良いものが少ない為たまにしか作れません。
真鯵では身が柔らかいので不向きなのです。
もちろんムロアジでも身が柔らかくなってしまったものはいけません。

ムロアジは活きの良いものを氷水でガンガンに締めなくてはなりません。
魚体はずんぐりして丸々とぷっくり太り脂が乗り栄養満点で産卵に接岸してきました。

3枚におろし、腹骨をかき取り、皮を引きます。
ある程度細かく刻んだら青紫蘇、生姜、味噌を加えて包丁で叩きます。

いわゆる「鯵のたたき」と違いパラパラっとした盛り付けではありません。
脂としっかりとしたムロアジの粘りとですり身に近い物になります。

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無くなると皿をなめるほど旨い という意味の「なめろう」ですがやっぱり美味しいです。
たっぷりの脂が決めてですね。
刺身もいいんですが、脂でしつこくなります。
なめろうの方がしつこく感じません。

富山では「氷見(ひみ)」に良く似た郷土料理があります。

すり鉢で摺るんです。
味噌や薬味を入れるのも同じです。
どこでも漁師さん達は同じような品を作り出すんですね。

このすり鉢で摺ったものに氷水と輪切り胡瓜を入れてかき混ぜたものが「冷汁(ひやじる)」「ガワ汁(がわじる)」
これは何処の郷土料理だったかは忘れました。
いかにも夏の料理です。

今日はなめろうを焼いてみました。
さんが焼きです。
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これはこれでまた味わい深いです。
アワビの殻に貼り付けて焼いたり、紫蘇でサンドイッチにしたり、油を引いて焼いたりなどいくつかのパターンがあるそうです。

なめろうはムロが一番ですが、さんが焼きにはイサキが一番なんだとか、。
こちらではイサキは上がりません。

太平洋岸が羨ましいですがこの温暖化でそのうち獲れる日が来るかも知れませんね。
最もそうなるとあまり喜んでばかりもいられません。
なにしろ最近のニュースでは2050年には海の魚は一匹もいなくなってしまうというショッキングな話が出たばかり。

日々感謝の心で魚をいただきます。
命がけで魚を獲ってきてくれる漁師さんにも合掌。


2007.10.07 お刺身料理
先日は「焼き魚料理」を提案しましたが今度は「お刺身料理」を提案させていただきます。
魚を焼いて更にひと手間かけることで新たな美味しさを広げられるように
お刺身を「定番のワサビ醤油」じゃない他の食べ方を探ろう というものです。

どちらもゆっくり長く取り組んでまいります。
また、どなた様でもアイデアを広く募ります。
沢山の人達でレシピや知恵を共有しかつ次の世代に伝承していければ幸いです。

今、10月 秋カマスが美味しくなってきました。
以前仕入れに行っていた市場では魚の手当てが悪くカマスは刺身には出来ませんでしたが
現在の仕入先はとても扱いがよろしくカマスの美味しさに今更ながら驚かされる日々です。

一般的に身が柔らかいと言われますが新鮮なものは柔らかくてもしっかりとしています。
昆布じめなどでも大いに活用します。

これをお刺身にするにはいったん塩で軽く締めてから行います。

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表面から水気が染み出してきたらさっと冷水で洗い布巾で水気を切ります。
これを糸造りにします。20071007082718.jpg

刺身包丁でスッと勢い良く押し出すようにして細切りにしますが、
この時に包丁の背をやや尾側(左側)に傾けたままで切ります。
小骨の向きと逆になるので骨切り効果も高いのです。

みょうがを細切りにします。

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いったん水でさらして布巾でよく水気を切ってカマスと混ぜます。
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これはこのまま生醤油で美味しく食べれます。
カマスの刺身は味わいが淡いのでワサビ醤油ですと負けてしまいそれこそワサビの味しかしなくなりすぐに飽きてしまうのですがこれならいくらでも飽きずに進みます。

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あまりに美味しいのでそのままの形 三層の昆布じめにしてみました。
明日が楽しみです。


20070824073558.jpg ブリの3歩前です。
30cmクラスで こちらでは「ツバイソ」と呼びます。
魚の呼び名は全国様々な名前がありますが出世魚の代表格のブリには富山県だけでも5段階ありますから全国でみればいったい何通りあるのか見当もつきません。
富山では「コズクラ」「ツバイソ」「フクラギ」「ガンド」「ブリ」となります。

このツバイソサイズは盛期にはとても安価になり有難い魚ですが脂ののりが少ない為敬遠する人もいます。
若い頃は年配の市場関係者が「これが脂が少なくて一番旨いんだ」などと言うのを違和感を持って聞いたものです。

今は良く解ります。

でも、若い人達にも喜んでもらうえるように仕立てねばなりません。
そこで「ミニ丼」にしました。
恒例の夏のツバイソのタタキ丼です。

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通常の香味野菜の他にみょうが、オクラを加えてボリュームを出します。
脂ののりが少ない所を強調してサッパリ感を出しておいしくなりました。
これでやると誰も残しません。
おそらく みょうがを嫌いな人も何割かいるはずなんですが、きっと組み合わせによって一体化してしまうと感じなくなるのだろうと思われます。

あぁ そうそう ひとつ仕掛けがあるのを書き忘れていました。
こういうメニューを見ると誰もが
「そりゃ新鮮な魚を使えば何をやったって美味しくなるのに決まってるさ」
と思うはずです。
でもそれは少し違います。
それでは「普通」なんです。
目で見たイメージのままなら誰も「おいしい」とは感じません。
人間とはかくも厄介な生き物なんですよ。

見えない所でよい意味裏切る  これがポイントつまり「お仕事」なんです。
材料の長、短所を知り、それを最善な手法でUPさせてやる。
これが 理(ことわり)を料(はかる)というものです。
それらを手抜きして ただ通り一遍のものを並べてもおいしいとは言ってもらえないのが飲食店なのです。

今日の仕掛けです。
丼の白ご飯に「金ごま」の擂りたてをかける
その上に「こだわりの切り海苔」をたっぷりと乗せる

以上2点です。
本当はこれだけで醤油をかけて食べても既においしいんですよ。


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