私は能登育ちで、能登には大河が無く
それで川魚というものに全く無縁で過ごして来ました。

鮎やイワナはもちろん川に遡上した鮭の味に触れる事もなかったのです。

富山に来てそれらを少しづつ知り始めてはきましたが
川獲りの鮭は脂が落ちて美味しくないという風説を疑うことも無く
しかし、新潟県の村上の鮭の美味しさを聞くとなにやら
腑に落ちないような気持ちで過ごしておりました。

村上の川獲り鮭には数え切れないほどの調理法がありますが、
酒好きの私が一番気になるのが「酒びたし」というものです。
三枚におろした鮭に塩を当て干しただけのものです。

それを薄くそぎ切りにしたものを酒に漬けて柔らかく戻して
食べるというものです。

ところで
この話を続けるに当たって要点を先に挙げておきましょうか。
魚の脂です。

脂の乗った魚は確かに美味しいですよね。
魚の脂には体喜ぶ栄養やビタミンがいっぱい含まれています。

でも現代では舌が喜ぶ脂が、やや過剰気味なのが現実で
寿司の盛り合わせなどでは養殖の「とろサーモン」を
必ず混ぜないと客が納得してくれないとまで言われます。

ノルウェー産の塩サバや輸入の大判アジの開きなどを
食べ慣れてしまった世代にはもはや国産の塩干モノが
売れなくなってしまったそうです。

ノルウェー産サバは「大西洋サバ」という品種で日本近海で
獲れるサバとは別物です。
近海サバは「真サバ」と「ゴマサバ」の二種類

普通に食べているとどちらもサバだと思いますが
両方を同時に食べ比べると明らかな違いがあります。

真サバは肉の味がしっかりとしているのに比べ
ゴマサバは脂の味しかしないと言ってもいいくらいの差異が
あります。
ゴマサバは脂たっぷりだからです。

人間の味覚というのはそれ程に視覚に影響を受けていて
見た目が同じようなサバなら無条件に味も同じだと錯覚してしまうんですね。

ノルウェーサバがこのゴマサバに近い味なのです。
最近では日本近海でも真サバの漁獲量が少なくなり
サバの開きでもゴマサバが使われるようになってきました。

問屋さんが申し訳なさそうに「ゴマなんだけど・・」
と言うのに答えて
「いやいや、脂がある分若い人にも受けるんじゃないの?」
と妙なエールを送る始末です。

大人気のノルウェー産サバの悪口を言うつもりは毛頭ありません。
たまには私も食べますから。

昔、母が弁当のおかずにサバの開きを新聞紙で包んで
持たせてくれました。
それを思い出したら無性に食べたくなり、
どこかに無いかと探しても無かったのです。

結局、その頃はどこに売ってなくて自作しました。
なに、ノルウェーサバを乾しただけなんですけどね。

どうなったと思います?
見事に真っ黄色になりました。   

そう、脂が酸化しているんですね。

サバやマグロなどの脂の乗ったものはマイナス60度まで
冷える冷凍庫で無いとどんどん劣化してしまうそうです。

これは干したから酸化していることが判ったのですが
普通に焼いて食べていたら恐らく解らなかったんじゃないかと
思われます。

鮎の先生のYさんが川獲りの鮭を荒巻に加工してプレゼント
してくれます。

これが何とも言えない枯淡の味わいといったしみじみ旨い
鮭なのです。

川獲りは美味しくないと聞いていた と正直に申し上げたところ
本来荒巻はこうした脂の落ちたもので作った物なんだ  と
それが最近は誰しも「脂  脂  脂」とばかり言うものだから
荒巻も脂の乗った物に代わりつつある。

脂が落ちているからこそ保存性も上がるんだ  との事。

目から鱗  とはこの事です。
料理の世界の言葉で置き換えるのならつまり「引き算」
という事なんですね。

脂を落として旨みを凝縮させる
日本人が昔から苦労して編み出した本当の美味しさの
代表が本枯れかつお節。

あれもいかに効率よく素早く脂を分解させるかという事で
カビ付けという手法が摂られています。

田舎の母が毎年作っていた宗田ガツオの亀節は
出来上がったばかりの頃はダシに脂が浮きますが
長い間乾したものには浮かなくなります。

カビ付け工程はその期間を短縮させて確実に脂を抜く
効果があったのでしょう。

脂の乗った食材は確かに美味しいのですが
とかく本質の味を見失いがちになります。

ハンバーグをカットして脂がどっと流れ出すと
「ワーッ美味しそう♪」と歓声挙げて一口頬張り
「とってもジューシー」とやってるのを見ると

単に脂を喜んでいるようにしか見えません。

素材から脂を抜き、味を凝縮させることで
奥に秘めている本当の力強い味を引き出す。
そんな先人の知恵に敬意を表し精進し続けたいものです。

寒ざらし(仮名)は梅雨を越して熟成すると言われます。
晴れの日には包丁も立たないくらいに硬くカチカチになり
雨の日にはしんなりと戻りと冬から夏を迎え

雨の日に下ろしてきました。
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この日は鮭の寒ざらしを細かくカットして炊き込みご飯に。
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漬けて置いた酒と塩、それに昆布と醤油を少々。
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たったそれだけでビックリするほど美味しいご飯になってくれました。
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村上では鮭をもはや鮭とも呼ばずイヨと呼ぶそうです。
魚の中の魚と言うほどの意味でしょうか。
確かに鮭にはその称号に値する純粋な旨みがありました。

川や川魚と無縁で育ってきた私ですが
渓流釣りを手ほどきしてくれたMさんや
豊富な知識で川魚のイロハをご教示してくれるTさんG氏
鮎や鮭の事を教えてくれるYさん
得難い友人や先生との有り難い交友を通じて勉強の日々

