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今年は足の調子が今一つパッとしないので渓流釣りを控えて
もっぱら里山の山菜採りに出歩いています。
この季節は地中からも木からも美味しい山菜がわんさか萌え出でて
アレはお浸しに、これは天ぷらにともう目が回るくらいです。

そんな沢山ある山菜の中から今回はハナイカダをご紹介しましょう。
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桜の花びらが水面に浮かぶのも花筏(はないかだ)と呼ぶそうですが
山菜の場合はカタカナの表記です。
地方によってはママコなどとも呼ばれている人気の山菜です。

漢字の方は見るだけですがカタカナは美味しい食べ物です。
”花より団子派”にはぴったりじゃありませんか?

これの気性は
半日蔭の湿り気のある斜面が好きなようです。
山菜に限らず植物は好適地に繁茂しますから
どんなところが好きなのかを学ぶのが上達の近道。

日当たりのいい野原はワラビやウドが多く、
湿った日陰の好きなゼンマイにとっては過酷な条件となります。

木を見て森を見ず  ではありませんが
その地その条件下がどんな山菜を育むのかをまず、学びましょう。
将を射んとすればまず馬を射よ  とも言いますよね。

ハナイカダは
早春、日蔭から陽光を求めて細い枝を伸ばして成長し、
先端に芽吹きます。

株が大きければ何本も新枝を出しますが、小株だと一本だけ
当然そういう小株には先端の一芽しか萌え出ません。
これはタラノメやコシアブラと同様です。

なるべく大きな株を探して間引くように採取したいものです。
そのたった一芽だけ萌え出たものを摘み取ると枯死するかもしれません。

小さな芽なら丸ごとを天ぷらなどに
ある程度育った葉なら一枚での天ぷら
と使い分けるのですが
ハナイカダの命名の由来となったこの花

これはつぼみで、咲いた状態でも目立ない地味な花です。
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小さな新芽でも広げてみればもう葉にこれがついています。
葉の上に花が付くというのはこれしか無いそうで、
見間違える心配は絶無と言われています。

つまり
見つけやすくて採りやすく、見間違える心配のない
誰でも簡単に沢山採れる美味しい山菜という事です。

身近な里山でもどこでも在ります。

ものの本によりますとこの後
赤い実がなり熟すると黒くなるそうですが
それを鵜呑みにして探そうとしてもなかなか見つけられません。

私も花までなら沢山見ていますが未だかつて実った姿はお目にかかれていません。
例えば山椒が雌雄異株なのはよく知られていますが、
雄株に花が沢山ついても実らないのと状況は同じなのでしょう。

もっとも実るころになったハナイカダは山菜として食べるには遅く
硬くなってしまっているのでこのくらいまでが食べごろです。

実は赤から夏の終わりには黒く熟し、かすかなほろ苦さは
あるものの甘くておいしく生食も出来るそうですが、
果実酒にもよろしいそうです。

山菜としての食べ方は
クセやアクがほとんどないので茹でてかつお節を掛けたお浸し
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酢醤油を掛けただけ、胡麻和え、白和えなど
どんな料理にでも出来ます。

また天ぷらにする時のコツは、やや低温でじっくりと揚げる事。
高温で素早く揚げようとすると、えてして紙っぺらのようになります。
衣は裏側にだけつけて花をアクセントにできれば大成功。

生のまま細かく刻んで塩もみし、よく絞って熱々のご飯に
混ぜれば菜飯の出来上がり。

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菜飯では大根葉を使った大根菜飯が有名ですが、
こういう糧飯(かてめし)は今では高級料亭ぐらいでしか
食べられなくなったと聞きます。

しかし、山菜で作るとなんといっても旬の素材ならではの
味わいがあり妙にひなびた風情をわざとらしく演出する
のが馬鹿らしく思えるほどの美味しさがいただけます。

茹でた時にはあんなにアクもクセもなかったのがかすかな
野趣を伴ってとても美味しい菜飯になります。
どなたもぜひお試しいただきたいメニューです。

演出不要のまっとうな美味しさ 間違いありません。

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山菜を使った菜飯の有名なところでは他にコシアブラなどがありますが
単に菜飯と呼ばれます。

しかし、ハナイカダで作ると「ままこ飯」と呼ばれます。
「ウコギ飯」とならんで冠がつくほどなのですから
その美味しさには定評があるという事ですね。


  





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