感謝とともに川巡りの旅はまだまだ続くのです。








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かつて出先のスーパーを物色するのが趣味でした。
山に行けば思いがけないキノコや山菜、はたまた見たことも無い
メーカーの珍しい品などが面白かったものです。

また、海辺に行けば珍しい魚や干物が並び買い物の愉しみを
味わえました。

最近ではそんな事もすっかりなくなりました。
どこへ行っても同じようなメーカー品ばかりです。
似たり寄ったりの品ぞろえでは見る気も起りません。

ところが、ブログ村を見ていたら「あるのん」さんが
面白いスーパーの事を紹介してくれているのです。

こちらがその記事
「だって富山人だもの」
ここでは県内外の面白スポットの情報が沢山紹介されています。

私は魚を買いに東は黒部
西は氷見まで走ります。
その時にこの魚津店は何度も見てはいたのです。

でも瞬間に通り過ぎる車窓からはとても読み取れず
まさかスーパーであるとも解らずに通過ばかりしていました。
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「え! ここだったのか」という気分です

新潟から進出してきたスーパーで
品ぞろえが珍しいというので早速行ってきました。

結果は大満足。

あるのんさんお勧めの油揚げと創健社のマヨネーズを
買い求めてまいりました。
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サンショウやサンビアンなどしっかりとした健康系の店は
ともかく普通のスーパーで創健社の品を置いてあるのは
とても素晴らしい事なのです。

そういうアンテナを持ったお店なんですね。
こんな醤油もありました。
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もっとじっくりと時間を掛ければもっといいものもありそうなお店です。

あるのんさんが買った「君の井(木升つき)」が無かったのは
とても残念  

油揚げは一見薄揚げのようでいて分厚く、その分よくダシが
染み込んでとても美味しくなってくれました。

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業界の噂では富山市内進出も近いとかどうとか・・・
シマヤさんが大健闘している富山地区に新たなライバル
登場となれば大手のOさんやAグループもうかうかしていられませんね。

でも私達消費者としては大歓迎です。

あるのんさんの御蔭で楽しく買い物の出来るお店を
知る事が出来ました。

豊富な品ぞろえのパン屋さん。
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感謝多々。







ひところハウツー本などと呼ばれたジャンルがありますね
料理のレシピだったり工作など。
アウトドア系だと山菜採りの本やキノコ採りの本などが
それこそ書店の本棚を埋め尽くしています。

それらは
何も知らない頃には大変重宝するものです。
でも中にはかなり怪しいものも記述されているんです。

家で作る常備菜  という本でかまぼこを作る
との項目を見つけてつい買ってしまった事があります。

忘れもしません
味の素を受け付けなくなって大好きだったかまぼこが
食べられなくなってしまった時に手に取ってしまったのです。

何の事はありません
ただのすり身料理でした。
この本の著者はおそらく自分では作っていないのでしょう。

世間一般でこうやるんだ   と通念化されているものを
ただ丸写ししているだけなのでしょう。

こんな事例は山ほどあります。
しかもそんな本が結構な値がするんですよ。
知ったかぶりの丸写しで書かれただけの本
裏が見えると腹立たしいですよね。

ネットなどで無料で覗いた情報とはわけが違うと思いませんか?

かまぼこ作りには魚の切り身を水でさらして脂を抜く
という工程が必要でした。

キノコの本によると
杉林には食べられる菌が少なくて
スギヒラタケが近年毒菌に指定された今
唯一スギエダタケが残った

これは期間も長いので更なる有効活用を望みたい
などと書かれてあるのです。

本当に?
と言いたい!
食べないで書いてませんか?

昨年これを大量に採って味噌汁に入れました。
苦くて苦くて飲めませんでした。
一緒にナメコも入れたのに全く一口も食べられませんでした。

今までは他のキノコに混ぜ、ほんの数本入れていた時には
判りませんでしたが、この時にはこれしか採れなくて
初めて知りました。

とは言え一回だけで断定までは出来ません。
後何度か試してみなくてはなりませんが
本に書いてあることを鵜呑みできないと改めて痛感した
苦い味噌汁の記憶です。


山菜のハンゴウソウ
アクが強いと書いてあります

食べてないでしょ?
と言いたい!

こんなまずいものをどうやって食べればいいんだ
とずっと思ってました。
山菜のプロのO氏も「こりゃ美味しくないんだ」と
苦笑いしていたものです。

昨年ようやくその処理に成功しました。
正しく処理さえすれば普通に美味しく食べられるのです。
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せっかく本にまとめるのならどうしてそこまで書かないのでしょうか?


山菜のイタドリ
普通に食べられると書いてあります

やってないでしょ ?
と言いたい!
手を出しもしないで
適当な事書いてギャラだけ取ってる輩の文ですね。

これも昨年にかなり苦労して
ようやく山菜として活用できそうかな?
というところまでこぎつけました。
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本当に解っていいるならどうしてそこまで書かないんだ!

と少し恨みがましい気持ちになりました。

最後が本日メインの山菜

シシウド

食べられる?

ウソつけ  知ったかぶりするんじゃない

失礼しました。

どうぞご安心ください。
こんなウソつき共にさんざん騙されてきた結果
ついに本当を入手出来ました。
ひとつづつご紹介できそうです。

まずは春一番に芽吹くシシウドの加工法からご紹介です。
リアルタイムでは春ですが一足早く
書かせていただきましょう。

ネット上では苦くてとても食えないという評価が蔓延
していますが、その通りそのままでは食べられません。
例えるととても苦いセンブリの煎じ汁に匹敵するほどの
苦味です。

でもセンブリが胃薬になるようにどこかしら薬効を
伴う苦味でもあります。
それもそのはずシシウドは薬効の強い山菜なのです。

でも「食べられる」と執筆されている先生にぜひ
そのまま食べさせたいほどの苦味で
鵜呑みにしてしまった人がこの苦味に遭遇してしまうと
二度と手を出さなくなってしまうというものです。

一説には
とてもじゃないが苦くて人間じゃ食えないから
獣が食べるものとして名づけられた
というものまであるくらいです。

しかし、雪解けのすぐ下から一番早く萌え出る山菜です。
しかも大量に在る。
これはやはり何としても食べなくては!

塩漬け保存しました。
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そして冬に塩抜きして
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恐る恐る食べてみると

なんと!
旨いではないですか!


そうこれは塩で苦味を抜くという工程が必要だったのです。
ここで挙げた一癖ある  つまりあまり一般的でないモノ
というのはひとひねりした技を必要とするものだったのです。

シシウドは塩蔵期間を長くとる事であく抜きができました。

これを水にさらして塩抜きをし、
煮物にしてみました。
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太い部位と細い部分で硬さや歯ごたえの違いは
あるもののこれは色々と面白い料理になりそうです。

また私が密かに活用を狙っている部門にも活かせそうです。
今年はこれを大量に収穫して塩蔵しましょう。

まずはシシウドをご紹介いたしますが
今年はこんな一癖ある山菜の活用法なども
書いてまいります。

山にはまだ利用されていない美味しい山菜がいっぱい
あります。
少しでも新たな美味を開拓してご紹介をし
どなたかのお役に立てれば幸いです。

次回はこのシシウドを用いてちょっと高級な料理に
トライしたのを書きます。


b
今年、山菜採りに走るうちに気になるお店を見つけました。
それでシーズンの終わりにやっと行けましたのでご紹介します。
お店の名前は「高千代」さんといいます。
土産物店で聞くと
リピーターの多い知る人ぞ知る  名店なのだそうです。

ようやく訪問出来ました
店主ご本人は鉄砲撃ち  すなわち猟師さんです。

メニューには熊、鹿、イノシシ、キジ、ハクビシン、すっぽん
岩魚、山菜、キノコと垂涎のお品書きがずらりと並びます。

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この辺りでは昔から熊をよく食べてきたそうでして
もっとも、こんな手の込んだ料理じゃなく
吸い物仕立ての澄んだダシに牛蒡や豆腐程度の具を加えた
熊鍋だったといいます。(by 土産物店談)

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店主は相当な働き者で
一年中野山を駆け巡り獲物を獲り、さばき、備蓄し、
山菜を採り、さばき、備蓄し、
キノコを採り、備蓄し、
しかもその合間に畑を耕し、大豆を作り味噌を仕込み
蕎麦を育ててお店で出す

という超人なわけです。
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大豆は毎年鹿が食べるからその分を多めに作付けするのだ
そうですが昨年はどういう訳か食べられなくて済み
その分余ってしまって豆腐屋さんに売った。
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などと笑い飛ばすのですが
これ、相当な仕事量なのが想像できますでしょうか?

また、
一口に蕎麦を育ててるというと
『わ~  いいわね♪』
などと嬌声が上がりそうですが
その仕事の大変さと言ったらとんでもないレベルなのです。

現に
「蕎麦は大変でしょう?」と聞くと
息子さんは
「もうこんなのは止めてくれ!」と悲鳴を上げている
との事です

ま  でも止めないですね
あの顔じゃ。

この蕎麦で面白い事を発見するのですが
それは次項に回すとして

メニューには熊のもつ鍋というのがあります。
はて?
「内臓は食べません」(by 土産物店談)
と言ってたはずだけど

と思い尋ねると
「自分で食べて美味しかったら人にも食べさせたいから」
とさらりと答えます。

この一言でご主人が大好きになりました。
それこそが料理店、料理人の原点なのです。

華やかな技量を誇ったり、競ったりは何のためにあるのか
をすっかり忘れ果てたような
それどころかひたすら手を抜いて安直な金儲けばかりに走る
里の料理人に

あらゆる豊富な食材に囲まれていながらよりによってという
モノにばかり手を伸ばす
街の料理人に

違法性さえ問われなければ少々の危険なんか
知らないとばかりに添加物に頼る
食品加工業者に

耳をかっぽじって良く聞け!
と言ってやりたいこの嬉しい一言  

この日は熊のつけ蕎麦とくま丼を頂きました。
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生きるものを殺して商いをすることの罪深さをしっかりと自覚し
「あなたの命をいただきます」といって
手を合わせ自然の恵みに感謝する

という店主は
美味しく食べていただいてにこやかに帰る
お客の笑顔が私の一番の喜びです
と語ります。

これほどのあっぱれな人を私は他に知りません。
人は自分の苦労ばかり語りたがります。

厳しいこの地で子を育て
この地で出来る事を力いっぱいこなしている人の
気負わない力強さにあふれています。

この方にとっては
猟や農耕、その他全て同一次元なのでしょう。
ひとつとして片手間仕事などないのです。

この地で生き抜くという事を決意したその姿に
ここでもまた自然と折り合いをつけて暮らすカタチを見せてもらいました。

美味しかったです。
何年かかるか判りませんが頑張って通い
このあっぱれな全メニューを制覇したくなりました。

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山菜採りに行くと毎回見慣れない草花を見ます。
それは行く場所によって分布が異なる訳ですから当然なのですが、
今年入ったポイントでは実に美味しそうな山野草がありました。
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サンカヨウです。
小さな谷一面にまるで畑のように見えるくらい
柔らかな新葉がくしゃくしゃの状態で萌え出て
緩やかに展開したかと思うともう白い花芽を持ちます。

次に小さな実がつき、
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翌週に行った時にはもう大きくなっているのです。

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これが熟すると食べられるというので楽しみにしていました。
花より団子派ですから
とにかく食べる事しか頭にありません。

ところが
「でも、美味しいという話は聞いたことが無い」
というキャプションがついているのが非常に気になります。

およそ山の食べられる物でそんなものは
思い至らないのです。
食べられる=普通 or 美味しい
のが当たり前だと思っているからです。

ですから
そう聞くとなおさら食べてみたくなるのは当然の
花より団子派なのでした。

毎週のように通った甲斐があり
7月も半ばの頃ようやく熟した果実を見つけました。
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見た目はまるでブルーベリーのようではないですか!
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否が応でも期待は高まります。

口に頬張るとプチンと弾け・・・・・
「・・・・・・・・」

甘酸っぱい果汁が・・・
あります。

でもそれだけなんです。
果肉が無い!

ほんのかすかな果汁があるにはあるんですが
甘酸っぱさを舌に残してすっと消えてしまい
口には種が残るだけなんです。

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これは葉の上につぶしたものです。
ちょっとがっかりです。

ですがサンカヨウの名誉の為じゃありませんが、
巷間いかにも不味いかのように言われているほどじゃありません。

そう一言でいうなら
「不味くはない」   
これに尽きます。

花より団子派ですが持ち帰りませんでした。
たまには勘弁してやりましょうか。  



富山人は昆布締めが大好きです。
あらゆるものを昆布で挟みます。
美味しいものを挟むと昆布マジックでもっと美味しくなることを
子供の頃から学んでいるからです。

ほとんどの魚は言うに及ばず肉、山菜、
最近では普通の野菜まで挟むようになってきました。

ところが、意外なことにホタルイカは見かけないのです。

浜のお母さんに尋ねたところ 「かつてはあった」と言います。
生のまま一匹づつ開いて昆布締めにしていたそうです。

ところが食中毒の危険性を指摘されるようになってから
見なくなってしまった   と言うのです。

海水は言うまでもなく塩水です。
塩分があれば安心などと誤解する人もいるようですが
腸炎ビブリオ菌は塩が好きな「好塩菌」なのです。
これがイカ刺しの場合などでも、ままいたずらをすると言う訳です。

じゃ絶対不可能なのでしょうか?
いいえ、対応策はあります。
私は天邪鬼ですから「無い」とか「出来ない」などと聞くと
尚更挑戦したくなります。

例の菌をやっつけるには真水とボイルで完璧な処理が
出来るのですから、後はその後の処置次第です。

何度か試作した結果今年はカブの千枚漬けで巻くというカタチで
落ち着きました。
こうなります。

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茹でて十分殺菌処理した後に千枚漬けで巻きつけて昆布に挟みました。

カブは野菜の中で一番グルタミン酸の含有が多いそうで
事実、昆布との相性が抜群なのは広く知られている所です。

それを巻くことで旨みの補強、甘酢とのマッチング
カブの歯ごたえの爽やかさ  などを得て完成しました。

このままでも美味しく頂けますが、ワサビ醤油との相性も良く
酒肴だけじゃなくご飯のおかずとしてもいけます。

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盛り付け時には付け合わせ野菜が無くても
そのまま並べるだけでOKです。

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真空パック  約21尾入り 1,000円 冷凍での販売となります。 
これから観光や帰省で訪れる方々へのお土産品などにも
ご利用ください。
無くなり次第終了とさせていただきます。

2014.11.24 イクラを作る
富山にきて間もないころスーパーに行って
驚いたことがあります。
鮭の筋子が普通に並んでいるんです。

担当の人に聞いたところ
「普通の家庭の主婦がこれを捌いていくらに仕込む」
と聞いて驚くやら感心するやらで開いた口がふさがりませんでした。

普通という言葉はなんていい加減でどれだけ奥が深いんだ!?
という印象でした。

北海道や新潟など鮭が獲れる地方ではそれは当たり前の景色
なんだそうです。


それを今年は数年ぶりに仕込んでみました。
教わりたての頃は醤油ダレ専門でしたが最近は塩味専門です。

海で獲れる鮭の腹の中にはこうして皮に包まれた状態で入っています。
これが筋子です。

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マスや紅鮭などの筋子に比べるととても大きくても呼び名は同じ。

これが川に入るとどんどん産卵準備が進み、皮が薄くなり
代わりに卵一粒づつの表皮が硬くなっていき
しまいには袋が無くなってしまい腹の中にはすっかり硬くなったバラバラの
イクラが入っている状態になります。

これで産卵準備が整い、砂利の中に産み付けられても割れない卵となるのです。

川魚漁師さん達でも川の下流を得意とする人もいれば、
上流を専門に狙う人もいます。

下流域で獲った鮭はまだ筋子だそうですが、
上流域で獲った鮭だとイクラ状態になっているそうです。

そんな鮭は頭を持って運ぶことは厳禁なのだとか。
普通はこんな大きな魚を持ち運ぶ時エラぶたに手を入れて持ちますが、
もう産卵開始状態になっているため下方になっている
お尻からイクラがポロポロとこぼれ落ちてしまうというのです。

川岸に付けた笹船から車までイクラが点々と続くそんな光景を
想像するだけでなんだか滑稽になりますね。

さて、もう何度も書いていますが
この筋子からイクラに仕込む工程を記しておきましょう。

いろんなやり方がありますが、私は熱いお湯でほどきます。
手をかろうじて入れられる程のお湯に 「えいっ!」とばかりに
放り込みます。
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いえ、
本当に初めての時はそんな感じでちょっとした勇気が必要なんです。

たちまち白濁しますからここで餅焼き網の上でもみほぐしてばらします。

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皮を除去したらイクラについたカスを除いてバットに開けて塩を振ります。

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途中に皮が破れてしまったものも除きます。
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よく混ぜて2~3日寝かせれば完成です。
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最初に白濁したときにはどうなるのか? と不安になりますが
工程が進むにつれ透き通っていき最後は光り輝く出来上がりになります。
半分は冷凍保存。
今年も美味しくできました。




2014.11.14 里山のキノコ
先日の昼過ぎ、里山のキノコを採りに行こうと
3:00になるやいなやそそくさと閉店して準備万端 
「さ! 行こうか」  となった途端に豪雨  

そのあまりの激しさに「止めようか」 とつい気弱になりました。

でも藪漕ぎをするならともかく
大きな木の下でしかも平地に出るキノコだから
見るだけでも行ってみよう
と欲張り根性を発揮して出かけました。

出る場所、出る対象、出る時期を全てつかんでいる
ピンポイントだからこその雨中行です。
とはいえ正気の沙汰じゃないのも事実。

出発するときから長靴を履く程です。

ところが!
目的地に近づく程に雨足が細くなり、だんだん弱くなって
到着する頃にはなんと路面が乾いているんです。

きっと雨雲が細長い奴だったんでしょう。
所により   というものなんですね。
こういう事もあるんだなと妙な感心をしてポイントに入りました。

朝夕の冷え込みが強くなってきて喜ぶタイプのキノコが一斉に
出ています。


採り始めたらここでもやはり雨が落ち始めるのです。
急いで収穫を終えました。
正味30分

まずまずの量を得る事が出来、雨の中を運転して帰宅。

冷えた体を温めるのにうどんを作りました。
採ったばかりのキノコを入れてキノコうどんにします。

山の香気一杯の美味しいうどんを食べながら
今年はあと何回山に行けるだろうかと話しました。

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もうそろそろ冬タイヤの出番です。
少々の積雪なら出掛けられるように準備だけは
しておかねばなりませんね。







G氏はルアーフィッシングの達人でこれまでにも
大きなサクラマスや大量の太刀魚、目が回るほどの多量のアオリイカ
などなどその技量の確かさを嫌と言うほど実感させてもらえる獲物を
分けていただきました。

今回夜に持ち込んでこられたのは巨大なスズキです。
この日は定休日だったので店内にあった営業中の看板を並べてみました。
90cmあります。
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90cmというのは成魚のブリと同じくらいのサイズです。
私の持っている釣竿なら確実に折れます。
タコ釣り以外の私のタックルでは絶対糸切れします。

とてつもなく暴れたそうです。

一日あちこち回ってきたそうで
「私じゃ手に余る」
「大きすぎてまな板に乗らない」
などと言われて最後にウチに来たと言う訳です。

大感謝して受け取りました。
シンクに入れるとまるで半身浴です。
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魚で一番おいしい部位を挙げよと問われれば
「頭」と即答する私はこの頭が何よりの御馳走です。

次に胃袋。
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次がアラ。
次が皮。
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上身は一番最後。

普通一番喜ばれる刺身は私にとっては
順位としては低いんです。

だからと言う訳じゃありませんが、
これを寿司にしてお返しします。

G氏のお宅は子だくさんなのでシャリをたっぷり入れた
ボリューム満点のものにします。
もちろんワサビは入れません。

まず押し寿司。
サクを塩と酢で軽く絞めてエビと合わせます。
白身の淡白をおぎなう為に卵焼きを挟みます。
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次に
アメリカの寿司職人がやっていた
サーモンロールが美味しそうだったのでパクってみました。
これはちょっと長くなりますが案外簡単に出来ます。
何といっても型枠が無くとも可能です。

ラップにシャリだけ広げて具を並べます。
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ぐるりと巻いてラップを外し
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ガリを並べ昆布で軽く絞めた切り身を乗せます。
ワサビが欲しい方はここで塗り付けて下さい。

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サーモンロールはこの上からラップをかぶせてそのままカット
しますが、これは持ち帰りなので
しっかりとラップで巻きカットします。

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締める時には両端を巻き込んでおくことを忘れずに!
さもないと押さえた分だけ横からはみ出てしまいます。

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なんだかただの棒寿司にしか見えませんね。


奥様に連絡して取りに来てもらいました。
胃袋の中を報告して伝えてもらいます。
大きな魚をさばくのはとても良い勉強になります。

新鮮な魚はなまくら包丁では刺身にできないので
滅多に出番のない青紙鋼の刺身包丁を出しました。

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普段は新潟三条の手打ちでこれもなかなか切れ味が良いのですが
活きが良すぎると滑りが悪くなり繊維に引っかかります。

ところが同じ三条の手打ちとはいえ青になると
何の抵抗もなくスッと滑ります。
鉄も奥が深いものですね。





2014.11.01 ハツタケ
ハツタケを採ってきました。
ハツタケはアミタケと並んで里山の代表的なキノコです。
郷里の能登では耳の形に似ているところから「マツミミ」とも
呼びます。
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松林に出るのです。
それも大樹ではなく若松です。
土は赤土が多いでしょうか

そんなところは概して藪がひどくなく女子供でも簡単に
歩ける安全な場所なのでいわゆるキノコ採りの入門編に
なっています。

アミタケは簡単に誰でも採れます。
しかし、ハツタケはモノによって青っぽかったり
茶色だったり、赤っぽかったりします。

これはつまり松の色素と言ってもよく
松の樹皮の剥がれ落ちた一片の裏側など
まさしくハツタケそっくりになっています。

またキノコは全てがそうであるように
出始めの幼菌、
育った成菌
遅くなった老菌
その形が順次変化して見つけにくいのです。

ですから目を凝らして探すという一番最初の
キノコ体験となるのです。

ここ富山では不思議と採らないで放置する人が多く
おかげで沢山採れます。

おそらく食べられることは知ってはいても
美味しい食べ方を知らないのかも知れませんね。

これをアミタケなどのようにそのまま味噌汁にしても
それほど美味しく感じないはずです。

食感がぼそぼそしているからです。
でも良いダシが出ます。

キノコご飯や、煮物、揚げ物などが有名です。
でも普通は焼いて醤油をかけて食べます。

特殊なところでは焼いてから燗酒に浸してキノコ酒にします。
また余った時には針と糸で通して乾燥させれば保存がききます。

乾燥剤を一緒に入れて密封袋にしまって冷凍庫にでも入れておけば
かなり日持ちがします。

キノコうどんなどで活躍します。
標高の高い山ではそろそろ冬が始まり
キノコ前線は里山に移ってきました。

雪が積もる前に山の恵みを頂いてきましょう。
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「初茸や まだ日数経ぬ 秋の露」  松尾芭蕉
「初茸の 無疵に出るやら 袂から」 小林一茶

キノコの教科書に載っている句です
江戸時代を代表する俳人はハツタケをどのように味わっていたのでしょうか?
と結んであります。

本当に興味の尽きぬところです。

「はつ茸や 妹にくハせん 草結び」  才麿

こちらはネットで見つけました。
そうアミタケやハツタケは下校時に道草しながら採ったものです。

そんな時にはカゴなど持っていませんので
ススキの穂に刺して持ち帰ったものでした。
懐かしい思い出です。
あの頃の野山の光景をありありと思い出せます。
2014.10.31 サルナシ
サルが全部食べてしまうから人間の食べる分は無し
というのが語源だと言われるサルナシ。
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実際、今まで採れた記憶がほとんどありません。
せいぜい2~3個くらい。

北海道にはサルがいないそうでサルとはつかず
コクワというそうです。
なんだか沢山採れそうな予感で食い意地のはった私なんぞ
それだけでワクワクします。

ドリームカムトゥルーの「晴れたらいいね」の歌詞で
コクワの実を採ってね♪
なんて歌っているように
これは採るのにも難儀します。

女性でなくとも出来ることなら誰かに頼みたいところです。

見つけるのに困難、採るのにも難儀
だからサルに全部採られてしまう  と言う訳です。

今年、標高の低いところで偶然これを見つけました。
熟したものは甘くて美味しいんです。

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キウイの仲間だということはよく知られていますが
実はキウイよりも偉いやつなんです。
栽培種のキウイは中国原産の確かオニサルナシとか
だったはずです。

だから毛むくじゃらなんですね。
日本のサルナシは皮ごと食べられます。
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キウイも美味しいのですが、どうかすると喉がチクチクする時が
あり、苦手だという方もいます。
これは全くそんなことはありません。

日本で採れる野生の果実の中では最も美しいともいわれます。
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ただ自然のものなので一斉に完熟とはならず
ざるにでも盛っておいて完熟になったものから少しづつ食べる
という感じになります。
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採る時には高枝切狭みがあると非常に便利です。
というか
これが無いとほとんど採れません。

ツルはどんな高い処までも這い上がりその途中に
実がつくんです
細い枝まで登って採るなんてのはやはりサルにしかできない芸当です。

高枝切鋏みさえあれば人に頼まなくても女性でも簡単に収穫ができます。

生食で堪能した後は
ホワイトリカーに漬けてグラニュー糖を少々
果実酒に仕込みました。
出来上がりが楽しみです。
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来年はこれでワインを作ってみたいものです。

そうそう一昨日のNHKでどこでだったかは忘れましたが
これを栽培して採らせてくれるところがあるそうです。
最近は皮をむくのが面倒だという事でリンゴなどが売れ行き不振
だそう

そこでこんな小さなしかも皮をむかずに食べられるものを
コンビニなどで販売しようという動きがあると言います。
コンビニなどでサルナシが並ぶ光景を見てみたいですね。


2014.10.27 モクズガニ
先にモクズガニのカレーをご紹介しましたが、
あの初体験の美味しさが忘れられずまたまたカニを獲ってきました。
正確には夜の鮎漁のついでに網にかかる奴を別袋に入れるだけ
なのですが
これが案外手間のかかる厄介な作業です。

なにしろ奴は手足が沢山あってそれが全部網に絡みつくんです
しかも大型のものはハサミでつまむ力も半端なく強くて
「イタタタ」と思わず声が出てしまいます。

昔良く出かけたワタリガニ漁を思い出しました。(釣りも)

私は鮎は初心者なのではなっから大漁は望んでいませんから
さして気にもとめませんが、大漁を前提としているプロがこれを
放り投げるのもよっく判りました。

同じビクに入れようものならせっかくの鮎をたちまちちょん切って
しまうに違いありません。

これを家でタルに入れて水道水で5日泥を吐かせます。
きれいな水質の清流で獲ってくるのですが
それでもかなり水が汚れるので毎日水を交換しなければなりません。

そして、昆布とともに水からしっかり茹でます。

今回は残念ながらオスばかり、メスの内子がとても美味しいと
聞いてはいましたがまたまた次回に期待しておきましょう。

待望の実食。
ところが、なんという淡白な味!?
前回の小型のダシが旨かっただけに期待を裏切られた感が
否めません。

そこで早々に諦めて、カニ飯に移行することにしました。
お米で濃縮することによりもう少し美味しくなるかもと期待。

小型は身を取り出せません。
仕方なく今回もつぶしです。
これの盛んな土地では生きているカニをミキサーにかける
そうですがとてもそんな勇気はありません。

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でもそうせざるを得ないという理由はよく解りました。
とにかく知らないことだらけのカニです。

普通は牛蒡や薄揚げなどを加えますが
極力、カニだけの味見をと
でもせっかく山で採ってきたキノコがあるんですからほんの少しだけ
加えてスイッチオン。
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味付けは
酒、塩、しょうゆ少々、味噌
不思議に味噌をいれるとピタッと味が決まりました。
ずがに汁と言うものの秘密も判る気がします。

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炊きあがりました!

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なかなか美味しいものです。
でも先のカレーと比べるとやはり物足りない気もします。

しばらくこれの勉強が続きそうですね。
幸いここ富山市では意外にライバルが多くないので
材料の調達には困りそうもありません。

美味しい法則を習得出来たらきっと
楽しめそうです。


2014.10.04 鮎味噌を作る
鮎を網で獲る、捕まえるというと竿を持つ釣り師からみれば
堕落なのでしょうが、これが案外に面白いのです。

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私は能登出身で家内は鹿児島出身、どちらも子供の頃から
鮎にはなじみがなく今でも沢山は食べません。
それでも以前に比べたら食べるようになってきたかな?
と言う程度。

それも焼きたてを頂き物の美味しいスダチをかけて
ようやく美味しいと感じるレベルです。

以前はお昼のミニ丼で炊き込みご飯にしたり
それをさらにチャーハンにしたりしていましたが、
いまではそれも無くなり余るだけになりました。

それでその余ってしょうがない鮎を加工してみました。

こんな事を書くと
「鮎は塩焼きに限るんだ!
とのお怒りの声が聞こえそうですが
世には鮎味噌という類まれな絶品の酒肴があると聞けば
作ってみたいのが当然でしょう。

”鮎味噌を作るにはまず、大量の鮎が絶対必要条件となります”

    「あるよ」

というわけで始めました。
ところがその作り方を調べると

鮎を焼いてほぐし、味噌と混ぜる

え!?

そんなんでいいの?
だってネットで調べると最安値価格などと言うものが
勝手に表示されて 150g入りで 2,160円 っだていうのに!?

そんなんじゃ美味しそうじゃないな~?

と不吉な予感が走ります。  

というわけで色を付けてみました。
まず、富山のクワイ川とでも呼ぶべき一級河川で蓼を収穫します。
鮎といえば蓼に決まっているからです、

次にネギをどっさり切り、よーっく炒めます。
味噌を加えてネギ味噌を作ります。

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蓼を良く洗い、水を代えて3日間さらして
葉を刻みます。
葉脈を切るためです。

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すり鉢でよく擦ります。

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そこへネギ味噌を投入。
そこへ焼いてほぐした鮎を混ぜます。

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ここで大問題です。

養殖の鮎と違って天然の鮎というのは
はらわたに小砂利の入っていることがあるんです。

それじゃ腹を出して焼けばいいんじゃないの? と
普通誰でも思いますよね?

しかし!  なぜ今作るのか!  と言う点です。
これが無ければお話にならないんです。

今の時期 卵と白子が入っているんです!
子持ち鮎のハシリなんです。
つまり未完熟の最も美味しい卵という貴重な一瞬間。

というわけで慎重にはらわただけを除去しつつ、
卵と白子はしっかり頂いて混ぜます。
混ぜます。

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混ぜます。


完成!

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旨いじゃないの!

ご飯にのせても、そのままおつまみにしても美味しい
鮎味噌の初挑戦の巻でした。
2014.07.21 青山椒の季節
今年も実山椒を採りに行ってきました。
初夏の定例となってはや10年以上になりますが
いつもあっという間に通り過ぎる収穫適時をタイミングよく
捉えることに苦労しています。

未熟なものは柔らかすぎて風味に乏しく、かといって
少しでも適時を過ぎた実は硬くなってしまうのです。
概して山の実もの類は成長が早いので仕方がありません。

平地の実山椒が適時をやや過ぎたころに里山付近のものが
採り頃を迎えて、俄然忙しくなります。

季節が進むのと歩をあわせて標高も上がっていきます。
私はそれぞれ標高や地形日向のことなる約20か所ほどを
ポイントしていますがそれでも毎年遅れそうになります。

ところで
「山椒は小粒でピリリと辛い」という言葉はどなたもご存知でしょう。
でも案外小粒山椒というものは見つからないものです。

長年、山中を探し求め続けましたが見つけられず
とうとう小粒を使いたいときには超早採りをするしかないのかな
と思い始めていました。


というのは
今年ついに念願の小粒種を発見したからです!
やりました!
市販の栽培種では選別がなされてとっくにあるんでしょうが
山の自生種では普通はどれも同じような大きさしかありません。

唯一変ったところでは有峰で大粒種を見つけたぐらいでしょうか?
私はこれを「A-L1」と自分なりに分類してポイントしています。
今年は足腰の調子がいまいちなので再びこれを採取できるかは
不明ですがこのポイントは一番標高の高い地点です。

とことん研究したわけではないので断定はしませんが、1,000mを
超えるところでは山椒の木は見かけないようです。

今回見つけた小粒種はさっそく自分なりに「○ーS1」とポイントを
して少しだけ収穫しました。
残りは秋に収穫するためです。
皮は薬味に使いますが主目的は栽培です。
何年後かの小粒種の栽培が夢です。
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ここ富山では実山椒の需要が少なく
デパートなどでも一時期だけ販売されるそうですがほとんど
売れ残るそうです。
ですから普通のスーパーなどではまず店頭に並びません。

デパートで売れ残りを買い占めたY氏のそばに
「それ、何に使うんですか?」と尋ねに来た主婦の方も
ただの興味半分だったそうです。

いっぽう
中部地方では飛騨地方が産地としては有名です。
産地として確立するまでには相当なご苦労があったはずです
山椒の木というのはとても気難しい木なのだそうですから。

今では時期になると普通に道端の直売所で並んでいます。
最初に見かけたときにはその光景を不思議に思って
「普通の家庭の主婦の方が買っていくんですか?」
と尋ねてしまいました。

プロ用なら流通経路が違うからです。
「はい、普通の奥さんたちが沢山買っていくんですよ」
と聞いて二度びっくり

「今だけ」
「すぐ硬くなってしまうと売りものにならなくなります」
と聞いて三度びっくり

なんと私が時間をかけて少しづつ勉強してきたことが
産地では当たり前だったんですね。
次に飛騨へ行ったら家庭での実山椒の用途を聞きかじってきましょう。
  
まだコシアブラという山菜が今ほど一般に知れ渡っていない頃、
家内と山に入るとそれこそこれでもかと言うほど沢山ありました。

それからわずか数年であっという間に少なくなったのですが
最初のうちは大型リュックに持ち重りがするほど採れたものです。

当時から西アフリカの子供たちへの給食支援を応援していたので
よし、これを友人の朝市販売に託そうとしたのです。
ところが!
沢山採れる=誰も採らない=誰も知らない→売れない
という現状だったのです。

「どうやって食べるの?」
「天ぷらかきんぴらなどでどうぞ」
「きんぴら???」

というわけできんぴらを作って試食に出しました。
すると
「それを売ってくれ」というのです。

この時から山菜のきんぴらを作り始めました。
大量に採ってきても火を入れると少なくなります。
そこで色々な山菜をまとめて入れるようになりました。

すると意外なことに気付くのです。
山菜はそれぞれに味や香り、クセ、歯ごたえ、など
皆異なる特徴があるのですが
ミックスすることで美味しさが倍増するのです。

例えば
一本の山ウドがあったとすると普通は先端を天ぷら
根際は皮を剥いて酢の物
剥いた皮をきんぴらと言う風に使いますよね。

するとそのきんぴらは同じ味、同じ歯ごたえと一色になります。
ところが大量に作ろうとすると全部きんぴらにしてしまうわけです。
出来上がったものは柔らかな茎、葉とやや歯ごたえの残る茎皮
しっとりとした中芯と一口ごとに違う食感が楽しめるのです。

一種類だけでもこれほど美味しさが広がるんですから
数種類を混ぜるとそれどころじゃありません。

特にこれといった風味のないオオバギボウシは
炒めてもしっかりとしたシャキシャキとした歯ごたえが気持ちよく
野ブキやワラビなどは決して埋没することのない香気を放ち
ヨシナなどは単独で食べるよりもなお、旨みを強めるのです。

つまりそれぞれに無い特徴をお互いに補い合いながら
旨みを醸成してくれるのです。
山菜の力って本当に不思議ですね。

もちろん
栽培された野菜でもこれが起こることは誰でも知っています
一品だけ炒めるよりは数種類を使って野菜炒めにした方が
美味しいという事は常識です。

ただ、畑野菜よりずっと個性の強い山菜同士を組み合わせたら
どうなるのかを私が知らなかったというだけなんです。

それから配合や組み合わせを研究しました。

その結果香気の強いものと弱いもの
歯ごたえの良いものと柔らかなもの
などをバランスよく組み合わせた方がもっとも美味しいと解りました。

以下
それぞれの特徴を列記してみましょう。
山ウド        香りと旨み、歯ごたえ
オオバギボウシ  歯ごたえ
コシアブラ      香りと旨み、コク味
ミヤマイラクサ   旨みとこく味
ススタケ       歯ごたえと旨み
タラの芽       旨み
野ブキ        香りと歯ごたえ
ヨシナ        旨みとかすかな粘り
ワラビ        旨みと香りと歯ごたえ 
ヨブスマソウ    香りと旨み、コク味
ショウマ類     癖のない旨み
オオナルコユリ  癖のない旨み、コク味
アマドコロ     甘味と旨み
コゴミ        癖のない旨みとかすかな粘り

下ごしらえが必要なものには処理をして刻んでから
全部ひとまとめにして炒めます。

ただし、ここで問題なのが油です。
普通のサラダ油ではいけません。
きんぴらゴボウなどで経験アリと言う方もいらっしゃるでしょうが
作ったその日はいくら美味しくても一度冷蔵庫に入れると
ガタリと味が落ちるものです。

ここでは何々油がよろしいですよとは書けませんが
油を工夫すれば冷蔵庫に入れても、冷凍しても
全く味落ちしない油というものはあります。

味付けは砂糖、しょうゆ、七味、仕上げにごま油少々。

たったこれだけで未知の山菜の美味しさに仕上がってくれます。

さあ、どなたも山に出かけましょう!
美味しい山菜が食べごろです!

ちなみに店では200g入りパックで300円にて販売しております。
こちらで9種類の山菜が入っています。gae-4.jpg

9層の旨み相乗効果というわけでとても美味しい味わいです。
酒肴にもご飯のおかずにも合います
お早目にどうぞ。